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掲載日:2021年4月1日

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知事記者会見テキスト版 平成30年1月9日

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平成30年1月9日(火曜日)

知事発表
平成30年 知事年頭あいさつ

知事

県民の皆様、改めて、明けましておめでとうございます。今年も、どうぞよろしくお願いいたします。

昨年は、花咲徳栄高校が夏の甲子園大会で優勝して、深紅の大優勝旗を埼玉に持ち帰りました。秋口から年末にかけて、テレビドラマ「陸王」で、行田市を舞台にした素晴らしいドラマが展開されて、いい年末になって昨年の締めが終わりました。埼玉県は全体として元気であります。人口増加率も沖縄、東京に次いで3番目。平成15年から26年までのGDPの伸び額も、愛知県に次いで2番目。また、企業の流入超過、つまり純増、出たり入ったりするわけですが、純増も927社で日本一と。基本的には元気であります。ただ、課題もたくさんあります。そうした課題に果敢に、今年も取り組んでいきたいと思っているところです。全体として、株価も上昇して非常に経済の流れは悪くはない、こんなふうに言われております。いざなぎ景気を超えて、戦後2番目の長さと言われておりますけれども、それでも貧困や格差の拡大など、いくつも課題があります。これまでも埼玉県、そうした課題に取り組んでまいりましたが、より一層、埼玉版ウーマノミクスプロジェクトの推進、あるいはシニアの活躍、また健康長寿プロジェクト、さらに先端産業創造プロジェクトの推進で稼ぐ力などを強くしていきたい、こんなふうに今年もしっかり頑張っていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

日経

今日は半纏を着られておられますけれども、この年頭でそのお姿でというのは何か思いというのはあるのでしょうか。

知事

伝統を大事にしながら、テレビのドラマでもありましたように、足袋という古来からの100年続いた伝統の産業を生かしながらも、現代に合った新しい商品開発に果敢にチャレンジするという、これは何でも重要だと思います。伝統も大事にすると。しかし、新しいことにも果敢に挑戦するというチャレンジ精神がないと企業も滅びますし、また企業が滅んでは、それこそ雇用の場もなくなりますし、日本自体も生産年齢人口がどんどん減少していくという、いわば全体として高齢化の高齢化みたいな、こういう時代を迎えているわけですから、逆にいろんな意味でチャレンジする気持ちというのが大事だという意味を込めて、あえてこの半纏を着て、今年の意気込みを表したいと思って着ました。

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幹事社質問
今年の抱負と優先的に取り組むべき課題について

日経

今の知事の御発言で、ほとんど含まれているのかもしれませんけれども、改めて今年一年、知事の抱負をお聞かせください。また、今年優先的に取り組むべきだというふうにお考えの県内の課題というものはどんなものがあるでしょうか。

知事

もとより、県議会から御議決をいただいている5か年計画を着実に推進するという大きな目標はもちろんありますが、2つ大きく言えば、気になることと言うのでしょうか、課題として考えております。一つは、稼ぐ力が非常に弱くなってきているのではないかと認識しております。例えば、昨年は東芝の問題が大きくクローズアップされましたが、半導体メーカー1989年、いわゆるバブルの頂点に近い時の段階で、世界の上位10社のうち6社日本が入っていて、1・2・3は日本の企業でした。それが2000年の段階で3社になって、2016年のレベルで1社のみと。それも10位(後に「8位」に訂正)と。それが東芝だったわけです。その東芝が昨年、2017年にあの惨状(ざんじょう)であったわけですから、半導体に関して、ある意味では大きく崩れてしまったと。自動車産業が頑張っていると言われておりますが、これも気になるのは一本足打法と、よく言われています。例えば、1986年にゼネラルモーターズを抜いてトヨタが世界一になりました、自動車の生産に関して。1986年です。この1年前の1985年を起点にすると、全産業における自動車産業の割合は、私の記憶だと10.5とか4とか、その辺のクラスだったと思います。それを、少し記録が古くなっていますが、2014年、それから15年後くらいですね、(後に削除)の段階で見たら、何ともうその自動車産業の割合が、17.4とか5とかになっていると。つまり、倍近くなってきていると。あまり良いことではないんですね、産業が一つに偏ってしまうというのは、それがこけたら皆こけてしまうということですので。そういう意味で非常に良くないと。加えて、昨年の暮れにいろんな意味で大手の企業の不正問題やインチキが、いろんなかたちで出てきたんですけれども、さもあらんという出来事が起こりました。ジャパンクオリティを誇っていたんですけれども、世界の技能五輪大会というのがあるんですね。これが、日本は1位が3回くらい、2位が3回くらい、3位が2回くらいで、(後に「2001年以降の日本の成績を見ると、1位が2回、2位が1回、3位が4回」に訂正)4位が1回あるんですけれども、何と去年は9位なんですね、一気に。1位が中国で金メダル15、2位がスイスで11だったかな、3位が韓国で8か。日本が(金メダルが)3個、銀メダルが2個。その内容なんです、問題は。金メダルの3個のうち1個は埼玉県の企業なんです。埼玉県の技術者なんです。2個はトヨタ。銀も金も(合わせて)残った4つ、全部トヨタもしくはトヨタ系。これもまた問題だと思っているんです。自動車に偏ってきているというのがちょっと気になると。そうした技能五輪なんかで、世界の技術者として金メダルを取る人たちがトヨタに偏っているというのもちょっと気になると。そういう意味で、日本の産業というのが非常に怖いぞと、こういう危機意識を持つべきだと思っています。だいたい不正だとかインチキが起きる時には、斜陽になりかかっている時です。勃興している時に、不正とかインチキなんかあるわけないんです。従前の力を見せるために、無理して不正だとかインチキで誤魔化そうとするんです。勢いのあるような時には、そんなことする必要は全くないんです、伸びているわけですから。そういう意味でも気になるということで、いよいよ先端産業創造プロジェクト、現在4年目でありますが、大きくヒットする可能性の高いものも今出てきておりますので、さらにそれを加速化させたいと思っております。2番目に気になるのは、先程も言いました、いざなぎ景気を超える戦後2番目の景気拡大と言われていますが、では正式に国民の所得はどうだったのかと。2000年の段階で568万円。家計所得です。世帯所得ですね。お父さんも働いている、お母さんも働いている、その合計の世帯所得です。568万円と。これが2016年には515万円になっているのですから、53万円マイナスなんですよ。1割マイナスになっているわけですから。消費など伸びるはずがない。事実、消費も380万円から338万円になっていますね。2000年から2016年。これ1割以上ですね。42万円マイナス。だから、景気拡大というのは、まさにトータルの世界の話であって、ひとりひとりの国民に戻したときには、むしろ少なくなっていると。だから、貧困の問題や格差の問題が大きくクローズアップされているわけです。これを固定化させないために、埼玉県などは、まさに生活保護世帯の子ども達が、また生活保護になるのはまずいということで、教育支援をして、その仕組みが国法、つまり国の法律になって制度化されて全国津々浦々、埼玉方式がやれるようになってきていると。しかし、それで十分だと私たちは思っていません。まだまだ細かい作業があるのではないかということで、改めて来年度、30年度の予算の中でも、そうした打ち込みをしたいと考えているところです。こういう稼ぐ力、あるいは貧困とか、こういったものの格差の世界をなかなか一地方自治体、埼玉県という枠組みの中で困難な課題もないわけではありませんが、やはりしっかり先進モデルを出してリードする気概を持っていたいと思っているところです。

NHK

若干重複するかもしれませんが、昨年最後の会見では去年一年は「動」だと。運動の面でも、非常にいい結果があったし、圏央道ですとか、県内の動きもいい動きがあったと仰いました。必ずしも、漢字一文字とは申し上げませんが、全体としてこの一年どうしたいのか。例えば、何かこれまで蒔いてきた種の芽が出る、結果を回収していく年なのか。それとも課題に挑み続ける年なのか、全体として、この一年知事としては、どういう一年をつくっていきたいとお考えでしょうか。

知事

基本的には、課題に挑み続けるかたちになります。例えば、来年はラグビーのワールドカップがありますし、その準備万端を整えなくてはいけません。再来年には東京2020オリンピック・パラリンピックがあります。まだ輸送ルートについての正式な回答が出来ておりませんが、それも含め、きちっとした対策を打っていかなければいけませんので、そういった万端の準備を進めていく。また、埼玉県は先程も申したように地政学的に恵まれている部分があり、若干工期が遅れる予定になったようですが、外環道も東関道と結びつくことで、圏央道コースと外環道から東関道に入って成田のコースという二面作戦で、成田へのアクセスもまた良くなるという大変交通アクセス、ロケーションに恵まれているようなところもあります。こうした条件を生かして、俗に言う高齢化社会の中での問題、課題が非常に心配されているところですけれども、これを一つ一つ克服していかなければいけないと思っておりますし、幸い、いわゆる(在宅)医療連携拠点、30郡市の医師会に全部一つ一つ出来ましたので、あと市町村の地域包括ケアシステムを完成させる枠組みの中では、どんどん肉付けをしていくというかたちになっていきますし、高齢化社会に向けての準備も着々とやっていくということで、どこかで花が開いて摘み取るとか、よく市長さんの中で言われる方がいます。種を蒔いて、育てて、花を咲かせて、実を取るとか、そういう話もありますが、年がら年中、種も蒔いておりますし、年がら年中、花も咲かせたいし、そして当然果実は県民の皆さんに提供していかなくてはいけませんので、基本的には県の基本計画が行政としてありますので、着実にそれをこなしていけば、自ずから答えは出てくるというかたちになっております。その時々に、国との連動の中で課題が出てきたりします。このオリンピックなどはそのとおりだと思います。ラグビーワールドカップもやはり国が手を挙げて招致が決定する。そして、ならばということで、熊谷市と埼玉県が会場誘致に手を挙げると。オリンピックの方は、たまたま誘致に手を挙げたわけではありませんが、適切な会場があるということで、埼玉県にお申し出があったと。それで、せっかくの機会でありますので、喜んでお引き受けをしていると。そしてまた、その準備をそれぞれ民間のゴルフ場もありますが、周辺の道路整備などには私どものやはり権限、また力が必要ですので、そうしたものの準備をしていくというかたちで取り組んでいますので、今年ということだけで言えば、やはり気になるところの、稼ぐ力をしっかりやりたいと思います。また、圏央道と関越道が交差する鶴ヶ島の農業大学校跡地の利用についても国の指定もいただいたところでもございますので、さらに県議会とも協力を得ながら、しっかり産業の集積地として、より未来につながるような産業の誘致に生かしていきたいと思っています。

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その他の質問
学童保育の待機児童について

埼玉

学童保育の待機児童についてお伺いします。昨年末に厚生労働省の発表で昨年の5月時点で埼玉県内で待機児童が1,691人いるということで、東京に次いで全国2番目の多さだと思うのですが、その受け止めと待機児童解消のための対応策が何かございましたら、教えてください。

知事

東京に次いで2番目(後に「沖縄、東京に次いで3番目」に訂正)に人口増加率の高い県でもありますので、そういう意味では働く共稼ぎの世帯が多いこともあり、とりわけ子どもを預ける学童保育の場というのが、非常に需要が多いというのは、ある程度はこうした人口急増県、人口がまだ増加している県の一つの宿命でもあると思っています。市町村が基本的には実施主体でありますので、埼玉県的には放課後児童クラブが設置しやすいように県教育委員会、市町村教育委員会と協力して、いわゆる空き教室などがもっと緩やかに利用できるような仕組みづくりを丁寧にやるべきだという考え方を持っております。実際、総合教育会議の中でも福祉部と教育委員会が協力して子供の居場所づくり、大きな意味での居場所づくり、その1つとしての学童保育、放課後児童クラブですね、この空間を空き教室などを中心にうまく活用できれば比較的安心安全で空間も大きくて、しかもなじみの深いところで保護者も安心しやすいということですので、1にも2にもこの空き教室などが、いろんな制限がありますね、安全はどうするんだとか誰が運営主体なのかとか、そういういろんな課題がありますが、できるだけそれはもう市町村の福祉担当の方々と教育委員会のメンバーとまさに連携していただかなければならないと思いますし、県も整備費について補助金を出したりしながら促進する、プッシュと言うんでしょうか、背中を押す立場をとっていきたいなと思っています。中々引っ張るというわけにはいきませんが、押すと言うんでしょうか、そういうかたちをとらせていただきたいと思います。

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公務員の定年延長について

埼玉

政府が公務員の定年について3年ごとに1歳ずつ延長して2033年度に65歳とする方向で検討しているということですが、このことについて知事のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

知事

まだ正式に、例えば政府筋と言うのでしょうか、政府の方から総務省などを通じたり、あるいは厚労省などを通じて、今政府としてはこのようなことを基本的に考えてるとか、埼玉県においてもこういうことについて検討してくれとか、検討すべきではないかとかという事務連絡と言うのでしょうか、そういうものは全くないんですね。したがって、今の段階で何かコメントができるかというと、コメントしにくいですね、正直言ってね。言えることは、例えばかつては55歳定年だったけども、皆が若々しくて元気であるので60歳になったと。現在もそれに近いような話だということですから、そういったことについて議論が出てくるというのはある意味では当たり前のことですが、まだ正式に何も出ておりませんので、実のところまだ私どものテーブルの上に載っていないもので、コメントしても的外れになったらみっともないなというふうに思っています。申し訳ない。

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憲法改正について

読売

憲法改正についてお伺いします。安倍総理が、年頭の記者会見で今年こそは憲法の国民的議論を深めたいという趣旨の発言をされました。自民党も年内の改憲の発議を目指しているとされており、今年1年、憲法の改憲の議論が進む1年になる可能性があります。そこで、上田知事の憲法改正に対するお立場と、その改憲の議論が進むことについてのお考えを改めてお伺いします。

知事

私はかねてから中学3年生が素直に憲法の9条などを読むと実態に合っていないと。条文が間違っているか、もしくは解釈が間違ってるかと。こういう話になってしまうのはよくないと。したがって、基本的にはきちっと憲法を改正すべきだと。素直に読むと自衛隊なんかは無いことになっているんですね。でもあるし、大変な実力部隊でありますし、国家としての自衛権、国民を守る自衛権というのは必要ですので、当然それを守る自衛隊も必要だという考え方に私は立っていますので、それは明文をきちっと、明文化した方がいいという考え方を持っております。ただこの議論の中で、国民全体がこの議論に参加できるような、そういうことについて、相当やはり政府は努力すべきだと思います。議員の多数をもって決めるとか、議員の多数をもって提案するということではなくて、やはりなるほどというような納得感を国民が持つことが大事だというふうに思います。そういう考え方を持っています。国のまさに柱ですので、憲法というのは。国民全体の一種のコンセンサスがとれる努力をやるべきだというふうに思っています。国会で多数で決められれば、もちろん最終的には国民投票もあるんですけども、しかし国民投票で決めるというよりは、それ以前にコンセンサスが得られるような努力をするべきだというふうに思います。

読売

今、自衛隊に関してですね、既にもうあるものであるし明記をすべきだというふうにおっしゃいましたけれども、自民党というより安倍総理のですね、改憲の私案として9条の1項2項を維持した上で自衛隊を明記するというアイディアを示されてますけれども、このアイディアに対して知事の受け止めはいかがでしょうか。

知事

私個人は、条文次第で別に明記する必要は無いと思っています。憲法の条文の中で自衛隊が明記されなくても、ちゃんと自衛権があることなどがあれば、当然そこには自衛隊もあるわけですから。そういう解釈をもてるような。今も解釈上はそう思っていますが、かつては戦力無き軍隊とか、そういういい加減な解釈も出してたわけですから。

読売

じゃあ、あくまで現行の1・2項を維持せよ、維持した上でというわけではなく…

知事

そういうのが議論できちっとされるべきではないでしょうか。何か1項目ね、文字を変えればそれは自衛隊の方は喜ばれるかもしれませんが、自衛隊の方が喜ばれるために憲法はあるわけではないですから。国民を、まさにこの自衛権に関わるような話というのは、国民の安心安全のためにあるんですから。そうしたものは国民的なコンセンサスで、きちっとつくっていくべきではないかなと私は思います。

読売

自衛権を明記した方が良いということでしょうか。

知事

自衛権を明記するというよりも、解釈上どうにでもなるような、戦力を保持しないとかそういう、戦力を保持しないと言って自衛隊が世界に冠たる戦力であることは誰でも知っているわけですから。そこに嘘があるわけですから。条文上の嘘が。そういうのはやはりやめるべきだというふうに思っています。どういうふうに表現するかというのはもう当然その道の識者がいますので、そういう識者がきちっと出していけばいいのではないでしょうか。それを国民がまた判断するというかたちでいいのではないでしょうか。

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(終)

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知事直轄 報道長  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎1階

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