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掲載日:2023年12月1日

平成29年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(齊藤正明議員)

彩り豊かな人材育成と人間力の向上に向けて

Q   齊藤正明議員(自民)

国家は、人口が減少したから国力が低下するのではなく、国民力の低下が国家の衰退を来し、人口の減少を招く。この言葉は少子化の最大の原因の一つとして、国民力の低下があることを指摘しています。国民力を強める要因の一つが人材育成です。常に国民や県民のため、社会の安心・安全のために仕事をしている公務員が仕事に対してやる気があるか、使命感を持っているか、責任感があるか、努力しているか。公務員にプレッシャーをかけるつもりはありません。ただ、国民は、県民は、公務員を信頼し、命を預けているといっても過言ではありません。それだけ期待しています。期待されている公務員がその期待に応えられているのか。知事の仕事の中で重要なものの一つが、有能な人材を育てることであり、良き参謀を持つことであります。
かつて日本がこれだけ発展したのは、一流の公務員と三流の政治家がいたからだという言葉がありました。政治家の一人としてははなはだ不本意な言葉でありますが、これは公務員が国や国民のために命がけで働くという使命感や責任感を人一倍強く持っていたと評価されていたことによるのだろうというふうに思っております。
さて、山本五十六元帥の名言「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」のとおり、これまで知事は職員の先頭に立って粉骨砕身、自ら姿勢を示して人材育成に心血を注ぎ、ありとあらゆる手法を駆使し、叱咤激励し、これもやった、あれもやったと数々の実績を残されたとの自負もおありになるでしょう。しかし、14年が経過し、落ち着いて冷静に過去を省みたとき、ある変化に気が付いておられるのではないでしょうか。
今話題の大相撲の白鵬について、元横綱審議委員長の千葉大学教授守屋氏は「人間というものは、長くトップにいるとおれでなければと増長する人と、こうべを垂れる人に分かれる。白鵬は、おれがルールになってしまったのかな。禁じ手すれすれの技で40回の優勝には価値を見ない。それを許した周りも悪いが、白鵬は独善的に過ぎる」と会見で変貌した大横綱を叱りました。
上田知事は、県庁の現状をどう診察するのでありましょうか。制度疲労でしょうか、金属疲労でしょうか、それとも知事自身の多選の弊害でありましょうか。
私は、県会議員として長年にわたり多くの職員と接してきました。その中には、さすが埼玉県庁の職員と感心させられる方々もたくさんいました。しかし、私は、この10数年の間、総じて職員が育っていないように感じております。それは職員が悪いのではありません。能力がないわけでもありません。育てていないのではないでしょうか。私には、職員の自主性を認めて、時には失敗を許容する姿勢など職員をしっかりと育成するという視点を欠いてしまった結果、職員が事なかれ主義に陥ってしまっていることにその原因があるのではないかと思えてなりません。
知事、そろそろ最小で最強の県庁として職員の削減数にこだわるのではなく、ゆとりを持った職員数をもって職員を育成すること、そして知事がふだん職員に伝えている人間力の向上につながる広い視野を持つ鳥の目、日々の業務を見直す虫の目、そして時代の流れを見極める魚の目の3つの目を持つためには何が必要かという人材育成に重点を置くことを考えたらいかがでしょうか。
知事には、長年の行政経験から職員の仕事ぶりが歯がゆく感じられるのかもしれませんが、それこそ多選の弊害ではありませんか。ゆとりから良い発想や行動も生まれ、むしろ成果につながるのではないかと思います。知事の御見解をお伺いをいたします。

A   上田清司   知事

一般的に、組織において職員が育っていないという場合、大きく3つ挙げられると思います。
第1に積極果敢な動きが見られないこと、第2にアイデアが出てこないこと、そして、第3に組織が硬直化していることなどが考えられます。
まず、職員の動きについてでありますが、積極果敢に打って出る職員もおりますが、若い職員ほどおとなしいきらいがあるかと思っております。
それは、少子化など社会構造の変化の影響もあるのかもしれませんし、また、民間企業の人事の方と話しても、そのような印象を持っておられる方が多いような気がいたします。
こうしたおとなしい職員をどう育てていくかということについては、御指摘いただいたことを踏まえて、しっかり対応してまいりたいと思います。
次に、職員のアイデアという面であります。
全国知事会で優秀政策賞というものを表彰されています。
これは、各都道府県から応募のあった施策について、先進的な取組か、全国展開が可能かなどの視点から優れた施策を表彰するものでございます。
本県は表彰が始まった平成20年度以来、23の施策が表彰されており、これは全国第1位の数字になっております。
また、今年度の表彰においても、全国で29の施策が受賞しましたが、そのうち3つが埼玉県の施策であり、これも全国最多で第1位になっています。
そういう意味では、職員の新たな視点や創意工夫によって生み出された施策が評価されたものではないかと思っております。
アイデアという面では比較的育っているのではないかと思っております。
最後に、組織の硬直化についてでありますが、幹部ポストが同じメンバーでたらいまわしになることなどについて、私は最も恐れていることでございました。
かつては、その年度ごとに、限られた候補者の中から幹部を選んでおり、必ずしもそのポストに合っていない者もおりました。
そこで、私は、例えば5年先にこの分野で部長を務められる人材は誰になるのか、あらかじめ複数見いだして関係ポストに配置しながら、切磋琢磨を促しております。
また、5年先の適任者が不在の場合、あらかじめ別の分野で活躍する職員をコンバートし、時間をかけてその分野で育成する取組も行っております。
このような形で、一部の限定された人だけが幹部に登用されることのないよう努めております。
とりわけ女性の登用については、ただ女性だからというわけではなく、実績を残した職員を登用することに意を用いております。
今後ともこうしたことに意識をして対応したい、このように思います。
このほか、職員がその視野を広く持てるよう、出来るだけ地域に根差した活動や、異分野の方との交流会やセミナーなどいわゆる「他流試合」への参加を積極的に奨励しております。
また、職員定数に関して言えば、AIなどの活用次第では、ゆとりを持った職員数の基準そのものが変わってくる可能性もあるかと思っております。
今後の職員にはAIにできない、人間力、アイデア、行動力、総合力が必要になっていくのではないかと思っております。
こうした能力を涵養できる環境づくりをしっかりと作っていきたいと考えております。
私自身はそれなりにやっているつもりでも、他から見ると十分でないという認識が一番重要だということを本日御指摘をいただいたような気がいたします。
肝に銘じてまいりたいと思います。
また、議員の御指摘をしっかり受け止めて今後も人材育成を進めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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