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掲載日:2020年3月17日

自然環境担当の紹介

 自然環境担当の研究活動を紹介します。

 人類は、自然からたくさんの恵みを受け、生存しています。大気中の酸素はもちろん、豊かな海や土壌、紫外線を遮るオゾン層までもが、自然が造り出したものであり、人間の食糧も、そのほとんどが自然からの贈り物です。近年、開発等の様々な要因により生物多様性が脅かされ、自然からの恵み(生態系サービス)を支える生態系が劣化しつつあります。

 このような背景の下、自然環境担当では、生物多様性・生態系の保全を目指し、以下の3つの観点から調査・研究を進めています。

  1. 鳥獣や外来生物、大気汚染や温暖化などの外的要因による生物多様性・生態系への影響把握と軽減策の検討・提案
  2. 野生生物の生息・生育に関する基礎的情報を中心とした自然環境データベースの構築と運用
  3. 県条例により県内希少野生動植物種に指定された動植物を中心とした希少野生生物の保全

主要研究課題

生物多様性・生態系の保全に関わる科学的知見の整備

 埼玉県では、ニホンジカ等の鳥獣、アライグマ等の外来生物、大気汚染や温暖化などの外的要因による生物多様性や生態系への影響が顕在化する傾向にあります。それらの影響の程度を把握するとともに、影響を軽減する方策を検討し、有効な軽減策を提案することが求められています。一方、県内の生物多様性に関する情報は様々に分散して存在するため、行政機関のコンサルティングやNPO等の保全活動に十分に活用されていない状況にあります。これらの情報を一元化し、利活用しやすい情報基盤の整備が必要となっています。

 そこで、自然環境担当では、鳥獣や外来生物、大気汚染や温暖化などの外的要因による生物多様性・生態系への影響把握と軽減策の検討・提案を行うとともに、生物多様性に関する情報の収集とデータベース化により、情報基盤の整備と活用を目指します。

(1)ニホンジカによる森林植生への影響評価と植生回復に関する研究

 県西部を中心にニホンジカの個体数が増加し、その食害によって森林植生に影響を及ぼしています。本研究では、ニホンジカが森林植生に与える影響を把握すると共に、狩猟等の捕獲がニホンジカの行動生態に与える影響や捕獲による森林植生の回復効果を検証します。

食害された森林

食害するニホンジカ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 高密度で生息するニホンジカの食害によって林床の植生が消失した森林                                           実験用の植栽木に食害するニホンジカ 

 

(2)埼玉県の主要な水稲品種の収量に及ぼす光化学オキシダント(オゾン)の影響評価

 埼玉県は、全国的に見てもオゾン濃度が高くなりやすい県で、それによる植物被害も顕在化しています。本研究では、埼玉県の主要な水稲品種の収量に及ぼすオゾンの影響を調べ、影響の軽減策を検討します。

光化学オキシダント【オゾン】の影響評価

  水稲の収量に及ぼすオゾンの影響に関する研究の一例:3段階のオゾン濃度環境下で育成したコシヒカリ 

(3)埼玉県における希少野生動植物の保全に関する基礎的調査研究

 埼玉県に生育・生息する絶滅危惧動植物種の保全活動に活用するため、それらに関する基礎的情報を収集し、データベースを構築します。また、このデータベースを活用して、県内における絶滅危惧動植物種の分布状況や減少要因などについての解析を試みます。

絶滅危惧植物の確認市町

 埼玉県内で絶滅危惧植物の確認地点数が多い市町(上位18市町に丸を付け、そのうちの上位5市町には赤丸を付けた)

行政支援業務

  県庁からの依頼による調査・研究を行うとともに、対策の実施を支援しています。

(1)クビアカツヤカミキリ(特定外来生物)の被害に関する調査・対策

  特定外来生物に指定されているクビアカツヤカミキリによる被害が県内で拡大しつつあります。自然環境担当では、被害情報に基づき、現地で被害確認調査を実施するとともに、被害防止の手引を作成し、講習会等をとおして県民の皆様に被害対策について周知を図っています。

クビアカツヤカミキリの成虫【オス)

クビアカツヤカミキリの幼虫による被害

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クビアカツヤカミキリの成虫(オス)                                    幼虫による被害(木の根元にフラスがばらまかれている)

 

 

 

自然環境担当が作成した被害防止の手引 

被害防止の手引 

 

  

 

クビアカツヤカミキリに関する情報は、以下のURLをご覧ください。 https://www.pref.saitama.lg.jp/cess/center/kubiaka.html

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

(2)ニホンジカの食害に関する調査

  県内の秩父地域を中心に、ニホンジカによる食害が報告されています。自然環境担当では、奥秩父の雁坂峠付近において、ニホンジカの食害に関する現地確認調査を実施しています。

ニホンジカの食害

 

 

 

 ニホンジカの食害(樹皮剥ぎ)によって

 樹木が立ち枯れした奥秩父の亜高山帯森林

 

 

 

 

 

(3)希少野生植物の保護・増殖

 県ではレッドデータブックを作成して絶滅危惧動植物種の保護を推進しています。自然環境担当では、その中でも特に重点的に保護する必要があるとして条例で指定されているミヤマスカシユリ等の「県内希少動植物種」について、保護・増殖に取り組んでいます。

ミヤマスカシユリ

サワトラノオ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 当センターで増殖したミヤマスカシユリ                                                 当センターで増殖したサワトラノオ

(4)光化学オキシダントによる植物影響調査

 埼玉県は、全国的に見ても光化学オキシダント(オゾン)濃度が高くなりやすい県で、それによる植物被害も顕在化しています。自然環境担当では、オゾンの指標植物であるアサガオを用いて、県内の植物に対するオゾン被害の発生状況を、県民の皆様にご協力いただきながら、毎年7月に調査しています。

オゾン被害(アサガオ)

  当センターで栽培したアサガオの葉に発現したオゾン被害

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

被害葉率及びオキシダント濃度

 

 

平成29年7月に実施した県民参加を主体としたアサガオ被害調査で得られた被害葉率(被害葉数÷現存葉数×100)と日最高オキシダント濃度の7月の月平均値の県内分布

 

 

 

 

 

 

 

光化学オキシダント(オゾン)によるアサガオ被害調査に関する情報は、以下のURLをご覧ください。

https://www.pref.saitama.lg.jp/cess/torikumi/asagaotyousa/index.html 

国際協力

 中国や東南アジアにおける環境保全や環境教育の支援を行っています。

日本学術振興会 科学研究費:中国の土壌汚染における環境リスク低減と持続的資源回復の実現に関する研究(研究代表:王効挙)

科学研究費(王)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日本学術振興会 科学研究費:持続的水環境保全に向けた中国山西省における生物による水質調査と環境教育への適用(代表:田中仁志)

科学研究費(田中)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

第七回日中水環境交流会(中国・浙江省)

日中水環境交流会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本学術振興会 日本-インドネシア二国間研究:小規模金抽出場水銀汚染地域の持続的発展(代表:秋田大学 髙樋さちこ)

日本インドネシア二国間研究

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究企画室

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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