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掲載日:2023年7月4日

平成29年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(蒲生徳明議員)

本県の事業承継対策の推進について

Q   蒲生徳明議員(公明

日頃、地元の中小企業を訪問すると、経営者の高齢化と後継者問題について悩む声を多く聞きます。県内企業数の99パーセントを占める中小企業は、埼玉経済の屋台骨だけに、私は対策が必要だと感じました。2020年頃には全国で数十万人の団塊経営者が一挙に引退時期に差し掛かります。報道によると、60歳以上の経営者の半数以上、特に個人事業主の約7割が廃業予定で、70歳以上の経営者の半数以上が事業承継の準備に未着手であり、正に後継者問題への対応は本県でも待ったなしです。
この問題の解決に向け、国は中小企業の事業の存続や承継を支援するために、産業競争力強化法に基づき、全ての都道府県に事業引継ぎ支援センターの設置を進め、本県も43番目に設置されました。また、2014年4月から後継者のいない小規模事業者と創業を志す起業家をマッチングさせる後継者人材バンクの開設を進めています。全国の事業引継ぎ支援センターで順次開設され、現在20か所になりますが、本県にはまだ設置されておりません。
私は先日、県議団で先進事例の静岡県事業引継ぎ支援センターを訪問しました。同センターは、静岡商工会議所内にあり、県の事業承継支援のプラットホームとして地域内のあらゆる関係団体と連携し、より大きく、より細かな網の目ネットワークで事業承継問題の解決に総合的に当たっています。また、同センターは後継者人材バンクを全国で初めて設置、国はその実績を見て全国展開を始めたと聞きます。成功事例として、以下のようなお話を伺いました。
後継者のいない創業70年の乾物屋さんは、このバンクの紹介で第三者の女性が事業を引き継ぎました。その女性経営者は、女性客の関心を引こうと商品パッケージを柔らかいデザインに変え、乾物を使ったスイーツを提供するカフェを開店するなど、新しい発想で事業展開を行った結果、中高年中心だった客層が若い世代に広がり、売上げが1.25倍に伸びたそうです。中小企業庁の調査では、経営者が若返った企業は利益率や売上高が向上する傾向にあり、事業承継を後押しする意義は大きいと言えます。そして私は先日、埼玉県事業引継ぎ支援センターにも伺いました。同センターは、さいたま商工会議所が国から委託を受け、事業存続に関する様々な問題の解決に取り組んでいて、県はセミナーの応援や金融機関との連携会議への参加など、後方支援を行っています。43番目と後発のため、これから更なる環境整備が求められます。
本県は、本年度から始まる産業元気・雇用アップ戦略で事業承継の支援項目に事業引継ぎ支援センターとの連携を載せていますが、県は最重要課題の一つである事業承継対策を進めるに当たり、その推進母体である同センターへの支援内容を人的支援も含め、更に充実させるべきと考えます。
また、埼玉県後継者人材バンクの早期設置に向けても、同センターを後押しすべきと考えますが、併せて産業労働部長の所見を伺います。

A 渡辺   充   産業労働部長

まず、事業引継ぎ支援センターの支援についてでございます。
今後、急激に高齢化が進む本県にとって、事業承継支援は喫緊の課題であります。
このため、県では、事業承継に関する個別相談や、早めの承継準備を促すためのセミナーを実施しております。
また、中小企業の後継者や若手経営者を育成するため、県産業振興公社内に交流の場「フォース21」を設け、様々な業種の経営者を招いての勉強会や企業視察などを通じて経営を学ぶ場を提供しています。
さらに、事業承継を新たな事業成長に向けたチャンスととらえ、経営革新計画に後継者を参画させることで、円滑な承継に結びつける取組も行っております。
事業引継ぎ支援センターは、国が事業承継に係る普及啓発や幅広い相談対応、M&Aなどによる事業承継支援を目的に設置した機関です。
御質問にありました人的支援の充実につきましては、今年度、国が人員増を図る予定と聞いておりますので、その状況を見極めたいと存じます。
県としては、センターがその力を十分に発揮できるよう、商工団体や中小企業支援機関とのつなぎ役を積極的に務めるとともに、広報やアンケートなどの実施についても連携を図ってまいります。
今年2月には、県内企業約9,000社に対して、アンケート調査を共同で実施し、事業承継に関する考えや課題等を把握したところでございます。
次に、後継者人材バンクの創設についてでございますが、本県では創業ベンチャー支援センターが、年間2,000件を超える創業相談を受けており、多くの情報を集積しています。
当面は、この情報を有効に活用することで後継者問題を抱える小規模事業者と創業を志す起業家とのマッチングを図ってまいります。
今後、事業引継ぎ支援センターが後継者人材バンクを創設する際は、積極的に後押しし、中小企業の事業承継が円滑に進むよう、協力してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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