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掲載日:2023年12月1日

平成29年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(高木真理議員)

 国際バカロレア認定校の設置検討について

Q 高木真理議員(民進・無所属

国際バカロレア認定校は、国際バカロレア機構が提供する国際的な教育プログラムの実施校で、多様な文化の理解と尊重の精神を通じ、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目指しています。この学校で最終試験を経て所定の成績をおさめると、国際的に認められる大学入学資格が取得可能になります。国際化が進む現代、ますますこうしたプログラムを持つ学校教育は必要とされてきていると私は感じています。
国では当認定校の普及拡大を目指していて、2018年までに200校を目標としています。この密度で作られるのですから、本県の県立高校の選択肢として1校は作られるのが自然とも思います。そして、本県でも昨年度、当認定校の導入を検討調査する予算が組まれました。今年の2月定例会では、自民の板橋議員も「導入すべし」との質問をされていますが、前教育長からの回答は、国際バカロレア機構に支払う諸経費、施設設備の整備、さらに教員の確保などの課題、日本の学習指導要領との両立の難しさなどの理由で前に進める答弁はありませんでした。
しかし、その後、我が会派では認定校となった茨城県の茗溪学園高校を視察させていただく機会があったのですが、当認定校をめぐるシステムはどんどん進化しており、教育の研修も国内で行える仕組みができるなど、本県調査で上がったような過大なコストをかけずとも認定校になれることが分かりました。また、実際の授業を見学させていただきましたが、とても深い学びを生徒の自主性を育てながら進めていくプログラムだと実感しました。
さいたま市でも2019年4月に、市立大宮西高校から改編される中等教育学校において、国際バカロレアのプログラムを実施していく準備を進めています。都立をはじめ公立高校での導入は進んでおり、埼玉県がコスト面から導入できないとは言えない状況かと思います。
ちなみに、設置するなら日本語プログラムに頼り過ぎない構成の学校とすべきと思います。教員確保が大変でもこうした機会にこそ、国語・日本史以外は英語で授業できるような教員を県内に育てていくことが、これから重要だと思います。
国際的に活躍していきたいという意欲のある学生の期待に応えるためにも、そして本県が必要とする国際的な人材を育てていくためにも、県立高校に国際バカロレア認定校を設置すべきと考えますが、教育長の御所見を伺います。

A 小松弥生   教育長

グローバル化の進展に伴い、地球規模で物事を考える力や豊かな国際感覚を持った人材の育成が重要であると考えます。
県では、現在、県立高校3校が、国のスーパーグローバルハイスクール事業の指定を受け、大学や国際機関との連携を通じ、将来、国際的に活躍できるグローバルリーダーの育成を進めております。
議員お話のとおり、国際バカロレアの導入に係る経費については、義務とされている教員研修が、海外だけでなく国内でも行えるようになったということで、その一部が軽減されることとなりました。
一方で、卒業認定に当たりましては、日本の学習指導要領と国際バカロレアの必修科目の両方満たすため、通常の高校よりも授業時間数を大幅に増やす必要があり、そのためのカリキュラム編成が課題となります。
既に認定された学校では、1日7時間の授業や夏季休業中の集中的な授業の実施により対応しておりますが、国際バカロレアの資格取得を目指す生徒は部活動や学校行事の参加に支障があると聞いております。
また、国際バカロレア認定校では、発展的な教育内容として、大学や大学院の研究に匹敵するような分野を学ぶことが求められており、教員の専門性や指導力が大きく問われることになります。
国際バカロレア認定校の設置については、考慮すべき様々な課題があるため、引き続き、国や他県の動向を注視しながら、研究を進めてまいります。

再Q 高木真理議員(民進・無所属

御答弁の中で、国際バカロレアのカリキュラムと文科省学習指導要領両方を満たそうとすると、カリキュラムが大変過密になる問題でありましたり、専門に教えられる教員の確保などまだまだ検討する課題があるという御答弁だったわけですけれども、そうした課題が既に分かっているという状況の中では、やろうとするのかしないのかを決めて、やることに決めたらその課題を後はクリアすればいいだけのような気がしますが、それを設置を目指していくのかどうか、方向性はいつごろ出される予定なのか伺いたいと思います。

再A 小松弥生   教育長

課題がわかっているのであれば、その課題をクリアすればよいのではないかという御指摘でございますけれども、先程申し上げましたような課題につきまして、どのように解決していくかということについては、本県では、まだはっきりとした道筋が得られておりません。
例えば、国際バカロレア認定校のカリキュラムでございますけれども、6つのグループ、「母語」、「外国語」、「個人と社会」、経済とか歴史等ですけれども、それから「理科」、「数学」、「芸術」6つのグループから1科目を選ぶというその横軸と、それから「課題論文」、「知の理論」それから「創造性・活動奉仕」という3つの必修要件という縦の、その横と縦を組み合わせた分野を履修しなければなりません。
これは非常に難しいものと思っていまして、海外の国際バカロレア校の例で申し上げますと、シェイクスピアのマクベスのヘビの比喩は何を意味するのかとか、どうすれば美術作品は大量消費社会の問題を提起できるのかとか、このような課題を設定し、それを解決するための資料を準備し、それを生徒達に考えさせるという指導法については、非常に難しいと思っております。
国際バカロレア認定校の設置自体は、非常に意義のあることと考えますけれども、海外の認定校と比べて遜色のないような学校を作るためには、まだまだ研究をする必要があるというふうに考えております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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