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掲載日:2024年3月4日

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Alchemist Material 株式会社 (川口市)

ゴミから水素を創り出す日本の最先端の環境技術とアメリカの最先端の情報技術を融合させ、地産地消型分散装置を開発し、ゴミを水素に変える企業

Alchemist Material(アルケミスト マテリアル)は、2020年2月25日に鈴木達則代表取締役CEOと齋藤和正代表取締役COOの共同で創立されました。
水素製造装置開発・販売、ITソフトウエア開発を手掛けるベンチャー企業です。
コアビジネスは、水素製造装置の販売と、その後のスペアパーツ販売、フィールドサービス、さらに製品のIoT化によるカーボンクレジットやゴミクレジットサービスの提供となります。
「分散装置で、ゴミを水素へ」のキーフレーズにあるとおり、廃棄物(プラスチック、紙、残飯、木片)をオンサイト型ガス化装置にて水素へ変換します。地域密着型の設備で地域の廃棄物をローカル水素に変換します。

 

今回、Alchemist Material(アルケミスト マテリアル)へ企業訪問を行なったきっかけは、「第36回彩の国ベンチャーマーケット」において「埼玉県知事賞」を受賞したことです。
「彩の国ベンチャーマーケット」は、独創的な技術・製品・サービス等で、新たな事業展開を目指すベンチャー企業のビジネスコンテスト&マッチングとして、創業・ベンチャー支援センター埼玉(公益財団法人埼玉県産業振興公社内)が開催しています。
「第36回彩の国ベンチャーマーケット」は、令和6年1月24日に「彩の国ビジネスアリーナ2024」の会場で開催され、ファイナリスト7社が独創的な事業をプレゼンテーションしました。
その会場において、「埼玉県知事賞」、「埼玉県産業振興公社理事長賞」、「特別賞」が発表され、最高位である「埼玉県知事賞」を受賞したのがAlchemist Material(アルケミスト マテリアル)です。
我々も会場に足を運び、各ファイナリストのプレゼンテーションを聞き、審査結果の発表、各賞の受賞の様子を見学しました。

【参考/「第36回彩の国ベンチャーマーケット」の概要】
        
                    公益財団法人埼玉県産業振興公社(創業・ベンチャー支援センター埼玉)作成のチラシ

 

その会場で、「埼玉県知事賞」を受賞したAlchemist Material(アルケミスト マテリアル)は、「ごみから水素を開発する装置の開発」というタイトルでプレゼンテーションを行いました。
解決したい課題は、(特に東南アジアにおいて深刻な)ゴミ問題、地球温暖化、エネルギー問題であり、これらに対して利益を上げながら解決するソリューションの提案ということで、具体的には地産地消型のごみから水素を製造する装置の開発について説明がありました。
その中で、プラント型に比べ、効率、コスト、メンテナンス性を向上させる装置設計により、水素社会を実現するというもので、装置設計とビジネスモデルについての説明が行われました。
その他のファイナリストのプレゼンテーションも素晴らしいものでしたが、環境問題の解決やエネルギー問題の解決という社会的な課題に対して、利益を上げながら解決していくというソリューションである点や、SDGsの取組にもマッチした正に時代の潮流を読んだ取組である点等が大きく評価されたため、Alchemist Material(アルケミスト マテリアル)の「埼玉県知事賞」受賞につながったものと推察されます。

 

    彩の国ビジネスアリーナ写真    
 「彩の国ビジネスアリーナ2024」、「第36回彩の国ベンチャーマーケット」の様子
    
  ファイナリストの集合写真、前列左から4番目がAlchemist Materialの齋藤代表取締役COO

 

【参考/【審査結果発表】第36回彩の国ベンチャーマーケット】
      
                             【公益財団法人埼玉県産業振興公社(創業・ベンチャー支援センター埼玉)のホームページから引用】


【参考/Alchemist Materialのプレゼンの様子/YouTube動画】

        https://www.youtube.com/watch?v=QTYKHzNkpXY


  【参考/「【審査結果発表】第36回彩の国ベンチャーマーケット」のH.P】
      https://www.saitama-j.or.jp/seminarevent/r5_venturemarket_entry/
        ※その他のファイナリストのプレゼンテーションの概要等も確認できます。

 

Alchemist Material(アルケミスト マテリアル)の目指す姿が会社ホームページの「ビジネスモデル」において明らかにされています。また、説明資料を提供いただきましたので、その一部を合わせて紹介させていただきます。

  【参考/会社ホームページの「ビジネスモデル」へのリンク】
      https://www.alchemist-material.com/business-model

この中で「OUR VISION」として、次の記述があります。
「プラスチック廃棄物はどこにでもあります。ペットボトルは川を埋めます。ビニール袋はマイクロプラスチックになり、海洋動物の胃に入ります。
私たちはゲームチェンジャーです。当社の革新的な水素製造装置と最先端のクラウドベースの IT プラットフォームにより、プラスチック循環経済の始まりが見られます。
今日のプラスチック廃棄物は、明日のエネルギーになります。
新しい時代が来ています。」

次いで、「CONCEPT/新世代の水素製造ビジネス」として、現状の課題であるゴミ問題の解決案、さらにはビジネスにつながる方法が提案されています。

現状の課題
    2050 年までに、海には魚よりも多くのプラスチック廃棄物が含まれます。
    また、温室効果ガス(CO2、メタン排出)による気候変動
       ※ メタンガスはCO2の25倍以上の温室効果ガス

解決策
    廃棄物(プラスチック、紙、残飯、木片)をオンサイト型ガス化装置にて水素へ変換。
    地域密着型の設備にて地域の廃棄物をローカル水素に変換します。
       ※ これにより、集中型水素プラントに比べ大きな輸送コストが削減可能です。

 

会社の取組内容のまとまったリーフレットを提供していただきましたので、紹介させていただきます。

【会社案内リーフレット】
    

 

ホームページに「ビジネスモデル」として、次の図解が示されています。また、成長市場である「水素市場」について説明されています。


   
                                                                             【会社ホームページの「プロジェクト」から引用】

 

来年度にはインドネシアの工業団地において、商用1号機を稼働させる予定です。
そこで発生した水素については燃料電池自動車、トラック及びフォークリフト等の工業的利用の需要はまだ見込めないため、発電に利用する予定です。
「まずはインドネシアやフィリピンなどの東南アジア、インドへ水平展開をしていき、地域におけるごみ問題の解決に努めたい。」との強い思いがこちらに伝わってきました。
その後は、アメリカなどでの事業展開を予定しており、そこでは水素市場が成長市場であることから、ビジネスモデルの更なる展開が可能になります。

 

2023年9月20日付けで公益財団法人大阪産業局から、ヘルスケア分野とカーボンニュートラル分野で業界を牽引する製品やサービスの開発、社会実装を目指すスタートアップ企業を支援するプログラム「HeCNOS AWARD(ヘクノス・アワード)」のプレスリリースが出されています。
その中で、最終選考の結果、カーボンニュートラル分野において8社がアワード受賞企業に決定されており、その中の一つがAlchemist Material(アルケミスト マテリアル)です。
受賞企業として選定されたスタートアップ企業は大阪・関西万博の出展候補企業となります。

  【参考/大阪イノベーションハブ(公益財団法人大阪産業局)のプレスリリース】

    - ついに万博出展候補企業が決定「HeCNOS AWARD」受賞企業16社を発表! -
       https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000089.000090165.html

 

当センター管内(川口市、蕨市、戸田市)において、独創的な技術・製品・サービス等で、新たな事業展開を目指すベンチャー企業があり、その内容が評価され「埼玉県知事賞」を受賞したということで、その取組について是非とも紹介をさせていいただきたいとの思いで今回の企業訪問が実現しました。
「ゴミから水素を創り出す日本の最先端の環境技術とアメリカの最先端の情報技術を融合させ、従来型の大型プラントによらず、小型の分散装置を開発しました。地産地消型のモデルである点や輸送コストを大幅に抑えることが可能である点は、従来の考え方と大きく異なります。また、経験豊富な4名で構成されるチームと高度な専門的知識を有する6名からなるアドバイザリーボードで推進体制を構築し、しっかりと取り組んでいます。」との説明を聞き、埼玉県発の事業が世界で大きく羽ばたき、環境問題やエネルギー問題を解決していくイメージが大きく膨らんでいき、ベンチャー企業として大きく飛躍してもらいたいとの思いを強くしました。
来年度から開始予定のインドネシアの工業団地における事業展開に注目していきたいと思います。
ご対応いただきましたAlchemist Material 株式会社の齋藤和正代表取締役COO、ありがとうございました。


      
              「第36回彩の国ベンチャーマーケット」の受賞者集合写真
      ※手前左から3番目がAlchemist Material 株式会社の齋藤代表取締役COO

 

Alchemist Material 株式会社

お問い合わせ

企画財政部 南部地域振興センター  

郵便番号332-0035  埼玉県川口市西青木二丁目13番1号 埼玉県川口地方庁舎2階

ファックス:048-257-0529

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