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掲載日:2023年5月15日

平成28年6月定例会 意見書・決議

意見書・・・次の7件です。

決議・・・次の1件です。

医療等に係る消費税問題の抜本的解決を求める意見書 

国民だれもがいつでも良質な医療を受けられる「国民医療」を実現し支えているのは、「国民皆保険制度」と「地域医療提供体制」である。
一方、現行の消費税に係る法令では社会保険診療等は非課税であるため、医療機関等は仕入れに対して支払った消費税を控除することができず、その仕入れにかかった消費税相当額分については、診療報酬等に上乗せされる仕組みとなっている。
しかし、この仕組みは、消費税上乗せ分の補てんが不十分であり、また、個々の医療機関等の仕入れ構成の違いに対応できないという欠陥を抱えており、医療機関等の経営を圧迫している。特に、多額の設備投資等をしている医療機関等の消費税負担が深刻となっている。
そうした中、医療機関等の自助努力により、かろうじて地域医療が確保されている状況である。また、国民が消費税分を目に見えないかたちで負担していることも問題である。さらに、地域医療を支える自治体病院においても、消費税負担が病院経営に深刻な影響を及ぼし、地方財政を圧迫する要因となっている。
よって、国においては、国民が質の高い医療を安心して受けることのできる医療提供体制を確保するため、国民と医療機関等に不合理な負担を生じさせている医療等に係る消費税問題の抜本的解決を図るよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年6月27日

埼玉県議会議長 宮崎栄治郎

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣        様
総務大臣
厚生労働大臣
社会保障・税一体改革担当大臣

警察官の増員を求める意見書

本県では、犯罪や交通事故の増加に歯止めをかけ、県内治安の回復を着実なものとしていくため、警察官や非常勤職員を増員し、パトロールや取締りの強化などに努めてきた。また、全国最多を誇る自主防犯活動団体に対して積極的な支援を行うなど、関係機関及び関係団体との協働による事件・事故の抑止対策を推進している。
こうしたことにより、昨年の刑法犯認知件数は、平成17年以降11年連続で減少し、昭和63年を下回るとともに、人身交通事故件数も平成4年以降最少となるなど、県内の治安回復傾向は継続している。
しかしながら、殺人、強盗、強制わいせつなどの一部罪種は、全国的に見て高い水準で発生し、交通事故死者数も4年振りに増加するなど、本県の治安情勢は、依然として厳しい状況にある。
さらに、本県警察官1人当たりの人口負担及び刑法犯認知件数は全国1位であり、依然として被害が多発している振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺への対応、ストーカー・DV事案をはじめとする人身の安全を早急に確保する必要が認められる事案への対応、ラクビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた警備への対応等、様々な課題に対処する警察官が不足している現状にある。
今後も、事件・事故を減少させ、更なる県内治安の改善を図り、県民が安全で安心して暮らせるまちづくりを実現するためには、警察官の増員による人的基盤の強化が必要不可欠である。
よって、国においては、本県の厳しい治安情勢を踏まえ、いまだに警察官の過重負担が深刻な本県に対して、なお一層の警察官増員を措置するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年6月27日

埼玉県議会議長 宮崎栄治郎

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 様
財務大臣
総務大臣
国家公安委員会委員長

震災対策の更なる推進を求める意見書

平成28年4月14日、16日に震度7の地震が連続して発生した平成28年熊本地震は、死者49名、負傷者1,600名余りという甚大な被害をもたらし、現在も多くの方々が避難生活を余儀なくされている。
被災された方々に対し、心からお見舞い申し上げるとともに、1日も早い復興を願うところである。
今回の地震では、災害対策の拠点となるべき宇土市など5市町の庁舎が損壊し、被害状況の把握や復旧作業等に遅れが生じた。また、建物損壊のおそれやライフラインの断絶から病院が一時閉鎖されるなど、災害時医療の砦となるべき建物にも被害が生じた。
さらに、地震発生直後における熊本空港の一時閉鎖、九州新幹線の脱線による不通、高速道路の不通、緊急輸送道路に指定された国道の被災、県道の落橋等により、災害復旧の初期活動に必要な輸送に大きな支障を来たしたことは記憶に新しい。
本県は、その全域が首都直下地震対策特別措置法に基づく緊急対策区域に指定されており、その地震モデルであるマグニチュード7クラスの首都直下地震における県内の被害想定の最大値は、死者約3,800人、建物の全壊・焼失棟数約97,000棟とされているところである。
今こそ、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靭化基本法の基本理念の下、国民生活等に甚大な影響を及ぼすおそれのある大規模自然災害等に備えた効果的な対策の推進が不可欠である。
よって、国においては、大規模自然災害等から国民の生命、身体及び財産を守るため、下記の事項を実施するよう強く要望する。

1 旧耐震基準で建築され、耐震性がないとされる住宅の耐震化を促進すること。
2 市役所や役場庁舎について早期に耐震化率100%を達成するよう支援すること。
3 救急医療機関や避難場所となる学校等施設の耐震化を促進すること。
4 緊急輸送道路に係る橋梁等を早期に点検すること。
5 新幹線の緊急停止対策、脱線・逸脱防止対策を更に充実させるよう働き掛けること。
6 市街地等における活断層の調査研究を推進すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年6月27日

埼玉県議会議長

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣        様
文部科学大臣
国土交通大臣
防災担当大臣
国土強靭化担当大臣

仕事と介護の両立の支援を求める意見書

政府は、だれもが介護休業の取得をためらうことのない社会を目指し、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律を改正し、介護休業の分割取得や介護休暇の半日単位の取得等を可能としたところである。
一方、平成27年度埼玉県就労実態調査報告書によると、中小企業において介護休業取得者のいる事業所の割合はわずか約2%、介護休暇等の支援制度のある事業所はおよそ5割にとどまっている。
また、上記報告書によると、仕事と介護の両立を支援する上での課題として代替要員を確保することが難しいと中小企業の6割が回答している。
よって、国においては、仕事と介護の両立を支援するため、下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。

1 介護休業・介護休暇の取得率向上のため、事業主への意識啓発を強化するとともに、代替要員の確保に関する支援策を充実させること。
2 雇用関係助成金支給要領に定める両立支援等助成金のうち、介護支援取組助成金の拡充を図ること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年6月27日

埼玉県議会議長 宮崎栄治郎 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 様
財務大臣
厚生労働大臣

地球温暖化対策として代替フロンの削減推進を求める意見書

平成28年5月16日に主要7か国(G7)の環境大臣会合がエアコンや冷蔵庫の冷媒に使われている代替フロンの生産規制を盛り込んだ共同声明を採択し、閉幕した。代替フロンは、人体や動植物に影響を及ぼすオゾン層を破壊する特定フロンの代わりに利用されてきた物質であるが、近年、地球温暖化への影響が二酸化炭素の数百倍から1万倍を超えることが判明し、その削減が課題となっている。
本県における需要側の温室効果ガス排出量は2005年度比8.9%減を達成しているが、代替フロンの一種であるハイドロフルオロカーボンは309.9%増の148万トン-CO2となっており、その削減が急務となっている。
代替フロン等4ガスの国内排出量は、2005年度比で49.5%増の3,860万トン-CO2となっており、政府が平成28年5月13日に閣議決定した地球温暖化対策計画では、フロン類のノンフロン化・低地球温暖化係数化の促進を打ち出しているところである。
よって、国においては、地球温暖化対策を推進するため、産業界のみに任せることなく下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。

1 エアコンなど、代替フロンに代わる冷媒を必要とする分野の技術開発を促進すること。
2 平成27年4月から施行されたフロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律を踏まえ、フロン類のライフサイクル全体の対策を推進すること。特に、フロン類廃棄時回収率の向上のための具体的施策を講じること。
3 ノンフロン化、低地球温暖化係数化の推進に当たっては、先進技術を利用した省エネ型自然冷媒機器普及促進事業の補助率を引き上げるなど、民間事業者において速やかに転換が図られるよう措置を講じること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年6月27日

埼玉県議会議長 宮崎栄治郎

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 様
経済産業大臣
環境大臣 

次期介護保険制度改正における福祉用具、住宅改修の見直しに関する意見書

平成27年6月30日に閣議決定された「骨太の方針」の中で、次期介護保険制度改正に向け、軽度者に対する福祉用具貸与等の給付の見直しを検討することが盛り込まれた。
現行の介護保険制度における福祉用具、住宅改修サービスは、高齢者自身の自立意欲を高め、介護者の負担軽減を図るという極めて重要な役割を果たしている。
例えば、手すりや歩行器などの軽度者向けの福祉用具は、転倒・骨折の予防や自立した生活の継続を実現するとともに重度化を防ぎ、又は遅らせることに役立っている。さらに、安全な外出機会を保障することにより、一人暮らしの高齢者のとじこもりを防ぎ、社会生活の維持につながっている。
今後、軽度者に対する福祉用具、住宅改修の利用が原則として自己負担となれば、特に低所得世帯等弱者の切捨てになりかねない。
また、福祉用具、住宅改修の利用が抑制されることにより、重度化が進展して結果として介護保険給付の適正化という目的に反し、高齢者の自立的な生活を阻害し、給付費が増大するおそれがある。
よって、国においては、次期介護保険制度改正における福祉用具、住宅改修サービスの見直しについて、高齢者の自立を支援し、要介護状態の重度化を防ぐという介護保険の理念に基づき、介護が必要な方の生活を支える観点からの検討を行うよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年6月27日

埼玉県議会議長 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣      様
総務大臣
厚生労働大臣
社会保障・税一体改革担当大臣 

農林水産省の補助事業における財政規律の確保及び補助金の在り方の見直しを求める意見書

農林水産省の補助事業は、農業を支える重要な事業である。
しかし、会計検査院の決算検査報告の概要によると、同省の補助事業は、平成5年度から毎年度、その実施及び経理が不当と認められるとの報告がなされており、同省の補助事業の在り方について深い懸念を抱いている。
また、先日、6次産業化に係る農商工等連携促進施設整備支援事業の補助金制度を悪用した詐欺事件が起こり、逮捕者が出たとの報道もあった。厳しい財政状況の中、強い農業を推進するための補助金についてこのような事件が起こり、極めて遺憾である。
農業分野においては、各都道府県における環境が大きく異なり、例えば、補助事業の面積要件について、いわゆる都市近郊農業地域である埼玉県と比較的作付面積の大きい東北地方とを同一の基準とすることは適当ではない。
さらに、国が掲げる地方創生の観点からも、補助事業の実施に当たっては、各都道府県の実情に応じたより柔軟な基準の設定が求められるところである。
今般の同省の産地パワーアップ事業では、国が公益財団法人日本特産農産物協会に資金を交付して基金を造成させ、公益財団法人日本特産農産物協会が都道府県に助成金を配分することとされた。
都道府県は、原則として単年度予算の中で配分額に応じた予算措置を行うこととならざるを得ないが、高収益な作物・栽培体系への転換を図るためには、複数年にわたる補助金の配分がより効果的である。また、意欲がある農業者等であっても、厳しい面積要件のために補助金の対象とならないことも問題である。
よって、国においては、下記の事項を早急に実現するよう強く要望する。

1 産地パワーアップ事業については、都道府県の裁量において適切に意欲のある農業者等を支援できるようにするため、要綱を改正し、都道府県において基金化できるような仕組みに改めること。
2 財政規律の確保の観点から、現行の農業者向け補助金制度を見直すとともに、新たな補助金制度を創設する際は、地方自治体が現場で活用しやすいスキームとなるよう更に工夫すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成28年6月27日

埼玉県議会議長  

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 様
農林水産大臣

教科書採択謝礼問題に関して徹底的な調査・処分及び制度改善を求める決議

教科書採択謝礼問題、いわゆる教科書採択前に教員が事前に教科書を閲覧し、対価を受け取っていた問題については、昨年発覚した三省堂による不適切な宣伝行為をきっかけに、国が義務教育用教科書を発行する22社に調査したところ、全国で5,000人以上の教職員が関与しているという驚くべき結果が浮き彫りとなった。
埼玉県においても、そのうち6社から167人の教員が謝礼を受け取った事実が明らかとなり、歴史公民においては、23ある採択地区のうち22地区が最も多く謝礼を支払っていた東京書籍を採択した。また、特別支援学校中等部においては、14校中歴史は11校、公民は10校が東京書籍を採択した。
また、先般、高校においても、大修館書店が自社の英語教科書を採用した埼玉県を含む7都県の公私立高校16校に、無償で自社の英語問題集を提供したことが発覚した。
これらの事実に鑑みると、謝礼を多く出せば出すほど多く採択される、つまり、謝礼と採択は因果関係にあり、そのような行為は収賄ではないのかという素朴な疑念を生じる。これは、教科書採択制度、更には教員の信頼を大きく損ねる由々しき事態である。
このような行為は、閉鎖的な空間の中で恒常化したと思われ、教員の倫理観の欠如と言わざるを得ない。
よって、この問題に関して、公正な立場にある第三者による徹底的な調査、また謝礼を贈った会社、受け取った教員双方への適切な処分、更には教科書採択過程の原則公開を義務付ける等、教科書採択制度を改善することを強く求める。
以上、決議する。

平成28年6月27日

埼玉県議会 

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