インタビュー・コラム

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掲載日:2022年8月23日

C・E さん

プロフィール

30代。結婚、子供の誕生を機に東京から埼玉へ転居。2児の父。
コンサルティング事業会社に勤務。大手企業人事部を中心に、社員育成の教育研修の企画・講師業、社内の風土づくり支援、人事制度づくり業務に従事している。
ライフワークで幼稚園のお父さんコミュニティへ参画したり、ワークライフバランスを推進する資格を所得して有志の勉強会を企画している。
これまでに3回の育児休業取得の経験あり。

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仕事と家庭の両立を目指して埼玉へ移り住む

大学時代から教育関係の仕事に就きたいと考えており、教育(良質な情報提供)を通して、働きがい、成長を支援でき、「各人がよりよく生きること」を実現できると考え、最終的に今の会社を選びました。

現在は、大手企業人事部を中心に、社員育成の教育研修の企画・講師業、社内の風土づくり支援、人事制度づくりに携わっています。

現在、5歳と3歳の2人の子どもがいます。妻の実家は埼玉なのですが、実家に帰省するたびに自然が身近にあり暮らしやすそうだなと思っていました。子育て環境を考えて、第一子誕生のタイミングで都内から埼玉へ移り住みました。いま振り返ってもあのときの選択をした自分をほめてあげたいです。育休はこれまで合計で3回取得しました。

幼少期の環境とオーストラリアでの体験が影響し、これまでに3回の育児休業取得の経験あり

私の両親が自営業で喫茶店を営んでおり、学校帰りに両親がいる環境、朝夕は家族で食卓を囲む生活が当たり前でした。祖母も一緒に暮らしており、いつも大人がいる環境で暮らすことが日常であり、楽しい思い出でした。また、新婚旅行に出かけたオーストラリアでは家族の時間を大切にする文化が根付いており、私の現在の価値観に大きな影響を与えてくれました。日曜日はスーパーマーケットが閉まっていたり、観光地にもかかわらず夕方にはショップやカフェが店じまいをしたり、クリスマスシーズンにはバスが街中を走っていない(クリスマスは家族と過ごすためお休み)様子には衝撃を受けました。日本では土日開店、イベントシーズンはビジネスチャンス、深夜・24時間営業が当たり前になっている中、地域・家庭・経済のひとつの理想の形を見た気持ちになり、「何のために働くのか?」「どんな生活を私は送りたいのか?」を問いかける出来事でした。

そんな経験もあり、子どもが生まれるタイミングで育児休業を取得したいと考えるようになりました。不安が全くなかったわけではありません。ただ、人生の優先順位を考えたときにこのタイミングで家族のことを大切にした時間の使い方をしたいと考え、上司に相談しました。取得時の上司が支援的で理解があったため、おかげさまで、段取り良く取得手続きができました。結果的に今までに以下のとおり、3回育休を取得しました。

1回目:第一子が誕生し、妻が退院するタイミングで2週間+年末年始で約4週間弱

2回目:第一子が1歳になり、妻が職場復帰するタイミングで家庭のことを気にせず仕事に慣れることを目的に3週間

3回目:第二子が1歳になり、妻が職場復帰するタイミングで家庭のことを気にせず仕事に慣れることを目的に3週間

育休当時のことを思い出すと、ミルクを飲ませたり離乳食を食べさせたり、掃除・洗濯をして買い物に行ったりして、あっという間に一日が終わっていた印象があります。

欲を言えば、もうちょっと長く育休を取りたかったと思いましたが、私にとっても充実した育休であり、夫婦にとっても貴重な期間となりました。

3回の取得のタイミングは、ほぼ夫婦の希望どおりに取得できましたが、取得のタイミングや期間は、それぞれのご家庭の状況によりますので、ご夫婦で相談して決めれば良いとは思いますが、育児休業はかけがえのない時間を与えてくれましたので、私は本当に取得してよかったと思っています。

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夫婦で家事分担、義母・義父の協力も得ながら誰かに偏らないことが大事

基本的には、家事は夫婦で分担をしています。

 妻:料理、日常の買い物

 私:掃除、洗い物

 状況に応じて:子どもの支度・入浴・寝かしつけ

私自身の希望で叶えてもらったのですが、妻のご両親と三世帯で暮らしています。義母や義父も掃除や洗濯、孫の送り迎えに協力をしてくれます。

子どもたちも三世帯の暮らしを楽しんでくれていますし、大人がたくさんいる環境は子どもにとってもよいと個人的には感じています。妻も自分の両親であれば子育てや家事の協力依頼もしやすいでしょうし、私も非常に助かっています。たまに子育ての相談にも乗ってもらえて、身近に尊敬できる人生の先輩がいることは本当にありがたいです。

仕事と家庭の両立で意識していることは、日常的な負担が誰かに偏りすぎないことです。日常的な負担が誰かに偏ってしまうと、やってくれることが当たり前となり、無意識の甘えにつながると思います。特に朝はバタバタしますので、妻がやってくれる大前提の甘えた時間感覚にならないようにしています。「もし、私一人でやるとしたらどんな時間の使い方をするか?」は最近よく問いかけながら、自分の時間の使い方を反省しています。妻の段取り力、テキパキした実行力は偉大であり、尊敬しています。もっともっと戦力になれるようになりたいと自然と思わせてくれる妻には感謝です。

スケジュール調整のポイントは、私たちにとって本当に大切にしたい時間の使い方ができているか?を問いかける

仕事をいかに定められた時間内で終わらせながら、家庭との両立を図るかに日々試行錯誤しています。やはり生活の基盤を支えてくれる仕事はないがしろにできません。

私の場合、朝9時までの時間と18時以降の時間を家族時間としてブロックし仕事予定が入らないようにしています。もちろん、ブロックと言っても18時以降はまったくスケジュール調整をしないといった自分勝手なことはしませんよ(笑)。仕事は一人で進めるものより、メンバーと一緒に進めるものが多いので18時以降にも仕事が入ることは当然あります。私が言っているブロックとは、私の基本スタンスをメンバーに明示することです。この人は家庭の時間も大切にしている人だと認識してもらえると、自然と定時内での業務のやり取りになっていきます。またメンバーとの共有カレンダーには、18時以降でも都合の良い日と悪い日を表示したり、事前に相談をもらうことで調整しています。若い時みたいにむやみに仕事を入れることをやめ、本当に今している仕事はこれだけの作業量をかけるべき仕事なのかを常に問い、削減できることは削減し、時にはお客様にも事前にご説明して削減します。例えば、これまで打合せ資料では見栄えの良い資料をたくさんのページ数作成していましたが、目的は企画内容の合意であることを認識してすり合わせたうえで、簡易資料で打ち合わせに臨ませてもらうようにしました。そうすることで、事前準備の時間が3分の1~5分の1になったにも関わらず、これまでと全く変わらない成果を出すことができています。

妻も仕事をしていますので、スケジュール調整も苦労はあります。子どもには子どもの生活スケジュールやリズムがあるので、そこも踏まえて、お互いの仕事や時には休みを調整することも必要となります。ただ、調整自体をめんどくさいとするのではなく、私たちにとって本当に大切にしたい時間の使い方をするためにやっているんだ、と思うとむしろやりがいを感じます。

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今を大切にすること。先延ばしにしていた料理にも挑戦します。

私たち夫婦にとって本当に大切にしたい時間の使い方は、「家族の時間を大切にする」ことです。将来のことばかり考えてしまい漠然と不安になったり、「仕事だから仕方ない」と自分たちに言い訳して、今必要な家族の時間をおろそかにしてしまいそうになるときも正直あります。

ただ、「何のために働くのか」というと、「家族を幸せにするため」です。少し先の将来を気にしすぎてしまったり、つい仕事を優先して、子どもや妻と過ごす、かけがえのない時間を先延ばしにして、今をおろそかにすることは大切にしたい本来の時間の使い方ではありません。常に試行錯誤と反省の毎日ですが、今を大切にすることからはブレずにいたいです。

こういった話をさせてもらいながら、私にも先延ばしにしていることがあります。それは、「料理ができるようになる」という生活面での目標です。

妻が仕事や外出時には私が料理をやりますが、妻が段取り(献立を決める、下準備をする)してくれているからこそ成り立っています。ついつい「いつかできたらいいな」「今はそれどころではないし」と自分に言い訳していましたが、本当は献立から買い物、下準備、調理すべてを自分でできるようになりたいのです。

私が一人で作れるものとしてはオムライスくらいですので、料理のレパートリーを増やし、「パパはオムライスしか作れない」と思っている子どもたちを驚かせたいですし、妻の負担を少しでも軽くしていきたいです。

まずはちょっとやってみる。そうすると意外とできることがいろいろあることに気づき、新たな扉をひらくきっかけになる。

家庭と仕事を両立することに対して「どうせ無理」「難しい」と自分自身が思い込んでいるだけで、相談してみたら会社から許可が出たり、周りの人が協力的であったり、理解を示してくれました、ということは意外とあるのではないでしょうか。そして、家庭と仕事の両立が、実はやりたかったことをやってみるきっかけになって生活の幅を広げてくれると実体験を通して感じています。

私自身は今ではライフワークとして幼稚園のお父さんコミュニティで活動したり、ワークライフバランスを支援する資格を取得して有志のオンライン勉強会等に参加したりしていますが、活動前は「仕事が忙しい」「そこまでやる必要ってあるのかな」と感じていました。家庭と仕事のバランスを取れるようになり、まずやってみる精神で飛び込んでみました。様々な情報や価値観に触れたり、素敵な仲間の存在に刺激をもらうことができ、本当に飛び込んでみてよかったと思っています。

まずは家庭と仕事の両立が最優先ですが、ライフワークとして、個人や組織のワークライフバランス推進のお手伝いや地域コミュニティづくりにこれからますます携わっていきたいと考えています。

ご家庭の状況は様々だと思いますが、「まずはちょっとやってみる」「ちょっと動いてみる」という姿勢が大事であり、それによって各ご家庭なりの家庭と仕事の良いバランスを作り、生活をより充実させる新たな扉を開いていっていただけたらすごくうれしいです。

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オンライン勉強会の様子

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