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掲載日:2020年3月17日

化学物質・環境放射能担当の紹介

 化学物質・環境放射能担当の主な調査・研究活動を紹介します。

 ダイオキシン類、残留性有機汚染物質(POPs)、未規制有害化学物質など、極微量でも人の健康や生態系に影響を与えるおそれがある化学物質や環境中の放射性物質について、環境モニタリング、分析技術の開発、環境リスク評価のための情報管理などに関する調査研究に取り組んでいます。

主要研究課題

 1. 高懸念物質等による環境汚染の実態把握に関する調査研究

 我々の生活や産業活動には、多種多様な化学物質が使用されています。しかし、法律や条例で規制されている化学物質は一部に過ぎないため、環境への悪影響が懸念される物質(高懸念物質)や未規制の物質について、汚染実態と毒性情報等から環境リスクを評価することは重要です。そこで、化学物質による環境リスクを評価するために、高懸念物質等の測定法や調査解析方法を開発し、環境汚染の実態把握に関する研究を行っています。また、化学物質による環境汚染の原因を把握するためには、原因物質だけでなく関連物質や汚染源特定物質を用いた解析手法や、網羅分析的な調査手法等も有用と考えられることから、このような研究にも取り組んでいます。

(1)有機ハロゲン難燃剤による環境汚染の実態把握に関する研究

 難燃剤はプラスチック、ゴム、繊維などに添加してそれらを燃えにくくする薬剤で、私たちの生活に欠かせないものですが、難燃剤の中には環境への影響が懸念されているものがあります。それらのうち、2013年に化審法第一種特定化学物質に指定され製造・使用等が禁止されている有機臭素系難燃剤のヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)、及び2018年に欧州REACH規則で高懸念物質に登録された有機塩素系難燃剤のデクロランプラス(DP)について、埼玉県における環境汚染実態と環境動態を把握するための調査を行っています。なお、かつて製造されたHBCDを含む断熱材や繊維製品は現在も使用されており、DPも電線の被覆材などに利用されています。

難燃剤の構造

 

 

 

 

 

 

 

 

難燃剤の作用と対象としている難燃剤の構造

(2)メチルシロキサン類の分析法開発と環境汚染実態及び環境動態の解明に関する研究

 有機ケイ素化合物の一種である環状メチルシロキサン(コンテンツ管理システム)は、シリコーンポリマーの製造原料や日用品の溶剤などに使用される高生産量化学物質です。最近の調査・研究では、一部のコンテンツ管理システム(4~6量体)について環境残留性や生物蓄積性が指摘され、欧米ではこれらについて詳細なリスク評価が進められています。しかし、国内におけるコンテンツ管理システムの環境中への排出量や濃度分布に関する情報は極めて少なく、環境動態解析やリスク評価は十分ではありません。本研究では、コンテンツ管理システム及びその類縁物質について大気、水質試料等の分析方法を確立し、県内における環境中濃度分布を把握することで、環境動態の解明を目指しています。また、本研究で開発した水試料の分析方法は、国際標準化機構(ISO)の規格(ISO 20596-1)として採用されました。

メチルシロキサンの類の環境動態

メチルシロキサン類の環境動態

 2. 化学物質の迅速調査法の開発と適用性の評価に関する調査研究

 工場等で適正に管理されている化学物質のなかには有害性を有するものもあり、災害や事故時に環境中に漏洩する可能性があります。それらの有害化学物質が環境中に漏洩した場合、ヒトへの健康被害や生態系への悪影響が懸念されます。化学物質・環境放射能担当では、災害や事故時の化学物質の漏洩を想定し、安全性を迅速に確認するための方法について研究しています。

 ○ 大気中化学物質の迅速測定法の開発と適用性の評価に関する調査研究 

 有害性や刺激性のある化学物質が大気中に漏洩した場合、ヒトが直接暴露される可能性が考えられます。現場の安全性を判断するためには、化学物質の大気中の濃度を測定する必要がありますが、未だに測定方法が確立されていない化学物質も数多く存在します。そのため、有害性が高い化学物質のうち、測定法が確立されていないものについて、迅速測定法を開発するとともに、その測定値を基に災害や事故後の短期的な健康リスク等を評価する方法を確立するための研究を行っています。 

化学物質の迅速調査法

研究の全体像と調査方法の例

 2. 化学物質の迅速調査法の開発と適用性の評価に関する調査研究

 2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故により大気中に放出された放射性物質は、本県の一部地域にも影響を与えました。放射性物質は地表面から地下への浸透、放射性物質を吸着した土砂の河川・湖沼への移動、森林・農作物・動植物への移行など、様々な経路で環境中を移動することが推測されますが、その実態は必ずしも明らかになっていません。そのため、当センター生態園など県内のフィールドを対象として、放射性物質の環境動態の解明に取り組んでいます。

 ○ 埼玉県内の水系における放射性物質の実態把握 

 この研究では、近年に開発・報告された新たな水試料中の放射性物質の測定手法を基にして、河川水中の放射性物質を迅速かつ低濃度まで測定する手法を確立し、県内河川における放射性物質の濃度レベルや、溶存態や懸濁態といった存在状態を把握することなどにより、河川等の水系における放射性物質の環境動態を解明することを目的としています。

放射性物質の実態把握

ゲルマニウム半導体検出器(右)を用いて環境試料中の放射性物質の濃度を測定しています。

行政支援業務

 埼玉県環境基本計画では、「安心・安全な環境保全型社会づくり」に係る施策の一つに「化学物質・放射性物質対策の推進」を掲げており、化学物質による環境リスクの低減、ダイオキシン類対策の推進、放射性物質への対応などに取り組んでいます。化学物質・環境放射能担当ではこれらの行政施策を支援するため、ダイオキシン類や残留性有機汚染物質など環境への悪影響が懸念される化学物質による環境汚染実態の把握とリスク評価、野鳥などの不審死・大量死の原因を推定するための胃内容物等中の農薬等化学物質の分析測定、環境中放射性物質濃度の調査等を実施しています。

(1)ダイオキシン類に関する調査・解析 

 大気、河川水、河川底泥、地下水、土壌など環境試料中のダイオキシン類濃度を調査・測定しています。また、ダイオキシン類の排出規制業務を支援するため、工場からの排出水、排出ガス、ばいじん等の濃度を調査・測定しています。さらに、環境部各課や各環境管理事務所が委託した民間分析業者によるダイオキシン類の行政検査結果について、書類の精査や立ち入り調査などを行って品質の確保に貢献しています。

ダイオキシン

                                                                  ダイオキシン類測定用試料の採取

(2)野鳥の大量不審死の原因調査 

 ハトやカラスなどの野鳥が同じ場所で一度に多数死亡する現象「野鳥の大量死」は、毎年各地で発生しています。その原因の一つとして鳥インフルエンザウイルスがありますが、農薬などの化学物質も原因となることがあります。これは、農薬が付着したものなどを野鳥が誤って摂取し、死亡することがあるためです。化学物質・環境放射能担当では、野鳥の大量不審死の原因を調査するため、野鳥の胃内容物を分析し、農薬などの有害化学物質の検出の有無を調べるとともに、その種類の判別を行っています。

野鳥の不審死

 埼玉県での野鳥の不審死の検査体制

 

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究企画室

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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