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掲載日:2023年3月29日

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ゲートキーパー研修動画の内容新規・更新箇所

悩みに気づくこころ支えるゲートキーパー(20分研修動画)

この動画は「ゲートキーパー」の役割や意義をドキュメンタリー風に解説する研修用動画なります。

ドキュメンタリーの内容

埼玉県内の某企業に勤める武蔵(26)は、大学の後輩で同僚の新入社員・彩(23)が、入社当時の快活な明るさを失い、最近は憂鬱な表情を浮かべていることを気にしている。
心の内を聞こうとするものの上手く行かず、上司の渋沢(47)から助言を受けながら寄り添い続ける。彩は、仕事でミスはありながらも、やがて本来の笑顔を取り戻して行く――

動画内テキスト

(N=ナレーション)

N「身近な人の、こんな様子に気づいたことはありませんか?疲れ切っている、落ち込んだ表情をしている、仕事のミスが増えた、溜息が多い、話す機会が減った……」

N「その時、みなさんはどうしましたか?声を掛けて話を聞きましたか?それとも、どう声を掛けたら良いか分からず、何もできず、そのままに?」

N「人を思いやる一つのキーワードがあります。命の門番、『ゲートキーパー』――」

“アナタの近くにいます”

N「埼玉県」

N「ある会社に勤める武蔵さんには、この時、気掛かりなことがありました」

渋沢「おぉ、今日、宜しくな」

武蔵「お疲れ様です。先方の話を伺ってからですね」

渋沢「うん、それでいい。込み入った話になったら、一旦社に持ち帰らせて頂きますって」

武蔵「(笑顔)はい。そうはならないと思いますけど」

渋沢「ああ。(真剣な表情で)いろいろと、頼むな。うん、頼むよ(武蔵の肩を軽く叩いて行く)」

武蔵「(一瞬、カメラを見て)ええ、渋沢さんは直属の上司です」

武蔵「部長の交渉能力、取引先とのやり取りは、もの凄く勉強になります。話しやすい人ですし。ただ、ダジャレとかおやじギャグとかが、チョッと……」

N「武蔵さんの気掛かりなことは、仕事や上司の渋沢さんのことではありません」

武蔵「部長の言う『頼む』には、多分、彼女のことも含まれていると思います――」

N「彼女とは、彩さんのこと。武蔵さんの大学の後輩で今年の新入社員です」

N「入社して間もない頃は、学生時代と変わらない明るい笑顔を見せていました」

司会者「新人の皆さん、本当に今日はありがとう。これからもよろしくお願い致します。それでは最後に一人ずつ、希望や今後の夢、語ってもらいたいと思います。最初に彩さん、お願いできますか。」

彩「えぇっと、まずは戦力になれるように一歩一歩。企画とか開発とかも興味があって。将来はやっぱり自分が開発した商品を皆さんに使っていただくことが私の夢です。どうぞよろしくお願い致します。」

N「ところが最近は、仕事中にぼんやりすることやふさぎ込むことがあり、時折人を避けているようなことも」

N「武蔵さんは、話し相手になろうとしたそうですが――」

彩「すみませんでした!」

彩「(立ち上がって)今すぐお伺い致します!(受話器を置く)」

渋沢「(彩を目で追って)どうした?おーい、一言言ってから出掛けろぉ」

N「彩さんは、得意先との打ち合わせの約束を忘れ、渋沢さんにもそのスケジュールを伝えていませんでした」

N「大丈夫でしたか?彩さんは……?」

渋沢「ええ。あの後、私も一緒に行って。まぁ単純ミスですよ」

渋沢「新人と言っても、入社から半年以上も経っているのでね。こうしたうっかりミスは、仕事に慣れたからなのか、他に問題があるからなのか……彼女の場合は、私にも責任があるのかなぁ?」

N「それは、どういった責任ですか?上司として、ですか?」

渋沢「そうですね。それよりも、いつも身近にいる立場として、ですかね。気心の知れた関係の武蔵さんの方が話しやすいだろうと勝手に思って、任せ切りで。いろいろ聞く時間を作ってあげられなかった……」

渋沢「(来た武蔵に気付いて)おぉ」

武蔵「すみませんでした」

渋沢「いや、仕事の方は大丈夫だ。で、アレだ、彩さんの方、やれることはやってくれているんだろう?」

武蔵「はい?」

渋沢「アレだよ。彩さんの様子がいつもと違うって、武蔵さんも思っていたんだろう?だから、声を掛けたり、話し相手になろうとしている。助かるよ、本当に」

武蔵「どうなんですかね?(うつむく)」

渋沢「うん(武蔵を優しい眼差しで見てから向きを変えて)昔、似たような経験をしたことがあってな」

渋沢「悩んでいた同僚がいて、やっぱり気になって、話し相手になった。でも、もっと専門的な相談が必要なのかなと思って、付き添って会社の健康相談室へ行ったんだ。彼は、そこで専門の相談員にいろいろと相談して、気持ちが少し軽くなったって言っていたな。結局は、転職したんだけど、まぁ、今も元気にやっているらしいから――」

渋沢「アレだよ、武蔵さん。心配し過ぎて、逆に追い込まないようにな。温かく見守ることで、ふっと笑顔を取り戻すかもしれないし」

武蔵「そうですね」

渋沢「うん、これからも頼むよ。ヨロシクね、仕事と可愛い後輩のことを。二刀流でな――武蔵だけに?(苦笑)」

武蔵「……(あんぐり)」

渋沢「……すまん。武蔵さんも、あまり無理しなくていいぞ。俺もいるから、頼ってくれよ」

N「その後も、武蔵さんは、彩さんのことを気に掛け、引き続き、話し相手にもなりました――」

N「実は、武蔵さんと渋沢さんのこうした思いやりは、ゲートキーパーと呼ばれる人の役割と同様の行動です。少し、まとめてみましょう」

N「ゲートキーパーとは、命の門番とされている支援者です。特別な資格は必要ありません」

N「役割の一つ、気づき。変化に気づいて声をかけることです。気になっていても、最初に声を掛けるのは難しいもの。声かけの仕方に困った時は――

眠れていますか?

どうしたの?何だか辛そうだけど…

何か悩んでる?よかったら、話して。

何か元気ないけど、気になることでもあったの?

何か力になれることはない?

など、勇気を出して相手を思いやる一言から始めます」

N「役割の一つ、傾聴。相手の話に耳を傾けることです。話を聞く時は、相手の気持ちを尊重することが大切。そのための準備や心構えは――

他人に聞かれない場所や部屋など、話せる環境を作る。

心配していることを伝える。

悩みを真剣な態度で受け止める。

誠実に、相手の感情を否定せずに対応する。

話を聞いたら、「話してくれてありがとう」や「大変でしたね」、「よくやってきましたね」というように、ねぎらいの気持ちを言葉にして伝える。

安易に励ましたり、逆に、相手を責めたり、考えを否定したりすることは避けるべきです」

N「相談機関の方々も、このように話しています」

さいたまチャイルドライン 太田代表「自分の経験は本当に役に立ちません。一つ一つのことが世界でたった一つの出来事なんですよね。ゲートキーパーを必要とされる方というのは、他に話す相手や信頼できる人、そういった人が見当たらない人が多いんじゃないかなと思うんですよね。そういった人たちが何を望んでいるかと言えば、自分の気持ちを受け止めてくれる人、自分の気持ちを否定しない人ですよね。私たちは何とかしたいと思うと、「でもね」とか、「もしかしたらこうかもしれないよ」とか、ということを言いがちになりますけれども、それは相手を全否定することにつながります。そうではなくて、「ああ こういう気持ちでいるんだね」って、「そうかそうか、大変だったね」って、という風に聞いてくれる人が現れたとすれば、また困った時にそこへ行こうと思いますよね。それこそがゲートキーパーの役割ではないでしょうかね。」

事務員「何か言いたくなるんですけど、助けてあげたいと思えば思うほど、アドバイスをしたくなると思うんですが、全部話が終わるまで最後まで我慢して黙って聞くこと。そしたら途切れ途切れでも話をしてくれると思うんですね。その間悩んで黙ったとしてもとりあえず何も言わずに聞く、というのが重要なんじゃないかと。全部話し終わったなと思った時に、今の気持ちとか聞いてみるということが重要ではなのかなと思っています。まずは話を黙って聞くっていうことが重要なんだと思っています。」

吉田事務局次長「そこでつなげるという役割が非常に大事になってくると思います。本人はなかなか言えないので、そういう行動も取れないので、一番いいのは、(相談会に)来る時もですね、一緒に来ていただいて同伴型で、最後の見守りをやっていける道筋をつけていくというのが一番よろしいのではないかなと思います。」

N「話し相手になった人が悩み事を解決しないといけない、と思う必要はありません。一緒に考えてくれる人がいること自体、悩んでいる人の孤立を防ぎ、安心感も与えているのです。

また、必要に応じて早めに専門の窓口等に相談する。

辛い気持ちを相談出来る窓口の情報を伝えることも助けになります。

体調が優れない時に病院へ行くことを勧めたり、生活上や経済的な問題を解決する窓口へ行くことを勧めたり、一方的に進めるのではなく、一緒に考えた上で提案し、相手の気持ちを踏まえて対応することが重要です」

N「先程、相談機関の方も話していたとおり、役割の一つは、専門家に相談するよう促す、つなぎです。

紹介にあたって注意すべき点は――

相談者には丁寧に情報の提供を。

専門の相談機関等に確実につながることができるように、相談者の了解を得た上で、可能な場合は相談窓口に直接連絡を取っていただくなど、相談の場所や時間などを具体的に相談者へ伝える。

地図やパンフレットを渡したり、相談先へのアクセス情報を提供することも有効。

相談者が希望した場合は、一緒に相談先に出向くなど、支援を行う」

N「役割の一つ、見守り。大きな心持ちで相手を想うことです。つないだ後も、

暖かく寄り添いながら、じっくりと見守る。

多くの問題は解決まで時間がかかるので、継続して定期的な声かけが望ましい。

必要があれば、相談に乗ることを伝える」

N「武蔵さんと渋沢さんは、このようなゲートキーパーの役割を、日常の勤め先で自然と経験して来たということです」

N「さて、悩みを抱えていそうだった彩さんの今は?仕事のミスから数日後、思い切って尋ねました。この半年で何があったんですか?」

彩「それは……プライベートなことですので、すみません。全部オープンには話せなくて……まぁ、いろいろなんで」

N「武蔵さんに、具体的な相談は?」

彩「あまり細かいことまでは話しませんでしたけど……」

彩「でも、何度か話しているうちに、所々ですが、悩みを打ち明けられました。すぐに解決することでもないので、聞いてもらっただけでも、気が楽になった感じです」

N「良かったです。他に、武蔵さんからは?」

彩「相談窓口のことを教えてもらいました」

彩「そちらでも話を聞いてもらって、支えになりました。身近な人には言いにくいことも、知らない人になら、むしろ話せることもあるので。匿名でも大丈夫って思ったら、まぁまぁ話せて、悩みに合った別の専門機関も教えてくれました。それでようやく、今後どうして行くか、気持ちを整理出来たんです」

彩「最初は心配してくれているんだって思うと、嬉しい反面、申し訳ないような、後ろめたいような気にもなっちゃて。でも、本当に、武蔵先輩には感謝しています。あ、勿論、渋沢部長にもですね(笑)」

N「彩さんのこの言葉を、武蔵さんに伝えると――」

武蔵「(苦笑して)少しは役に立てたんですかね?それなら、僕も嬉しいです」

武蔵「縁があって、同じ会社の同僚になりましたから。身近な人が悩んでいるなら、何か少しでも力になれればと。多分、意外と単純なことなんじゃないですかね」

武蔵「僕は、近くにいる、と。誰でも誰かの近くにいるんです。そのことを、これからも忘れないようにしたいと思います」

N「人を思いやる一つのキーワードがあります。命の門番、『ゲートキーパー』――」

N「悩みを抱えた人々に気づき、適切に関わる人のことです。特別な資格は必要ありません。変化に気づき、話を聞き、必要に応じて専門家へつなぎ、温かく見守ることが、主な役割・ポイントです。ゲートキーパーは、アナタの近くにいます!」

N「埼玉県には、自殺予防に関する相談窓口があります」

N「『社会福祉法人埼玉いのちの電話』は、悩みを抱える人の心の支えになることを願い、電話相談を実施しています」

埼玉いのちの電話相談電話048-645-4343

内藤事務局長「悩んでいる人、極端に言うと死にたいというような悩みを持ってる人が、電話を通して相談する機関というふうに大まかに思ってみていただければ良いと思います。少し気になるとか、顔色が悪いとか、悩んでいそうだという風に思ったらですね、優しい声かけをしていただけたらいいかなっていうのは思っていますけど」

N「『特定非営利活動法人さいたまチャイルドライン』は、困った時や誰かと話したい時にかける、18歳までの子供専用電話です。チャットによるオンライン相談も実施しています」

さいたまチャイルドライン相談電話0120-99-7777

太田代表「ゲートキーパーは誰でもなれると思っているんですね。特別な人だけがやれることではないと思っています。ゲートキーパーの基本、一番大事なところは傾聴、それと相手の気持ちになって考えられるかどうか、がやはりポイントではないかと思っています。チャイルドラインは気持ちを聞く電話、気持ちを聞くチャットなんですね。ですから、今そこで起こっている事柄が大事なのではなくて、気持ちがどういうことなのかなって、そこに寄り添っていくことができれば、だれでもゲートキーパーになれると思います。」

N「『暮らしとこころの総合相談会』は、経済的な悩みと心の健康に関する問題を対面型で話せる、ワンストップの総合相談会です」

暮らしとこころの総合相談会お問合せ番号048-782-4675

吉田事務局次長「暮らしとこころの総合相談会は、原則毎週木曜日の午後3時から7時で、一人につき大体30分から40分なんですけれども、法律相談が弁護士と司法書士、こころの相談が精神保健福祉士、生活の相談が社会福祉士の先生方が、専門家が相談に乗っていただけるということで、もちろん本人の同意でですね、それが弁護士と精神保健福祉士の両方の相談が同時にできるというところがこの相談会の一番良いところだと思います。」

N「その他にも、次のような窓口があります。これらの窓口では、必要に応じて、悩みに合わせた専門機関も案内しています」

<相談窓口>

こころの健康相談統一ダイヤル0570-064-556

精神保健福祉センター(さいたま市以外にお住まいの方)

来所相談予約048-723-6811

電話相談「こころの電話」048-723-1447

さいたま市こころの健康センター

(さいたま市にお住まいの方)048-762-8548

SNS相談「こころのサポート@埼玉」

LINEID@kokosai                     ほか

詳しくは、埼玉県ホームページ「自殺予防に関する埼玉県の相談窓口の御案内」からご覧いただけます。

自殺予防相談QRコード二次元コード

N「最後になりますが、ゲートキーパー自身の健康管理、悩み相談も大切です。相談に乗っていると、「悩みを聞くのが辛い」など、自分が疲れてしまうことがあるかもしれません。そんな時は、すべてを抱え込む必要はありません。まずは、自分の心と体を大切にして下さい。自らが困った時には、信頼出来る人や相談窓口に相談しましょう」

N「悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなぎ、見守るゲートキーパー。無理のない範囲でいいんです。それぞれの立場で出来ることから始めてみませんか。『あなたの行動が自殺予防の第一歩』」

「ゲートキーパー埼玉県」で検索
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0705/suicide/gatekeeper.html
「自殺予防相談埼玉県」で検索
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0705/suicide/suicide-soudan.html
あなたの行動が自殺予防の第一歩
彩の国埼玉県

 

お問い合わせ

保健医療部 疾病対策課 精神保健担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎4階

ファックス:048-830-4809

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