ページ番号:248017

掲載日:2024年2月16日

ここから本文です。

株式会社小貫金網製作所 (川口市)

金網・レーザー・板金の加工3拍子による自社一括生産技術を強みとし、創業100周年を迎える老舗企業

小貫金網製作所は、川口市において創業した1925年から現在に至るまで、理化学・工業用特殊金網及び加工、特殊板金、NCパンチング、レーザー加工など多種多様に手掛けています。
1925年に小貫角二氏(現社長である小貫好弘の曾祖父)が、東京都小石川にて個人事業主として鋳物産業向けに金網を折るメーカーとして小貫金網を創業しました。
1946年に川口市内に移転し、1962年に株式会社小貫金網製作所として法人化しています。
現代表取締役社長の小貫好弘氏が社長に就任したのは、2016年 2月で、今に至ります。
2021年6月に、国から事業再構築補助金が採択され、2023年2月に旧社屋の横に新たに本社社屋を竣工し、同年4月に事務所を移転し、同年7月にその1階加工場に新型レーザー加工機等を設置しています。
今後は旧本社建物のリフォームを行い、その後に川口市内の別の場所にある特殊板金工場を移転させるなど既存工場の再編に取り組みます。生産拠点を一か所に集約化することで生産効率と生産性の向上を目指します。

 

        
                                                     本社 ※左側が新社屋で右側が旧社屋となっています。

        
                                                                左:特殊板金工場、右:レーザー工場

 

今回、新社屋を訪問し、業務内容を中心に様々な話を聞かせていただくとともに、新社屋1階の加工場や旧社屋内を案内していただきました。
新型レーザー加工機は、既存のレーザー加工機に比べ、スピードが3倍程度向上し、ガス使用量も削減されています。また、新社屋の屋上には太陽光発電も設置されており、環境に配慮された設計となっています。
金網加工の技術を精密加工するだけでなく、板金加工・レーザー加工設備を自社で備えることで溶接までワンストップで対応できることが小貫金網製作所の強みとなっています。今回の新社屋の竣工、設備投資及び今後の工場再編等によりそれらの強みがさらに増していくことが期待されます。
また、数々の金網製品を実際に見せていただき、その目的や役割について詳しく説明していただきました。

 

            
         新社屋1階の加工場、新型レーザー加工機等

        
        各種金網製品、左は糊のストレーナー(液体から固形成分を取り除くために用いる網状の器具)

 

小貫金網製作所は、2016(H28)年度に川口商工会議所が行っている「川口 i-waza(いいわざ)ブランド認定」を受けています。
「川口i-waza(いいわざ)ブランド認定制度」とは、ものづくり中小企業の集積する川口市において、川口商工会議所が川口市や川口産業振興公社など関係機関と連携して、優れた製品を産み出すための高い技術や技能を認定する制度です。
認定内容は、「フィルター・ストレーナー等金網加工技術」で、金網・レーザー・板金の加工3拍子による自社一括生産技術となっています。
具体的には、金網の加工は職人の手により鋏(はさみ)で切断等をして加工する事が多いですが、小貫金網製作所ではレーザー加工と金網加工を複合する事で、より高難易度な金網の切断加工が可能となっています。そこに板金加工が合わさる事で、通常では加工不可能な複雑な形のフィルターやストレーナー等の金網製品の加工が可能となっています。

【参考/『川口 i-waza(いいわざ)ブランド認定制度』について】
         https://www.kawaguchicci.or.jp/brand/product/waza/tech17.html
                認定証                  (小貫金網製作所の「フィルター・ストレーナー等金網加工技術」)

 

【YouTube動画/小貫金網製作所  「フィルター・ストレーナー等金網加工技術」】

        https://youtu.be/1w21y9bfYyM

 

次のYouTubeチャンネルでは、100本を超える「川口 i-mono(いいもの)ブランド、i-waza(いいわざ)ブランド」の紹介動画を見ることができます。
これらの動画の制作は、先日、企業訪問を行なった株式会社ハルファが手掛けています。
ものづくりのまち、川口の高い技術力やノウハウを生かした優れた製品やそれらを産み出すための高い技術や技能の数々を是非ともご覧ください。

【参考/KAWAGUCHI  i-mono・i-waza  YouTubeチャンネル】

        https://www.youtube.com/channel/UCeH02sfgIFFDmhtJAlWty5w


2021年10月に埼玉県から経営革新計画の承認を受けています。
経営革新計画のテーマは、「創業95年の伝統・技術と最新レーザー設備との融合等による経営革新」となっています。今回の新型レーザー加工機の導入等もその一環です。
会社のホームページに加工事例が紹介されていますので、是非ともご覧ください。

【参考/埼玉県:経営革新計画を策定しませんか!】
        https://www.pref.saitama.lg.jp/a0803/shigoto/sangyo/kigyo/kigyoshien/keekakushin/
        経営革新計画承認書      (埼玉県/経営革新計画のホームページ)


【参考/会社ホームページの加工事例へのリンク】

        https://www.onuki-kanaami.co.jp/equipment/

 

  品名:「サイクロン型エレメント(テーパー型エレメント)」

           【写真は会社ホームページから引用】

    品名:「蛇腹フィルター  SUS304製」

          【写真は会社ホームページから引用】
    ※他の加工事例も掲載されていますので、リンク先の会社ホームページで確認してください。

 

川口商工会議所会報「MOVE」の2017年4月号に小貫金網製作所の記事が掲載されていますので紹介します。
社長に就任して間もない頃ということで、約7年前の記事になりますが、若い経営者の想いが熱く語られており、現在の企業経営に活かされています。
記事の中で、社長就任前の5年間で工場における一通りの業務と技術を覚えた努力家であることや、ものづくり企業において職人は宝物であり、熟練の職人になるためには何年も時間がかかるので大切に育てていきたいことなどが述べられています。
また、自分の目標については「みんなで幸せになればよい、これだけです。」と述べており、どうすれば幸せになれるかという疑問点に対して「そのためにはまず会社を存続して、職人・従業員の生活を守ることが一番だと思いました。そこに目標を置いて、社員一同取り組んでいきたい。」と強い決意が述べられています。

【参考/川口商工会議所会報『MOVE 2017年4月号』の掲載記事】
        
                                                                       川口商工会議所 会報『MOVE 2017年4月号』から引用

 

今回の小貫金網製作所への訪問のきっかけの一つは、当センターが行う企業訪問の紹介ホームページの中で数度にわたり紹介させていただいた「川口まちこうば芸術祭2024」の参加企業に選ばれたことです。
この企画において、この素敵なイベントを支える幹事企業とともにイベントの実施を支える企業の一つとして、小貫金網製作所が新たな仲間として加わります。
東京都にある石川金網株式会社が2015年に世界で初めて金網で折る折り紙、「おりあみ/ORIAMI」を発売したというニュースを耳にし、このような独自商品の開発やブランド化に関心を持っていました。そんな中で「川口まちこうば芸術祭2023」の会場に足を運ぶ機会があり、自身の目でそれらの作品を目にして川口のものづくりの技術の高さを実感し、それらの取組に賛同しました。
参加企業を今年度から公募していることを知り、速やかに手を挙げました。
「川口まちこうば芸術祭2024」は、令和6年3月28日(木曜日)から3月31日(日曜日)の4日間、川口市立アートギャラリー・アトリアで開催されます。
小貫金網製作所が新たに参入することにより、今回の作品製作にどのような影響を与えていくのかを楽しみにして、3月の開催を待ちたいと思います。
是非とも会場に足を運んでいただき川口市内の町工場が持つ技術力の高さを実感してみてください。

【参考/川口まちこうば芸術祭】

        https://www.kawaguchicci.or.jp/kawaguchifaf/about.html
               チラシ                  (「川口まちこうば芸術祭2024」開催決定のホームページ)

 

        
        金網で製作したイス、試験的に着色した金網の写真

 

県ではシニアの活躍の場の拡大を推進しており、その一環として「シニア活躍推進宣言企業」の認定をしています。
これは、定年・継続雇用の年齢の延長(66歳以上)や定年の廃止、シニア向けの仕事を新たに作るなど、シニアの活躍の場の拡大のための取組を実施している、又は今後実施する予定の企業等を募集しているものです。
小貫金網製作所では、項目のうち「シニア向けの仕事を新たに作り、シニアの雇用、働く場所・機会を増やす」ことや「シニアの特性に配慮したシフトの導入、部署配置を行いシニアが安心して働ける環境を整える」ことなどを宣言し、2017年5月に「シニア活躍推進宣言企業」の認定を受けています。
その後も、「継続雇用の上限年齢を70歳以上に引き上げている」ことを宣言し、2022年8月に「シニア活躍推進宣言企業プラス」の認定も受けています。
創業者のことを知る80歳以上の方が、現在も嘱託職員として業務の繁忙期に働いてもらっているそうです。

        https://www.pref.saitama.lg.jp/a0813/kakudai-jigyou/kakudai-jigyou.html
                         認定証                    (シニア活躍推進宣言のホームページ)

 

直近では2020年12月に「埼玉県多様な働き方実践企業」の認定を受けています。

【参考/多様な働き方実践企業】

        https://www.pref.saitama.lg.jp/workstyle/diversity/about.html
                       盾                     (埼玉県/多様な働き方実践企業認定制度とは?)

 

その他にも、経済産業省から2022年3月に健康経営優良法人2022(中小規模法人部門)の認定を受けています。
小貫代表取締役社長と話す中で、御自身も含めてですが職場を支える従業員の健康にも気を配っており、埼玉県健康経営実践企業を2022年に宣言しています。

【参考/健康経営優良法人】
        https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeiei_yuryouhouzin.html
                         認定証                                   (経済産業省/健康経営優良法人認定制度)

 

最後になりますが、埼玉県が行う「埼玉県環境SDGs取組宣言企業制度」において、環境分野のSDGsのゴールの達成に向けた取組を2023年11月に宣言しています。
取組項目は、「廃棄物、3Rの推進、省エネ、気候変動、生物多様性」となっており、SDGsを意識し、持続可能な環境に配慮した企業の姿勢が打ち出されています。

【参考/埼玉県環境SDGs取組宣言企業制度のご案内】

        https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/180430/seido_2021_3.pdf
                        宣言書

 

【参考/埼玉県環境SDGs取組宣言企業一覧(製造業) ※No.202を参照】
      https://www.pref.saitama.lg.jp/a0501/sdgs/kigyourist-seizougyou.html

 

間もなく創業100周年を迎えるということで、これまで支えてくれた従業員をはじめ、関係者の皆さまにはきちんと感謝を示していきたいとの強い思いをお聞きするとともに、社長就任以来、新型コロナによる売上減少や原材料や光熱費の高騰といった様々な課題に立ち向かい今に至る過程等を伺う中で、引き続き経営者として頑張っていきたいとの思いが伝わってきました。
また、これまでに板金やレーザー加工にも力を入れて取り組んできたが、やはり創業から手掛けている金網をこれからはもっと大切にしていきたいという気持ちも聞かせていただき、ものづくりに懸ける熱い思いがストレートに伝わってきて、若い力で川口のものづくりをさらに盛り上げていってもらいたいとの思いを強くしました。
ご対応いただきました株式会社小貫金網製作所の小貫代表取締役社長、ありがとうございました。
 

        
                                              新社屋1階の加工場で撮影

 

株式会社小貫金網製作所

  • 所在地:【本社】川口市飯塚2-7-17
                  【特殊板金工場】川口市飯塚1-9-36 
                  【レーザー工場】川口市飯塚2-12-11
  • ホームページ:https://www.onuki-kanaami.co.jp/

お問い合わせ

企画財政部 南部地域振興センター  

郵便番号332-0035  埼玉県川口市西青木二丁目13番1号 埼玉県川口地方庁舎2階

ファックス:048-257-0529

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?