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ページ番号:168396

掲載日:2019年11月25日

特集 埼玉県に暮らす外国籍の女性たち

外国人労働者の受入れを拡大する改正出入国管理法が2019年4月に施行されました。この先、外国人労働者が大幅に増えることが予想されています。今回の特集では、埼玉で暮らす外国籍住民の現状と、その中でも、特に外国籍の女性たちが抱える課題について考え、共に暮らす道を探ってみたいと思います。

埼玉県の外国籍住民の現状

埼玉県の外国籍住民の数

埼玉県には、現在、180,762人(平成30年末現在)の外国籍住民が暮らしています。東京、愛知、大阪、神奈川に次いで、全国では5番目に多く、約40人に1人が外国籍の方です。実際、近所に住んだり、働いたりする方も増え、日常生活で触れ合う機会も増えている
のではないでしょうか。

外国籍住民の方の国籍

国籍は、約160の国および地域と幅広く、中国が最も多いです。在日韓国・朝鮮人の方など、すでに三世代、四世代と、長く日本で暮らしている方もいます。全体的にアジア系の方が多いですが、最近特にベトナム国籍の人が増えています(グラフ1参照)。

年齢・性別について

男性よりも、女性の方が若干多くなっています。ただし、フィリピン国籍の方は、40~50代の女性が圧倒的に多く、ベトナム国籍の方は20代前半の男性が多い等、国によっても違いがあります。全般的には男女ともに、20~30代の若い層が多くなっています。

在留資格について

在留資格は様々で、「永住者」が最も多く、「技能実習生」、「留学」、「家族滞在」と続きます(グラフ2参照)。中国の方は「永住者」やその「家族」が多く、日本に長く暮らしている人も少なくありません。ベトナムの方は、「技能実習生」が多く、在日年数は短い方が多いです。フィリピンの方は「日本人の配偶者」の方が多いです。

県内の市町村の状況

埼玉県で一番多いのは川口市で、36,407人です。全国の市区町村の中でも3番目です。その他にも100位以内に、川越市、戸田市、草加市、蕨市、越谷市が入っています。外国籍住民の割合は、蕨市が全国でも11番目に高く、県内では最高の9.18%、約11人に1人となっています。

外国人総合相談センター埼玉での相談内容

埼玉県の多言語での対応が可能な『外国人総合相談センター埼玉(下参照)』での相談内容で、一番多いのは、「在留資格や外国人登録」、二番目が「医療・福祉・年金」に関するものです(グラフ3参照)。

グラフ1埼玉県の在留外国人数の推移

グラフ2埼玉県の在留外国人の在留資格別構成比

グラフ3相談内容別件数

外国人総合相談センター埼玉

電話 048-833-3296
平日 午前9時~午後4時

外国人からの様々な困りごとの生活相談に対し、多言語で応じ、情報提供を行っています。
公共機関の窓口等で、電話での通訳も可能です。
各機関と連携し、専門的な相談にも対応します:入管制度(電話相談は予約不要)、労働問題、法律問題(予約制)
対応言語:英語、中国語、スペイン語、ポルトガル語、韓国・朝鮮語、タガログ語、タイ語、ベトナム語、やさしい日本語

外国籍の女性が抱える課題について

外国籍住民の方は、滞在期間が長くなるほど、教育や医療、福祉、年金、介護といった生活のそれぞれの場面での課題に直面します。そのなかでも、外国籍の女性が抱える特有の課題はどのようなものが考えられるでしょうか。
まず、妊娠や出産に関わることは慣習の違いもあり、困難が伴うことが考えられます。通院の際の言葉の問題、情報や援助の不足といった問題もあります
また、子どもは学校で日本語が上達するけれど、母親には言語習得の機会が保障されず、日常会話はできても、学校からの通知が読めない、行政での事務手続きが難しいといったことも起きています。各地でボランティアによる日本語学習講座などが行われています。今年4月に開校した県内初の公立夜間中学の受講者の6割は外国籍住民の方です。
近年、国際結婚の増加とともに、国際離婚も増えています。国際離婚の割合をみると、外国人夫と日本人妻の離婚より、日本人夫と、外国籍妻の離婚の件数の方が多いことがわかります(注1)。
姻で日本に定住する外国籍女性の場合、経済的に夫が優位に立ちやすい状況があります。また、在留資格更新の際には、夫の署名が必要です。そのため、経済的にも、法律的にも、夫に付随する立場となり、外国籍女性は、従属的な弱い立場に置かれがちです。
配偶者暴力相談支援センターへの相談も、女性が多いこと(注2)が統計でわかります。被害者が外国籍の方でも、DV防止法の対象となりますが、頼る家族や友人がなく、情報の入りにくい外国籍住民にとって、相談窓口を知ること自体が難しい状況が予想できます。
また、生活保護受給世帯における外国人母子世帯の割合も統計的に高く(注3)、離婚後、日本で子どもを育て、働いていくことが、外国籍女性たちにとって、厳しい現状であることがわかります。
こうしたことからも、外国籍の女性たちは、外国人であるがゆえの困難と同時に、女性であることの困難も抱えているということが見えてきます。
※注1 離婚全体に占める一方が外国人の割合(平成29年)
夫日本人・妻外国人 4.1%、妻日本人・夫外国人 1.4%[厚労省 人口動態調査より]
※注2 日本語が十分に話せない被害者からの相談件数(平成29年度)
1,495件中 女性1,478件 男性17件[内閣府男女共同参画局資料より]
※注3 生活保護受給世帯における母子世帯の割合
受給世帯全体 6.1%、外国人世帯のみ 14.9% [厚生労働省 平成28年度被保護者調査より]

私たちにできることは

埼玉県では、日本人住民と外国籍住民が共に地域社会を支え、共に歩む多文化共生の県づくりを推進するため、「埼玉県多文化共生推進プラン(平成29年度~33年度)」を策定しています。私たちも、隣人である外国籍住民を身近に感じ、互いが知り合う機会を増やしていくことが大切ではないでしょうか。
受け入れる社会の仕組みも、さらに整備されていく必要があります。通訳サポーターの養成をしたり、窓口での通訳にスマートフォンを活用したりする事例も出てきました。就学支援や災害時の外国籍住民向けの連絡や広報について取り組む自治体もあります。
地域に定住する外国籍住民を、コミュニティの中のメンバーとして捉え、特別視や疎外したりすることなく、それぞれの文化や困難等も理解したうえで、彼/彼女らの持つ多様性がまちづくりに活かされる取組が広がっていくとよいのではないでしょうか。

お問い合わせ

県民生活部 男女共同参画推進センター 事業担当

郵便番号330-0081 埼玉県さいたま市中央区新都心2‐2 ホテルブリランテ武蔵野3階

ファックス:048-600-3802

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