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発表日:2023年7月12日11時

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県政ニュース

「化石巨大ザメ“メガロドン”は考えられていたほど速く泳がなかったが、代謝熱を利用して食欲旺盛だった」~1986年に埼玉県深谷市(旧川本町)から発見された1000万年前の化石を再研究~

部局名:教育局
課所名:自然の博物館
担当名:自然担当
担当者名:山岡

直通電話番号:0494-66-0407
Email:t6604044@pref.saitama.lg.jp

部局名:教育局
課所名:自然の博物館
担当名:企画・広報担当
担当者名:丸山

直通電話番号:0494-66-0407
Email:t6604042@pref.saitama.lg.jp

米国・デポール大学の島田賢舟教授・埼玉県立自然の博物館の山岡勇太学芸員・三重大学教育学部の栗原行人教授・群馬県立自然史博物館の髙桒祐司地学研究係長(学芸員)ら研究チームは、埼玉県深谷市(旧川本町)産のメガロドンの鱗(楯鱗)化石を検討し、メガロドンが部分的内温動物であることを利用して栄養分の消化吸収を促進する、遊泳速度が遅いサメであったという研究成果を公表しました。
この新しい研究は、国際科学雑誌Historical Biologyに掲載されました。合わせてメガロドンの鱗化石が、自然の博物館にて展示されます。

謎多き化石巨大ザメの興味深い生態を解明

メガロドン(学名:オトーダス・メガロドン)は、新生代新第三紀に世界中の海に生息した化石巨大ザメです。少なくとも体長15mに達したとされるメガロドンですが、楯鱗の大きさは現生のサメ類と大きな差がなく、体サイズの巨大化は必ずしも楯鱗の巨大化を引き起こさなかったことが判明しました。同時に、楯鱗の表面にある小歯状突起の形態を調べたところ、高速で泳ぐサメの楯鱗に特徴的な狭い間隔の小歯状突起が備わっていませんでした。小歯状突起の間隔から推定されたメガロドンのおおまかな遊泳速度は、時速2 km前後(0.9~3.0 km)と比較的遅いことから、メガロドンは普段ゆっくりと泳ぎ、獲物を捕らえる際に爆発的に泳いだと考えられます。
この発見は、メガロドンの遊泳速度に関する従来の常識を覆すものでしたが、同時に、普段活発に泳がないメガロドンが、部分的内温動物としての高い代謝熱をどのように発散したのかという新たな疑問を生みました。研究チームは新たな仮説として、メガロドンが代謝熱の大部分を使って餌である大きな食物の消化を促進し、栄養を吸収・処理していた可能性を指摘しました。
本研究成果は、古生物学の国際学術誌Historical Biology誌オンライン版に掲載され、2023年7月12日(水曜日)より期間限定で無料公開されています。埼玉県立自然の博物館では、メガロドンの楯鱗化石を同日より常設展示にて公開しています。

論文名:Tessellated calcified cartilage and placoid scales of the Neogene megothooth shark, Otodus megalodon (Lamniformes: Otodontidae) offer new insights into its biology and the evolution of regional endothermy and gigantism in the otodontid clade
Historical Biology オンライン版https://doi.org/10.1080/08912963.2023.2211597(※外部のHPとなります)

深谷市から発見されたメガロドンの生体復元模型
写真1:深谷市から発見されたメガロドンの生体復元模型。埼玉県立自然の博物館にて展示。

土塩層産メガロドンの楯鱗化石
写真2:土塩層産メガロドンの楯鱗化石。埼玉県立自然の博物館撮影。

埼玉県立自然の博物館について

  1. 開館時間
    9時から16時30分まで(入館は16時まで)※7・8月は17時まで(入館は16時30分まで)
  2. 休館日
    月曜日、年末年始(12月29日から1月3日)、その他メンテナンス休館あり。※祝日、振替休日、ゴールデンウィーク、7・8月の月曜日は開館
  3. 観覧料
    一般:200円 大学生・高校生:100円 中学生以下、障がい者手帳等をお持ちの方(付添1名含む)は無料
  4. 所在地
    〒369-1305 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1417-1
  5. 交通案内
    秩父鉄道「上長瀞駅」下車徒歩5分 関越自動車道「花園IC」から国道140号を秩父方面に約35分

問い合わせ先

埼玉県立自然の博物館
自然担当(展示に関すること) 企画・広報担当(広報に関すること)
電話:0494-66-0407 ファックス:0494-69-1002
E-mail:t6604044@pref.saitama.lg.jp
ホームページ:https://shizen.spec.ed.jp/(または「自然の博物館」で検索)
公式Twitter:https://twitter.com/saitama_shizen

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