環境科学国際センター > 試験研究の取組 > 研究評価の取組 > 令和3年度第1回研究評価 > R03第1回審査会コメント3/研究課題(水環 R03-R05 県内水環境中から得たアナモックス集積系)

ここから本文です。

ページ番号:199924

掲載日:2023年1月11日

環境科学国際センター研究課題(水環境担当/R3~R5)

 県内水環境中から得たアナモックス集積系の特徴分析および活用方法の検討

(水環境担当:見島/R3~R5)

 アナモックス反応は、アンモニアの一部を直接窒素ガスへと変換する生化学反応であり、前段の部分硝化を含めてもエネルギーの消費が少ないことから新しい窒素除去方法として注目されています。当センターではこれまでに埼玉県内の水環境中からアナモックス細菌を培養することに成功し、また、そのアナモックス細菌が中温域で十分に窒素除去活性を有していることを明らかにしました。
 本研究では、県内の水環境中に生息するアナモックス細菌の培養を続けるとともに、培養したアナモックス細菌について詳細な特性試験や分子生物学的試験から生理学的特性や細菌叢を明らかにします。これにより、県内水環境中から採取したアナモックス細菌の実排水処理へ適用の可能性を検討します。

《研究の概要》(PDF:222KB)

 

令和3年度第1回研究審査会コメント

研究課題

県内水環境中から得たアナモックス集積系の特徴分析および活用方法の検討

研究審査会コメント

  •  アナモックス反応は、下水処理の効率化を推し進める上で、一つの重要な技術です。ところが、わが国では実用化に向けた取り組みが遅れています。そうした中、埼玉県では、人口の不均衡な分布、合流式下水道における処理水量の増加など、下水処理の効率化を迫られています。他方、埼玉県の下水処理技術においては、国内でも高いレベルにあり、率先して、新技術の導入を行うべき立場でもあります。本研究は、アナモックス反応の技術を実用化させることを目的とした課題であり、極めて重要な課題ということができます。科学研究では高い位置にある東洋大学、実用化に対して大きな関心のある下水道公社との共同研究であり、研究体制としても十分なものがあります。アナモックス技術をわが国に広めていく切欠になることが期待されます。
  •  アナモックス菌の種(株)の違いによる生態の違いが気になります(個人的に、研究への興味という点で)。遺伝子情報と併せて、最も効果的に働く条件を実験で明らかにしようとしている点が興味深く、多くの知見が得られるものと期待しています。
  •  研究課題を絞り込んでわかりやすく説明しており、好印象でした。今後、関連事業主より積極的支援等を得て、事業承認をめざしてもらいたいと思います。
  •  排水処理における窒素処理について、既存の各種の処理・手法との比較の形で、本研究の扱うアナモックス細菌を用いた処理のメリット・デメリットについて客観的に整理することができれば、研究の位置づけや有用性がより明確になるのではないでしょうか。
  •  プレゼンにおいては、確立した培養系について、窒素処理パフォーマンスに係る基礎的情報は提示されているが、生物学的基礎情報に関する情報の提示がないまま、実用の話に重点を置いているように聞こえました。実用化こそ大事であることはよく理解しますが、実用化を急ぐあまり果たして将来的に問題が生じないのか、もう少し基礎情報と実用とをつなぐ部分の検討をしっかりやるべきではないのか、という懸念を感じました。

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究企画室

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?