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掲載日:2023年12月1日

平成29年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(高木真理議員)

 民泊の可能性と今後取るべき本県の対応について

Q 高木真理議員(民進・無所属

ここ数年で話題になってきた民泊ですが、住宅宿泊事業法いわゆる民泊新法も来年6月から施行されることになり、手探り状況から積極的に活用する方向が見える状況になってきました。
そこで、本格導入が始まる今だからこそ伺っておくべきことを何点か質問させていただきます。
まず、民泊の可能性と観光の関係です。
埼玉県には宿泊施設の稼働率に余裕のある地域もありますが、これから観光での経済活性化を狙っていくに当たっては、宿泊施設の不足が足かせとならないよう民泊を活用していくことが考えられます。民泊が活用できるようになったことを踏まえ、どのような観光で県内宿泊を増やしていこうと考えているか伺います。
次に、私は民泊の可能性に大きく期待しているのですが、一方で、本格的に展開されていく上で対応すべき課題もある点について伺います。
民泊は、この新法ができる前から実態としては存在しています。そして、これまでの民泊にも旅館業法の簡易宿所として営業されるもの、国家戦略特区の指定区域内で営業されるもの、イベント民泊と呼ばれる期間限定のものの3種類の適法民泊がありましたが、いずれにも該当しない違法民泊もあり、様々な問題が出ていました。これらの問題をクリアすべく新法が作られたので、この運用を通じて問題を引き起こさずに安心・安全な民泊を展開する必要があります。
まず、住宅街という環境に宿泊施設ができて見知らぬ人が出入りをするという問題です。これについては、新法が180日を営業の上限とすることになりました。住環境を守る配慮と思われ、都道府県が条例で区域と期間を更に制限することもできることになっています。ただ、更に制限すると民泊をやりたい人が増えないであろうというデメリットもあります。本県では、この条例制定についてどのようにお考えでしょうか。
また、マンションの一室を民泊施設とすることもできますが、これも周囲の住民が知らないうちにということでは、マンション内でトラブルになります。そこで、マンションでは届け出の際に、管理規約で民泊が禁止されていないことの確認が必要になるようですが、管理組合の中には対応を放置していた結果、管理規約が民泊について規定しないままというところも相当数出てくるかと思います。後日のトラブルとならないよう、県としてはどのような対応をお考えでしょうか。
以上、産業労働部長にお伺いします。
次に、現在も違法民泊が存在すると先ほど申し上げましたが、新法施行後に無届けの違法民泊が水面下で営業を続けることも考えられます。これらの取締りはどのようにするのでしょうか。
さらに、次のような問題もあります。民泊の活用を望む私ですが、新法枠の民泊は営業が180日までとのことで、採算を考えると本県の場合、旅館業法簡易宿所枠の民泊のほうがむしろ積極的に活用される可能性があります。そう考えると現在の旅館業法に関する条例を、民泊が展開しやすく分かりやすい現代にマッチしたものへと改正すべきではないかと考えます。国も既に10人未満の簡易宿所については規制緩和の方向を出していますが、本県では運用変更での対応をしているとのことで、分かりやすいものにはなっていません。
本特別国会で旅館業法本体の改正も行われるので、併せて条例改正の対応をすべきと考えますが、以上、保健医療部長に御見解を伺います。 

A 渡辺   充   産業労働部長

まず、今後どのような観光で県内宿泊を増やしていくのかについてでございます。
本県観光客の98.8%は日帰り客であり、観光消費額の高い宿泊客を増やすことは、本県経済にとって大変重要です。
そこで「SAITAMAプラチナルート」を軸として、旅行会社に宿泊を伴うツアーを積極的に売り込んでいるところです。
その結果、平成28年の本県延べ宿泊者数は、前年に比べ3.3%増の447万人となりました。
また、最近は着物の着付け体験やアニメの聖地巡礼、川くだりなどの体験型観光が大変人気となっており、こうした観光資源や県内各地の観光スポットを結び、宿泊につなげていくことが必要であると考えております。
今後、住宅宿泊事業法の施行に伴い民泊がスタートすれば、旅行者にとって新たな宿泊先の選択肢が広がります。
民泊は、昔ながらの民家への宿泊や地域住民との交流を楽しみながら、その土地の文化や生活を体験できるなど、これまでの宿泊施設では味わえない魅力もございます。
引き続き、本県が有する食、自然、体験など魅力ある観光資源を組み合わせた周遊ルートを提案し、宿泊を伴う観光客の誘致に取り組んでまいります。
次に、民泊を更に制限する条例制定についてでございます。
法律では、民泊可能日数が年間180日以下に制限されています。
ただし、合理的に必要があると認められる場合に限り、条例により民泊を行う区域と期間を制限することができます。そこで、全市町村を対象に、民泊実施に伴う区域と期間を制限することについて意見を求めたところ、制限したい旨の回答はございませんでした。
このため、現時点では条例により区域と期間を制限する必要性は生じていないものと考えております。
最後に、マンションでの民泊の届出への対応についてでございます。
マンションには多くの方が居住しており、個人が所有する部屋以外にロビーや集会室、廊下などといった共用スペースもあります。
国は、マンションの住民に対し民泊を行うことの可否を明確にするため、管理規約の改正を促しております。
県では、民泊の届出を受け付ける際にマンションの管理規約に民泊を可とする旨の記載があることを確認する予定です。
しかし、民泊の届出は来年3月に始まることから、規約の改正が間に合わないマンションも想定されます。
国はこのような場合、管理組合に民泊を禁止する意思がないことを証する誓約書などを届出の際に添付させる方針です。
県といたしましては、この誓約書などを基に、そのマンションの管理組合や管理会社に問い合わせ、再確認するといった対応を図ってまいります。
事業者の指導をしっかり行い、トラブルを未然に防止し、住宅宿泊事業法の趣旨にかなう民泊施設が県内に数多く誕生することを期待しています。
住宅宿泊事業法の施行を契機に、多くの観光客に埼玉県を楽しんでもらい、より多くの方に宿泊してもらえるよう努めてまいります。

A 本多麻夫   保健医療部長

まず、無届けの違法民泊の取締りについてでございます。
住宅宿泊事業法いわゆる民泊新法の施行後に、住宅を活用して年間180日を超えない範囲で人を宿泊させる場合には、民泊新法の届け出を行うことで、旅館業法の許可を得ずに実施することができるようになります。
旅館業法の許可も得ず、民泊新法の届け出もせずに民泊を行えば旅館業法の無許可営業に当たるため、現在、県内では民泊をするかどうか考えている住民から保健所への相談が増えている状況にございます。
一方、お話のとおり違法と思われる事例も一部にはございます。
これまで、無許可営業の指導事例といたしましては、平成28年度に住民や警察から情報提供により指導した事例が2件、インターネット等の情報から監視を行い指導した事例が3件ございました。
インターネットの情報だけでは営業場所や営業者の特定が困難な面もございます。
また、現在のところ県には、無許可営業の施設に対し強制的な立入権限がないため、保健所は指導に苦慮しているところでございます。
今後、旅館業法が改正されることにより、保健所は無許可営業の施設に所有者の同意無しで立入りすることが可能となります。
今回の旅館業法の改正の趣旨を踏まえ、しっかりと無許可営業者の取締りを進めるとともに、情報把握に努めてまいります。
次に、旅館業法施行条例の改正についてでございます。
平成28年12月の規制改革推進会議において、旅館業法で規定する旅館・ホテル等の構造設備基準の規制全般について見直しが提言されました。
国はこの提言に基づき、旅館業法を改正し、ホテル営業と旅館営業の営業種別を統合するとともに、簡易宿所を含めた構造設備基準の大幅な緩和をすると伺っております。
現在、構造設備基準には客室数、1室当たりの床面積やフロントの設置等が規定されておりますが、法改正後に具体的にどの程度基準が緩和されるかについては国からまだ示されていない状況です。
県といたしましては、今後予定されている施行令や施行規則の改正内容を踏まえまして、速やかに施行条例を改正してまいります。
条例改正に当たりましては、議員御指摘のとおりなるべくわかりやすい表現となるように努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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