ページ番号:250981

掲載日:2024年3月11日

ここから本文です。

髙木佳祐 (留学先:大韓民国)

   私は、2023年3月からソウル大学の行政大学院(後期博士課程)への留学を開始しました。2024年3月現在も在学中で、今後も数年間は留学生活が続く予定です。

   以下、留学先である韓国・ソウルの紹介と、私の留学(研究)活動、埼玉親善大使としての活動について紹介させていただきます。

1. 韓国・ソウルの紹介

   私が滞在している大韓民国の首都であるソウル特別市は、今や日本人にとってメジャーな海外観光地の1つだと思います。昔から不動の人気を誇る観光地の明洞(ミョンドン)、韓国の市場の活気を楽しめる広蔵(クァンジャン)市場、ブランド品や有名韓国コスメの店が並ぶ新沙洞(シンサドン)カロスキルといった従来からの人気スポットはもちろん、韓国人の若者が集まる「ハップル」(Hot Place; 流行りの場所の意の韓国語)である益善洞(イクソンドン)や聖水洞(ソンスドン)などでも、自然と日本語が耳に入ってくるほどに、多くの日本人観光客が訪れています。

 

takagisama_1          takagisama_2

外国人で賑わう夜の明洞                                                                      活気に溢れる広蔵市場

 

   そんなソウルですが、市内を歩いていると、坂道がとても多いことに気づかされます。ソウルは、周囲を山と緩やかな丘陵で囲まれた盆地に市街地が形成されているため、中心地を除けば坂道に街が広がっている「坂の街」でもあります。韓国のドラマや映画に登場する綺麗な都市の街並みやお洒落なカフェが注目されがちですが、坂道に注目しながらソウルを歩くと、また別の姿が見えてくるかもしれません。さまざまな坂の上から見下ろすソウルの街並みは、どこも一見の価値ありです。

 

 takagisama_3          takagisama_4

東大門駅そばの昌信洞(チャンシンドン)の夕焼け                 龍山区にある解放村(ヘバンチョン)の夕暮れ時

 

2. 留学(研究)活動

   私は、大学院で韓国の地方自治と地方行政について研究しています。特に、韓国の地方自治体における外国人住民政策やデジタル化の現状などを軸に、調査と分析を行っています。

   最近、韓国では2023年の合計特殊出生率(女性1人が生涯に生む子供の推定人数)が0.72であったと発表され(日本は1.26、2022年。)、深刻な少子化に対する危機感が強まっています。加えて、仕事や教育環境が整った首都圏への人口の一極集中も加速しており、地方自治体は人口流出・人口減少の中で生き残るためにどうするべきか、頭を悩ませています。このような問題は、日本の地方自治体と通じるものがあるため、最近は日韓の自治体や研究者による合同シンポジウムや意見交換の場なども積極的に設けられています。

   私は、こうした両国の地方自治体の現状の助けになるような研究成果を出すことを目標に、日々研究に励んでいます。博士課程修了後は、両国の地方をつなぐ架け橋のような人材となり、両国の地方から社会を元気にし、両国の友好関係を深めていくことが私の夢です。

 

takagisama_5         takagisama_6

2023年韓国政策学会冬季大会での発表の様子                           韓国の経済誌に掲載していただいた、日本の地方自治体の

                                                                                                  外国人関連施策に関する拙インタビュー記事

 

3. 埼玉親善大使としての活動

   多くの日本人が韓国を訪れている一方で、たくさんの韓国人もまた日本を訪れています。2023年の韓国における人気海外旅行先ランキングの1位は日本でした。東京、大阪、福岡、札幌などを中心に、たくさんの韓国人が全国各地を訪れています。埼玉を訪れた韓国人も多く、日本旅行をしてきた韓国人から、「川越に行ってきた。道が綺麗でとても良かった」と言った声を聞くことも随分と増えました。

   しかし、一般的な韓国人の方々にとっては、埼玉の知名度はまだまだ高くないのが実情です。川越は東京の一部と誤認している由々しき事態(?)も少なくありません。埼玉親善大使として、到底見過ごすことのできない状況です。幸い私の研究分野が地方自治ということもあって、韓国人から日本のおすすめの観光地について問われることも多く、私はその都度、川越はもちろん、秩父の美しい自然や温泉、朝鮮半島とゆかりのある日高市の高麗神社、韓国でも国民的アニメとして愛されている「クレヨンしんちゃん」の地元である春日部市など、韓国人が魅力に感じるであろう埼玉の魅力を伝え、足を運んでみるよう促しています。加えて、研究の場においても、さいたま市の人口増加の背景などに関する分析を紹介するなど、学術的にも埼玉に対する関心を高めるべく努力しています。

   留学開始から1年が経ち、一つの区切りとしてこのレポートを作成させていただきましたが、私の留学生活は今後も続く予定です。今後はソウルのみならず、埼玉県及び県内の市町村と姉妹提携を結ぶ韓国の自治体を訪れ、現地を見てまわりたいと考えています。こうして私がのびのびと研究ができていることは、ひとえに「埼玉発世界行き」奨学生に選んでくださったおかげです。このご恩に報いるべく、今後も埼玉親善大使としての自覚を持ちながら、研究活動に励みたいと思います。


お問い合わせ

県民生活部 国際課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 第三庁舎2階

ファックス:048-830-4748

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?