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掲載日:2021年8月31日

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知事記者会見テキスト版 平成30年9月4日

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平成30年9月4日(火曜日)

知事発表
埼玉 WABI SABI 大祭典 2018と埼玉バリアフリー文化プログラムを開催します!

埼玉 WABI SABI 大祭典 2018と埼玉バリアフリー文化プログラムを開催します!(PDF:1,171KB)

知事

今日は埼玉WABI SABI大祭典2018について、県民の皆様にお知らせをしたいと思います。御案内のとおり、オリンピックはスポーツの祭典でもありますが、一方では文化の祭典とも言われております。そういう意味で、その国々の文化・歴史・伝統などを大きくアピールするチャンスということで、昨年から埼玉県の優れた文化・歴史・伝統などをアピールしているところです。そのメインテーマが埼玉WABI SABI大祭典ということで、和の文化の屋外フェスティバルを中心に、見て、感じて、楽しめる仕掛けを10月13日土曜日と10月14日の土曜日(後に「日曜日」に訂正)の10時から19時半、10時から16時まで。メイン会場は大宮公園の特設会場にしています。また、サテライトの会場として、歴史と民俗の博物館、大宮盆栽美術館、氷川の杜文化館、そして氷川神社。基本的には無料ではありますが、飲食や、また体験メニューなどがございますので、それは若干の実費をいただいたりすることがございます。具体的にお話を進めていきたいと思います。

まず13日、土曜日でありますが、書道パフォーマンスで矢部澄翔先生に書道のパフォーマンスをやっていただきます。それから、着物ショーでシーラ・クリフ氏とNPOの川越きもの散歩のグループの皆さんたちに着物のショーをやっていただきます。また、盆栽パフォーマンス。極めて短時間にさっと盆栽を造る技術などを持った平尾成志さんに初心者も楽しめるような盆栽の扱い方などを発表していただきます。さらに、スペシャルゲストライブ。奄美シマ唄とポップスの融合で元ちとせさんにお願いをしているところであります。それから、この日限りのスペシャルユニットということで武田真治さん、藤原道山さんに御出演をいただいております。俳優でサックスプレーヤーの武田真治さん、そして、尺八の演奏家で著名な藤原道山さんのスペシャルユニットということで、どんなことができるのか、なかなか想像ができませんが、サックスと尺八どういうことなんだろうと思っております。また、先ほども申し上げました野点や盆栽、生け花、書道、能、和太鼓などのワークショップ、あるいは大宮公園周辺のガイドツアーなど、盛りだくさんに体験コーナーがございます。14日は盆栽のトークショーで清香園の山田香織さんに御登場いただきます。また、いけばなパフォーマンスでは杉田康さん。桂流、桂古流の家元。そして、落語ではFM NACK5のパーソナリティでもあります三遊亭鬼丸さん。そしてまた、スペシャルゲストライブで三味線の若手第一人者の山口晃司さんに出演をいただいております。さらにこれ13日、日曜日ともにですが、埼玉のユネスコ無形文化遺産が大集合します。秩父の屋台囃子、川越祭りばやし、細川紙の紙漉き体験。こうしたことが楽しむことができます。それ以外にも、いけばな展など文化団体等による自主的企画。あるいはまた埼玉の地酒や食のブースもしっかりございます。和装で会場にお越しの方には特別プレゼントがあると聞いております。

そしてもう1つ。バリアフリー文化プログラムのその1。障害者に対する心のバリアフリーの浸透をしていきましょうということで、毎年、近藤良平さんと障害者ダンスチームのハンドルズによる公演を彩の国さいたま芸術劇場でやっているところであります。昨年は淑徳与野高校(後に「中学」に訂正)の女子中学生に参加いただきましたが、今年はハンドルズ、近藤良平さん、そして埼玉栄高等学校のダンス部の皆さんにも御参加いただいて、とにかくもう無茶苦茶面白いと。「今はただ だまって見てて ほしいのよ」と言っても、それは無理です。笑っちゃいますので。黙るどころか大騒ぎになります。タイトルは私は変えてもらいたいと思っています。今は黙って見てることができないのよぐらいに変えてもらいたいのですけれども、とにかく無茶苦茶面白い。しかし、何か心を打つ。ハートに響く大変すばらしい近藤良平さんの演出あるいは振付がとてもすばらしいというふうに思っています。そして、出演される障害者の皆さんたちの心映え、あるいはまた一緒になって共演する学生・生徒の皆さんたち。本当に黙ってとても見ておれません。拍手をしたくなるし、何か本当に心が洗われるような思いで、私もほぼ毎年見ているところですが、本当に黙って見ててほしいのよなんて、こういうタイトル欲しくなかったと思っております。それで申し訳ありません。料金がございます。一般の方が2,000円、障害のある方及びその介護者は1,000円ということで、販売開始は9月8日の土曜日から(SAF)チケットセンター等で行っております。

それでバリアフリー文化プログラムのその2。ソニックシティ・オープン30周年記念事業として、障害者アートフェスティバルin SONIC。見て、感じて、心くすぐるアートの魅力ということで、障害者のアート企画展がソニックシティ展示場、イベント広場で行われております。もちろんこの企画展だけではなくて、ミニコンサート、手話ミュージカル、ダンス・打楽器のワークショップ、パラリンピック競技体験、ライブパフォーマンスなどが行われます。特にボッチャなど体験ができます。それから、ライブパフォーマンスでは、スティールパンバンドという、これ何だと、私も知りませんでした。今日、初めて正確に知ることができましたが、ドラム缶を輪切りに色々切って、叩いたりして音階を合わせて、ドラム缶を叩くことで、ちゃんと音階を合わせることができるというパフォーマンスであります。私も見たことがないので、当日見て、どんなことでどうできるのか感じてみたいなと思っています。

さらに、オール埼玉で文化イベントを実施しております。東京2020オリンピック・パラリンピック、ラグビーワールドカップ2019に向けての埼玉文化の魅力を国内外に発信するために、10月から12月をオール埼玉文化強調月間2018と位置付けて、それぞれ文化イベントを展開してまいります。事業の数が合計89、市町村や各種団体の主催者の数が70、会場の市町村数が33。いくつか有力なところでは、「未来を照らす!光の祭典」、小川町の商工会青年部が頑張って、小川和紙、まさにユネスコ無形文化遺産になった紙漉き技術の小川和紙を使ったりした竹灯篭やランタンなどで水辺をライトアップした大変幻想的な光の祭典を行う。お馴染みのアニ玉祭を鐘塚公園の一角で行ってまいります。アニメのイベントとしては国内最高に近いレベルでございます。また、金子兜太先生を偲ぶかたちで、兜太・産土の会主催で「兜太で町おこし、後世に伝える文化プログラム」というかたちで様々な企画が考えられております。他にも今申し上げましたように事業の数で89、主催者が70、会場33、埼玉県下のかなりのところで色々な企画で文化プログラムを展開するかたちになっております。詳しくはホームページ、オール埼玉文化強調月間で検索をお願いしたいと思っております。

以上、埼玉WABI SABI大祭典2018、大きな仕掛けができております。そしてまた、埼玉バリアフリー文化プログラムを展開しておりますので、こちらの方も御理解を賜りたいと思っております。そして何よりも33の市町村で展開されます、市町村主催、あるいは事業者主催で様々な文化プログラムが展開されますので、それぞれの市町村の関係の皆様も市町村レベルでの御参加、そしてメイン会場の大宮公園、あるいはまた、彩の国芸術劇場など注目をいただきたいと思っております。

東京

埼玉の文化の魅力を国内外に発信するということですけれども、知事としては埼玉の文化について、内外での現在の認知度、知名度をどのようにお感じでしょうか。また、情報発信の課題があれば教えてください。

知事

このところ、ユネスコの無形文化遺産に登録されたものが連続してきていますので、改めてそれがどのようなものであるかなどについて御理解をいただきたいと思っていますし、それをしっかりアピールすることが大事だと思っております。そして、まさに大宮というのは大いなる宮。氷川神社というものが2,000メートルの参道を持ち、日本で、測り方にもよるのですけれども、日本一長いとも言われております参道を持つ大変由緒ある神社。そしてそれに隣接する大宮公園。こういったところを会場にして埼玉の持つ、例えば盆栽に関しては世界の聖地。これもあらためて知っていただきたい。川越の着物文化、あるいは秩父の銘仙に代表されるような着物文化。あるいはまた、埼玉県内そのものがシルクロードと言われたような時期がありました。繭の生産地、絹の生産地。そしてそれがまた、横浜を通じて世界に移された時代もございました。そういう歴史を持った着物文化というものを改めてまた知っていただく。それでまた最近における書道パフォーマンスはじめ色々な有力な若手の芸術家の皆さんたちが非常に埼玉もしくはその周辺で頑張っておられていますので、そうした人たちがまた新しく、単にまさに昔からの盆栽、昔からの着物ということだけではなくて、あるいは昔からのユネスコ無形文化遺産だけではなくて、新たなる芸術を加味するかたちで楽しんでいただく。これがやはり埼玉の特色ではないかと思います。昔からあるものと新しく出てきたものと融合させていくというのが埼玉の文化の特色だと思っております。

東京

そういった特色というのは、今のところ国内外で知られているとお考えですか。それとももう少し伝えていく必要があると…。

知事

そうですね。やはりこの文化というのは、スポーツと比べるとどうしても一定の愛好者に留まりやすい。なぜならば、野球だったら野球、サッカーだったらサッカーでスポンサーが付いたテレビ放映という仕組みがありますが、こういう着物文化、盆栽文化等々に関して、あるいはいけばな文化に関して、観客が少ないこともあり、スポンサーがそんなに付かないこともあり、その放映時間というのが限られている。ニュースの一コマで終わってしまう。そこに知名度ということに関してはいささか、どこが着物の本場だと、京都かと、あるいは奈良かとか、漠として皆さんが知っているレベルで、日本中色々あるのですけれども決定打がないというかたちであります。世界の聖地である埼玉の盆栽というのも、我々はよく知っているのですけれども、意外に日本全国で世界の聖地だということを知る人が意外にいない。これもまた残念なことです。ところが各国の大使などはいち早く盆栽村、盆栽美術館に来られます。なぜかというと、世界の盆栽の聖地が日本とりわけ埼玉であるとよく御存じだと。ただし、これはマイナーな話でメジャーになっていないと。メジャーにするにはテレビ等々でアピールしていくしかないのですが、しかし、大勢の皆さんに参加していただく中で、これからはSNSを通じて友達に拡散していただくだとか、こういう新しいデザインもしていますので、今後はそうした部分で期待していきたいと思っています。

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幹事社質問
知事4期目3年間の成果と残り1年の課題等について

東京

知事の4期目の任期が残り1年を切りました。先週の会見でも話題に出ましたけれども、3年間を振り返っての所感は「整理して答えたい」ということもありましたので、改めて3年間の成果と残っている課題などについてお聞かせください。

知事

3年間というかたちで言えば、俗にいう4期目の公約ということになっております。基本的には埼玉県は非常にラッキーな部分があります。日本全体の人口の推移の平均値から比べると5年ほど遅れて、既に先行して日本が進んでいる部分をある程度掌握した上で、準備ができるというメリットが埼玉県にはあります。これからの埼玉県並びに日本の課題というのは、もうはっきりしているわけであります。人口減少、高齢化に対して、どのような社会の枠組みを作っていくかということがポイントになっております。俗に言う、2025年問題と言われているのは、一番日本の人口の中で層の厚い団塊の世代の皆さんたちが75歳に突入すると。当然、75歳から後期高齢者という枠組みがあったり、後期高齢者医療保険制度というのもあったり、特別な扱いになっております。それは医療や介護の負担が特別に増えていく年齢、世代になっていくということでありますから、こうした部分に対して備えができるのかできないのかというかたちでのテーマが1つあります。同時に日本の、いわば働き手の中核を担ってきた団塊の世代が抜けた後、その後働き手が極めて減少すると、こういう事態に対してどういう対応をするのかという2つの課題。3つ目に少子化を極力食い止めるための仕掛けというのはあるのかどうかと。この3つが比較的大きな課題でありました。この課題に対して何をしていくかというと、基本的には高齢化社会における医療介護の安心をつくっていく。これも厚生労働省が地域包括ケアシステムというかたちで2025年までに医療と介護の一体的な体制をつくること、しかもそれは地域で完成させていくという枠組みだけを提供して、あとはご当地主義でやってくれと。地域資源がそれぞれ異なるからという理由ですが、やや無責任なきらいがありました。したがって、埼玉県は3つの分類で一定程度のケーススタディを先行させていただいて、ある程度のモデルをやって、その後はこのモデルを中心に各市町村、自分たちに合ったものを選択しながら味付けをしていただくと。こういうかたちをとっていきたい。とりわけ、県の役割は専担組織として医療の部分に関しては市町村持っておりません、福祉部門はありますが。市立病院等を持っている所は別にして。一般的に医療の専担組織は持っていないということがあります。したがって、県の役割はこの医療の部分を過不足なく、きちっと体系づけていくこと、これは埼玉県医師会との協力の中、介護と医療の拠点づくり、これを30郡市の医師会の所に拠点を作り上げました。これは昨年の4月に完成しておりますので、2年間で完成しました。もちろん、日本で一番早くこの医療と介護の拠点が整備されたわけであります。この間、当然介護人材、医療人材などの充実が急がれているわけでありますが、直近の2年間だけ見れば、医師の数の増加数、増加率ともに全国3位と。そして、看護師(後に「看護職」に訂正)の数は増加率1位、増加数2位と。そして介護士(後に「特養の介護職員」に訂正)に至っては(直近4年間で)両方とも1位というかたちで、全国の中では最もその人材確保についても、この10年、直近の2年だけ見ても、あるいはそれ以前も見ても非常に急速に人材確保もできてきていると。そして、先ほど申し上げました、いわゆる働き手が少なくなっていく、これをカバーするのが女性でありシニアだということですが、シニアの皆さんたちが健康長寿でなければいけないということで、健康長寿(埼玉)プロジェクト並びにその推進運動は平成24年から行ってきたわけですが、それもさらに加速させていただいてきました。毎日1万歩運動などのモデルに参加していただく市町村の数は40。また、健康寿命ランキングも(男性は)一気に21位から2位に上がるなど、じわじわと成果も上げているところでもございます。さらに、このシニアの皆さんたちが単に支えられるだけではなくて、一緒になって社会を共に支えていくような、そういう仕掛けも必要だと思っております。閉じこもって余生を過ごすのではなくて、積極的に社会活動なんかに参加していくような、そういう仕掛けをしていくには何よりも企業がそうしたシニアの皆さんたちが働きやすいような環境づくりをしていただけるようにお願いする。働いている人ほど元気だと、だから働けと言うつもりは全くありません。働く意欲のある人たちにチャンスがある社会をつくるというのが大事だと思っていますので、こうしたシニア活躍推進(宣言)企業などに、よりインセンティブを与えるようなかたちでの運動に対して1,421社、埼玉県内でも認定させていただいております。少子化対策についても、市町村と協働してウェルカムベイビープロジェクトなどを展開して、不妊治療の早期検査、治療の手厚い助成をはじめ、できるだけどんどん産んでくださいということは私たちにはできませんが、不妊に苦しむ人たちを手助けすることはできると。あるいはまた、その気はあるのだけどきっかけができないという人たちに対する支援もできると、結婚に対してですね。こうしたことについての支援をさせていただいております。こうしたかたちでの対応ができあがりつつあります。もちろん、成果には少し時間がかかる部分があります。また、先程も申し上げました、いわゆる生産年齢人口が減るということは経済が弱くなるということですので、しかも社会が変化してきております。ざくっと申し上げれば新日鐵住金、日本を代表する「鉄は国家なり」の新日鉄の流れが時価総額で2兆円と。しかし、東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドは時価総額4兆円という、まさに時代が変わってきているという。こういうことも考えれば、自ずから産業構造の変化の中での稼ぐ力というのは、変わっていくだろうということを焦点にして、まさに先端産業プロジェクトを展開しておるところでもございます。ナノカーボン、この部分に関してはまだまだ値段そのものが小さいもので、製品化されたものも小さいもので、なかなか稼ぐところまでは至っていませんが、多分に素材としては鉄に代わる最大の物になる可能性が高いと思っております。それからロボット、もう既にこの部分に関しては、ドローンをはじめAIとの絡みの中で、展開が十分されているところでもございます。医療イノベーション、この部分も進んでおります。また新しいエネルギーに関しても、今リチウムイオン電池がメインでありますが、あるいは取って代わるかもしれないマグネシウム電池(後に「蓄電池」に訂正)の開発、商品化についても進んでいるところでもあります。そして、航空機宇宙産業なども、この9月の議会で御承認をいただくかたちになりますが、IHIなどの参加が見込まれるところでもございますので、一大航空機産業の基地に埼玉県も手を挙げていく、こういう機会になってきておりますので、まさに順調に出してきた公約は進んでいる、こんなふうに思っております。

東京

関連で、今現在でやり残したこと、残り1年でこれだけはやっておきたいということがあれば教えてください。

知事

今申し上げたところをより完成させていく。地域包括ケアシステムは2025年に完成しろということですので、基礎固めをするというのが一つの方向ですので、先程申し上げました医療人材の確保に関しても、いわゆる平成15年以来始まった新しい研修医制度では、埼玉県が一番、埼玉県内に研修医が勤務している、増加しているところもありますので、さらに医師の増加数などについても加速化していくかと思っています。課題というのは、絶対これで終わりですねというのは無くて、ある程度は半永久とは言いませんが一定程度、任期があろうがなかろうが進んでいくものだと思っています。川の再生についても、一旦アユの生息する確率(後に「できる水質の河川の割合」に訂正)が52(パーセント)から89(パーセント)まで行ったんですが、実は82(パーセント)に落ちております。原因は、はっきりしております。雨が降る時は無茶苦茶降って流れてしまって、後は全く降らないということで川の水が濁っているということです。水量が落ちていることですね。でも、今の仕掛けはいずれまた92(後に「93」に訂正)(パーセント)に復活するし、場合によっては95、96(パーセント)というかたちでアユの生息(後に「できる水質の河川の割合」に訂正)が高まる方向で動いていることだけは事実ですので、若干のブレがあっても全体としてはずっと上昇していくものになっていく。地域包括ケアシステムについても、先行してできあがっている所、やや遅れている所がありますが、2025年にはみんな揃っていただきたい。こんなふうに思っておりますし、これは任期があろうがなかろうが辿り着かなくてはいけない課題だと思っています。いわんやまた先端産業プロジェクトなんかというものは、長い期間がかかるもの、比較的短くできるもの、既存の体系からポッと乗っかるものがあったらすぐできると。既存の体系が無いところに新しく作っていくものは少し時間がかかると。こういうことですので、単純ではないと。ただ、そういう方向をしっかり打ち出しているかどうかが、やはり大事だと思っています。

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その他の質問
国民民主党に期待することについて

埼玉

今、国民民主党の代表選が行われていますけれども、党の支持率が低迷する中、新しい代表に期待することをお願いします。

知事

今の議席などから、あるいは支持率からすると、次なる選挙を通じて政権交代が起こりうると思っておられる国民の方が少ないと思っております。そういう時に、熟議とか積極的な政策討論、もちろんそれはやらなくてはいけないと思いますが、限界があるのかなと思っております。例えば、国民民主党であれ立憲民主党であれ、こういう政策の方が優れているのではないかということを持ちかけて国民に判断を求めても、そんなこと言ったって次の政権交代であり得ないでしょと。そうすると、掲げている目標だとか政策とかが正しくて、そしてそれを実現するプロセスがしっかりしていたとしても、なかなか支持を得ない。だから、それは全くやるなとは言いませんが、それだけでは無理なんでファクト、事実が大事ですね。例えば、たまたま新聞報道で障害者雇用の水増し問題が出てきましたが、これを国民民主党が見つけて、国会会期中に出していたらどうなったでしょうか。極めてしっかりした議論をしているなと、何だ政府はと、何だと、安倍さんどうしたんだと、こういう話。いや、いいじゃないか玉木はと。共生社会の旗印で民間には強制的にやらせているくせに、自分たちはいい加減なことやっていると。たまらんと、みんな思っているわけですから、そういうファクトをね、やはり出して、国民の共感を徐々に得ること、それがまず大事ではないかなと思っております。今すぐ政権交代可能な状況にはとても思えない、だから支持率が低いと思います。だから、そういう事実、ファクトをちゃんと出して国民の共感を得ていく、確かにその通りだと、無茶苦茶税金の無駄遣いをしていると、何だとこれはと、けしからんと。消えた年金もそうですね。たまらんと。年金保険料出していたのにと。自分の名前消えちゃっていると。たまらんと。そういう大事なこと、ファクトを一つ一つ積み重ねて国民の共感を得て、一定程度の支持率になった時に、初めて政権交代可能な状況ができるわけですから、それまで辛抱して、そういうファクトで戦っていくことが重要だなと私は思っていますね。まあ本当に、とにかく政権交代可能な状況というのが競争を促して、いい政治が実現できると私は思っております。圧倒的にどこかだけが強いというのは、いい政治とは私は思えません。そういう哲人政治が一番世の中的にはいいのかもしれませんが、そういう哲人というのはなかなか出て来なくて、どちらかというとそうではなかった場合が多いので、チャーチルに言わせれば民主主義制度なんていうのは史上最低の制度だと。しかし、独裁よりはマシだと。なぜなら、哲人というのは偶然だからと。それも期間が短いからと。だったら、史上最低の制度でも民主主義がいいと。まさに、政権交代というのはそういう意味で存在していると思いますので、政権交代可能な政治状況をつくるまず努力をすることでしょう。残念ながらすぐできるとは思わないで交代可能な状況をつくると、そういう努力が求められているのではないかなと、私は思っております。

読売

関連ですが、今ファクトが大事だということで、その一例として障害者雇用の水増しの問題をおっしゃっていましたけれども、政権批判につながるようなファクトという意味なんでしょうか。政権を追及できるだけのファクト、政権批判のためのファクトが重要であるという御認識でしょうか。

知事

そうですね。追及という言葉がふさわしいかどうか分かりませんけど、やはり国民が共感できる、これは正してもらいたいと。または正してもらえないと我々は救えない、救われないと。そういうものをやはり見出す努力が必要でないかなと思います。モリカケもそれはそれで、手続き上の問題だとかそういったものに課題があるように見えますし、課題がなかったと思いませんが、しかし、国民全体の心に響くかどうかという問題になってくると、直接的にはそうでもない。手法として気に入らないねと、特定のところだけが少しいい思いしてんじゃないのという程度かなと私は見えます。それよりも、国民全体に響くものですよね。困ると。消費税増税もある程度やむを得ないのかなと思ったりしてる人達も決して少なくはないと思います。しかし、それにふさわしい環境を本当に整えているかとかということについて、もし、ふさわしい環境に整ってないことをいくつも見出したら、国民はやはりそれに対して共感してくれると思います。それはやはり正さないと、増税もできにくくなってくるとお思います。だから政府は慌ててそれはやはり国民の合意を得るために、指摘された事に関しては急いでやはり正すと思います。そのこと自体は結果的には国民益になる訳ですね。いろんな意味で。そういう事を繰り返すことしかないんじゃないかなと思います。

読売

対案路線というのとはちょっと意味合いが違うという…

知事

そうですね、対案路線も最小限度必要ですけども、それにこだわっていても、その事自体で即政権交代してその対案が生きるわけではないもので。生きるときにはそれが大事ですけども、今生きないと思いますので。政権交代可能な状況を積み上げる、こっちの作業の方に力点を置くべきじゃないかと私は思います。

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安倍政権の評価について

朝日

自民党の総裁選もあるんですけども、上田知事は安倍政権をどのように評価しているのか、改めて聞かせてください。

知事

何回か申し上げていると思いますが、安倍政権の一番の評価のポイントは、いわゆる、これ一学期、二学期、三学期と分けると、一学期にすごい期待感を国民に持たせていただいた。アベノミクスで円安に大きく振って、企業収益が上がる仕組みが出来上がった。それから金融緩和によって、経済におけるお金の流れがよくなった。こうした2つの点はまさに安倍政権を一学期、二学期、三学期と分けていけば、一学期は抜群の成績。国民に期待感と安心感を与えたと。こんなふうに理解しております。雇用を増やしたという話は60万人卒業して30万人しか入らないですから。結果的には有効求人倍率が上がるのは当たり前。これはそう褒めても大したことない。むしろ雇用者の給与がいかに上がっていくかという事で。上がってはいます。しかし、税金も上がったり、保険料が上がったりしてますので、意外に可処分所得は減っている。これが消費の低迷でありますから、この一段ロケットのすごい勢いでの評価というのは私は高く評価したい。しかし、2段目に関しては低迷がずっと続いている。そして3学期で新しい課題に、まさに働き方改革だとか、一億総活躍だとか、こういった部分はこれからの社会の在り方について、問題提起はされてる。ただしまだ結果が出たわけではありません。一番目、一学期は抜群の成果を出した。二学期は必ずしも成果を出しているわけではない。やはり国民所得を上げる、可処分所得を上げるという事です。賃金が上がりましたというんじゃないんです、雇用が増えましたというんじゃないんです。個人の所得、可処分所得が上がりました、ゆえに消費が増えてます、それでいい循環がどんどん生まれてますと。すると、軌道に乗っかっていくわけです。経済が。この部分では必ずしも成功したと思っておりません。三学期的に言えば、三段階に分けたとすれば、新しい社会の在り方の問題提起をしておられる。これは評価しなくてはいけないと思っております。国内的にはそんなものです。海外に関しては、長く総理の席におられること。このことが一つの信用、そしてそういう意味での海外との信頼関係は日本政府の一種の外交的安定感と言うんですか。こういうのは評価とかそんなものではなくて、諸外国にとっても安心してみれる。そういう意味での評価というかたちではないでしょうか。もちろんもっとトランプさんに物を言ってもいいんじゃないかと。金正恩さんと会うと言ったらイエスと。会わないと言ったらイエス、やっぱり会うと言ったらイエスと。なんでもイエスとなっているんでね。それでいいんかというのはやはりありますよ。しかし、今の様々な状況の中で、じゃあそれ以外の答えがあるのかという話になってくるとなかなかないという事も事実ですので、ある程度消極的に評価、外交的には評価せざるを得ない、こんなふうに思っています。なんか評論家みたいなこと言っちゃったね。

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新しくなった熊谷ラグビー場のフィールドに立った感想について

埼玉

熊谷ラグビー場の改修工事が終わりまして、9月1日に全国高校ラグビー埼玉大会の開会式が行われ、知事もその開会式に出席されましたが、改めて、改修後の熊谷ラグビー場の印象、改修前のラグビー場との違いを実感された点、並びに今後への期待を改めてお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。

知事

選手の皆さん達が49校39チームが行進されて勢揃いされて迫って来る姿など、またあるいは一部の関係者しか観客席には来ておられなかった訳ですけど、やはり振り向くと角度の部分での臨場感を感じる事ができますし、やはり行進の部分なんかでも、新しいラグビー・フットボール場というのは、中々立派なものだなあということを感じ取ることができました。まさに、(全国高等学校ラグビーフットボール大会の)決勝は大阪の花園の方で行われる訳ですが、春には今度は熊谷で全国の高校生が集まって(全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会の)決勝戦やるわけですから、その時は全く見劣りしないかたちで西側の方面から来た人たちが、おーっと、おっとーいう感じで。立派なものが出来たなと。思っていただけるんじゃないかなと思っております。元々全体の空間は大きいですから。広いですし、悪くないですから。そういう中でのグランドピッチ、あるいは観客席等々見れば、いいものではないかなと。そういう意味ではワールドカップの代表戦3試合はじめ、今後まさに東の熊谷西の花園と言われる、高校ラグビー界の頂点の空間として、ふさわしいものになったのかなと思っています。

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これからの時代に求められる知事の資質について

朝日

上田知事の任期はいずれ終わるわけなんですけども、これからの時代の知事にどのような資質が求められるか、どのような人が知事にふさわしいというふうにお考えでしょうか。

知事

それは難しいね。状況状況で変わってきますし、地域地域でも異なってくると思いますね。47都道府県の中で。まあ当たり前の事は言えるかもしれませんが。公平公正とか、ちゃんとビジョンを持ってとか。ビジョン以前に課題がありすぎると、その課題をまずは片付けるというのもあったりしますし。ビジョンどころじゃない時に代わるパターンもありますからね。不祥事だとか、何か特別な事があって代わっていくとか。そういう時にはビジョンどころじゃないですから。まずは民心の安定が必要だって事ですから、そういったものの切り口もあるし。ゆっくりとしたかたちの中での交代であれば、今までの流れも大事にしなくちゃいけませんが、新しいビジョンをどうするかとか、それから、任期中にでも時代が変わっていきますので。まさにAIの入り口に今突入しているんですけども、こういう事は自分が就任する頃は全く考えられなかった話でもありますので、そういう意味では、やはりすごくスピードが速い。だからあまり大きなビジョンに囚われすぎてても、事と場合によってはマイナスになる場合もあるかもしれません。なんとも言い難いですね、それは。神様でもないですから、あれがいいですよ、これがいいですよとはとても言えません。個々の部分では、こんな事ができますねという事は言えるかもしれませんけども。

朝日

全国知事会の会長として、全国の知事の顔ぶれを見ていて、こういう人がいたらいいんじゃないかっていうふうに思う事はないですか。

知事

それはもう僭越になります。

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経団連の中西会長の採用指針廃止発言について

毎日

先日、経団連の中西会長が、就職活動の採用のルールについて、撤廃をすればいいんじゃないかというような事を表明されたわけですけども、採用の現場でも、学校の現場とかでも、様々な混乱が生じる事が懸念されていて、中小企業の人材確保をどうするか、そういうところでも混乱が生じるんじゃないのかという見方もあるんですけども、県内でも結構中小企業、人材不足で困っているというところがあると思うんですが、県も中小企業の支援とか、様々されていらっしゃると思うのですが、知事はこの会長の発言についてどのように受け止めてらっしゃいますか。

知事

たぶん、中西経団連会長の頭の中にはグローバル社会とグローバルな国々、例えばアメリカなんかとの競争などを意識されて、人材確保についてのイメージが先行されておられるのではないかと私は推測しております。したがって、たぶんそのうち、多少の補足説明があるんじゃないかと思います。私も詳しくは、全文読んでおりませんが、新聞の報道レベルで見てる限りでは、補足が必要なのかなと。場合によっては誤解を受けるのかなと。例えば中小企業に対する配慮に欠けるんじゃないかとか。例えば学生がどこに重きを持っていくのかとか。そういったことについて、例えばよく言われてる、学業なんかはどうなるのかと、そうでなくたってそわそわしているのに、さらにそわそわする時期が早まるんじゃないかとか、そういったことについて、多分補足的な事をされなかったんじゃないかなと思っています。そのうち何らかのかたちで補足説明があるんじゃないかなと思っていますので、今の段階であまり一概にまずいとかいいとかいう話は出来ないと思います。多分お話の中で、その前後の脈絡は私も知りませんが、例えばアメリカではこうですねと、そういう意味での規制はないですねと。そういう意味での規制がないから、グローバル社会の中で戦っていく以上、同じ土俵に上った方がいいんじゃないかとかそういう気持ちになられるのはよく分かると思います。しかし、日本ではこうですねと。こういう話がいくつかありますので、そういった問題をどうクリアするかということを整理した上で、時と場合によっては、まさにフリーアクセスみたいなかたちもあるのかもしれません。それでそわそわする人自体がそもそも課題があるのかもしれません。それはそれ、これはこれできちっと分けられる人材こそが、まさに人財なのかもしれません。

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台風21号への備えについて

産経

平成5年以来と言われる台風21号非常に強い台風ということで、上陸しましたけども、今夜か明日くらいに埼玉県にも接近するかもしれないという予想がありますけども、台風に対する備えと、今回のすごい強い台風ってことに対する受け止めをお願いします。

知事

直近の情報をまだ危機管理防災部の方から手に入れておりませんが、1時ぐらいのレベルのやつを手に入れた上で、2時ぐらいに報告にくる予定だったんですが、たまたま記者会見と重なってるので遅れておりますけども、できればそれを踏まえた上で、更に必要なことをやらなければいけないと思っていますが、基本的なことは朝、打合せはもう終えております。もっと言えば昨日の段階からある程度は準備はしております。基本的に強い雨風があれば、部門部門で早期帰宅などもそれぞれの責任者の範囲内で判断で帰していくこと。それから、大風が予定されてますので、一応各施設において看板、あるいはまたのぼり等々移動が無いかどうか。そういったところの点検も朝の段階で再度チェックする努力をしております。そういったところが大事かと思っています。大風と大雨があり得るという事ですので、そういった準備。また大風の場合には、特に電車等々が止まったりしますので、動いてる間に早く帰るとか、あるいは場合によっては、遠回りして帰らざるを得ない人たちが出てくる可能性がありますので、そういう意味でも早期帰宅の出来る体制があるところからそういったことをやっていく。地域振興センターは地域振興センターで、きちっとそのエリア内に関する情報収集等を丁寧に行って、危機管理防災部を中心に対応していくなど、いわゆるマニュアルと言ってはちょっと語弊がありますけども、必要なことに関しての点検は着実に行っているところです。

産経

県民に対しては、どんなことに注意して欲しいとか、呼び掛け…

知事

これもまた市町村単位できちっとお願いをしなくちゃいけないんで、ちょっと市町村との関係等がどのようなかたちで連絡を取ってきているかどうかまだ私自身確認しておりませんが、多分もうやってると思いますが、市町村単位でしっかり、まさにいざという時の体制はしっかり連絡ができるようにしておかなければいけないなと思っております。

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(終)

お問い合わせ

知事直轄 報道長  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

ファックス:048-830-0029

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