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掲載日:2020年7月10日

令和2年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(杉島理一郎議員)

ダブルウェイ問題について

Q  杉島理一郎  議員(自民)

バイパスの新設に伴って重複路線が存在することをダブルウェイと言い、県は旧道を市町村に移管するという基本方針を取っています。本県では、平成18年にダブルウェイの解消に関する方針、要綱、計画を定め、県庁と県土整備事務所に組織を設置して市町村との移管協議を進めております。この規定により、現在ではバイパスを新設する場合には旧道の移管が前提条件となりましたが、この規定が定められた時点で既に着工しているものにも、この規定をさかのぼって適用させて移管協議を進めており、これは法令の不遡及の原則に照らしても疑義があると考えております。
確かに昭和49年に国の通達が出されていますが、このときに県は特にアクションを起こしておらず、昭和58年に初めて県が土木事務所宛てに通達を出しましたが、詳細設計はありません。そして、平成18年に初めて県から各市町村長宛てに通達が出されて協議が始まったという経過を経ております。
私の地元入間市を通る国道463号バイパスは、昭和54年着工で正に遡及適用されて移管対象となっており、その協議内容も市町村にとっては到底受け入れられるような内容ではなく、移管協議が全く進んでおりません。
そこで、通達の遡及適用によって移管交渉が行われている点についての県としての見解と、移管協議に係る以下4点の論点について、県土整備部長に質問いたします。
まず1点目は、特に国道463号は市内で完結する生活道路ではなく、バイパスができても都市と都市を結ぶ重要な路線であると考えます。それでも県管理でなく、市道として移管することが適当だと考えるのか伺います。
2点目は、国の通達では「廃道の移管」としていますが、県は「旧道の移管」であるとし、管理のみの移管として道路の底地権を譲渡しないのは問題だと考えます。底地権についても市町村に移管すべきではないか、見解を伺います。
3点目は、旧道には登記上では私有地となっている箇所が存在するにも関わらず、そのままで移管するというのは問題だと考えます。権利関係に問題がある部分については、事前に解決を図るか、移管後も県が責任を持って解決すべきではないか、見解を伺います。
4点目は、県は旧道を現況のまま引き渡すことを前提としており、改修や整備はしないという方針を取っていることは問題だと考えます。引き渡すにふさわしい一定の修繕や整備をした上で移管すべきではないか伺います。
さらに、国道463号沿いにあるジョンソンタウンは大きな四差路の交差点付近に立地し、県営彩の森入間公園と近接している立地から、土日には多くの観光客も訪れますが、歩道が狭く、段差があって大変危険な状況です。ここは通学路でもあることから、長く地域からも歩道整備が要望されておりますが、ダブルウェイを理由に検討もなされない状態が続いています。
実は大野知事が就任して間もなく、このジョンソンタウンに御視察をいただきました。地域の住民も交えた意見交換の場で、障害のある子供を育てているお母さんから、この歩道整備を求める切実なお願いが知事になされました。大野知事は、その声に心を傾けていただき、現地を御覧になりながら、市長からも強い要望と地主からの用地提供の申し出などもあり、課題解決に動く旨のお約束をいただきました。
大いに期待していたところ、早々にダブルウェイなので歩道整備はできないという結果報告がありました。知事は、「県民が主語」を政治理念とされ、現地に足を運んで県民目線で課題を把握し、それを県政に反映させることを政治信条とされているはずです。ならば、切実なお母さんの声に胸を打たれていたあのときの知事の姿は一体何だったのか、私は幻を見ていたのかと本当に残念であります。あのときの知事の姿が幻かどうかを確かめたいと思いますので、ここは知事に伺います。
ダブルウェイの移管協議において、現状で全て移管を引き受けろという頑なな姿勢ではなく、市町村の要望も聞き入れ、必要な箇所の整備もしっかりとした上で、移管するにふさわしい形を県が提示していくべきだと考えますが、ジョンソンタウン地区の歩道整備についての改めての決意と併せて知事の見解を伺います。

A  大野元裕  知事

「ダブルウェイ問題について」のお尋ねのうち、必要な箇所の整備もしっかりとした上で、移管するにふさわしい形を県が提示していくべきについてでございます。
県はバイパス整備を行う場合、地元市町村と協議の上、バイパス完成後の旧道を市町村へ移管することを基本的な方針としております。
また、移管する旧道については、バイパス整備との二重投資を避けるため、修繕工事などは県が実施するものの、原則として用地買収を伴う拡幅整備は行わないこととしております。
旧道の移管に際しては、市町村との間で、市町村道として適切に管理ができるように、移管条件等を協議しております。
なお、市町村へ移管されるまでの期間は、修繕や安全対策などの維持管理は県が適切に行っております。
今後も引き続き、国の通達に基づき、道路管理における県と市町村の適切な役割分担が図れるよう、旧道の移管に向けた協議を進めてまいります。
次に、ジョンソンタウンの歩道の整備についてでございます。
昨年11月に訪問したジョンソンタウンでは、地域の方から歩道整備の御意見をお伺いをいたしました。
そこで、私としても、担当の部局に対し、本件について指示をさせていただいたところ、お尋ねの国道463号は、既に県のバイパス整備が完了し、市への移管対象となっていますが、旧道に関する経費については二重投資を避けるという必要から、過去の国の会計検査院による検査においても不適正との指摘があります。
速やかに移管協議をそこで進める必要があると思いますが、移管の範囲や条件等に関する地元市との協議が整っていない状況であります。
議員御指摘のように現地の歩道の幅が十分でないことはよく認識しており、市との協議が早急に開始できるよう、積極的な働きかけを行ってまいります。

A  中村一之  県土整備部長

まず、通達の遡及適用によって旧道の移管交渉が行われているのではないかについてでございます。
県では、バイパスの完成後の旧道について、昭和49年の建設省通達や県が策定した事務処理要領に基づき、地元市町村へ移管することを基本的な方針としております。
県が平成18年に策定した事務処理要領は、さらなるダブルウェイ解消に向け、昭和49年の通達などの手順をより詳細に示したものであり、遡及適用しているものではございません。
なお、過去15年間において、ダブルウェイの解消に重点的に取り組んだ結果、約100キロメートルの旧道を移管してまいりました。
次に、国道463号の移管についてでございます。
入間市内の国道463号につきましては、平成8年度に4車線のバイパス整備が完了し、広域幹線道路としての機能はバイパスが担っていると考えております。
国道463号の旧道につきましても、移管の範囲や条件等について地元市と協議を進め、ダブルウェイの解消に努めてまいります。
次に、底地権の移管についてでございます。
市町村へ移管する道路については、移管後も市町村が市町村道として適切に維持管理できることが重要と考えております。
御質問の底地権については、移管せずとも道路の改築、修繕など、道路を管理する上で支障がないことや底地権を移管する際には、膨大な事務が県と移管先市町村双方に発生することなどを考慮し、譲渡は行っておりません。
次に、権利関係に問題がある部分の移管についてでございます。
県では、移管予定の道路内に登記上私有地となっている敷地がある場合は、移管までにその解決に努めることとしております。
また、移管後に紛争等が発生した場合は、その解決に必要な協力を行うこととしております。
次に、現況のまま引き渡すことについてでございます。
旧道の移管に際しては、現状のままでの移管を原則としておりますが、市町村と協議した上で、必要な修繕については県が実施しております。
今後も引き続き、道路管理の適正な役割分担が図られるよう、ダブルウェイの解消に向け、地元市町村と協議を進めてまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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