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掲載日:2026年5月28日
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埼玉県桶川市にて宝永5年(1708年)に創業し、300年以上の歴史を数えるお線香・ローソクの専門店、株式会社丸叶むらた。代々受け継がれてきた伝統を守りながら、現在は10代目がその舵取りを担っています。
現在、国内のお線香業界は全体として減少傾向にあります。長年続いてきたこの伝統をいかにして後世に残していくかという重い課題に直面する中、「お線香=地味、ネガティブ」という固定観念を少しでも変えたいという一心で、現代のライフスタイルに寄り添う自社ブランドの立ち上げに邁進してきました。
約15年前までは関東甲信越が中心だった販路は、この取り組みをきっかけに日本全国へと広がりましたが、当時はまだ、海外展開などという大きな目標は全く考えも及んでいませんでした。
海外進出のきっかけは、新商品の開発にあたり「原料を海外から直接仕入れたい」という相談のために地元の商工会を訪れたことでした。その縁から紹介されたJETRO(日本貿易振興機構)で話が進み、勧めていただいたオンラインサイトへ「ダメもとで」と登録したことが、すべての始まりとなります。
その後、オーストラリアのバイヤーから思いがけず引き合いがあり、オンライン商談を経て初の海外受注・発送へと繋がりました。リピート注文や他店からの問い合わせをいただく中で、少しずつ現地の可能性を意識するようになります。
本格的な進出にあたっては、埼玉県の海外展開支援補助金という貴重な後押しをいただき、地元商工会の多大なる協力を得ながら、2025年2月にシドニーの展示会への初出展を果たしました。
海外での出展経験はなく、現地情報も少ない中での手続きはすべて自社で行いましたが、問い合わせへの返信が一切ないなど、最初から海外の厳しい壁に直面することとなりました。それでも、見かねて手を差し伸べてくれた多くの方々の力を借りて、なんとか出展に漕ぎ着けることができたのです。
現地では「日本のお香」がまだ珍しかったこともあり、大変ありがたいことに多くの注目をいただき、翌2026年の2回目の出展では、前年の約3倍という身に余るほどの受注をいただく結果となりました。

シドニー展示会の様子
当社の挑戦はオーストラリアに留まらず、イギリスや台湾市場へも広がっています。
ロンドンでは、現地の見込み客に対して手探りでの飛び込み営業を行うなど必死の活動を続けました。その際、未熟な私たちの話に熱心に耳を傾けてくださった現地企業の社長との貴重なご縁をいただき、現在も大切なお取引が続いています。
また台湾市場においても、現地の協力企業の多大なる力添えをいただきながらブランドの認知向上に努めており、日本の展示会へわざわざ買い付けに訪れてくださる方との出会いにも恵まれました。2026年8月には、台北での展示会への出展も予定しています。
ロンドンでの様子

台湾での様子
日本が誇る「先人に対する感謝の気持ちを込め、手を合わせて祈る」という文化は、お香の文化と深く結びついています。
当初は想像もしていなかった海外展開ですが、地域の皆様の温かい支えや、様々な方との繋がりに生かされる形で、一歩ずつ進むことができています。
国内の専門店市場で学ばせていただいた良き文化と品質を大切に守りながら、世界の方々に寄り添うお香を届けていけるよう、これからも感謝の気持ちを忘れずに、誠実に挑戦を続けてまいります。