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掲載日:2023年4月1日

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ひきこもり民間支援団体等の活動周知動画のテキスト

団体活動紹介(1)「居場所」

(ナレーション)

令和4年3月29日に埼玉県ひきこもり支援に関する条例が公布されました。ひきこもりは、人生のあらゆる場面において、誰にでも起こり得る問題です。埼玉県では、行政が行う支援のほかに、多くの民間支援団体が、ひきこもりで悩む当事者やご家族も安心して訪れることのできる居場所を提案しています。

(若者応援サロン「ホッと居て」飯塚代表)

とにかく居心地よくいてもらえるように、私たちがいる。それだけです。安心して、ここにいていいんだって思えるような場所になるように、私たちはいる。様々な勉強は、一応、スタッフとしてもしてますけれども、それを前面に出すのではなくて、ただの近所のおばさん。私はもうおばあちゃんですけど、でもそういう形で、一緒にいられたらいいなっていうのは、ずっと思ってました。

(ナレーション)

居場所とは、心が安らげる空間、ここではそれぞれが自由に、それぞれが自分の好きな時間を過ごします。

(若者応援サロン「ホッと居て」飯塚代表)

今日は何をしましょうとかって前もって決めてるわけではなくて、その日その日のおしゃべりだったり、あとは、自分の趣味のものを持ってきたりとか、資金づくりのために、お仕事をくださってる人がいるんですね。その頼まれたものをみんなで、手仕事なんですけれども一緒にやって、それこそ運営資金にするためにみんなで頑張ろうねって言ったり。以前音楽やってる子がいて、ギターを持ってきたりして、ミニコンサートしたりとかもしてましたけども、今日は仕事ないんですかとかって聞かれたりもするんです。はいわかりました今出しますって感じですけど。

(ナレーション)

悩みを抱える方と寄り添う中で、飯塚さんは、誰もが訪れることのできる居場所の必要性を改めて感じたと言います。

(若者応援サロン「ホッと居て」飯塚代表)

こういった居場所をもっと作りたいんです。就労支援の場はたくさんあるんですけれども、ただただいて良いっていう場所ってなかなかなくて、そんなのを高尚な目標なんか持たなくていいんです。ただただ場所を開いてもらえれば、誰かが来て、ほっとできるんじゃないかなあ。そのためにはもっともっと身近にこういった場所が、あって欲しいなというふうに思います。

やっぱり親御さんは、どうしても距離が近いですよね。その弊害はあると思うんです。ただ、私たちには、本当に他人ですよね。他人としてのスタンスって、そういう生きにくい人たちにとっては必要な距離なのかなっていうふうには思います。なので、ただただ、ここにいられるように、私たちは一緒にいるっていう感じですかね。

(ナレーション)

居場所を通じて支援団体の皆さんが大切にしているのは、人と人との繋がりです。

(若者応援サロン「ホッと居て」飯塚代表)

あなただけじゃないんだよっていうのはまず伝えたいです。ここに来て、本当に異口同音なんですが、みんな私だけじゃなかったって。自分が透明人間だったと思うっていうような人もいるくらいに、自分の存在がわからなかった人たちが来て、さっきのおしゃべりして笑ったりとか、いつの間にかおしゃべりのリーダーシップとれるようになってたりとか、以前、周囲から言われて義務で通ってきた子が、今、友達に会いに来る感覚で通ってるって言ってくれました。それってとても大事なことで、うれしい一言だったんですけど、やっぱりあなただけじゃないんだよ、みんなおんなじなんだよ、だから出て来てごらんって伝えたいですね。

(ナレーション)

越谷市にあるNPO法人越谷らるご、子供に寄り添うことや、子供から学ぶという視点を大切にした、幅広い世代の方が行きかう憩いの場です。

(NPO法人越谷らるご鎌倉理事長)

ご本人に対する活動もありますし、あと親御さんに対する活動もあるんですね。一番大事にしているのは、本人を否定しないこと。本人のそのいろんな気持ちを大事に、学校に行きたくないならその行きたくない気持ちも大事にしたいし、ひきこもっている方に対しては、そのひきこもってる思い、どうしてひきこもっているのかっていうそういう部分を大事に、決して否定しないようにするということを大事にして活動しています。

(ナレーション)

越谷らるごは、6歳から20歳までが入会できる、フリースクールりんごの木や20歳以上の人の集いの場、ほっとりんご、そして親の会や電話での相談サポートなど、様々な形で、皆さんの悩みに寄り添う居場所を提供しています。

(NPO法人越谷らるご鎌倉理事長)

こちらから何かこうアプローチするっていうよりも、いつでも相談できる、いつでも来てもいいんだって思えるような、場所でありたいし、そういう人でありたいなって思ってます。多分誰でもこう苦しいこととかね、悩むことあると思うんですけど、そういうのを1人で抱え込まないで、誰かに相談しようって思ってくれるのが嬉しいなと思いますね。

(ナレーション)

居場所は、人と人とが繋がることで、ともに学ぶことのできる大切な場所です。

(NPO法人越谷らるご鎌倉理事長)

例えば就職して欲しいとか、学校に行って欲しいとか、そういうことを求めているわけではなくて、ここで、ゆっくりして、伸び伸びして自分の良さとかね、自分らしさみたいなものが、しっかり出せて、もしできれば誰か信頼できる大人なんかも見つけてくれると、それはすごくいいなっていうことは思うんですけれども、やっぱり、今いる時間を大事に思えたりすることができればいいのかなって思いますね。別に世間の価値観がすべてではないし、ここはゆっくりとね、その人その人を大事にしてやっていきたいなと思ってるので、そういう部分でちょっとほっとできることを目指しています。

(ナレーション)

越谷らるごの心はともに生きること。それぞれの居場所に訪れる皆さんとともに悩み、考え、成長しながら活動していきます。

(NPO法人越谷らるご鎌倉理事長)

悩むときは本当に悩むと思うし、苦しい時は苦しいと思うんですよね。そこに対して何かすぐ、何かっていう解決策はないと思うので、そういう時間はそういう時間で、とにかく無理なく休むときは休んで、何かやりたくなったらやればいいと思うので、あまり焦らないで、やってもらえたらいいなと思います。

居場所ってすごくよく使われる言葉で、最近特によく聞くんですけれども、人がいて、場所があれば居場所になるわけではなくて、もう長いことずっとやっていく中で、安心できる人と安心できる雰囲気があってっていうことがすごく大事なんですよね。そういう場所をやっていきたいなっていうふうに思うし、居場所になるかどうかは、やはりその人がどう感じるかなので、そうなるように頑張っていきたいなって思ってます。

団体活動紹介(2)「相談」

(ナレーション)

令和4年3月29日に埼玉県ひきこもり支援に関する条例が公布されました。ひきこもりは、人生のあらゆる場面において、誰にでも起こり得る問題です。埼玉県では、行政が行う支援のほかに、多くの民間支援団体が、ひきこもりで悩む当事者やご家族も安心して訪れることのできる居場所を提案しています。

例えば、NPO法人越谷らるご。ここには県からの委託を受け運営する埼玉県ひきこもり相談サポートセンターがあり、最初の窓口として、様々な形で悩みを抱える皆さんと向き合っています。

(NPO法人越谷らるご鎌倉理事長)

主に電話相談が多くて、電話相談と来ての来所の相談が多いんですけれども、今は年間1600件ぐらいの相談がありまして、メールでもお受けしてますので、自分に合った形でやっていただければいいかなと思いますけれども、いずれにしても、私たちとしては、かけてくる人のお気持ちを大事に、その人の今を否定するような思いではないので、安心してかけてきてくれるといいなと思います。

(ナレーション)

サポートセンターでは、Zoomでの相談にも対応していて、自宅から顔を合わせて話をすることも可能です。

(NPO法人越谷らるご鎌倉理事長)

相談にこられたり、電話してくる方は、ただ話を聞いて欲しいっていう方がとても多いんですね。自身の悩みとか苦しみを話すっていう方ももちろんいますけど、例えば、今日テレビでこんなことがあったよとか、ちょっとした雑談をしたい方もいるんですね。やはり1人で、親と関係がうまくいってなかったりして、親とは話せないけど、誰かと話したいっていう方もたくさんいるので、本当にそういうひきこもりセンターもね、あんまりこう、何か相談っていってしっかり構えて、こんなこられるというよりも、気楽にちょっとおしゃべりしに行きましたみたいな感じで来ていただいたり電話していただいたりしてもいいかなって思ってます。

(ナレーション)

サポートセンターで相談員を務めるのは、越谷らるごに長く関わってきたスタッフの皆さん、専門職という形ではなく、同じ目線で話す相談活動を行っています。

(相談員和田さん)

本当にこう電話をかける方もそうだと思うんですけど、メールをくださる方も電話をくださる方も、ものすごい勇気を振り絞って、かけてくれたりメールを出してくれたりしてくれてるんだってことはすごく私たちも、念頭に置いて、ここは駄目だっていうふうに思われないようにね、そこはすごく気をつけて、お話ししたりとか、メールでの文章も誤解されないような、文章でちゃんとこちらの気持ちが伝わるような文章で書けたらいいなとか、っていうふうには思って対応はしてます。

(相談員木村さん)

ひきこもるっていうことは、自分を守る、生きるために自分を守る術だと思うんですね。簡単に本当に、動けてる人が思うように簡単に、ひきこもるとか動けなくなるっていうことではない。そのつらさをね、なるべく私たちはご本人の目線に沿って考えて、一番誰が困っているか、親御さんは、自分たちが本当に大変なんですよ、困ってるんですよってね、本当におっしゃるんですけれども、でも一番困ってて、身動き取れなくて、辛くて、しんどくてっていうのは誰なんだろうねっていうところで、私たちはいつも、一番困ってる人の立場に立つように考えながら、一緒に考えている。そこをスタンスにしています。

(ナレーション)

サポートセンターは、相談に来る方の今を大切に、ともに悩み、考え、歩みます。

(相談員和田さん)

本当に何かお話受けてると、提案すらできないようなお話も多いんですよ。じゃあ、どういうふうにしたらいいだろうかってのは、そのケースのケースで本当にその方その方で違うので、その都度お話を聞きながらも本当に一緒に考えて、一緒に悩んで、どういうふうにしていこうかっていうこと、本当に一緒に考えていくっていう

(相談員木村さん)

その方が孤立しないように、ご家族は孤立しないように、どこにも相談できないっていうのが一番辛いと思うので、何とか一緒に考えていきましょうねっていう流れにも持っていきたいなあと思っています。

(相談員和田さん)

どうしてもね、難しいお話なので、本当に1ヶ月や2ヶ月でどうにかなるとかそういうようなお話ではないケースがほとんどなので、やっぱり長い時間かけて、お互いの信頼を築いて、一緒に考えて、ゆっくりゆっくり考えていきたいなと思ってます。

(相談員木村さん)

あとはご本人たちが本当に誰にも話せなかったというふうに言ってくれて、話してもらうのはすごく嬉しいなと思うし、とにかくもう相談受ける度に、難しさを私達がひしひしと感じているので、お電話ください、何とかなりますよなんて、とてもとてもいえるわけではないんですけれども、一緒に悩んで考えて、繋がっていければなというふうに思っています。

団体活動紹介(3)「家族会」

(ナレーション)

令和4年3月29日に埼玉県ひきこもり支援に関する条例が公布されました。ひきこもりは、人生のあらゆる場面において、誰にでも起こり得る問題です。埼玉県では、行政が行う支援のほかに、多くの民間支援団体が、ひきこもりで悩む当事者やご家族も安心して訪れることのできる居場所を提案しています。

支援団体の中には、家族会も。マロウドの会は、ひきこもりで悩む子供の親が集まり、活動する自助グループです。

(マロウドの会齊藤会長)

困って悩んでるのは、1人じゃないよってことを知るっていうこと。それが一番だから、仲間がいる。同じような悩みを抱えてる人達がいて、行けば話ができるし聞けるしっていうような。また、会のことを考えて、どうしようかみたいな、皆さんと相談しながらやってくそういうところがエネルギーになるような、私はそんな感じがするんですけどね。だからこれがなかったら、もしかしたら、つまんないとは言わないけど、こんなに元気じゃないかもしれないしみたいな。

(ナレーション)

家族会は同じ悩みを持つ親同士で思いを共有し、情報交換などができる場所。

(マロウドの会齊藤会長)

私たちの会に来て、子供が出られるようになる、その参考になることを知りたいって言われると、あんまり違うかな。そういうことは、そんなに期待してもらっても無理かな。それよりは、親が来て、元気になってここでお話いろいろしたりして、元気になってうちに帰って、家で子供と元気なところで向き合える、そういうことが大事じゃないかな。

(ナレーション)

ひきこもりで悩む子供に寄り添うためには、親や家族もそれぞれ自分自身の気持ちを大切にして欲しいと話します。

(マロウドの会齊藤会長)

いつでも話したい気持ちになってるわけじゃなく、親もドヨーンとして、今日は話すの面倒だったり、嫌だなあと思うことだってあるでしょ。だからそういう時に来て、来てくれただけでね、足を運んでくれただけで、嬉しいんで。本当にひきこもりって、一人一人違うし、一つ一つの家庭が違うんですよ。だから、これで成功したからそれを家でやってみようっていっても当てはまらないことの方が多いんですよね。だからそれはやっぱり、いろんなことをして、自分の家はどれがいいかなっていうか、どんなことができるかなっていうこと、やるしかない。

(ナレーション)

家族会もまた、子供たちや家族自身の心を守る大切な居場所。

(マロウドの会齊藤会長)

親が子供とでまず良い関係になることが早道かなっていう気もするんですよね。まずそうすれば、家庭の中が居場所としてよく言われる安全で安心だっていうのを子供が感じて元気になってくっていうことが、すごく大事だと思うから、それするためにはやっぱり親も余裕がないとできない。その余裕を、こういうところで、いろんなものをここでうち持って帰って、作ってもらえるといいんじゃないかなって思っているんです。

(ナレーション)

NPO法人KHJ埼玉けやき会の家族会、こちらもまた、ひきこもりで悩む当事者とその家族に寄り添う支援団体です。

(NPO法人KHJ埼玉けやき会の家族会田口理事)

まず、親御さん、家族支援というのがまず第1番目に来るものなんですよね。本人支援ももちろんやりますけれども、その前に、親御さんがどのように、本人と対応していくか、接していくかっていうことがまず大事ですので、まず家族支援というところから始まるんですよ。まず親御さんが集まることによってほっとできるわけですよね。自分のところだけじゃなかったんだ、こんな悩みは人に話せないけれども、ここなら何でも話せる、そういった安心感は非常に大きいですね。自分の悩みを皆さんに聞いていただいたりとか、他の方の親御さんの悩みも聞くというところで、ほっとする場所、居場所的な要素も持ってます。

(ナレーション)

ひきこもりと向き合うためには、家族がそれを理解し、学ぶことがとても大事なことだと言います。

(NPO法人KHJ埼玉けやき会の家族会田口理事)

もう本当に1人悩んでると、煮詰まっちゃって、どんどん孤独になりますし、最悪、お子さんに対して、追い詰めるとかね、きつい言葉を投げかけたりとか、そういうことのないようにやはり、ともに親子の関係が良くなって、そして本人を元気にしていく。私自身も家族ですので、来てくださる親御さんの気持ちも十分によくわかりますので、共感ができるわけですよね。上から目線ではなく、共感しながら、一緒に頑張っていこう、一緒に考えていきましょうねっていう、そういうところはもちろん大切にしているけれども当たり前のことであって、それをやってるっていうところだと思います。

(ナレーション)

家族も一歩を踏み出すことで、人と人とが繋がり、助け合いの世界が広がります。

(NPO法人KHJ埼玉けやき会の家族会田口理事)

本当に最初は眉間にしわをいっぱい寄せてこられるような方も大勢いらっしゃいますし、親御さん自身もうつになってしまって、病院に通ってる方も本当に実際にはいらっしゃるんですよね。やはりこちらの会に来るとほっとして、勉強もできるけれども、自分だけじゃないし、みんなと一緒にやれるっていうところで、気持ちが楽になりますので、顔つきもやはり変わってきますね。

(ナレーション)

ひきこもりで悩む当事者も、そのご家族も相談することのできる居場所と出会うことがとても大切です。

(NPO法人KHJ埼玉けやき会の家族会田口理事)

ほとんどの方はやはり、どこに相談行ったらいいかわからない。そういう中でやはり頼れる場所っていうか、ここに来れば、ちょっとほっとできるし、希望も持てるし、相談を気楽にできる、気軽にやれる、そういうところを本当に大事にしているんですよね。まだまだひきこもりの支援っていうのは、これからまだ始まったばっかりなんですよ、実際は。ですので、こちらの家族会としても、官民連携ってのはすごく大事なことだと思っておりますので、行政の方とも一緒に手を携えながら、充実していくというか、そういったことを大事にやっていきたいと思っております。

団体活動紹介(4)「軽作業」

(ナレーション)

令和4年3月29日に埼玉県ひきこもり支援に関する条例が公布されました。ひきこもりは人生のあらゆる場面において、誰にでも起こり得る問題です。埼玉県では、行政が行う支援のほかに、多くの民間支援団体が、ひきこもりで悩む当事者やご家族も安心して訪れることのできる居場所を提案しています。

中には作業を体験することのできる場所も。NPO法人マイムマイムは土と触れ合う農業体験を中心に活動しています。

(NPO法人マイムマイム中島代表)

来ただけでね、もう感激しちゃってね、こんなすばらしい自然の中でって。そんな大層な自然じゃないんですけど、何かほっとするって一言聞いたときに、やっぱりそういうふうに感じるんだなあって。だからそういう空間、そういう自然、手が入ってない、あんまり。そのままの営みが見られるところ、そういうのが私はね、ここ来るとほっとするんですよ。だからそういうのが、何ていうか疲れた人とかね、そういう人にはいい空間なのかなって思ったりして。

(ナレーション)

ここでは、子供から高齢者まで幅広い世代の人が自然と向き合い、農作業に汗を流しています。

(NPO法人マイムマイム中島代表)

私自身がね、小さな芽から大きくなって野菜ができて、製品になるっていうのは、本当に恥ずかしいんですけど、この年なんて本当に新鮮な発見だったんですね。でもちょうど私たちにはいいんだなと思ってるんです。何とかしたいじゃなくって、なるようになることなるように、やってきた。だから、ちょっと片意地張らないですけど、ただ私たちもいい場所になってるんです。

(ナレーション)

恵まれた自然の中で、作物や生き物と触れ合うこと。こうした体験ができるのも、居場所としてのもう一つの形。

(NPO法人マイムマイム中島代表)

畑ってぺちゃくちゃ話ってやるんじゃないんですよ。1人で土と向かって、草花と向かって野菜と。やっぱりその本当に気持ちがあれば、それが楽しいんですよね。だからそういう意味では、やっぱり来たいって思うみたいですね。色んな方々がいらっしゃるので、これがああだ、これだがああだっていうよりは、何かこう通り道っていうか、経過点っていうか、そういう感じでもそれでいい、いいかなあっていう感じですね。

(ナレーション)

畑でとれた無農薬野菜は農協などで販売することもあり、収穫した時の嬉しさがここでのやりがいに繋がっているそうです。

(NPO法人マイムマイム中島代表)

地球の中から見てほんのちっちゃいんだけど、みんな大切なんですよね。そういうところがね、わかってもらえたらいいなって。ちょっと1人来てね、お手伝いしてこれだけで大助かりなんですよね、畑って。コロナ禍の時もしょっちゅうここに来てたので、全然そういう閉塞感はなかったですね。だから、ひきこもりの子供さんたちも、何かのきっかけにね、作られた自然じゃなくて、小さな花とか野菜との出会いだけでも違うかなってと思いますけどね。

(ナレーション)

さいたま市岩槻区で活動するNPO法人KHJ埼玉けやきの会家族会も人や集団になれることを目的とした作業体験の場を提供しています。

(NPO法人KHJ埼玉けやきの会家族会田口代表理事)

男性当事者は割と就労というのを意識してる方が結構いらっしゃるんですね。でも就労の方にはまだそこまでは、心身ともについていかないのでっていう方の場合、こちらに就労体験ができる居場所を設定してるわけなんですね。会報の封入作業を短い時間なんですけれども、それもやったりですとか、あと月例会の受け付けの補助作業もやってくださったりとか。ただ封入作業やるっていうだけではないんですよ、実際が。その日10時までに来なくちゃいけないので、まず前の日から本人は準備するんですよね。何を着て行こうかとか、明日は何時に起きて、何時に電車に乗ってって。そういうこともやはり訓練の一つになるんです。

(ナレーション)

そして、けやきの会では、就労体験を通じて職に就くことを希望する方への支援も。

(NPO法人KHJ埼玉けやきの会家族会田口代表理事)

就労継続支援B型事業所っていうんですけれども、そういったところに繋げる、連携してるところがあるんです。こちらの会では。ちゃんとひきこもりのことを理解して対応してくださる。そういうところを、本人の希望があれば、そこに同行支援をして、繋げていくいう形で、そこで訓練を受けてからしばらく、2年ぐらいですとか3年ぐらいかかるかもしれませんけれども、そしていよいよ就労に実際に向かうと、社会人出て行くと、そういうゆっくりとした流れでやるっていうことが本当にでも大事なんですね。急がば回れなんです。

(ナレーション)

また、こちらでは、作業体験を意識したものの他に、人との触れ合いを大切にした日常的な体験ができる居場所も提案しています。

(NPO法人KHJ埼玉けやきの会家族会田口代表理事)

居場所の方は就労とは別にですね、もう一つありまして、そちらの方は主に女性が来てるんですけれども、楽しいことをやろう。ひきこもる方っていうのは挫折ですとか、傷つくというな体験が多くあるので、楽しいことが少なかったんですよね。なので、集まって楽しいことをやろうっていうところで、みんなで何人か集まって、トランプしたりとか、お絵かきをしたりとか、女性の場合はネイルアートをして楽しむとか、そんな感じでやって、結構盛り上がります。そういうのが本当にでも大事なんですよ、実際は。そうするとエネルギーもだんだん上がってきますので。

(ナレーション)

それぞれの悩みや考えがあり、体験の場を提供する上でも大事にしているのは、当事者の思いを尊重することです。

(NPO法人KHJ埼玉けやきの会家族会田口代表理事)

最初はですね、月に1回であっても、来れる時もあれば、来れないときもあるんです、実際は。でも、ようやくだんだん本人もだんだん元気になって、ちゃんと定着してくれるようになって、2年ぐらいしてからようやく就労の訓練っていう風な、そんな形で。無理やり就労って言っても、それをやったらやはりそこでまた必ず壁にぶつかりますので、下から本当に少しずつ積み上げるような形が非常に安全なんですよね。

団体活動紹介(5)「訪問」

(ナレーション)

令和4年3月29日に埼玉県ひきこもり支援に関する条例が公布されました。ひきこもりは人生のあらゆる場面において、誰にでも起こり得る問題です。埼玉県では、行政が行う支援のほかに、多くの民間支援団体が、ひきこもりで悩む当事者やご家族も安心して訪れることのできる居場所を提案しています。

NPO法人KHJ埼玉けやきの会家族会のように、県から訪問サポート事業の委託を受け、家から出ることのできない当事者を訪ねる形で支援を行う場所もあります。

(NPO法人KHJ埼玉けやきの会家族会田口理事)

訪問を全面に出してやってる訳ではないんですよね。ただ訪問を希望される当事者も中にはいらっしゃるんです。そういう場合は、訪問をさせていただいています。ご本人と会って、ご本人の話をじっくりお聞きして、ご本人の希望するところに従ってですね、例えば医療機関に行きたいってことであれば、一緒に同行して行ったりとか、そういったことはやってます。

(ナレーション)

当事者の方やご家族への向き合い方は人によって異なり、本人の思いを尊重するために、訪問の仕方も様々です。

(NPO法人KHJ埼玉けやきの会家族会田口理事)

訪問っていうのは、本人が希望しない限りは、こちらの会では行かないっていうか。急に言ってもやはり会えないですし、実際にあまり本人が希望しないのに、行った場合は非常に逆にね、帰った後に、親子の関係がまずくなったりということもありますので。ただ、はがき訪問っていうのは行ってるんですよ。はがきを訪問する。はがきを本人宛に、あるいは親御さんの連名ではがきを出す。もしよかったらば、居場所にいらっしゃいませんかみたいな内容をチラッと書いて、はがきで訪問するっていうようなことも、それもやっております。

(ナレーション)

いろいろな悩みに寄り添う中で、訪問という形も、人と人とが繋がる活動の一つ。ひきこもりはきっかけを通じて相談をできる居場所と出会えることが何よりも大切だと話します。

(NPO法人KHJ埼玉けやきの会家族会田口理事)

直近のケースではですね、B型事業所の通所を希望してる方もいらしたんですね。そういった方には。訪問をさせていただいて、一緒にB型事業所に行って見学してみましょうっていうような形ではやってますね。相談に行っても、分からないのでとか、本人を連れて来ないと何もできませんとか、そういったことは本当に皆さん経験してるんですよ。その中で親御さんも傷ついてしまって、もうどこにも相談できないんだなっていうふうな気持ちで、諦める方もいらっしゃるし、落ち込んじゃう方も大勢いるんですけれども、こういう家族会っていうのはそういう意味ですごく大切な場所で。そこがまず、こちらの会の、なんていうか強みというか、集まって頑張っていこうっていう、そういう気持ちで頑張れる場所だと思ってます。

(ナレーション)

ひきこもりは当事者や家族だけで悩む問題ではありません。

(NPO法人KHJ埼玉けやきの会家族会田口理事)

まずどこかと繋がって相談できる場所をお確保しておくっていうのはすごく大事です。親御さんがそういうふうにやりながら、お子さんも最終的に働ければ一番ベストですけれども、それができなくても、どこか1ヶ所でもいいので、緩やかに繋がっていく。そういうことが大事であって、親の方で、万が一のことがあったとしても、その緩やかに繋がっているその一つのところが、自分の身を助ける、まず第一の一番上の相談場所になると思うんですね。

団体活動紹介ダイジェスト版

(ナレーション)

令和4年3月29日に埼玉県ひきこもり支援に関する条例が公布されました。行政が行う支援のほかに、県内では、多くの民間支援団体が、社会との関わりがなく悩んでいる方々に寄り添っています。一人一人それぞれの悩みや考え方があるように、支援団体によって活動内容も様々です。この動画では、大きく五つに分けて紹介します。

一つ目は、居場所です。若者応援サロン「ホッと居て」は、年齢や性別などを問わず、どなたでも気軽に利用することのできる居場所を提案しています。

(若者応援サロン「ホッと居て」飯塚代表)

とにかく居心地よく見てもらえるように、私たちはいる。それだけです。今日は何をしましょうとかって前もって決めてるわけではなくて、その日その日のおしゃべりだったり、あとは、自分の趣味のものを持ってきたりとか、資金づくりのために、お仕事をくださってる人がいるんですね。その頼まれたものをみんなで、手仕事なんですけれども一緒にやって、それこそ運営資金にするためにみんなで頑張ろうねって言ったり。以前音楽やってる子がいて、ギターを持ってきたりして、ミニコンサートしたりとかもしてましたけども、今日は仕事ないんですかとかって聞かれたりもするんです。はいわかりました今出しますって感じですけど。

(ナレーション)

このほかに、NPO法人越谷らるごのように、6歳から20歳までが入会できるフリースクールりんごの木や20歳以上の人の集いの場、ほっとりんごなど、様々な形で皆さんの悩みに寄り添う居場所を提供している団体も。

(NPO法人越谷らるご鎌倉理事長)

一番大事にしているのは、本人を否定しないこと。本人のそのいろんな気持ちを大事に、学校に行きたくないならその行きたくない気持ちも大事にしたいし、ひきこもっている方に対しては、そのひきこもってる思い、どうしてひきこもっているのかっていうそういう部分を大事に。例えば就職して欲しいとか、学校に行って欲しいとか、そういうことを求めているわけではなくて、ここで、ゆっくりして、伸び伸びして自分の良さとかね、自分らしさみたいなものが、しっかり出せて、もしできれば誰か信頼できる大人なんかも見つけてくれると、それはすごくいいなっていうことは思うんですけれども、やっぱり、今いる時間を大事に思えたりすることができればいいのかなって思いますね。別に世間の価値観がすべてではないし、ここはゆっくりとね、その人その人を大事にしてやっていきたいなと思ってるので、そういう部分でちょっとほっとできることを目指しています。

(ナレーション)

二つ目は相談、例えば越谷らるごには、県からの委託を受け運営する、埼玉県ひきこもり相談サポートセンターがあり、最初の窓口として、様々な形で、悩みを抱える皆さんと向き合っています。

(NPO法人越谷らるご鎌倉理事長)

主に電話相談が多くて、電話相談と来ての来所の相談が多いんですけれども、今は年間1600件ぐらいの相談がありまして、メールでもお受けしてますので、自分に合った形でやっていただければいいかなと思いますけれども、いずれにしても、私たちとしては、かけてくる人のお気持ちを大事に、その人の今を否定するような思いではないので、安心してかけてきてくれるといいなと思います。

(相談員和田さん)

どうしてもね、難しいお話なので、本当に1ヶ月や2ヶ月でどうにかなるとかそういうようなお話ではないケースがほとんどなので、やっぱり長い時間かけて、お互いの信頼を築いて、一緒に考えて、ゆっくりゆっくり考えていきたいなと思ってます。

(相談員木村さん)

あとはご本人たちが本当に誰にも話せなかったというふうに言ってくれて、話してもらうのはすごく嬉しいなと思うし、とにかくもう相談受ける度に、難しさを私達がひしひしと感じているので、お電話ください、何とかなりますよなんて、とてもとてもいえるわけではないんですけれども、一緒に悩んで考えて、繋がっていければなというふうに思っています。

(ナレーション)

三つ目は、家族会、支援団体の中には、ひきこもりで悩む子供の親などが集まり活動しているグループもあります。マロウドの会もその一つです。

(マロウドの会齊藤会長)

困って悩んでるのは、1人じゃないよってことを知るっていうこと。それが一番だから、仲間がいる。同じような悩みを抱えてる人達がいて、行けば話ができるし聞けるしっていうような。私たちの会に来て、子供が出られるようになる、その参考になることを知りたいって言われると、あんまり違うかな。そういうことは、そんなに期待してもらっても無理かな。それよりは、親が来て、元気になってここでお話いろいろしたりして、元気になってうちに帰って、家で子供と元気なところで向き合える、そういうことが大事じゃないかな。

(ナレーション)

NPO法人KHJ埼玉けやき会の家族会、こちらもまた、ひきこもりで悩む当事者とその家族に寄り添う支援団体です。

(NPO法人KHJ埼玉けやき会の家族会田口理事)

まず、親御さん、家族支援というのがまず第1番目に来るものなんですよね。本人支援ももちろんやりますけれども、その前に、親御さんがどのように、本人と対応していくか、接していくかっていうことがまず大事ですので、まず家族支援というところから始まるんですよ。本当に最初は眉間にしわをいっぱい寄せてこられるような方も大勢いらっしゃいますし、親御さん自身もうつになってしまって、病院に通ってる方も本当に実際にはいらっしゃるんですよね。やはりこちらの会に来るとほっとして、勉強もできるけれども、自分だけじゃないし、みんなと一緒にやれるっていうところで、気持ちが楽になりますので、顔つきもやはり変わってきますね。

(ナレーション)

四つ目は、作業です。NPO法人マイムマイムは、土と触れ合う農業体験を中心に活動。こうした体験ができるのも、居場所としての大切な形です。

(NPO法人マイムマイム中島代表)

来ただけでね、もう感激しちゃってね、こんなすばらしい自然の中でって。そんな大層な自然じゃないんですけど、何かほっとするって一言聞いたときに、やっぱりそういうふうに感じるんだなあって。地球の中から見てほんのちっちゃいんだけど、みんな大切なんですよね。そういうところがね、わかってもらえたらいいなって。ちょっと1人来てね、お手伝いしてこれだけで大助かりなんですよね、畑って。コロナ禍の時もしょっちゅうここに来てたので、全然そういう閉塞感はなかったですね。だから、ひきこもりの子供さんたちも、何かのきっかけにね、作られた自然じゃなくて、小さな花とか野菜との出会いだけでも違うかなってと思いますけどね。

うん。

(ナレーション)

また、KHJ埼玉けやき会の家族会では、人や集団になれることを目的とした作業体験の場を提供しています。

(NPO法人KHJ埼玉けやき会の家族会田口理事)

男性当事者は割と就労というのを意識してる方が結構いらっしゃるんですね。でも就労の方にはまだそこまでは、心身ともについていかないのでっていう方の場合、こちらに就労体験ができる居場所を設定してるわけなんですね。会報の封入作業を短い時間なんですけれども、それもやったりですとか、あと月例会の受け付けの補助作業もやってくださったりとか。ただ封入作業やるっていうだけではないんですよ、実際が。その日10時までに来なくちゃいけないので、まず前の日から本人は準備するんですよね。何を着て行こうかとか、明日は何時に起きて、何時に電車に乗ってって。そういうこともやはり訓練の一つになるんです。

(ナレーション)

そして最後、五つ目は、訪問です。けやきの会家族会のように、県から訪問サポート事業の委託を受け、家から出ることのできない当事者を訪ねる形で支援行う場所もあります。

(NPO法人KHJ埼玉けやき会の家族会田口理事)

訪問を全面に出してやってる訳ではないんですよね。ただ訪問を希望される当事者も中にはいらっしゃるんです。そういう場合は、訪問をさせていただいています。ご本人と会って、ご本人の話をじっくりお聞きして、ご本人の希望するところに従ってですね、例えば医療機関に行きたいってことであれば、一緒に同行して行ったりとか、そういったことはやってます。訪問っていうのは、本人が希望しない限りは、こちらの会では行かないっていうか。急に言ってもやはり会えないですし、実際にあまり本人が希望しないのに、行った場合は非常に逆にね、帰った後に、親子の関係がまずくなったりということもありますので。ただ、はがき訪問っていうのは行ってるんですよ。はがきを訪問する。はがきを本人宛に、あるいは親御さんの連名ではがきを出す。もしよかったらば、居場所にいらっしゃいませんかみたいな内容をチラッと書いて、はがきで訪問するっていうようなことも、それもやっております。

(ナレーション)

埼玉県では、ご覧の多くの民間支援団体が、ひきこもりで悩む当事者やご家族も安心して訪れることのできる居場所を提案しています。1人で悩まず、埼玉県ひきこもり民間支援団体を検索し、ご相談ください。

体験談(1)

(当事者(1))

当時は特に仕事とかもしていなかったので、毎日おうちにいることが多かったんですけど、たまにこう外出たときに、この「ホッと居て」の前にある看板を見つけまして、なんか私みたいな人でも行っていいところなのかなと思ったので、ちょっと勇気を出して、電話番号が書いてあったので看板に。なので電話をしてみました。

(聞き手)

その電話っていうのはすぐにされたんですか。

(当事者(1))

多分、番号をメモって、3日後ぐらいです。

(聞き手)

それは電話するときっていうお気持ちっていうのはどういったものだったんでしょう。

(当事者(1))

かなり緊張はしてました。やっぱり知らないところに電話して、何か、どんな感じでこう出るかなとか、いろいろ緊張してて。

(聞き手)

その電話したときの第1印象というか。多分、お相手は飯塚さんだったと思うんですけど。覚えてますか。

(当事者(1))

覚えてます。すごく、何かナチュラルな感じで、気が向いたらおいでくらいな。でもその日はちょっと1回考えて時間をおいたんですけど、1週間後に、訪ねてきました。ここに。

(聞き手)

そもそもなんですけど、こちらの「ホッと居て」にこられ始めたのはどれくらい前からなんでしょう。

(当事者(1))

大体3年前ぐらいです。

(聞き手)

3年前。

(当事者(1))

はい。

(聞き手)

サヤさんがそのひきこもりというか、なったのは、それよりももうちょっと前っていう形になるんですか。

(当事者(1))

そうですね。学生が終わって、就職して、でもうまくいかなくて、割と早く退職したんですけど、そこから多分8年ぐらい、家にいたか思います。

(聞き手)

その間、家から出ることはできた。

(当事者(1))

そうですね。ちょっと家族に車に乗せてもらって、出かけるとかはできました。

(聞き手)

もう、社会の方と関わることが嫌になってしまったっていう感じなんでしょうかそのときは。

(当事者(1))

そうですねなんか、自分があまり社会に出ても、何か役に立てないだろうと思っていました。

(聞き手)

それがこちらに来て何か変わったっていうのはあるんですか。お気持ちが。

(当事者(1))

なんかそうですねなんか私でも受け入れてもらえる場所があったなっていう感じですかね。スタッフの方も、この他の利用者さんの、私と対等に話してくださっていて、私と話してても、相手が楽しそうにしてくださっていると、何か私なんかと話して楽しいのかなって思っていたので、ちょっと不思議だったんですけど。でも相手が楽しそうだと、それはすごくうれしかったので、何かまたここに来ようって思って、どんどん通い続けたんだと思います。

(聞き手)

今、こちらにはどれくらいの頻度で来られてるんでしょうか。

(当事者(1))

大体、週に3回です。

(聞き手)

するともう空いてる日は、ほぼ、みたいな。

(当事者(1))

はい

(聞き手)

でもそれくらいサヤさんにとって欠かせない場所になってるっていうことですかね。

(当事者(1))

はい。すごく自分の居場所として利用させてもらってますね。ここへ通い続けたことで、例えば、その作業をしてここの役に立てることがうれしかったりとか、みんなと話をして、楽しいと思ったり、あと、スタッフの方にたくさんお世話になって、何か本当にありがたいなっていう気持ちとかが、湧いたり、そういうポジティブな感情がたくさん湧き出てきたので、それは家にずっと1人でいたら、ネガティブなことばっかりを多分考えていたので、そういう意味では、私がポジティブに変われた場所だと思ってるので。

(聞き手)

それをご自身も実感があるし、なんか周りの方から何か言われることもあるんですか。

(当事者(1))

明るくなったね、みたいな。まずここの飯塚さんにも、最初に来たときとは全然変わったって言ってもらいましたし、あと私の家族もとても明るく前向きになったっていうふうに言ってくれました。私結構自分が、年齢がどんどん進んでしまって、どんどん年を取っていって、それがすごく焦燥感にもなって、不安だったり、もう間に合わない、何か人生生き遅れて間に合わないんじゃないかとか、すごく思ったんですけど、なんか何歳でも、もう遅いっていうこともなくて、何か今始めたいなって思ったら、ちょっと一歩、もしこう踏み出せたりすると、何か変わるかもしれないかなと思ってるんですけど、同じ生きているんだったら、すぐ苦しい気持ちでいるよりは、何か私が変わったみたいに、ポジティブな気持ちを少しでも持って生きてた方が幸せでいいかなと思うので、なるのは難しいんですけども、でも、いつからでも遅くないと思います。変わるには。

(聞き手)

まずこちらの「らるご」さんを知ったきっかけっていうのをお聞きしていきたいんですけど、まず、どういったきかけてお知りになったんですか。

(当事者(2))

自分でインターネットで検索して、「らるご」があることを知って、買い物や用を足すための外出だったらできたんですけども、人と繋がる外出は、全くなくて、それで、人と繋がるきっかけが欲しくて、「らるご」に来ました。

(当事者(3))

私は家族が、埼玉県がやってるひきこもり相談センターっていう、電話で相談できるんですけど、そういうところにちょっと電話で相談したらどうかって言われて、それで電話相談をしたんですね。それで、電話相談やってるところが「越谷らるご」というところで、ちょっとひきこもりじゃないっていうふうに自分思っていて、外にも出られるし、ひきこもりじゃないと思ってたんですけど、社会との繋がりが大事だなっていうふうに思ってたので、何らかの形では繋がりはあった方がいいかなと思って、僕はあまり抵抗なく、勇気を持って参加しました。

(聞き手)

実際にその勇気を持って参加されたっていうことなんですけど、来てみて「らるご」さんというのは、第1印象というか、いかがでしたか。

(当事者(3))

そうですね。代表の方がすごく本当に優しくしてくれたのと、あとその利用者、参加者の方がすごく優しく迎え入れてくれたので、ほっとしました。

(聞き手)

なんかね、お聞きしながらちょっとお互いにうんうん頷いたりだとかされてる空気とかを見ると本当になんかすてきな場所なのかなっていうふうに感じますね。

(当事者(2))

のどかな雰囲気が流れていて、ほわっとできて、何となく力が抜けて、自分で一番安心できるなっていう場所で、それでいて、何か誰かが気を遣っているとか、そういう雰囲気も特に見えなくて、そんなところが、何かいいなって思いながらずっと参加してます。

(聞き手)

そういった意味ではもうお2人の第2の居場所というか、そういったような形なんでしょうか。

(当事者(2))

はい。そうですね。ここうはもう第1の居場所って言ってもいいぐらいの大切な場所になりました。

(聞き手)

そうですね、うんうんっていうふうにもおっしゃってましたけど。

(当事者(3))

この場所があるから、他のところでも、頑張れるというか、他のところでも参加できるというか、ここが何か芯みたいになってるというか、中心っていう、そういう認識ですね。

(聞き手)

実際に10年だったり2年だったり、こちらに来る前と来た後っていうので、気持ちの変化っていうのはどうでしょう、ありますか。

(当事者(2))

はい。来てからいろんな人と出会い、いろんなものを知り、それによっていろいろ見える世界が広がって、奇跡の出会いとも呼べるような、出会いもあったりして、それが今、自分の中では、宝物のような思い出になってるんですけれども、それと同時に、前からいろいろ、動けていればよかったんだっていう後悔もちくちくと刺激されることもあるんですけども、ここで出られた人との思い出など、そんな宝物を胸にしてると、過去の後悔を取り戻すっていうか、過去のできなかった体験を今からやってみようかなっていう、ちょっと希望を持っています。

(当事者(3))

そうですね、人と話しなかったので、初対面の人と話するっていう機会が全然なくて、ここに来て、初対面の人と話するときに、何か、緊張して汗がすごい出るとかいう状態だったんですけど、でも慣れてくると、普通の人と同じような感じで人と会話できるようになったなっていう風に思って成長したなって思いました。ここに来るのは本当に楽しみにしてきてるっていうのもあって、その日が待ち遠しいなんていう楽しみが増えて、それでまた前向きになれるなっていうふうにも思いました。

(聞き手)

今楽しみだって言ったときにお2人ともこう頷いてらっしゃったんですけど、こちらの「らるご」さんでは、一体どういった活動というか、どういったことに参加されてるのか伺ってもいいですか。どうでしょうか。

(当事者(3))

私は好きな動画を紹介するとか、あとプレゼンテーションで、好きなものを発表するとか、そういったものを中心に参加したのと、あと物づくりとかもできて、クリスマスのときとかはクリスマスリースを作ったりとか、それでつい昨年に料理企画があって、私自身は自炊しているので、自分の腕の見せどころじゃないですけど、それでいろいろ活躍できたなっていうのもあったのと、やっぱりみんなでご飯食べるっていいなって思いました。

(当事者(2))

カラオケ企画っていうのもあって、その企画で好きな歌をいっぱい歌っていくってのは結構楽しいなってのと、あと、お散歩企画ってのもあって、お散歩しながら、何かとりとめのない話をいろいろとするっていう、今ぱっと楽しい企画として思い出せるのがその2つ通ぐらいですね。

(聞き手)

実際そのカラオケで歌うために練習みたいなこともよくされたりするんですか。

(当事者(2))

カラオケで歌うために練習っていうは特にしないですけど。ただ、自分1人でカラオケに行って好きな曲を歌うとかそういう楽しいみい方もするようになりました。

(聞き手)

いいですね。なんかちょっと趣味が広がったような感じがしますね。やっぱりそのお2人のように、悩んでる方っていうのは、まだ、現在もいらっしゃると思うんですけど。

(当事者(3))

そうですね。まずは電話してみるのが一番いいのかなって思ってて、外出るとか、電車乗るとか人に会うっていうのは結構ハードル高くて。でも電話だけだったら、結構話も聞いてくれますし、すごく本当にすてきなカウンセラーの方が対応してくださいますから。それで大分気持ちも楽になって、その流れでここに参加できたので、まず困ったら電話で相談っていうのもありなのかなって僕は考えてまして。アドバイスってあんまり聞きたくないっていうか、何か人に言われて、やりたくないっていう気持ちがすごく、僕もあって、でも実際やってみたら、案外そうでもなくて結構気持ちも楽になったし、聞いてよかったなっていうふうに思って、それで大分前向きになって、ここに参加できたので、まずは、勇気がいると思うんですけど、電話だけでもちょっとしてみたらどうかなって、私の経験上はそう思いました。

(当事者(2))

今暗くて光が見えないなっていう状況で本当に辛くて、追い詰められている人はいっぱいいると思うんですけども、やっぱりそれでも何か、どこかで何か光が見えてくるときもあるので、どうか希望を捨てないでいて欲しいなって。そして、もしよければ、この「ほっとりんご」で一緒に、時間を過ごせると嬉しいなって思います。「ほっとりんご」でほわっとした気持ちになっていろいろ活動することで、かかってきたものが、少し軽くなるかもしれないし、何か新しい光が見えてくるかもしれないし、そんなことを今、伝えたいです。拙い言葉ですが。

体験談(2)

(当事者(4))

昔から家庭の事情でいろいろありまして、もやもやは、ずっと生きづらさといいますか、があって、きっかけとして高校から専門学校行って専門学校でちょっとうまくいかないことをきっかけに、その職業を転々とするような状況になってしまったことで、より一層、自分で自分をいじめるような状態になっていって、ひきこもりのグループに入っちゃったところがありました。

(聞き手)

実際にその状態から、こういった団体を知ったきっかけだったりとか、ちょっとこう入ってみようみたいなきっかけっていうのは何だったんでしょうか。

(当事者(4))

職を転々としてた時期に自分でこのままでは、駄目だと思って、最初に行ったところは若者自立サポートステーションだったんですが、その繋がりで、いろんなところに行かせていただいたことがきっかけで、自分の中で一番よかったと感じたのが、自分で考えて悩んで、落ち込んで考えたことを話したことが共有できる空間とかに出会えたことが、自分の中ではうれしかったです。それを得られたたことが。

(聞き手)

やっぱりそれをきっかけに、ちょっと気持ちも明るくなったというか、そういった部分はあるんでしょうか。

(当事者(4))

そうですね、そこに通ってる時は、自分の中で明るくなったし、最初は他人を責めて、そこで自分がこんなにく辛かったっていうこと吐き出してたんですけど、やはり皆さんそこにいる方が、黙って聞いてるというか、寄り添ってくれてる感じがあって、何か自分だけ暴れているような感じがして、申し訳ないというか、何かそこに一緒にいられる感覚とかありまして。

(聞き手)

実際に何団体か行かれたっていうふうにおっしゃってたんですけど、この「マイムマイム」さんのいいなと思うところはどういったところですか

(当事者(4))

畑仕事なので、自分が体調悪くても通って、土をいじってれば、ある程度時間が過ぎていくので、一歩としては一番自分の中ではいけるといいますか、答えというのがないので、嵐が来ることもあれば議がならないこともあるので、その中で自分の中で最善を尽せるということが一番勉強になります。流されず、自分もいじめずといいますか。

(聞き手)

対人じゃないっていうところも大きいんですかね。

(当事者(4))

そうですね。僕の中では、とても何でも畑っていうのは前向きにとらえようと思えばとらえられるので。人生にも生かせるかなとちょっと思いました。

(聞き手)

何かご自身でも育てたりとかされてるんですか。

(当事者(4))

はい。前々から農業自体とか、ゆくゆく食で困ると思ったので、農業はしたいと考えていて、家庭菜園でとりあえずネギを作ってみようと、栽培し始めています。

(聞き手)

実際にご自身で種子から撒いて、成長されていく様子っていうのを見てどうですか。

(当事者(4))

まさか芽が出ると思わないので、ただ土を盛って、ネットにあったようにあっただけなんですけど、芽が出て、ちゃんとなってるので、何かうれしいですね、やっぱ。

(聞き手)

小川さんからすると、こういったいろんな支援団体があるとは思うんですけど、やっぱりこういった団体っていうのは必要だなっていうふうにも思われますか。

(当事者(4))

はい、それぞれのあったところっていうのがあると思いますし、必要な状況とかあると思うのですが、それぞれ考えていることの中でやってらっしゃると思うんですが、ひきこもりって、やはり外出れなくて、やっぱ一歩が怖いので、なるべくそれに寄り添って欲しくて、僕の中ではですけど。やはり自分で自分の中にこもっちゃって、それで支援っていうことになっちゃうので、もうちょっと本人の気持ちに寄り添ったり、できるところが増えてくださると、とてもありがたいと。なかなか難しいですけど。

(聞き手)

今小川さんと同じように悩まれてる方もたくさんいらっしゃると思うんですけど、そういった方々に何かこう伝えたいことっていうのはありますか。

(当事者(4))

悩んでる方がいろんな方がいらっしゃるので、何とも言えないんですけど、自分を信じてといいますか、あんまり焦らず、多分他人に言われるから、悩んじゃうんですけど、悩まずにと言いといいますか。自分のペースでやればいいと思います。

(聞き手)

まずお聞きしていきたいんですけれども、この学校に行けなくなったきっかけっていうのは、どういったものだったのかお聞きしてもいいですか。

(当事者(5))

はい、ちょっと中学生ぐらいの時に、学校でいじめに遭ったりとかして、学校に行けなくなりました。やっぱり絶望感っていうか、親とか先生に言っても全然相手にしてもらえないから、何かちょっと世の中が汚く見えるっていうか、どうしていいかちょっとわかんない感じでした。

(聞き手)

何かそのときは、この相談室みたいなものだったり、サポートセンターみたいなものは利用されたりはあったんですか。

(当事者(5))

そういうのは、なかったんですよ。

(聞き手)

そういった、何かこう、相談できる場所っていうのはその当時はなかったっていう。

(当事者(5))

はい。ずっとテレビとか映画とかゲームとかそういう世界にずっと入ってたような感じでした。

(聞き手)

そこからちょっと社会と繋がるじゃないですけど、何かきっかけみたいなものはあったんでしょうか。

(当事者(5))

22歳ぐらいの時、市役所のソーシャルクラブの人が訪ねてきて、ソーシャルクラブに入らないかって言われたんです。それがきっかけで、やっぱりここのままずっとひきこもったまんまだなと思って。ちょっと勇気いたんですけど、行くようにしました。

(聞き手)

その後経験からいくと、こちらの団体にはそのソーシャルグループの方からご紹介を受けてきたっていう形なんでしょうか。

(当事者(5))

はい。ソーシャルクラブは通ってたんですけど他に通う場所がなかったから、その人に相談して教えてもらってました。

(聞き手)

それでこちらの団体をご紹介を受けたのがどれくらい前なんですかね。

(当事者(5))

5、6年ぐらい前だと思います。

(聞き手)

その5、6年前に紹介を受けたときに、もうすぐじゃあいってみようというふうになられたんですか。

(当事者(5))

そんな意気込んではないですけど、普通に、やっぱり何もすることがないよりはいいから行くようになりました。

(聞き手)

こちらの団体に最初来られたときの印象っていうのをお伺いしてもいいですか。

(当事者(5))

当時はまだちょっと人が怖くて、大丈夫かなとか、不安になりながら行って、でも、長く通ってるうちに慣れてきて、親しみとか愛着がわいてきました。

(聞き手)

実際に、こちら今、月、週に何回か交流がある感じなんでしょうか。

(当事者(5))

はい。

(聞き手)

何回くらいあるんですかね。

(当事者(5))

月2、3回ぐらいあるんですけど。自分は月に1、2回ぐらい参加してます。

(聞き手)

結構そう聞くとこうコンスタントにご参加されてるなって思うんですけど、参加しようと思う原動力というか魅力っていうのはどういったところなんでしょう。

(当事者(5))

「風のオアシス」でモルックをやってるんですけども、結構モルックが楽しくって、体を動かすのが好きなんで、参加してます。

(聞き手)

やっぱりその家とか会社とは別に、こういった「風のオアシス」さんっていう場所があるのは、ご自身にとってすごくいいことだなっていうふうに思われますか。

(当事者(5))

人と会わないとやっぱり一般の人でも、ひきこもりの人でも関係なく気が滅入っちゃうから、誰かと話したくなると思うんで、友達とかもできて、いろいろ話したりとか、楽しいから大切な存在、なくてはならない存在です。

(聞き手)

そういった意味では、こちらに来る前と来る後だとお気持ちの中でこう変化っていうのはあったりされますか。

(当事者(5))

人間関係がちょっと作るのが苦手だから、行かなかったら、もう少しちょっとなんか世界がちょっと狭くなってたような。人と付き合うといろんな価値観があるから、そういう人の価値観も知れて、ちょっと世界が広がるような気がします。

(聞き手)

では今やっぱりこう家から出られないとか、不登校だとか、悩まれてる方も多いと思うんですけど、もしくは悩まれてる方もいらっしゃるんですけど、そういった方に何か一言伝えたいことがあればお願いします。

(当事者(5))

少しずつしか変わっていけないと思うんですけど、でも、長い期間で見たらすごい自分も変わったと思うので、ひきこもってる人がいたら、なんかあんまりずつ絶望しないで、今の状況がちょっと苦しいかもしれないけど、小さい目標とか小さい勇気を積み重ねていけば、きっと良い方向に向かって、自分も変わってくると思うんで、頑張ってもらいたいです。

(当事者(6))

私の場合、きっかけというのは、具体的に言うと、大学から社会に行くときに、就労に失敗したということ。それで、うまくいかなくなったってことで、対人を怖がるようになって、そこからがきっかけですね。

(聞き手)

その当時のお気持ちっていうのはどういったものだったんでしょうか。

(当事者(6))

その気持ちは複雑でして、まず同じ学年の人間は、スタートを切っていく準備になってる。私だけ決まってないと。そこですごく、みんな嬉しそうにするんですけれども、私だけ、もうしゅんとせざるをえない。自業自得なんですけれども、時にはその人みたいな感覚で時には自己卑下ですね、こうして自己嫌悪ですごく不安定な状況になりました。

(聞き手)

そのまま、ご自宅から出られないというか。

(当事者(6))

別に何か悪いことしてるわけじゃないんでしょうけれども、路線から外れたことによって、何やってるんだろうかと思われてるんじゃないかって私が思い出しちゃって。そこから思いが走って、私なんかいないほうがいいんじゃないかなとかそういう形で、家の中にこもるように。最初はもうしばらくしてから復帰しようというふうに思ったんですけど、それがもうズルズルと続いた感じですね。

(聞き手)

そこから、こちらの会に出会われたきっかけというか、こられるようになったのはどうしてなんでしょうか。

(当事者(6))

長い経緯なんですけれども、ひきこもっている期間が結構長くてですね、これでもう自分でも、正直言って人生を諦めてた感覚の時もあったんですが、これでもう本当大変だなと思ったときに、そういうのは残してくれてもらったものがあれば繋がるよ。そこからですね、父との話が始まったんですね。

(聞き手)

その中にこちらの会があった。

(当事者(6))

はい、そうですね。

(聞き手)

実際にこちらの会に初めてこられたときの印象というか、ご記憶っていうのはありますか。

(当事者(6))

そうですね、扉開けた瞬間に、何て言うんですかね、安堵感っていう言葉が合うかな。すごくあったかいというか、ほんわかした、ほわっとした雰囲気だったの覚えてます。

(聞き手)

ここだったらいけるかなみたいな。

(当事者(6))

そうですね。そこまで確信はすぐには持てなかったんですけど、やっぱ人と話す、人との繋がりだと。人と話すにしても目を見て話してくださる方が多かったんで、これがすごく私が、ああ本当にいいんだっていうすごい確信になってるんですね。

(聞き手)

ご自身にとってやはりこちらの会に来たことっていうのは、すごく大きかったことになるんですかね。

(当事者)

もう振り返ってみても、いいことですよね。ですから繰り返しになりますけど、もう諦めかけてた自分がいて、その人との信用、それと自分への自信、全てを取り戻すきっかけになってくれてます。

(聞き手)

やっぱりこういった居場所というか、そういったものがあるのとないのでは違うなというふうに思われますか。

(当事者(6))

そうですね、居場所というところがあるとないのでは、当然あった方が絶対いい、なければいけないと思いますね。というのも1人で部屋にこもってると、そこも居場所なんですけれども、自分の中でふと我に返った時、あれ誰とも話してないやみたいな日を過ごすことが多々あって。そうすると、自分の意見ってこれでいいんだろうかっていった時に誰とも1回も話してないし、自分の価値観が固まってしまって、良いのか悪いのかな。心地はいいんですけどもいいのか悪いのか判断できなくなって。こういった居場所に来て、人と実際すごい話すわけじゃないんですけども、そういう間違ってるんじゃないとかそういう話になると、ああそうかと。その内容よりその指摘してくれることに関して、何か交流のあるこおtが大切だというふうに考えますから、居場所ってのは必要だと思いますね。

(聞き手)

やっぱり定期的にこちらの会にこられるというのも、何かほんわかを求めてというか。

(当事者(6))

今があるのもこちらのおかげですし、そういったところの原点を忘れないためにもと思ってますし。やっぱり久々に会ったりとかすると、ほんわかというか力が抜けますね。今まで緊張してたものが自分の力が抜けてほっとするっていうか。

(聞き手)

今やっぱり、不登校だったりとか、その家から出られないっていうことで悩んでる方もまだいらっしゃると思うんですね。そういった方に向けて何かこう伝えたいことだったりとか、メッセージがあれば一言お願いします。

(当事者(6))

悩んでる苦しみ私も経験してるんで、すごく辛いし苦しいと思うんですけれども、まず諦めないっていうことと、それから人との繋がりがやっぱり人を変えると僕は信じてるんで、だからその人の繋がりを何とか模索してくださいと。絶対諦めないで、それからあと自分を責めないで欲しい。私みたいなタイプで結構自己嫌悪になると、ありがちなんですけど、自分自身は絶対責めないで欲しいってことです。

体験談(3)

(聞き手)

飯島さんご自身も以前はちょっとひきこもりというか、そういったご経験がおありということなんですが、ちょっと当時のお話をお伺いしてもいいですか。

(飯島店長)

私、兄がいるんですけども、兄が先に学校に、小学校から5年生ぐらいですかね、いけなくなりまして、私が小4からほぼ中学3年までは、家にいる子だったんですけども、特に本当理由はなく、朝学校行くのがだるいなとか、そういうおなか痛いなんていうのはあったんですけど、当時を振り返ると。玄関先でお腹痛い行きたくないとか、わざと熱出たとか。親も学校行け行けみたいな時期もありましたし。ただ、結構元気な感じで外には出れて、小学校に当時、相談室がなかったんですね。なので母校ではなく隣町の相談室に行って、遊んで勉強して帰ってくるっていう感じだったんで、結構元気が不登校ではあったんですけども。

(聞き手)

その隣町の相談室は嫌な感じではなかったってことですか。

(飯島店長)

そうです本当なんか学校はやっぱり休みがちになって、行かなくなると、だんだんやっぱ足が遠のいてくというか。行けないっていうのはあったんですけど、隣町のその相談室は最初に当時流行っていた任天堂64でマリオカートをして、勉強が始まるっていうって感じで、遊んで、勉強するっていう形だったんですね。なので、友達も何人かできて、楽しく過ごしてました。

(聞き手)

やっぱりそういった意味では、自分がこう通える場所があるっていうのはご自身にとっては、今考えてみると、やっぱりよかったなっていうふうに思われる感じなんでしょうか。

(飯島店長)

そうですね。当時不登校って、何で学校行ってないのとか、何でいけないのか。行った方がいいよって言う大人達ばっかりだったんですけど、もうやっぱり相談室の先生なんで、一緒に遊んでくれたりとか。色々馬鹿なことにつき合ってくる先生だったので、何か自然と馴染めたというか、今だからこそやっぱり、人の繋がりというか、元気に友達と遊んでるっていうのはすごい大事だなって思いますね。

(聞き手)

そういった飯島さんの経験を経て、今こちらのカフェの方でもいろんな活動されてるっていうことなんですが、どういった活動されてるか伺っていいですか。

(飯島店長)

会として私はコーヒーの焙煎をしてるんですけども、それだけではなくて、やっぱり学校に馴染めない子は勉強にちょっと遅れてるってことで、ここで学習の支援をしまして、ボランティアの先生が来て、週に1~2回、あと好きな時に先生と約束して、来れるようになってるんですが、年齢も関係なくこういうので。中高生から大人の方までが、ここで勉強しています。

(聞き手)

実際夕方ぐらいになると大人の方だったり、お子さんが来られてるっていう。

(飯島店長)

はい。勉強に来る子たちだと2、3人がかわるがわるっていう感じなんですけども。イベントをやると、10何人とか20人ぐらい集まりますね。

(聞き手)

やっぱりみんな楽しいことは好きというか。そうですね。やっぱりみんなで遊ぶっていうところでまた繋がりができるっていうことですね。そういった学習支援をこちらでしようみたいな形になったのはどういった経緯だったんでしょうか。

(飯島店長)

元々、私たちの母校が夜間の定時制だったんですけども、ここの代表が元々そこの先生だったっていうのもあって、私達、先生と生徒の元々関係だったんですが、何か支援ができないかっていうのが最初に計画にあったんですが、カフェも一緒にやろうかと。ということで、人が集まる場所なので、カフェだと相談に来たりとかも、子供たちがいつ何どき来ても大丈夫っていう場所を作りたくてこのような形になりました。

(聞き手)

そういった意味ではここにこられるお子さんの親御さんにもやっぱり、いろいろこう入るじゃないですけど、お気持ちがある部分が。

(飯島店長)

そうですねやっぱり親たちもそうですし、子も結構追い詰められたりとかしてる家庭も多いので、まずお母さんが安心してもらう。大丈夫ですよ。別にこのままでも別に生きていけますからっていう、行くところもあるし、っていうので、例えば高校も今選択肢もいっぱいあるんで、そういう情報を知らないよりやっぱり知ってる方がいいので、ボソッ教えてあげるっていう。やっぱり学校に子供が行けなくなったっていうとすごい焦ると思うんですけども、やはりちょっと焦らずに待ってて欲しいかなっていう。その子がちょっと動き出すまでは、少し持って、まずお母さんたち、お父さんだけが息抜きをしにカフェに来て、コーヒーでも飲んでいただいて、お話を聞きますので、ぜひ。それから子供たちが動き始めたときに行動を起こせばいいかなと思うので、ちょっと待っててっていうのがやっぱり、いつもお伝えしてることですね。

(聞き手)

まず皆さんにそれぞれ聞いていきたいんですけど、皆さんがこの「マ「マロウドの会」」に入ったきっかけっていうのはどういったものだったんでしょうか、お伺いしていいですか。

(会員(1))

坂戸保健所の相談に行ったんですね。そうしたところちょうど学習会があるということで、ひきこもりの学習会を飯能で行いまして、その時にいらした方々と、「マロウドの会」があるということで、入らせていただきました。

(会員(2))

そうですねインターネットなんかで、ひきこもりっていうことを調べたら「マロウドの会」が出てという感じで、実は私の息子がそうなんですけども、息子は高校時代に、ちょっと学校へ行けなくなっちゃってという、だから不登校みたいになっちゃったんですけど、「マロウドの会」っていうのが、日高でやってるという、日高ともう1つは毛呂山だよね。毛呂山でやってるというので、何とか自転車で飛ばせる距離だなっていうので行ってみようかって来て。

(会員(3))

息子が3年間ぐらいひきこもりしてまして、どうにかしなきゃいけないなと思いながらもなかなかこう、どうしたらいいかもわからず行動できなかったんですけど、知り合いの方が病院に、行ってみるとか、あとは保健所とかでも相談受け付けてるみたいだよっていう話を教えていただいて、坂戸保健所の方に相談に行きまして、こちらの「マロウドの会」親の会、こういうのがありますよっていうことを教えていただいて、それでこちらの方に来るようになりました。

(聞き手)

実際来られてみて「マロウドの会」の印象っていうのはどういったものでした。

(会員(3))

何か皆さんすごい温かく迎えてくれて、話とかもすごい聞いてくださるし、また皆さんの話とかも聞けて、すごい参考になって、何か自分も何かほっとできる居場所だなあと思いました。

(聞き手)

やっぱり、こちらの「マロウドの会」に来る前と来てる今っていうのはすごく違うのかなと思うんですが、そういった心境の変化だったりとかっていうのはありましたか。

(会員(1))

まず、ひきこもり始めの頃は、親もスーパーとかに行くと、どなたか知り合いにお会いして、お子さん元気とか言われると、元気ですとは言うけど、何してるとかっていうふうに言えない状態だったので、親もなんか近所にお買い物に行くのも、行きづらいような感じがあったんですけど、ここの会に来るようになると、普通にお話ができますし、よかったなあと思います。

(聞き手)

そういった意味では、交友関係が広がったというか、そういったところもあるんでしょうか。

(会員(1))

そうですね。他の会員の方や他のお子さんのことも学べますし、お勉強講師学習会とかの講師にもね、お話していただくことでいろんなこと勉強できて、ちょっと親としてというか人間としてちょっと成長できてるかなって思っています。

(聞き手)

なるほど。なんか皆さん本当に和気あいあいとされてるんですけど、やっぱり普段の会とかでも、こういった笑いが絶えないというか、そういった感じなんですか。

(会員(1))

真剣にちゃんとやるときもありますよ。

(会員(2))

やっぱり悩んでることが出せるというのがやっぱり一番大事だと思うんですよね。そこがいろんなことの、何ていうか、解決する第一歩なので、それを出せないと、やっぱり何か空欄なってしまう。だから本当につまんないことでも出せれば、何か考える材料みんな色んな人が言ってくれたりとか、色んなことをするので、やっぱり出せるという場になってるっていうことがね、大事だよね。

(会員(3))

そうですね。

(聞き手)

今すごいもう同意を求められてましたけど。

(会員(3))

すごい自然でした。

(聞き手)

でもそれくらい意見交換が自然にできるぐらい、もう関係性ができてるというか、皆心を広げてっていうような形なんですかね。

(会員(1))

そうですね。

(会員(2))

みんなこう受けとめてくれる人が多いですよね、話を。駄目じゃないのみたいなことはほとんど言わなくって、みんなそうそう、うん、私もそういうとこ通ってきたよみたいなとこがいっぱいあるので、やっぱりそういうところっていうのはすごく、そういう部分がいい関係性を作るんだろうなと思うね。

(聞き手)

こちらに入る前と入った後からでは、お子さんへの接し方っていうのは何か変化はありましたか、皆さんは。

(会員(1))

無理やりに仕事をさせようとかっていう気持ちが少し減りました。やっぱりどうしても上から目線になって、親としてしっかりしなきゃっていうところが、だんだん、今はもう子供と同等というか、子供に叱られてるような状態になってますが、始めは褒めなさいとか言われて、一生懸命ありがとうとか、すごいねとか言って、何か気持ち悪いとか言われてたんですけど。だんだん自分でも、そこが、何だろう、変にならないようにスッといえるように、ありがとうって普通にいえるようになってるなとは思います。

(会員(2))

1つだけ、ちょっと変わってきたなって思うのは、やっぱりもっと僕の頭で考えるんではなくって、あいつの苦しさは何なんだろうってここから抜け出せない理由の苦しさみたいなものをやっぱりきちっと自分の中でわかってきてるのかなあっていうことを考えるようになりましたね。前はさっき言われたように、きちん勤めて欲しいとか、考えてたんだけど、そうしないとお前の未来はないぞ、みたいな感じで思ってたんですけど、それはだけど、親の要望とか考えであって、あいつはもっと前の時点で苦しんでるんじゃないかなあって。それは叱咤激励するんじゃなくって、一緒にやっぱり考えていかなくちゃいけないなっていうふうに思ってたので、そのことをやっぱりこうなんていうか、するっていうことはこれからの自分の課題だなあというのを思えるように。

(会員(3))

以前はなんか息子に対してすごいイライラしてる気持ちがあり、それを押さえて日常生活を滞りなくじゃないですけど、何とか送っていたっていう感じなんでしょうけど、「マロウドの会」とかに入って、自分の心とか気持ちが落ち着いてほぐれてきたことで、よくなんか何気ない日常会話をすごいできるようにみたいな、講演会とか学習会とかでもよく聞くんですけど、イライラした気持ちがなくそういうのがない気持ちで子供に声をかけられるようになったりとか、そうすることによって自分がパソコンが苦手とかスマホの使い方がわかんないとかっていうのはすごいあるので、もう息子はそういうことはもう本当得意ですから、そういうところから普通の会話がだんだんできるようになってたかなっていう気はします。

(会員(1))

今は時々に、親の親睦会みたいなものに、子供たちが時々出てきてくれるんですけど、以前は講演会のお手伝いをしてくれたことから、みんなでじゃあ親子で集まって、どっかでかけようかって言って、巾着田に1回、一番初めに行ったんですけれども、動物園とか、水族館とか、結構行ったんですよ。神社に行ってみたり、工場見学とか、作業所とか、いろんなところに行って、親子で楽しんだり、調理実習みたいな感じで一緒に作って食べたりっていうこともできて、でも皆さん卒業で、作業所に行ったり、就労支援事業に行ったり、全員のお子さんがっていうわけじゃないんですけど、就職できたりしてるんですよ。だから、本当にね、親だけじゃなくて子供たちも刺激を受けて、そういうところはちょっと前向きに、親も子供もちょっと前を向けていけたかなっていうふうに思いますね。

(聞き手)

でも、確かに自分1人じゃちょっと刺激を受けることも難しかったりしますもんね。では、最後にちょっと皆さんに質問させていただきたいんですけど、今こう悩んでらっしゃる方、多くいらっしゃると思うんです。そういった方々に向けて何かこうメッセージがあれば、一言いただきたいんですけど

(会員(1))

やっぱり1人で悩んでないで、業者とか、そういうところには引っかからないで欲しいなっていうふうに思いますね。公的なところに相談に行って、ぜひこういう会に参加して欲しいなあと思います。

(会員(2))

そういう人たちにまず言いたいのは、悩んでるあなた1人じゃないよっていうことだと思うんですね。必ず仲間はいるよ。それは親の会とかそういうことじゃなくても、いろんなところでも、あなた1人が悩んでるんじゃないから、それを自分を出せる場所を行ったり作ったりしたらいいんじゃないかっていうことです。まずそこから問題解決が始まると思うんですよね。絶対そういうふうに育ててわけじゃないんだからっていうふうに僕は絶対思うので、そういう自分がこう出せる場所を早く見つけて欲しいなというふうに思いますね。

(聞き手)

いかがでしょうか、今深く頷いてらっしゃいましたけど。

(会員(3))

そうですね、2人がおっしゃった通りに、本当1人で悩まないで、保健所とか社会福祉協議会とか、いろいろ相談できるところはあるので、もうそういうところにぜひ、外に目を向けて相談に行って欲しいと思います。

(聞き手)

こちらの会だったら皆さんこう笑ってこう受けとめてくださいそうですね。本当に今日は貴重ないろいろお話聞かせていただいてありがとうございました。

(会員(1)~(3))

ありがとうございました。

お問い合わせ

保健医療部 疾病対策課 精神保健担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎4階

ファックス:048-830-4809

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