ページ番号:240222

掲載日:2023年10月18日

ここから本文です。

秩父市 「観光MaaS による二次交通などで移動を快適で楽しく」

秩父市には魅力的な観光スポットがたくさんありますが、移動の利便性や回遊性に課題があります。新たなモビリティの導入など、来街者に快適で楽しい移動体験を提供したい!

説明資料

アーカイブ動画

秩父市サムネイル

発表概要(グラフィックレコーディング)

下の図をクリックすると、拡大した図が表示されます。

秩父市グラレコ2(JPG:1,082KB)

アーカイブ動画のテキストデータ

発表

秩父市

「観光Maas(マース)による二次交通などで、移動を快適で楽しく」というテーマでガバメントピッチの発表をさせていただきます。秩父市役所先端技術推進課の山中と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

本日の発表の構成は、このようになっております。

まず、秩父市の概要について少し細かく御説明をしたいと思います。

秩父市は埼玉県の北西部に位置する、県内で最も広い面積を持つ自治体です。

人口は約5万8,000人。周囲を山々に囲まれて、地域の87パーセントは森林に覆われて、山間地域が多い街です。

秩父市の特色です。まず、写真を御覧ください。春は芝桜、羊山公園に約40万株の芝桜が咲いて、秋には秩父盆地が雲海で覆われ、12月には秩父夜祭が行われる、自然と文化豊かな観光地です。約10年前になりますが、秩父を舞台にしたアニメの三部作が作られたアニメの聖地でもあります。

また、ウイスキー好きの方には知る人ぞ知る「イチローズモルト」でも有名な土地ですが、他にも日本酒、ワインなど、お酒づくりが盛んな地域でもあります。

こちらは、観光入込客数のグラフです。コロナ禍以前は、西武鉄道のテレビCMなどの効果もあり年々増加傾向にあり、年間600万人に迫るお客様が訪れていました。コロナ禍で一時落ち込みましたが、現在は徐々に回復傾向にあります。

こちらは地域の特性のグラフです。他の多くの自治体同様、秩父市も人口減少、高齢化が進行しております。今後、この状況にますます拍車がかかってくることが予想されます。

これまでの取組と経緯について、御説明いたします。

昨年度、デジタル田園都市国家構想推進交付金のデジタル実装タイプ、タイプⅡを使い、お隣の横瀬町さんと一緒に「秩父市・横瀬町スマートモビリティによるエコタウン創造事業」に取り組みました。

この事業では、「ドローンによる緊急物資配送」「AIによるデマンド交通」「観光MaaS」の3つの事業に対して社会実装し、今年度もサービスを継続しています。

この「秩父市・横瀬町スマートモビリティによるエコタウン創造事業」に取り組んだ背景でございます。ここにあるように、生活インフラの脆弱性といった地域課題も1つではあるんですけれども、観光に関しては、駅から観光地へ向かうための二次交通が乏しいことが、背景の1つです。冒頭にお伝えしたとおり、埼玉県の約15パーセントの面積という広大な地域に対して、右の写真のように、各地に観光スポットが点在している状況がございます。

背景の2つ目です。こちらは、埼玉県内の40市の中で、自動車保有率の割合を示しているグラフです。御覧いただいたとおり、秩父市が最も高い割合を示しており、自動車社会、自動車がないと生活できない社会となっています。

背景の3つ目です。秩父市内では、西武観光バスさんの路線バスに運行いただいています。ただ、グラフを御覧いただくとおり、13路線中、7路線が赤字路線となっていて、秩父市や埼玉県が補助金を支出して運行していただいている状況が続いています。

これまでの背景から見てきたように、住民は、自家用車中心の生活を送っていますが、高齢化が進むことで、免許返納などで運転できない高齢者が増加して、移動困難な状況が発生しています。

また、観光客の方の約6割の方が、マイカーでお越しいただいているといったデータもあり、マイカーで来られる方が増加することで、その分渋滞が発生し、バスやタクシーなどの他の移動手段を使う観光客の移動もますます困難となり、移動の困難スパイラルが発生してしまいます。

こちらは、令和2年3月に行った観光客向けのアンケート結果の抜粋です。各リピート層の秩父市内での交通手段を調査した結果ですが、棒グラフの灰色である、特にリピート時期を考えていない方々の声を見ると、レンタカー、タクシー、路線バス、レンタサイクルなどの現地でのモビリティを利用していない結果が表れています。

一方で、徒歩での結果は変わっていないため、歩いて行ける観光コンテンツのみを利用し、秩父エリアを充分に観光できていないのではないか、ということが推察されます。

この観光アンケートから見えた考察です。観光客のリピート率向上を図るためには、秩父エリアでの移動手段、モビリティ活用の充実を図ることが必要です。アンケートを実施した西武ホールティングスさんは、既存のモビリティの効率・効果的な利用を図るためには、各観光地間を最適に周遊することが可能な旅程策定機能、マース機能の整備が有効だと考えました。このような機能を有効に活用することで、観光客の満足度を向上させ、リピート率アップにつなげるよう昨年度、観光MaaSの構築に一緒に取り組みました。

こちらが、スマホ向け観光MaaS「のってみ秩父」です。旅程検索、マップや経路検索、観光スポット情報を実装していますので、皆さんも後ほど「のってみ秩父」で検索して、サイトを御覧ください。

続いて、「課題解決に向けて」です。

この「のってみ秩父」ですが、サービス開始後は、西武ホールディングスさんが運営をしています。「のってみ秩父」を使うことにより、各観光地間のルート検索や最適な周遊ルートの提示がされるようになりました。

しかし、現実は、エリア内を移動する最適な交通手段がない場合がございます。右の検索結果を御覧ください。市内吉田地区のスポットを検索した場合、各スポット間を徒歩で移動するよう提案される例もあり、徒歩では非常に多くの時間を要してしまいます。

このように、最適な二次交通がない理由の1つには、採算性が確保できない地域特性がございます。市街地から30分ほど離れた地域には急峻な山間地域があり、谷ごとに道路が分断されていて、集落の先が行き止まりの地域も点在しています。このような地理的な場所に観光スポットも点在しているため、その間の移動を伴う二次交通には、採算性確保には厳しい状況がございます。

「皆様へお願いしたいこと」でございます。

最適な二次交通を導入し、採算性課題をクリアした先に、実現したい理想の姿です。市外から様々な年代の方々が、公共交通機関を使って、秩父を訪れ、観光MaaS「のってみ秩父」を利用しながら、快適に効率良く、楽しみながら多くの観光スポットを回遊する姿です。

理想の姿に近づけるため、2名のペルソナを設定しました。

1人目は、登山以外にも秩父エリアを周遊してみたいと思っている、65歳男性の「池袋 一郎」さん。

2人目は、秩父市に以前から興味を持っていましたが、アニメをきっかけに初めて秩父に訪れたいと思っている25歳女性の「所沢 花子」さんです。

2名のペルソナの思いを達成するために「皆様にお願いしたいこと」の1つ目は、ずばり、新たな移動体験の御提案です。移動体験の中でも、3つにパターン化してみました。

1つ目は、駅から近距離の移動です。例えば、電動キックボード、Eバイクやシェアサイクルなどです。

2つ目は、駅から長距離の移動です。例えば、今後の環境にも配慮した、EVカーシェアなどです。

最後3つ目は、ペルソナの視点からは異なりますが、住民のための移動です。

例えば、自動運転カーや2025年大阪万博を契機に普及が想定される空飛ぶクルマなどの移動手段も御提案いただければと思います。

また、楽しい移動ツールの御提案もお願いしたいです。秩父市には、多くの観光地やアニメの聖地スポットがございます。そのスポットに対して、ARやVRなどの技術を用いて、リアルな体験を可能とするアプリケーションなども御提案いただければ幸いです。

皆さんと一緒に、秩父市をフィールドとして、新たな移動体験や楽しい移動ツールを活用した実証実験を行い、課題解決型の新しいビジネスモデルを構築し、「秩父モデル」として秩父地域や他の山間地域への横展開を図っていきたいと考えています。

秩父市は、実証実験のフィールドの調整し、関係各部署と連携し、熱意を持って一生懸命取り組みます。

こちらでは、本日お伝えした内容をまとめておりますので、後ほど御確認ください。

最後になりますが、皆さんから、私たちの想像できなかったような、秩父市の課題解決つながる熱い御提案を心よりお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。

以上で発表を終わります。御清聴ありがとうございました。

質疑応答

モデレーター

はい、山中さん、ありがとうございます。最後の発表、山中さんでした。今回もですね、グラレコをこんな形でまとめてもらっております。またここから質疑応答の時間を、少し短い時間になってしまうかもしれないんですけど、進めていければなと思いますので、皆さんチャットの方にも是非、意見とか質問とかを書いていただければ幸いです。

では山中さん、まず僕から口火を切っていきますけども、二次交通、1個目で発表していただいた横瀬町も二次交通の話だったかなと思うんですけど、エリア的にも秩父市と横瀬町、すごく近接になっているんですが、そうした横瀬町との近接連携であったりだとか、観光スポットの共有とか、そういう方々と前向きに協力していったりとか、連携していくっていうことも可能なんでしょうか。

秩父市

はい、もちろん可能でございます。この「デジタル田園都市国家構想推進事業」で横瀬町さんと一緒に連携をしまして、「のってみ秩父」の観光MaaSのところには、横瀬町さんの観光スポットも載っております。また、秩父地域1市4町ということで、小鹿野町、皆野町、長瀞町、こういった周りの町とも協力して、連携して、進めていければという思いはあります。

モデレーター

なるほど、いいですね。もちろんそれは、秩父だけ、横瀬だけで提案したいよってこともちろんオッケーなんですけども、そうした、少しエリアを広げて考えるってこともできるってことですもんね。

秩父市

そうですね。はい、大丈夫です。

モデレーター

はい、ありがとうございます。「空飛ぶ車」みたいなこともありましたけども、なかなかそうしたいろんな規制があるけど、そういったことも、山中さんたちで頑張って実証実験できるようにしていくよ、ということだと思うんですが。この移動に関して言えば、そういった空飛ぶ車のようなものであったり、ライドシェアみたいなものであったりだとか、移動そのものがより便利になれば、どんな提案でも何とか行政の解釈の力を使って「実証実験からまずやっていきます」ってことなんですかね。

秩父市

そうですね。我々で、本当に様々な二次交通のこの課題解決のための御提案をいただく中で、法的な規制だったりだとかそういったものがあれば、このあたりは調整をしてですね、何とか頑張って突破していきたいなという思いはあります。

モデレーター

一方で、業種というと「うち、ちょっと交通系じゃないからな」とか、そういうようなことを思ってしまう企業さんもいるかもしれないんですけど、「こういう企業さんとやっていきたいんだよね」「こんな思いを持っている企業とやっていきたい」みたいなところのイメージってありますか。

秩父市

そうですね、先ほどから繰り返しになりますけれども、二次交通の解決の手段というところに関しましては、イーバイクとかカーシェアとかそういった部分もありますので、そういったソリューションをお持ちの会社さんであったりだとか、何より、採算性の壁があるということで申し上げましたけれども、この部分、なかなかこういった地域で、実証、そこから社会実装をしていく中で、採算性のところが難しいというところはあるんですけども、そういったところ、度外視とはもちろん言いませんが、そこの壁も乗り越えてですね、この地域課題を解決するという思いを持った事業者さんと一緒に、良い取組をさせていただければありがたいなと思っております。

モデレーター

今、いろんな取組をされている、既存の取組も例えばバスであったりだとか、シェアサイクルとかレンタサイクルみたいなことをやられてるんでしたっけ。

秩父市

そうですね、レンタサイクルは秩父の観光協会さんがやっておりまして、先ほど横瀬町の町田さんのお話にもありましたけれども、これは(秩父地域の)1市4町というところの観光協会さんがメインで、この地域エリア全体でですね、レンタサイクルという形で事業をやっております。

モデレーター

そうした既存の取組、今回新しい、先ほど空飛ぶ車とか、ライドシェアとか、なんかそういういろんなもの、電動キックボードとかっていう話もありましたけど、新しい提案だけじゃなくて既存の取組をもっともっと利用者を促進していくような提案であったりとか、それをもうちょっと変えて、既存の取組をアップデートしていくような提案みたいなことっていうのも、どんどんしてほしいっていうようなものなのか、新しいものにちょっとこだわりたいんでっていうようなものなのか、どちらですか。

秩父市

本当にその両方というところはあります。もちろん、新しいものというところは前提でありますけれども、既存のものに関しましてはやはり、今やっている事業者さん、団体さんがおりますので、そこの部分との調整等も必要になってくるかなと思うんですけれども、ただ、そこに関して、一概に既存の事業者さん、団体さんがあるから駄目ですよ、というわけではありませんので、そこも含めてですね、様々御提案をいただく中で、調整をできるところで、こちらで頑張らせていただければなと思っております。

モデレーター

なるほど。既存の取組の、より利用促進みたいな提案もウェルカムだっていう認識でいいですか。

秩父市

そうですね。

モデレーター

いいですね。ありがとうございます。あっという間の時間になってしまったんすけど、最後に改めて山中さん、思いを、共有をお願いいたします。

秩父市

ありがとうございます。今回は二次交通の課題解決というところにポイントを絞らせていただいて、提案というところがありましたけれども、本当にこの山間地域、先ほど横瀬町の町田さんもおっしゃっていましたけれども、地域全体でこの二次交通が弱いという問題がありますので、我々秩父市だけという部分にこだわらずですね、申し上げました秩父地域1市4町も含めた事業を展開できるような形でですね、本当にこの二次交通の問題を解決、我こそはやるぞといった思いを持った、事業者さんに是非、様々なご提案をいただければ、本当にありがたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。(終)

ページの先頭へ戻る

お問い合わせ

環境部 エネルギー環境課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 第三庁舎3階

ファックス:048-830-4778

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?