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掲載日:2023年12月12日

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土地分類調査報告書(金峰山・三峰)

目次

  1. 位置及び行政区画
  2. 人口
  3. 地域の特性
  4. 主要産業の概要
  • 各論
  1. 地形分類図
  2. 表層地質図
  3. 土壌図
  4. 傾斜区分図
  5. 水系・谷密度図
  6. 利水現況図
  7. 防災図

序文

わが国の経済は、回復過程に入ったとは言え必ずしも順調ではなく、緩慢に回復が続いておりますが、輸出の先行き不安、企業経営の不振、物価の高騰、地方財政の危機等の問題を解消するために、なお前途は楽観できないと思います。
一方本県の人口は、昭和35年以降増こうの一途をたどり、今年1月には5百万人の大台を突破し、7月には5百6万5千人と、その人口規模は、北海道についで全国6位と躍進しております。
高度経済成長を背景とした開発の「ひずみ」は、様々な現象となって現れ、公害の発生や土地利用の混乱さらには社会資本整備の立ち遅れなどを招いておりますが県は「人間尊重、福祉優先」の目標を掲げ将来の県の望ましい姿を想定しながら県土の均衡ある整備を進めるために、計画的かつ効率的に県土の利用を図ることとしております。
このたび、関係各位のご協力のもとに「三峰、金峰山(埼玉県内)」図幅の土地分類基本調査が完成いたしました。この調査は地域の地形、表層地質、土壌等の土地条件や土地利用上の規制因子となる利水条件、土地保全条件等土地の性質を調査集録したもので、今後の県土利用に極めて重要な基礎資料であります。
自然の保全や人間性豊かな地域社会をつくるために、折角の調査資料を十分に活用されますよう希望するものであります。
なお本調査の実施にあたりまして、ご協力を賜りまた国土庁営林局、東京都、山梨県並びに本県の関係各位に対し心から謝意を表する次第であります。

昭和52年9月

埼玉県企画財政部長浅子義一

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まえがき

  1. 本調査の事業主体は埼玉県で、国土庁土地局国土調査課の指導を得て、国土調査費補助金をもって実施した。
  2. 本調査の成果は、国土庁作法施行令第2条第1項第4号の2の規定による土地分類基本調査図及び土地分類基本調査簿である。
  3. 調査の実施、成果の作成機関及び担当者は次のとおり(JPG:127KB)である。

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総論

1位置及び行政区画並びに面積

位置

「三峰」図幅は、関東平野の内陸部、埼玉県の西南端に位置し、東京都の一部と山梨県の一部を抱合する。
経緯度は、東経138゜45`~139゜00`、北緯35゜50`~36゜00`の範囲に隣接する。
「金峰山」の図幅の経緯度は、東経138゜30`~138゜45`、北緯35゜50`~36゜00`の範囲で、埼玉県内の地域であって図幅内の面積は、三峰図幅412.16平方キロメートル、金峰山図幅(埼玉県内地域)23.84平方キロメートルで、両図幅の全面積は、436.00平方キロメートルである。

行政区画

児玉郡神泉村、秩父郡吉田町、小鹿野町、両神村、荒川村、大滝村、東京都奥多摩町、山梨県丹波山村、三富村の1市2町5村である。

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2人口

本県の人口は昭和52年2月1日の推計値500万5484人となり、昭和50年10月1日の国調482万1349人、以降1.4ヶ月で500万人の大台を更新した。

このような人口増加の原因に打ち手見ると、本県の社会的、経済的要因を背景として、住宅団地の進出、工業団地の造成等による社会人口の増加が主導となっている。

第2表都心からのキロ圏別人口の動き(JPG:70KB)

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3地域の特性

1自然的条件

(1)地勢

この地域は、雲取山から甲武信ヶ岳を稜線とした山頂から、南東側が東京都に属し、日原川、その他支派川が多摩川に向かって傾斜し流れ一帯東京との水道の涵養林としての役目をはたしている。

南西側は山梨県の属し、甲府盆地に向かって傾斜し、笛吹川その他支流川が流れている稜線北側は本県に属し、大皿川、大洞川、入川、中津川、小森川、その他支派川がV字谷をなし、緩急織り交ぜた傾斜をしながら秩父湖及び荒川に向かって流れている。

又この地域は、秩父多摩国立公園に属し、原生林を含む森林地域であり、緑と自然の景観による風光明媚な地域である。

(2)気象

本県の気候はいわゆる表日本式で、冬は乾燥して晴天が多く、日中北西季節風が強く吹き、夜から朝にかけての冷え込みが厳しい。夏は南東の季節風は弱く、日中の最高気温はかなり高くなり蒸し暑く夕方雷雨が多い。

平野部では9月に最も雨が多く(山地では雷雨のため8月に最も多い)、年降雨量は、1400mmくらいである。気温は平野部で14℃(年平均)くらいで山地では海抜100mにつき0.5℃ずつくらい低くなっている。

第3表気象記録(昭和50年)(JPG:63KB)

(3)気象災害

本県の気象災害は夏を中心に発生し、10月から3月までは非常に少なくなっている。発生する度数の最も多いのは雷雨による物で、全災害の半数に近い。そのうち半数くらいは降ひょうを伴っての被害である。しかし災害高からいえば台風による風水害が全災害の80%くらいを占める事になる。本県では凍災害も重要な災害となっている。

第4表気象災害回数(JPG:50KB)

2社会経済条件

(1)道路

図幅には、秩父方面から国道140号線が秩父湖班上流まで通じ、これを中心として、県道及び林道が縦横に走っている。将来は140号線を整備延長し、甲府に通じ首都圏の放射環状線としてのネットワークへの参入を果たすこととなる。

(2)鉄道

図幅内の鉄道は、熊谷方面から秩父鉄道の終点、三峰口駅まで、施設されており輸送力の増強が見込まれている。

第2図道路・鉄道(JPG:83KB)

(3)就業人口

県内の産業別人口の比率は、県内地域の住宅化、工業化の影響を強く受けて農業従業者が減少した事が原因となり、第1次産業人口率が低下して第2次及び第3次産業の伸展が著しい。

この地域においても除々ではあるが、同様の傾向を示している。

市町村の産業別就業人口の構成は、第5表図のとおりであるが、鉄道によらない交通機関に依存している町村部では、林業を中心とした第1次産業の人口率が高く、鉄道沿線の市町村では第2次産業の伸展が目立ち、これと並行的に第3次産業人口の比率も高まっている。

第5表産業別就業人口構成(15才以上)(JPG:162KB)

(4)土地利用

土地利用形態は、山林、農耕地、その他、住宅地で、全面積に対し占める割合は、山林が76%とその大半を占め、農耕地16%、その他6%、住宅地2%となって、主として林業の占める位置が大きい。

第6表土地現況面積(JPG:74KB)

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4主要産業の概要

本地域は古くから良質な木材として、杉、檜の産地で有名である。需要が多かったころは、木炭等も多く生産され、林産物の生産額が大きかった。
農産物としては、山間農業の特徴を生かした養蚕、きのこ、こんにゃく、蔬菜、酪農、しいたけ等多種目に渡る生産がおこなわれている。
最近ではレジャーと観光客が増えている事から、栗、ブドウ等を主軸とした観光農業が伸びようとしており、民宿等のサービス業が多い。
工業では、伝統的な織物業が古くから行われており、家具、床坂、コンクリートブロックが生産されている。

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各論

1地形分類図

「三峰」、「金峰山」図幅地域は関東山地中央部を占める。5万分の1地形図を使用し、0.5kの方眼をかけた切峯面図(第1図、上図)を見ると中・古生層の古期岩石の一般走向方向NW-SEに地形が規制される。つまり、南は甲武信ケ岳(2450m)、木賊(とくさ)山(246m)破不山(2318m)、古礼山(2112m)、唐松尾山(2109m)、大洞(おおぼら)(飛龍)山(2069mと東南方へ高度を減じた山地が広がる。次いで北方に三国山(1828m)、白泰山(1794m)白石山(2036m)、雲取山(20181m)が平行して広がり、各山々間は西から大川又(がまた)沢、川、滝川、大洞川諸河川によって穿谷されている。さらに東側には三峯山(1102m)、霧藻ケ峰(1523m)、水松山(1699m)の山地が広がる。一方、北東端には秩父盆地が開け、山地・盆地間の地形区分は明瞭である。表層地質図から照合すれば山地は中・古生層の古期岩類からなり、反して、盆地は新第三紀の新期岩類からなるため、両者間には解析度が異なる。また、新生代に入っての造構運動の影響(寄居時階など)を受けて地形的に差別が生じたためであろう。
図幅内の最高所は木賊山、2000mを越える奥秩父縦走路が本県と山梨県の県境になる。起伏量図(第1図・下図)によれば県境を境に埼玉県側は起伏量400m以上の急峻地形であるのに対して、山梨県側は起伏量400~200m区間の中起伏山地が大半を占めている。また、三国峠で長野県と県境を分けているが、やはり、本県は急峻な大起伏山地に属するのに対し、長野県側は中起伏山地となる。
秩父盆地は方形の構造盆地で、その南西端にあたり、中、古生とは断層と不整合で区画される。盆地内にあっては南北方向に品しゆう(しなりゆう)山地が存在する。
本図幅内の水系は主要河川の荒川が東流し、中津川が出合-信濃沢橋間、塩沢-落合間で東流するほかは、中、古生層の一般走向のNW-SE系、つまり、小森川、中津川、大洞川下流、大雲取谷、大血川、股の沢、トウグリ沢、水晶谷、八百沢などの諸河川、それを切るNS系、大川又沢(中津川上流)、大若沢、滝川、入波沢、笛吹川、本谷、大除沢、大洞川中流、伊豆沢、白沢及びSW-NE系の入沢、豆焼沢、久渡沢、谷渡沢、広川、和名倉沢、惣小屋谷、唐松谷からなる諸河川が水系を形成する。
本図幅は地形特性から分類単位を集合統一し、その地形性質によって地域性を示す上で後述の地形区を設定し、各名称を記した。大地形区分としては、関東山地に見る地殻変動に伴なう隆起部と、秩父盆地に見る沈降部とに2大別できる。大地形区分の内部は、局所的性質、例えば地質、侵食営力などの関連要素によって区分される。関東山地では8つの山地形区に分類される。とりわけ、中津川以南では甲武信ケ岳山地(1d)、唐松尾山地(1e)、大洞山地(1f)、雲取山地(1g)、がNS系の尾根を発達させているのに対し、中津川以北では、隣「万場」図幅も含めて、NW-SE系の尾根を持っている。両者間は、中津川に沿う落合-塩沢断層(白泰構造線の一部)に何らかの影響を受けた構造の差に見える。しかし、地形分類の境界線とは必ずしも一致していない。また、山地間の境界は不明な箇所が多く、穿谷河川の関連において区分した。分類は下記の如くである。

  1. 関東山地
    • 1a三国山地
    • 1b南天山地
    • 1c両神山地
    • 1d甲武信ケ岳山地
    • 1e唐松尾山地
    • 1f大洞山地
    • 1g雲取山地
    • 1h黒金山地
  2. 秩父盆地
    • 21a品しゅう(しなしゅう)山地
    • 22a四阿屋(あずまや)山丘陵
    • 22b尾田蒔丘陵
    • 22c御岳山丘陵
    • 23a赤平川段丘
    • 23b秩父段丘

第1図切峰面図(上図)および起伏量図(下図)(JPG:244KB)

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1関東山地

1a三国山地

南と北は甲武信ケ岳・南天谷山地と接し、大川又沢(中津川上流)およびその支流で区画される。硬砂岩・粘板岩主体の古生層からなる岩石で構成され、急峻な地形を呈する。傾斜区分図で明らかなように全体として30゜~40゜と急傾斜であり、しかも、大川又沢近隣では40゜以上となる。主峰は三国山(1828.2m)で、南北方向に山系がのび、東方に山稜、山麓が拡がる。

1b南天山地

南は三国・甲武信ケ岳各山地と北は「万場」図幅に広く発達する両神山地と接し、それぞれ中津川、広河原沢・神流川で区画される。この山地は「万場」図幅中の南天山(1478m)主峰に北西より南東方向の山系が発達する。大局的に30゜~40゜の急傾斜となり、とりわけ南天山北側は40゜以上となる。

1c両神山地

南は南天山地、北は隣「万場」図幅の二子山地、東は秩父盆地にそれぞれ接し、中津川・神流川、河原沢川、白沢で区画される。両神山地はNW-SE系のほぼ平行した諸河川、例えば、小森川、薄川によって分画されるように見えるが、切峯面図から見れば初源的に同一山塊に属している。秩父盆地周辺の中起伏山地を除くと、全体として大起伏山地に属する。主山稜は両神山-1476.5m-1464.0m-御岳山(1080.5m)である。その両山腹側は40゜以上の急斜面が発達し、小森川に面する山腹も同様な急斜面を呈する。また、秩父盆地周辺の山麓では20゜~30゜の斜面が一般的となる。

1d甲武信ケ岳山地

本山地は「三峰」、「金峰山」両図幅中、最も広い山地を占める。南と東は唐松尾山地、北は三国・南天、両神各山地と接する。主山稜は甲武信ケ岳-破不山(2317.7m)-雁坂嶺(2289.2m)-古礼山(2112.1m)であり、隣の唐松尾山地の主山稜に接続する。しかし、広川および滝川上流により両山地は解析されているため、独立した分類に区画される。本山地の大半は大起伏山地に属すが、荒川・中津川に囲まれ、東西にはりだす山地および笛吹川に面する山腹は中起伏山地に属する。後者は、花崗質岩の貫入地帯であるため解析され易いことが推察されるから、山頂面は15゜~20゜のランクに下向する緩斜面として発達する。

1e唐松尾山地

本山地は甲武信ケ岳山地に接続し、主山稜は笠取山-唐松尾山(2109.2m)-竜喰山(2011.8m)と伸び、東隣の大洞山地の主山稜に続く。唐松尾山地は将監峠を分岐点とし、北方にはもう一つの主山稜、東仙波(2003・m)-白石山(2036.Om)-1369mが発達する。大半は大起伏山地に属すが、南方の塩山市、三富村および東仙波、白石山の各東側山腹では起伏量が400~200mと下向し、中起伏山地となる。先の甲武信ヶ岳の場合と同様に、山梨県側の中起伏山地は広大な花崗質岩体の貫入地帯にあるため、侵食され易いことを示している。

1f大洞山地

唐松尾山地と雲取山地にそれぞれ接し、大洞山(2069.1m)を主峰とする山地である。本山地は東隣の雲取山地とはNS系の「高岩-元郷」構造線に切られ、この弱線にそう荒沢で区画されるが、西隣とは壮年期のV字谷を形成する惣小屋谷でお互いの山地に区画される谷と思われる。全体として大起伏山地に属する。

1g雲取山地

西は唐松尾・大洞両山地と、北は両神山地、甲武信ヶ岳山地の東端部および秋父盆地と接する。主山稜は雲取山(2018m)-白岩山(1921.2m)-霧藻ヶ峰(1523.1m)-三峰(1101.5m)と南北方向に伸びる。一方、白岩山から水松山(1699.2m)を経て、東隣「秩父」図幅へと東走する。本図幅内の雲取山地は三峰-雷電山構造線およびそれの派生断層による造構運動を受けていることから、山系もほどNS方向に規制されている。また、本山地は全体として大起伏山地に属し、傾斜区分の上で30゜~40゜のランクの急斜面が発達する。尾根では15゜~20゜ランクの緩斜面となる。

1h黒金山地

本山地は「金峰」図幅の黒金山(2232m)の東側山腹にあたり、笛吹川を臨む。大起伏山地に属する。

2秩父盆地

21a品しゅう(しなしゅう)山地

秋父盆地の西部に南北に発達する山地である。西隣の両神山地とは白沢で区画される。中起伏山地に属する。

22a四阿屋(あずまや)山丘陵

四阿屋山(771.6m)の東麓にあたり、一般に20゜~30゜の緩斜面の山麓として発達する。

22b尾田蒔丘陵

白沢および荒川とその支流で区画され、その東部に位置する丘陵で、東隣「秩父」図幅の主丘陵の西端部にあたる。基盤は新第三紀層の砂岩、泥岩、礫岩からなり、その上に不整合で段丘礫層、ローム層がのる。

22c御岳山丘陵

御岳山(1080.5m)の東山麓で、白沢および荒川の支流にのぞむ。西部は20゜~30゜、東部は15゜~20゜の緩斜面として発達する。

23a赤平川段丘

伊豆沢の河岸段丘面であって、段丘上には集落、耕地が狭長に発達する。沖積面より比高数mの面である。亜角~亜円礫の小礫の段丘礫が発達する。

23b秩父段丘

東隣「秩父」図幅の秩父市街地を載せる段丘面の西方延長にあたる。荒川が深く穿孔し階段状段丘地形を呈する。表層の腐植泥層の下位に5~10cm径の亜円礫段丘砂礫堆積物が厚さ2~3mで発達する。

(埼玉大学松丸国照)

 

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2表層地質図

本調査地域の表層地質は関東山地の中・古生層と秩父盆地の新第三紀層からなっている。中生層は東京都下、小川谷・倉沢谷に発達する鳥ノ巣統に対比されるところの大滝層群が図幅中央部に発達し、地質構造は複雑で、全体としては北傾斜の岩体とする説と複背斜構造とする説とが挙げられている。ここでは、広義の栃本層(中生層)は落合-塩沢断層および「高岩-元郷」構造線の会合に伴う造構運動の影響を大きく受けた所産と見える準片岩の発達が顕著であること、輝緑凝灰岩の発達も川又層、八百谷層、古札山層(いずれも中生層)よりも良好なため、各層のいずれかに対比しうる地層ではないと考えられる事、などの理由によって、複背斜構造説は考えられない。中生層の地質構造は中生層の生層位学が十分検討できないことから不明な層準を抱えているために十分解析できない。現在も詳細な地質調査を続行であり、将来公表する予定である。中生層はその他、河原沢川をはさんで、山中地溝帯に発達し、本地域はその分布域の南東端にあたる。
古生層は山中地溝帯の南側に位置し、落合-塩沢断層(藤本他、1950)、または白泰構造線(森川、1968)以北、及び高岩-元郷構造線(藤本、1954)以東に分布する。地質時代は石炭紀後期(石井、1962;松丸・大附、1976MS)から二畳紀後期(石井、Op.cit;松丸、1976MS)までが紡雌虫生層位学的研究より明瞭である。コノドント化石からは三畳紀後期(Koike.e1.aI.1977)がしられることから、古生層とされた物の一部は三畳紀のものも含んでいることになる。岩相は下位から、硬砂岩・粘板岩互層、珪質岩または硬砂岩・珪質岩互層からなり、一般走向は、秩父図幅内の秩父古生層同様、NW-SE方向を呈し、傾斜は大局的には北傾斜である。
主要な断層および構造線は上記のEE-W系白泰構造線とNS系元郷構造線であり、三峰-二瀬以東はNS系断層が、それ以西で、白泰構造線の北側ブロックはNE-SW系の緒断層がそれぞれ平行して発達している。一部、大ガマタ沢と信濃沢合流付近、ガク沢および高岩-元郷構造線の東には走向断層系が見られる。従って、古生層は諸断層によって、ブロック化が進んでおり、ブロック間では側方の岩相が北方に、南方にズレを生じている。
一方、新第三紀層は秩父盆地に発達し、基底礫岩から、上位に、砂岩・泥岩互層へと発展した岩相からたる。しかし、白久以東は礫層の発達が良いにもかかわらず、盆地の北東方では不明になるため、層位の上で、基底礫岩になりうるかは疑間であり、今後の詳細な研究が必要である。地質構造は万場図幅内の観音山からSEの横瀬村方面に単斜構造であり、地質時代は両神村小森の小森川右岸からLepidpcyclina(Nephrolepidina)japonica.L.(N)angulosa.Miogypsinakotoikotoi(Matsumaru,1971,1976)が産出し、中新世前期である。従って、この産地より下位の岩相は漸新世の可能性もあるが、積極的な資料はない。この他、第三紀層は中津川西方の大冠(おおかぶり)に発達している。
本地域の地質系統表は第1表のとおりで、大半が秩父古生層(中津川層群、三峰古生層、白石古生層、七石山古生層、和名倉山古生層)、および大滝層群からなる。

第1表本図幅及び周辺図幅の地質系統表(JPG:92KB)

(1)未固結堆積物

本地域の未固結堆積物は山地では山頂および山腹の面に塊状粘土質ローム、黄褐色割れ目の多いローム、化学成分としてFe、Mgが15%と塩基性を示すところの山地ロームが、山麓には岩石の二次的砕層物などが分布している。また、段丘面および沖積面には砂礫堆積物が発達する。

1-1砂礫・泥堆積物

本地域の荒川、小森川、中津川などの現河川の河道、氾濫原の河床堆積物である。とくに荒川においては三峰口の新第三紀層発達付近から下流にかけての地城で、堆積物は顕著になり、泥質混じり砂礫層である。角・亜角・円・亜円各種の礫からなり分級不良、礫径10~15cmが多く、70cm大もある。礫種は古生層のチャート、硬砂岩、粘板岩が圧倒的に多く、花崗質岩礫もある。

(2)半固結-固結堆積物

2-1礫

秩父段丘に発達する。盆地床の開析面のため、地表の微起伏が認められる。各面で表層の腐植泥質層の下位に3~5mの厚さで亜円礫段丘砂礫堆積物が発達する。礫径は8~15cmが多く、礫種はチャート、硬砂岩、粕板岩、花崗質岩が多い。

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(3)固結堆積物

3-1礫岩

秩父盆地の新第三紀層中にあっては彦久保層群(赤平層群の下部)に数枚、小鹿野町層群の吉田、桜井各地層の基底礫岩として発達する。亜角~亜円礫、小~中礫が多く、礫種は硬砂岩、チャート、粘板岩、輝緑凝灰岩、花崗岩質からなる。第三紀層と考えられる中津川西方の大冠では角~亜円礫、中礫が多く、まちまちの大きさを示す。礫種は塩基性岩(グリーンタフ地域の噴出岩など)、石英閃緑若、砂、泥岩、チャートからなる。山中地溝帯においては、四阿屋山北斜面の石堂層に発達する。塊状、青灰色を呈し、径2~10cmの亜角~亜円礫。礫種はチャート、砂岩、粘板岩。白泰構造線以南の大滝層群では井戸沢、惣小屋谷各層に発達する。円~亜角礫、径3~10cm大、石灰岩、硬砂岩、粘板岩、チャートなどの礫種からなる。

3-2砂岩

秩父盆地の新第三紀層にあって、彦久保層群牛首峠層、小鹿野町層群宮戸層、吉田層、桜井層に発達。粗粒で青灰色ときに赤褐色を呈する。硬さは中・古生層に比較して低く、塊状の事が多い。

3-3硬砂岩・砂岩

山中地溝帯にあって、石堂・瀬林各層に発達し、暗灰色~淡青灰色、中粒、瀬林層では花崗質砂岩が発達。ときに斜交層理が認められる。最下部から、貝化石(Polymesodaradiatostriata,Corbiculasanchuensis)などや植物化石を産する。大滝層群にあって井戸井沢層に顕著に見られる。秩父古生層では両神、大川又各層と和名倉山古生層に広く発達する。一般に中~細粒の石英砂岩、灰~青灰色の砂岩からなる。

3-4泥岩

秩父盆地では宮戸層に顕著であり、暗灰色、細粒ときに粗粒の砂を含み、小森、大指、白久では前述の中新世示準化石の大型有孔虫を産出する。玉ねぎ状構造が各所で見られる。局所的に珪質である。

3-5粘板岩・千枚岩

秩父古生層、大滝層群、および山中地溝帯の中生層に一部発達する。粘板岩は暗灰色細粒堆積岩、固結度が高く、層理を示すものが多い。硬砂岩と互層する場合が多く、チャート堆積地域では珪質粘板岩になる。一方、千枚岩はやや変成されたもので、とりわけ二瀬層(広義の栃本層)に顕著である。

3-6砂岩・泥岩互層

宮戸、吉田、桜井各層にあって、砂岩と泥岩が互いに1O~15cm厚の規則正しいフリシユ型の互層からなる。砂岩は青灰色硬質。泥岩は暗灰色でもろい。互層中には層内褶曲、層内断層も発達する。

3-7硬砂岩・粘板岩互層

秩父古生層、大滝層群に発達する。互層の形式は硬砂岩の主体のところ、逆に粘板岩が主体のところもある。層理が明瞭であり、地質構造の解明に欠かせない。雁坂峠一帯の古札山層では逆転が認められる。

3-8珪質岩

秩父古生層、大滝層群に発達。チャートが主であり、粘板岩発達地域では珪質粘板岩となる。チャートの中にはコノドント、放散虫化石が含まれ、今後の生層位研究に重要である。色は化学成分によって異なり、青、緑、暗灰、灰白、赤褐色を呈する。チャート中にはマンガン鉱が胚胎している。チャート地域では一般に急峻な地形をつくる。

3-9珪質岩・硬砂岩互層

中津川上流の大川又層に顕著である。珪質岩ないし、硬砂岩の発達地域の接合地帯にとりわけ良く発達する。

3-10珪質岩・粘板岩互層

互層の形式は珪質岩、粘板岩、硬砂岩の3者からなるが、硬砂岩は粘板岩より相対的に貧弱な場合を示す。従って、前項では粘板岩は硬砂岩より貧弱となる。本互層は大川又層に認められる。

3-11石灰岩

秩父古生層、大滝層群に発達する。石灰岩は地質時代を決定できるところの紡錘虫化石などを含有するため重要である。本地域各所にレンズ状に発達し、灰色、場所によって暗、灰色を呈する。大川又層中には両者の色調の物が不文律に交じり合い、斑点状の石灰岩礫岩が存在する。しかも、両礫からの紡錘中による地質時代は石炭後期のFusulinellaと二畳紀後期のYabeinaが隣りあっている。石灰岩は圧倒的に古生層に多く、大滝層群では滝川本流の暗灰色、鳥ノ巣石灰岩(含有化石は床坂サンゴのChaetetoposiscrinita他、ストロマトポロイド、蘚虫、有孔山、巻貝など)と同等の物が八百谷、惣小屋谷各層に存在しているにすぎない。

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(4)火山性岩石

4-1酸性凝灰岩

荒川の宮戸層に発達し、白川灰白色、緻密、ときに層状。

4-2輝緑凝灰岩

秩父古生層、大滝層群中にあって、一般に濃緑色、暗赤色を呈し、火山灰、火山砂などの固結した物からなるものが多い。粗粒部では、凝灰岩層、集塊岩相、溶岩流などからなる。層理の発達したものは割れやすく粘板岩状になっている。

4-3花崗質岩

埼玉・山梨両県境の奥秩父縦走路から、山梨県側には徳和型花崗内縁岩(山梨県地質誌、1967)、埼玉県中津川以北の日窒鉱山周辺には石英閃緑岩(宮沢俊弥他、1957)が顕著に分布する。前者はやや塩基性、埼玉方面では次第に酸性となる。灰白色、粗~中粒、塩基性捕獲岩片がある。将監峠付近では石英閃緑岩(藤本他、1950)が知られる。一方、後者石英閃緑緑岩ないし石英閃緑玢岩からなる。中津川地域の古生層を貫くが、産状、組成鉱物の種類・組織を検討すると関東山地周辺の岩石に極めてよく類似することからこの岩体中新世初期の迸入と考えられている。前者は中生代の迸入説が強く、近年、培玉県内の花崗岩質(金勝山など)も中生代の迸入説が強い。ここでは前、後者とも迸入時期は中生代後期においておく。

4-4玢岩

甲武信岳山頂部、破不山西側に分布し、藤本他(Op.cit)によれぱ、メタ安山岩で花崗岩質を貫いている。石基は斜長石、陽起石、緑泥石、燐灰石、鉄鉱を持ち全体的に曹長石化作用を受け、斑晶は斜長石、普通輝石からなる。

(5)変成岩

5-1準片岩

栃本から上中尾を経て大久保に至る荒川に沿っての栃本層に発達する。陽起石緑色片岩相に属する結晶片岩になっている。粘板岩、千枚岩と互いに漸移ることもあって、しかも複雑な構造支配を受けている。

(塔玉大学松丸国照)

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3土壌図

(1)土壌の概要

本図幅はその大部分が山地である。図幅南部及び西部は、東京都、長野県と境界し、標高2,000m級の山のある高海抜地域で、地質は古生層、中生層から成り、壮年期地形を形成し急峻である。南西部の東京都から山梨県にかけては花崗岩質で、地形は凸形で緩斜面が多くなっている。
古生層山地は、チャート、砂岩、粘板岩、石灰岩等を母材とし、急斜面が多く、斜面長も長いので、斜面下部、沢筋、谷頭には腐植に富み、半角礫~角礫の多い湿性褐色森林土壌が広く分布している。また、斜面上部の尾根筋、山頂の凸出部のいわゆる「やせ尾根」には、乾性の褐色森林土壌が分布し、Ao層が厚く菌糸綱層の存在が認められる場合もあり、土層が浅く、腐植に乏しく、生産力は低い。斜面の中腹は広範囲に適潤性の褐色森林土壌で腐植の浸透も水分環境も前二者の中間にあたり、土壌の生産力は高く、ヒノキ、スギの造林地として適当である。
中生層母材の土壌は、図幅のほぼ中央部で荒川本流域と支流大洞川に囲まれた地域に出現している。この地域は所によって岩種が異なるが千枚岩、粘板岩、チャート等を基岩とし、沢沿い、山麓、凹形斜面下部には湿性褐色森林土壌、山頂や尾根筋には乾性褐色森林土壌、山腹中央部や、稜線に近い緩斜面には褐色森林土壌の分布が見られる。中生相山地は古生層山地に比べ長大な斜面長を持っているので、適潤性~半乾性の褐色森林土壊の分布割合が大きい。
花崗岩を母材とする地城は、岩種特有な上昇斜面でまるみを帯び、沢筋に大部分褐色森林土壌があり、腐食に富んだ湿性の湿性褐色森林土壌は少ない。さらにこの地域の海抜高の高い山頂緩斜面には、火山灰に由来する黒色土壌の分布が多い。この地域でも、山頂、小尾根等には乾性褐色森林土壌が幅広く分布している。
古生層、中生層及び花崗岩質の母材を含めて、海抜1,000m以上の尾根筋には乾性ポドゾル化土壌が幅せまく出現し、その中に湿性ポドゾル化土壊もわずか介在している。また、暗色系の褐色森林土壌も東京都の日原川上流で海抜1,400m以上の安定面に成帯的に出現している。
図幅北西部で、古生層を基岩とし火成岩の接触変成を受けた石英閃緑岩、ホーンフェルス等を母材とし、地形に応じ、乾性、適潤性、湿性の褐色森林土壌が出現している。この土壌は古生層母材のものより、乾性のものはやや乾燥形であり、湿性のものは構造がやや硬く緻密がある。
また、図幅北東部は秩父盆地の西縁にあたる段丘及び丘陵地で、新第三紀層の砂岩、泥岩を基盤とし、第四紀の埴質、重粘な粘土を母材とした乾性~弱乾性の褐色森林土壌が出現している。この土壌は通気、透水性とも良好でなく、腐植の浸透も少なく、生産力は低い。しかし、盆地南西部の沢筋、凹地には表層腐植に富み、潤~湿性の褐色森林土壌が僅か出現している。この土壌の生産力は低くない。
さらに図幅北東部に、中生層を母材とする「山中地溝帯」の土壌が出現する。古生層母材の土壌と大差はないが、一般的に乾燥気味であり、腐植の浸透も少ない。本図幅の耕地土壌の分布面積は小さいが、河川の段丘面及び山間の緩斜地から谷底地にかけて分布する。段丘面では非固結の段丘堆積物を母材とした土壌であり、全層にわたり、腐植含量少なく、壌質ないし粘質である。一般に表土から、細小の円礫、半角礫が含まれ、下層では粒径、含量とも大きく、しばしば礫土ないし礫層となる。利用形態は畑でおる。
山地、丘陵地をきざむ小谷に沿って、崩積性あるいは残積性の耕地土壌が分布する。母材は周辺山地、丘陵の基岩由来のものであるが、おおむね全層腐植を欠き、土性は壌質から粘性が主であるが、母材の性質によっては強粘質となる。細、小の角礫、半角礫に富み、下層より風化ないし半風化の基岩や、未風化の巨礫の出現する場合もある。畑利用が主体である。

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(2)土壌細説

2-1山地の土壌

(1)乾性褐色森林土壌

中津統(Nk)秩父古生層の粘板岩、砂岩、チャート、輝緑凝灰岩、石灰岩等を母材にした乾性の残積土で山頂や尾根筋にせまく分布する。Ao層が発達しF-H層下部またはH-A層上部に菌糸綱層(M層)があり、A-B層は腐植に乏しく、粒状構造でB層との境界は判然としている。土壌としての生産力は低い。
大河原統(Ok)Nk統と同様、古生層の粘板岩等の岩石の風化物を母材とし、主として尾根筋や尾根に近い微凸斜面にせまく線状に分布する乾性型の残積土である。前のNk統よりやや水分環境の良好なところに生成されたもので、表層に菌糸綱層は認められないが、表層から下層意にわたり堅果状構構造や軟粒状構造が出現している。A層はやや腐植に富んでいるが浅い。スギの造林には適さない。ヒノキ、アカマツの造林は悪くない。
大洞1統(Ob1)中生層の千枚岩、粘板岩、硬砂岩、砂岩、チャート、石灰岩等の風化物を母材とした残積土で、主として凸出した尾根筋の風衝地に出現する。古生層の岩石を母材とするMk統に比し、出現の幅がせまく、またAo層とくにF層の発達が著しい傾向がある。A層上部に外生菌根による菌糸網層があり、B層にも菌糸を見出すことがある。土壌としての生産力は低い。
大洞2統(Ob2)Ob1統と同様中生層の岩石風化物を母材とし、尾根筋または尾根筋に近い微凸斜面に出現する。Ob1統よりもやや水分環境の良いところに生成されたものである。古生層母材のOk統に比し、出現する幅が広く、また面積にも広い範囲に出現する。構造はA層に粒状構造、紬粒状構造、団粒構造が認められ、B層にも粒状構造、細粒状構造が認められ堅果状構造の認められる場合もある。土壌としての生産力は低い。

三田川統(Mt)「山中地溝帯」といわれる中生層の地層で、礫岩、砂岩、ページ岩、泥岩、粘土岩あるいはこれらの互層から成る岩石を母材とし、山頂や尾根筋に狭く線上に出現する乾性型の残積土である。山中地溝帯は本図幅では、北東部に小面積現れているので、この統の出現面積も少ない。腐植に富む黒~暗褐色のA層はうすく、H-A層となることが多く、粒状構造で、B層は明るい褐色で腐植に乏しい。表層に菌糸網層を見出すこともある。天然生のアカマツ、モミ等が生育している。生産力はあまり高くない。
三富1統(Mm1)図幅南西部で深層風化の花崗岩を基岩とする上昇斜面の鈍頂な尾根筋に巾広く分布している。Ao層がかなり厚く、F、H層とも発達する。A層は黒~黄褐色で腐植を含み、上部は粒状、下部は堅果状構造である。B層は黄褐色で腐植に乏しく堅果状構造となっている場合が多い。土壌の生産力が高くない。
小倉沢1統(Or1)図幅北西部南天山地で、石英閃緑岩が古生層を貫き、また接触変質を与えて種々変質岩をつくっており、これらを基岩とする、急斜地、懸涯上部のせまい尾根筋に分布する乾燥型の残積土である。Ao層とくにFまたはF-H層が発達し、A層は腐植に富むが浅く、黄褐色のB層に急変する。ヒノキ、コメツガ等の天然生林が成立している。土壌の生産力は低い。

(2)褐色森林土壌

日野沢2統(Hi2)Nk統と同様古生層の岩種を母材とし、あまり乾燥を受けない山頂緩斜面や鞍部をはじめ、山腹では凸形の急斜面や緩斜面などほぼ中庸の水分環境下に生成されたものである。黒~暗褐色を呈するA層は比較的深く、褐色のB層に漸変している。緩斜地のものは土層は深いが緻密であり、急斜面のものは腐植の浸透が多いが礫が多く土層は浅い。海抜高1000m以下ではスギ、ヒノキの造林に適する。
大滝1統(Ot1)中生層の千枚岩、粘板岩等の岩石を母材にした、山腹中央部、稜線に近いところでもあまり乾燥を受けない緩斜面など、ほぼ中庸の水分環境下に生成されたものである。中生層山地は、長大な斜面長をもっているので、地形的にこの統の分布割合が多くなっている。大部分が歩行土である。Ao層は発達しない。A層は薄いものから厚いものまであり、団粒構造の明瞭に認められるものが多い。土壌生産力は低くない。
大滝2統(Ot2)Ot1統と同じ中生層の岩石類を母材としているが、Ot1統よりも水分環境のやや不良な広尾根、山腹の徴凸部に見られる残積土または歩行土である。Ao層があり、A層はあまり厚くなく(10~20cm)、A層下部からB層にかけて微細な堅果状構造の認められる場合もある。土壌の生産力はOt1統とOb2統の中間にある。ヒノキは造林可能で、その成長も悪くない。
三山統(Sn)Mt統と同じ中生層の「山中地溝帯」地域の礫岩、砂岩等を母材とする崩積土または一部歩行土で、斜面下部の凹形斜面あるいは沢沿いに出現する。Ao層を欠き、A層はあまり厚くなく塊状構造で団粒構造は少ない。B層は黄褐~褐色で埴質であり堅い。古生層母材の褐色森林土壌に比べ土壌の生産力はやや低い。
赤平統(Ab)Sn統と同じ山中地溝帯の礫岩等を母材とする歩行土または残積土で、Sn統よりは水分の供給のやや不良な広尾根、山腹中央部に出現している。斜面長が、他の中、古生層の地帯に比べ短いのでA層への腐植の浸透は少なく、層位も厚くなく、B層も褐~黄褐色で緻密であり、A層下部に堅果状構造の出現することが多い。スギには適さないが、アカマツ、ヒノキではかなり良く生育する。
三富2統(M平方メートル)Mm1統と同じ山地で、山頂から山腹中腹にかけての緩斜面、微凸面、広尾根等Mm1統よりも水分環境のやや良好な環境下に生成された土壌である。o層はF-H層がわずか発達し、A層に団粒状、塊状構造があり、粒状構造や堅果状構造のみられることもある。ヒノキ、カラマツでは生育が良い。
塩山統(En)Mm1統、M平方メートル統と同じ山地で、山腹の下部や沢沿いに表われる崩積土または歩行土である。Ao層はL層で、F、H層は発達しない。A層はあまり厚くないが、腐植に富み、上部は団粒状、下部は塊状構造となっている。スギ、ヒノキの成長が期待できる。
小倉沢2統(Or2)Or1統と同じ地域で、山頂から山腹にかけて出現する歩行土また一部は崩積土である。出現面積は僅少で、古生層母材のHi2統に比べA層の色がうすく、全層が埴質でやや固い。Hi2統よりもやや生産力が落ちる。
内手統(U)荒川、中津川、小森川など各河川の上流各山地谷あいの緩傾斜地に分布する。古生層、中生層基岩を母材とした、崩積ないし残積性の土壌である。全層腐植に乏しく、壌質から粘質の土性を有する。表層は未、半風化の角礫に富み、50cm以内で、未風化、半風化の礫層、または岩盤となる。桑園、コンニャク畑としての利用が多い。

(3)褐色森林土壌(暗色系)

天目山統(Te)図幅北東部、雲取山地の埼玉県と東京都に境界する高海抜の地形的に比較的安定した面に成帯的に出現している。土層は、黒褐色脂肪状のH層、またはH-A層の発達がみられ、A層は黒褐で上部に団粒状構造がみられ、B層は暗色味が強く壁状となっている。

(4)湿性褐色森林土壌

日野沢3統(Hi3)Hi1統、Hi2統と同じ古生層の各種岩石を母材とし沢筋・谷頭、沢沿いの凹形斜面に出現する崩積土で、適潤~弱湿性の水分環境下に生成されたため通気、透水性が良好で、栄養に富んでいる。普通Ao層を欠くが、標高の高いところのものは、しばしばL層及びH層(またはH-A層)が発達する。A層はは深く、腐植に富む暗色で、団粒状あるいは塊状構造となり、下層は塊状あるいは無構造で、やや灰色がかったB層に漸変する。理化学性ともにすこぶる良好で、スギ、ヒノキに最適の土壌であり、生産カが極めて高い。海抜高の高いところでは、シオジ、サワグルミ、カツラ等の有用広葉樹の良好な生育が期待できる。
和名倉統(Wa)Ob1,2統やOt1,2統と同じ中生層の各種岩石を母材とし、斜面中腹部~下部の凹形斜面、沢沿い等に出現する崩積土で、A層は厚く40~80cmで、団粒状または塊状構造が発達し、石礫を含む場合が多い。古生層母材のHi3統と同様生産力の高い土壌である。Hi3統に比し、全般に石礫が多く、土色もやや淡い。出現位置も斜面下部等ではせまい幅で面積的にも少なく出現している。
小倉沢3統(Or3)Or1統及びOr2統と同じ石英閃緑岩、ホーンフェルス等を母材にし、斜面下部、沢沿い、谷頭、崖錐等の水分環境のよいところに生成された崩積土である。古生層母材のHi3統と大差がないが、この統の分布の巾がせまいこと、全層が埴質がかっていること、腐植の浸透がやや浅いこと等が認められる。前二統と同様、土壌の生産力が高い。

(5)黒ボク土壌

広瀬統(Hr)深層風化の花崗岩を基岩とする凸形緩斜面の地域で山麓あるいは広い沢沿いの平坦~緩斜面に出現する。Ao層はFまたはF-H層でかなり厚く、A層は深く、黒~黒褐色ですこぶる腐植に富み、水分も多く、暗褐色のB層に漸変する場合が多い。カラマツの人工林の成長はすぐれている。
笠取統(Ks)Hr統と同じ花崗岩を母材とする地域で、標高の高い山頂または山頂に近い緩~平坦地に出現する。腐植にすこぶる富むA層は10~20cmで、団粒状あるいは塊状構造で、B層は褐色、壁状であり、A層とB層との境界は明瞭である。Hr統に比べA層が浅く、全層の色が淡い。

(6)淡色黒ボク土壌

宝登山統(Ho)中生層地域や、中生層と古生層との境界地域で、山頂の平坦地や斜面上部の緩斜面に保存されている火山灰を母材とした残積土である。A層は暗褐色で、かなり深くまで腐植の浸透がみられる。B層は褐色で軽くしまっている。ヒノキまたはアカマツの造林には適するがスギは避けた方かよい。
また、A層が黒色で深いものもあり、これは、黒ボク土壌の「城峯統」に該当するが、面積的にに僅少であり表現しなかった。

(7)乾性ポドゾル化土壌

雁坂統(Kr)中生層及び、古生層及び花崗岩岩山地で、おおむね海抜1,000m以上の山頂、凸形斜面上部、突出した尾根筋等寒冷で乾燥の影響を受け易い場所に分布する。Kr統は林野土壌Pd3型土壌にあたり、Ao層は厚く堆積し、腐植の浸透したA層と、赤褐色のB層がみられ、溶脱層は肉眼でみとめられない。植生としては、トウヒ、コメツガ、シヤクナゲ、アセビ、リヨウブ等が多い。森林土壌としては生産力が劣る。
雲取統(Ku)Kn統と同じく標高の高い山地地域の尾根麓で、Kr統よりもつよくポドゾル化を受けた土壌である。林野土壌のPd1及びPd2型に相当する。Ao層とくにF層とH層が厚く堆積し、腐植の浸透したA1層の下に灰白色の溶脱層(A2層)があり、その下に集積層のB層がみとめられる。溶脱層は斑紋状の場合も多い。植生としては、コメツガ、トウヒ、シラベ、ヒメコマツ、ネズコ、シヤクナゲ等が多い。森林土壌としては生産力が非常に劣る。

(8)湿性ポドゾル化土壌

白石統(Sh)中生層山地で、海抜2,000m前後の山頂緩斜面に、乾性ポドゾル化土壌のKr、Ku統といり交って出現する。Ao層が厚く堆積する。特にF層が厚くなり、H層はA層と混じり合って、水分に富みアンコ状のH-A層を形成する。B層は集積層でかなりの腐植を含み赤褐色である。

(9)その他

岩石地(RL)中生層及び古生層地域では、チャート、石灰岩の露頭が、とくに沢筋に多く出現している。また、これらが山頂に近いところでも涯や急斜面をつくっている場合も多い。これらは面積的にも少なくない。

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2-2丘陵地及台地の土壌

(1)乾性褐色森林土壌

長尾根1統(No1)図幅北東部の「秩父盆地」の西縁部で、第3紀層の泥岩、砂岩及びこれらの互層のものを母材とし、盆地周縁部の丘陵の頂部から中腹にかけて分布する残積土または一部歩行土である。一般に土層は深いが腐植に乏しく、褐色~黄褐色を呈し、表層には堅い堅果状構造や塊状構造があり、下層は壁状できわめて硬くしまっている。スギの造林には不適で、ヒノキ、アカマツは生育できる。
小鹿野統(Og)No1統と同じ秩父盆地西縁の丘陵地及び段丘において、山頂の尾根筋に幅せまく分布している乾性の残積土である。No1統よりもさらに地形的に乾燥を受け易い環境下に生成されたものである。Ao層があり、A層またはH-A層の下部には外生菌根による菌糸綱が発達している。A層は細粒状構造で、浅く、B層は硬くしまっている。土壌の生産カは不良で、アカマツ林あるいはコナラ等の天然生広葉樹(雑林)林になっている。

(2)褐色森林土壌

長尾根2統(No2)No1及びOg統と同じ秩父盆地周縁の丘陵地及び段丘において、主として斜面下部に歩行または崩落堆積した土壌である。これは第三紀層泥岩、砂岩、礫岩等の岩石風化物を母材にして、中庸ないしやや湿りの環境下に生成されたものである。暗褐色のA層はやや深く、軟粒状構造が発達するが、下層は黄褐灰色を呈し壁状である。養分、水分にやや富むが、スギの成長はあまり良くない。ヒノキの成長は良好である。
贄川統(Nw)図幅の西南部で、No2統と同じ第三紀層山地において、比較的開析の進んだ沢に沿った凹地、谷頭等に出現する崩積土である。一般にA層の色は暗褐色で、あまり黒くないがかなり厚く、A-B層からB層に漸変することが多い。礫は少ないが細角礫に富むものもあり、埴質であるが透水性など良好で、第三紀層母材の土壌としては理化性の良好な土壌で生産力もかなり高く、スギ、ヒノキの成長は良好である。
蒔田統(Mo)尾田蒔丘陵、御岳山丘陵、四阿屋山丘陵から各々の段丘面にかけての緩斜面に分布する。母材は第三紀層泥岩であり、崩積あるいは残積土壌である。表層は角礫、半角礫の含量が高く、下層は基岩の半風化、風化の礫層となる。桑園及び普通畑となっている。
和田統(Wa)秩父段丘の白久から三峰口にかけての秩父段丘及び、赤平川段丘の小森川沿いの小森附近の赤平川段丘に分布する段丘堆積物を母材とした土壌である。表層は腐植含量2~3%、土性は壌質~粘質である。全層にわたって円・半角の礫含量が高く、おおむね50cm内外で礫土あるいは礫層となる。桑園、普通畑として利用されているが、生産力は高くない。

(8)褐色低地土壌

釜の上統(Km)図幅北東端、白沢が小森川に合流する附近の赤平川段丘下の河原に存在する。小森川沖積母材の土壌であり、表層は壌質であるが、下層は砂質である。全層、小中円礫に富み、30~50cmから礫層となる場合が多い。桑園となっているが、生産力は劣る。

土壌統一覧(1)(JPG:481KB)(2)(JPG:258KB)

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4傾斜区分図

本調査図幅の大半を占める関東山地は奥秩父と称されるように、秩父地方で最も秘境で急峻な山地からなる。従って、地形分類図、水系・谷密度図で見らように、地形は開析が進んでいる。そのために、大きな起伏変化カミ発達している。一方、秩父盆地内はさほどの変化は認められない。しかし、盆地内の一部では尾田蒔丘殴のように微細谷の成長が進んでいるため、局所的には急な傾斜の所もある。
本図幅では、傾斜区分図で見る場合、40゜以上の急斜面のランクを注視すると、次のようになる。つまり、中津川北北の両神山地、南天山地に、また、荒川以南から、埼玉県・山梨県・東京都3境界の分水嶺間の山地には、40゜以上の急峻な傾斜面が分布する。しかも、荒川以北では40゜以上の急傾斜面は古生層の走向方向にほぼ一致して発達している。しかし、荒川以南では、古生層・中生層のNW-SE方向の発達地域であっても、これに一致するものと、直交、斜交する急斜面が存在する。つまり、古生層発達地域では、雲取山地北部では、大血川およびその支流、西谷に面する山腹斜面では走向方向に急斜面が直交ないし、斜交している。一方、中生層発達地域では走向NW-SEに直交または斜交するもの、例えば惣小屋谷、水晶谷、滝川、豆焼沢に臨む山腹斜面などがあげられる。
上述のように荒川以北と以南とでは、山地急傾斜の面が大局的に2大別できる。これは地殻変動の差によるものと解釈される。っまり、前者は主として、荒川以北にあっては、古生層が中生層と白泰構造線により分断され、しかも同構造線以北の古生層が白泰構造線に斜交するNE-SW系の断層群に切られ、各ブロックは昇降地塊のブロック運動にあずかっているためによるであろう。
一方、後者はEW系の白泰構造線とNS系の高岩-元郷構造線の一部とが落ち合い付近で会合しており、構造的に複雑になっている。しかも、両構造線に切られた南西ブロック、つまり、白石山(2036m)、雁坂嶺(2289.2m)などの山地は両構造線に共に斜交する一般走向NW-SE系に同調する一大走向断層帯があって、地塁・地溝の構造を構成している。これらの影響によって一層複雑な急斜面が、山頂、山腹に形成されているからであろう。
傾斜区分図は、30゜~40゜未満および20゜~30゜未満の傾斜区分が大半をしめている。また、秩父盆地内は15゜~20゜未満の傾斜区分に属している。

(埼玉大学松丸国照)

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5水系・谷密度図

本調査図幅内の水系は主要河川は流向に注視して見ると、第三紀層堆積末期の大規模な「寄居時階」の昇降運動に伴って、規制されたことが推察される。つまり、小森川、中津川を対比して見ると、両者は両神村鳶岩-大滝村大滝-惣小屋のNS線まではNW-SEないしWNW-ESE系の流向をもって東流していたのが、NS線以東は急に進路をNEE-SE系に変更して、それぞれ北東方の小鹿野町、荒川村三峰口へと流向を転じている。一方、NS線に沿っては、大洞川が発達し北流している。これはNS線、つまり、表層地質図で見る高岩-元郷構造線の1部の西側ブロックと東側ブロックとでは相対的に異なった地盤の昇降運動があったことに起因していると推定される。つまり、西側ブロックはNW側か見かけ上SE側に傾動していることであり、東側ブロックはNE側に傾斜していることによる。更に、秩父盆地内では第三紀層の走向に沿って、小森川は北上し、ー方中津川は荒川と大滝村落合で合流し、北上するが、日野断層および同系列のWSW-ENW~SW-NE方向に規制されて、古生層一第三紀層の接線付近に沿って東北へ流向する。
荒川およびその支流、入川と滝川は、いずれもSW側がNE側に傾斜しているため、古・中生層の一般走向のNW-SE方向を切って北流している。従って、この荒川と同支流の流向は上述のように小森川および中津川のそれとは異なるのである。それは荒川と中津川間には白泰構造線が存在し、南北ブロック間に傾動運動の差があったことを示しているであろう。南側ブロックは甲武信ケ岳一帯に中生代後期-第三紀初期に貫入した花崗岩質岩の上昇運動が秩父盆地第三紀層堆積後になっても存続していたであろうし、北側ブロックも同様に秩父鉱山一帯への花崗岩質岩の貫入、そして、その後までも上昇運動が存在していたであろう。これらの南北ブロックは相対的に低抗体となった東側ブロックに対して、造構運動を起因させたと思われる。
山梨県三富村、塩山市のNS系の両河川、笛吹川、一之瀬川は風化・侵食に弱い花崗岩質岩地域を侵食した河川である。両河川の支流は、更に上流に放射状に分岐指的な侵食地形を形成させている。その結果は、谷密度にみられるように、埼玉県-山梨県境の南側、つまり、山梨県側の花崗岩質地域は北側に対し算出値が高くなっている。
作業規程によって算出した値から、谷密度は地質の特性を反映したものであり、主として侵食営力の差を読みとることができる。つまり前述したように山梨県側の花崗岩質岩発達地域では30~38の範囲に入る値が多いのに反し、埼玉県側の水晶谷、滝川、白石山を含む古・中生層地域では16~29の範囲の値が多く30以上の値は散在的である。また、上昇地塊にあたる高岩-元郷構造線以東の古生層地域は30~39の範囲に入る値は多く、16~29の範囲の値と等分している。しかし、白泰構造線以北の、古生層地城は1l~19の範囲の値が多く、30以上の値は東側に散在する。
秩父盆地内では品ゆう(しなしゆう)山地および尾田蒔丘陵において、31~43の範囲の値が多く、盆地周辺部および丘陵の東側で低く24~29の範囲の値が集中する。
本図幅内の水系および谷密度は地域を構成している表層地質および地質構造が大きな役割を果している。

(埼玉大学松丸国照)

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6利水現況図

この地域は雲取山、雁坂峠、甲武信岳等秩父原生林に覆われた急峻な山々が連なり、これらの山々が県境、流域界をなしている。各河川は、秩父山地を深く侵食して、V字谷をなしている。三峰日降雨量425.6mm(大正3年8月29日)、中津川日雨量335.0mm(昭和24年8月31日)、栃本日雨量229.0mm(昭和33年9月17日)を記録した。
荒川と大洞川との合流点には、昭和36年に完成した二瀬ダムがある。二瀬ダムは集水区域170.0平方キロメートルを用し、洪水調節、感慨、発電等の多目的ダムで、貯水池は秩父湖と呼ばれ、地域および首都圏住民の憩いの場として利用されている。また人口増加による生活水の不足、地盤沈下等による表流水への転換等、河川水の利用をはかるため、滝沢ダム、合角ダム等が計画されている。
また山梨県側も他雨量の地域で東山梨郡三富村で日雨量274.00mm(昭和34年8月13日)を記録した。
奥秩父山系の甲武信岳、国師岳に源を持ちいくつかの美しい渓谷をつくりながら流れている、富士川水系笛吹川に広瀬ダム(東山梨群三富村地内)が昭和50年3月に完成した。
このダムは発電、かんがい、上水道、洪水調節等の多目的ダムである。

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7防災図

この地域には、砂防指定地、地すべり防止区城、急傾斜危険区域等が指定されており、国土の保全と地すべり、がけ崩れ、土石流等、災害からの人命保護のために砂防堰堤、流路工等が構築されている。

二瀬ダム

秩父郡大滝村に建設省が多目的ダムとして荒川をせきとめ、昭和36年に完成させたものである。ダムのタイプは重力式アーチダムで高さ95m、有効貯水量21,800,000立方メートルで洪水調節、かんがい、都市用水の供給、流れの正常鰍能の維持をはかろうとする物である。

広瀬ダム

東山梨郡三富村大字川浦に山梨県が多目的ダムとして富士川水系笛吹川を堰止め、昭和50年に完成させたものである。ダムのタイプは、中央遮水型ロツクフイルムダムで、高さ75mで有効貯水量11,350,000立方メートル、洪水調節、かんがい、都市用水の供給、流れの正常な機能の維持をはかろうとするものである。

水道事業一覧(JPG:67KB)

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企画財政部 土地水政策課 総務・国土調査担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎2階

ファックス:048-830-4725

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