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掲載日:2023年12月1日

平成29年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(前原かづえ議員)

難病患者の苦しみに心をよせ、県保健所分室の復活を

Q 前原かづえ議員(共産党

県内の指定難病患者は約5万人、所得に応じて医療費の給付を受けることができます。申請手続は保健所で行い、毎年継続の手続が必要であり、継続申請であっても診断書など提出書類の数が多く、申請書類が再提出、再々提出となることもしばしばあります。
保健所のほか、一部市役所などにも保健所の出張受付が設けられていますが、例えばふじみ野市への出張受付は、7月13日から3日間に限定されているんです。そのため、難病患者の皆さんから悲痛な声が寄せられています。「この病気になって、30年間申請をしています。目の難病なので、電車を使うのが本当に大変。日常の診療は近くの医院でできますが、申請のためには、紹介状をもらって指定の病院に行き、診察を受けて診断書を書いてもらいます。もっと近い市役所などで申請できれば、飛び上がるほどうれしいです」。また、網膜色素変性症の方からは、「昨年の申請書に不備があって戻され、何とか郵送申請にしてもらいました。難病は治らない病気なのに、何でこんなに申請場所が遠いのか」との訴えもいただいております。それでなくても病気で不自由をしている人に、更に煩雑な手続を強いていることに本当に胸が痛みます。
県保健所は、1992年には24保健所4支所体制でしたが、上田知事の下で統廃合が進められ、13保健所11分室体制となり、さらに2010年度に所沢保健所と全県の11分室を廃止しました。
党県議団は、2010年の再編の際、障害者や難病患者への影響をただしています。上田知事は、再編に伴う住民サービスや関係団体の活動に支障がないよう、対応策について協議を重ねてきた。関係者のおおむねの理解はいただけたという答弁でした。
知事にお尋ねします。紹介した難病患者の声をどのように受け止めていますか。少なくとも、11分室を復活して、県民の負担を軽減すべきと考えますが、答弁を求めます。
指定難病給付制度事務は、保険者とのやりとりや専門医の確認など、職員の負担も重いものがあります。今年度、改正難病法施行で更に申請手続の事務が激増、しかし県保健所職員は、2004年には総勢545人いたものが2015年には441人へと、100人以上削減されました。
難病患者の皆さんは、せめて一部市役所等での申請期間の延長を要望しています。難病患者の皆さんの声に応え、職員を増員し、申請期間を延長すべきと考えますが、知事の見解をお答えください。

A 上田清司   知事

議員のお話にもございました、難病を抱え日々暮らしておられる患者の皆さんと御家族の皆さんの御心痛について、まずは重く受け止めたいと思います。
私自身も、難病患者団体の総会・集会などの出席や患者や家族の皆さんとの面談などあらゆる機会を捉えて、生の声を聴く、そういう努力をしてきたつもりでございます。
難病患者の苦しみに心を寄せるだけでなくて、県単独指定難病の範囲を知事就任以来、富山県、東京都に次ぐ全国3位にまで広げたことも御承知のとおりでございます。
患者と家族の負担軽減につながる環境を充実させることが必要であることは常に認識しているつもりでございます。御理解を賜りたいと思います。
次に、保健所分室の復活についてでございます。
県では市町村合併の進展や市町村の保健センターの整備、また中核市の誕生などによって、平成18年度と平成22年度の2回にわたり保健所の再編を行ってまいりました。
再編に当たっては、関係市町村や団体と丁寧に協議を重ねてまいりました。
加えて、県民サービスの低下を招くことのないよう指定難病医療給付申請などについては、分室制の廃止を受けて11市町での出張受付や郵送受付も開始いたしました。
御提案の分室の復活でございますが、小さな組織が複数あるよりも、むしろ大括り化することで組織が活性化し、一時的な事務の集中などにも柔軟に対応ができる、良い部分もございます。
県としては一人ひとりの患者の状況を聞き取り、組織のスケールメリットを生かして丁寧な対応に徹することで、患者と家族の負担軽減を図ってまいります。
次に、職員を増員し、申請期間を延長すべきについてでございます。
指定難病医療費助成の対象疾患は、平成27年1月の難病法の施行に伴い、旧制度の56から現在330へと約6倍に拡大され、受給者数も約4万4,000人から約5万人に増加いたしました。
その一方、支援の範囲の拡大とともに申請や認定手続が複雑な制度に変更され、審査事務など県の負担も膨大になりました。
認定基準の項目が増えたことによる主治医への確認事務などが、その代表的な例でございます。
このため、県では患者と家族の事情に配慮をした申請手続の簡素化に加え、事務の軽減を図るよう国に要望しているところでございます。全国知事会からも同様に要望しています。
一方、私は知事就任以来、少ない費用で大きな効果を上げるため、行財政改革プログラムを策定し県庁の体質改善を図ってまいりました。
県内各保健所では指定難病医療給付申請の事務処理に当たり、繁忙期には担当の垣根を越えて全所体制で集中的に取り組んでおります。
単に職員の増員に頼ることなく、お互いにカバーしあう組織であることも大切ではないかと思います。
また、必要に応じて非常勤職員や臨時職員を活用し、職員の負担軽減にも配慮をしています。
御質問の一部市役所等における出張受付については、受給者が毎年数千人規模で増加する中、郵送受付の採用により平成22年の5,038件から平成29年には半分以下の2,448件と減少しております。
出張受付の期間は限られていますけれども、保健所や郵送による受付は7月から9月末までの3か月間行っております。
このため、出張受付の期間の延長については現時点では考えておりません。是非この期間に手続きを終えていただきたいと思っております。
今後とも郵送受付の拡充や申請手続の簡素化はしっかりやって、患者や家族の負担軽減に努めてまいりたいと思ます。

再Q 前原かづえ議員(共産党

難病患者の苦しみに寄せてというところで、現時点では増員することもなく、今やっていることに対して十分対応しているんだという形で御答弁されたような気がするんですけれども、でも、実際は吹き出された時点から、現実に今多くの方たちが苦しんでいるということを私はここで申し上げました。
ですから、今、3日間しか行われていないところの部分については、1週間に延ばすとか、郵送だけの対応ではなくてきちんと、今の困難な状態を少しでもよくするために申請日数を増やすとか、そういう形で前向きに考えていただきたい。
それから、お答えを聞いていると、国のほうに要望します、国のほうに要望しますとおっしゃっていますので、難病患者の方は、難病なのに何で1年ごとにやらなくちゃいけないんだろう、せめて3年とか、そういう形でやってもらえないか。それは国のことですので、そういうことについても併せて要望していくという意思表示といいますか、今のお答えだけですと、何かこちらの声にきちんと応えていただけていないというのがありますので、よろしくお願いいたします。

再A 上田清司   知事

指定難病医療給付申請についてでございますが、様々な手続等において困難なことが多いと、現状のままでいくんだというようなお話で受け止められてしまって極めて残念でありますが、当然、質問の趣旨を踏まえ、更に工夫して簡素化したり、利便性を高めるよう最大限努力することを約束したいと思います。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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