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掲載日:2018年2月6日

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人材育成・文化・スポーツ振興特別委員会視察報告

期日

平成27年9月7日(月)~9日(水)

調査先 

 (1) 三菱重工長崎造船所史料館(長崎市)
 (2) 東福岡高等学校(福岡市)
 (3) 九州国立博物館(太宰府市)
 (4) 東平尾公園博多の森球技場(福岡市)

調査の概要

(1)三菱重工長崎造船所史料館

(歴史的資産の保存と活用の取組について) 

【調査目的】

三菱重工長崎造船所の施設は、安政4年(1857年)、江戸幕府が我が国初の本格的洋式工場として建設に着手したことに始まる。かつては戦艦「武蔵」を、最近では豪華客船「ダイヤモンドプリンセス」を建造するなど我が国を代表する数多くの船舶を建造するとともに、各種発電プラント等の製造も行っている。
史料館は同造船所内にあり、明治31年、三菱合資会社が「木型場」として建設した最も古い建物で、空襲や原子爆弾の爆風にも耐え、近代工業のれい明期の状況をしのばせる建物として世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成要素の一つとして登録された。
同史料館を視察することで、本県における歴史的遺産の保存と活用に関する施策の参考とする。

【調査内容】

三菱重工長崎造船所の始まりは、江戸時代であるが、三菱重工としては、明治17年に政府から同造船所を借り受けたことに始まる。同造船所は同社発祥の地として、後に航空機、自動車、発電プラントなどの生産と事業を拡大し、日本の近代工業の発展と共に歩んできた。
史料館は、船舶の部品を製造するための鋳造用木型を製作する「木型場」として建設され、現在は同造船所の設置から現在に至るまでの歩みを、貴重な工作機械等とともに展示する施設として活用されている。
これまでは、同社のPR施設として、平日のみ無料で公開していたが、世界遺産登録に伴う観光需要の増大に対応するため本年7月から有料とした。また、長崎市と協議し、説明者を増員して原則土日祝日も公開、長崎駅と同造船所を往復する無料シャトルバスの運行を開始した。一方で、それらの経費が同造船所の負担増とならないよう、見学者から施設維持管理費を徴収し、収益が出た場合は市に寄附し、赤字となった場合は市が補てんする仕組みとした。
また、当日は史料館のほかに世界遺産に登録された非公開施設である「占勝閣」、「第三船渠」及び「ジャイアント・カンチレバークレーン」も視察した。
占勝閣は、船主等を接待する迎賓館として明治39年に建設された洋館で、明治38年に設置されたドック、第三船渠を見下ろすロケーションが、明治日本の産業発展の様子を現在に伝えるものとして登録された。明治42年に設置されたジャイアント・カンチレバークレーンも含め、これらの施設は現在も稼働しており、文化財以外の稼働施設が登録されるのは国内で初めてであり、登録に当たっては、国の支援を受けるなど、今後、世界遺産の登録を目指す本県にとって非常に参考となるものであった。
概要説明の後、委員から活発な質問が行われた。その中で、「過日、世界遺産に登録された富岡製糸場では、建物の保存のための多額の費用負担が課題となっているが、貴社ではどうか」との質問に対し「当社の世界遺産に登録された施設については、稼働中の施設であるため、保存については通常の維持管理の範囲で対応しており、世界遺産に登録されたことによる特別な費用はかかっていない。ただし、古い施設であることから、今後大規模な修繕を行う場合、施設の保存の観点から関係機関と調整が必要となる可能性がある」とのことであった。
同社による歴史的資産の保存と活用の取組を視察できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

(2)東福岡高等学校

(スポーツ教育を通じた人材育成の取組について)

【調査目的】

東福岡高等学校は、昭和30年に設立された私立高校である。九州で有数の在籍生徒数を誇り、地元私立大学を中心に多くの生徒が進学する一方、スポーツ名門校として、部活動も盛んである。特にラグビー、サッカー、野球の強豪校として有名で、ラグビーでは平成26年度に全国高校大会(花園)や全国選抜大会(熊谷)、全国7人制大会で優勝するなど活躍している。
同校の取組を調査することにより、本県におけるスポーツ教育を通じた人材育成の施策の参考とする。

【調査内容】

2712人材育成・文化・スポーツ振興特別委員会視察報告(1)

東福岡高等学校にて

東福岡高等学校は、学校法人東福岡学園が運営する私立の全日制普通科の男子校で、昭和20年設立の福岡米語義塾を前身とし、昭和30年に設立された。在校生徒数は2,586名、現役大学進学率は95%と規模、大学進学率において、九州では有数の高校である。
また、進学校である一方、スポーツ名門校として部活動も盛んで、サッカーではイタリアセリエA、インテルミラノ所属の長友佑都選手や、ラグビーワールドカップ2015の日本代表に同校出身者が選出されるなど、プロ選手等も多数輩出している。
当日は、同校ラグビーフットボール部監督の藤田雄一郎氏から、同部の取組について次の説明を受けた。
ラグビーは、野球やサッカーと違い、監督が試合中、細かな指示を出せないことから、選手はキャプテンを中心に自ら考え行動しなければならない。そのため、日ごろから自ら課題を見つけ、それを達成することの繰り返し、つまり、小さな成功の積み重ねを生徒に体験させる必要がある。それができる生徒を育成するためには、やる気や能力を引き出す「コーチング」が必要であるとともに、知識やノウハウを与える「ティーチング」とのバランスが重要である。また、結果にこだわること、頑張ったから負けてもいいではなく、頑張ったからには勝つというメンタリティーを持つことが、次へのモチベーションにつながる。
生徒への指導では、ただ長所を伸ばすだけでなく、長所で欠点を打ち消すことができるよう、生徒の個性を見極めることが不可欠である。
また、ラグビーは組織スポーツであることから、規律が重要である。他校の監督から「個々の能力では負けるが、組織力で勝つ」と言われたことがあるが、当校は幸い個々の能力の高い生徒が集まっており、さらに組織力でもどこにも負けない集団「規律あるエリート集団」を目指している。その一環として、生活規律の徹底に努めている。例えば、掃除などを生徒自らが決めて実施しているなど、自主性を重んじている。
これらの取組は、人材育成全般にも通じる示唆に富むものであった。
概要説明の後、委員から活発な質問が行われた。その中で、「3年間レギュラーになれない生徒も多いと思うがどのような指導をしているか」との質問に対し「たとえレギュラーになれなくとも、3年間頑張ったいい思い出を持って卒業してもらいたいので、レギュラーをバックアップする役割を任せ、達成感を持って取り組んでもらい、レギュラーもそのことに敬意を持つことを徹底している」とのことであった。
同校におけるスポーツ教育を通じた人材育成の取組を視察できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

(3)九州国立博物館

(文化振興及び教育普及の取組について)

【調査目的】

九州国立博物館は、4館ある国立博物館の中では最も新しく、東京、京都、奈良の3館が美術系博物館であるのに対し、初の歴史系博物館として、平成17年に設置された。
また、「親しみやすい博物館」をコンセプトに教育普及にも力を入れており、体験展示室「あじっぱ」の設置や、学校への貸出資料「きゅうぱっく」の開発などに積極的に取り組んでいる。
開設10周年を迎えた同博物館のこれまでの取組を調査することにより、本県における文化振興及び教育普及に関する施策の参考とする。

【調査内容】

九州国立博物館は、九州初の国立博物館で、明治30年に開館の京都国立博物館以来、108年ぶりに新設された我が国4番目の国立博物館である。
岡倉天心が九州にも国立級の美術館・博物館が必要であると説いてから100年、太宰府天満宮をはじめ太宰府市民、関係機関の働き掛けにより同博物館の開館が実現した。なお、同博物館は太宰府天満宮から土地の提供を受け、同宮の隣に開設された。
このような経緯から同館は、市民ボランティアによる協働を積極的に推進しており、館内ガイドのほか、手話通訳、夏休みの子供を対象としたワークショップの企画・運営から展示室の環境チェック、花壇の植栽や美化活動など多岐にわたり、自主的な活動に支えられた、市民の博物館として親しまれている。
同館の展示の特徴は、展示物の説明を必要最小限とし、館内全体の照明を極力抑え、展示物にスポットライトを当て、展示物そのものに集中して見てもらい、またレプリカを活用するなど、見て触れて体験してもらうことを主眼に置いている。また、展示物の一部入れ替えを、他の博物館と比べ頻繁に実施するとともに、企画展を定期的に実施し、展示が陳腐化しないよう努めている。
その結果、開館当初は入場者数を年間50万人程度と見込んでいたが、毎年100万人前後で推移し、開館10年を待たずに入場者数1,000万人を達成した。特に平成21年度の特別展「国宝阿修羅展」では、期間中に70万人の入場者があった、日ごろの展示の充実に加え、魅力ある企画展の実施が重要である。
教育普及の取組としては、親しみやすい博物館を目指し、体験型展示室「あじっぱ」を設置している。「あじっぱ」とは「アジアの原っぱ」という意味で、アジアやヨーロッパの国々の民族衣装や楽器などを多数用意し、その国の文化を五感で体験することができるゾーンとなっている。子供が初めて博物館に出会う場所として、親子で楽しめる場を提供しており、展示室では靴を脱いで、寝転がることもでき、好きなだけ楽しむことができる。ボランティアによるワークショップも定期的に開催されており、楽しくてためになる博物館を目指している。
このほか、広く博物館の体験ができるよう、所蔵品をベースに開発した体験キット「きゅうぱっく」を学校等に貸し出しており、キットにある土器や古銭に直接触れたり、古代の火起こし道具を体験することができるようになっている。博物館の教育普及機能の重要性は高まっており、同博物館の取組は注目されているという。
同博物館による文化振興及び教育普及の取組を視察できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

(4)東平尾公園博多の森球技場

(国際スポーツ大会開催に向けた取組について)

【調査目的】

東平尾公園博多の森球技場は、福岡市が設置し、福岡市森と緑のまちづくり協会が指定管理者として管理運営を行っており、サッカーJ2のアビスパ福岡、ラグビートップリーグのコカ・コーラレッドスパークス、トップキュウシュウの九州電力キューデンヴォルテクスがホームスタジアムとして使用している。
ラグビーワールドカップ2019の全国の開催都市として、熊谷市を含む12都市が決定したが、福岡市もその1つであり、同球技場を会場として、現在準備を進めているところである。
同球技場の取組を調査することにより、本県の国際スポーツ大会開催に向けた施策の参考とする。

【調査内容】

2712人材育成・文化・スポーツ振興特別委員会視察報告(2)

東平尾公園博多の森球技場にて

東平尾公園博多の森球技場は、平成7年に福岡市と周辺市町を会場に開催されたユニバーシアード福岡大会のサッカー会場として建設された、サッカー・ラグビー専用スタジアムである。ピッチの四辺に平行に一層式のスタンドが設けられており、最大収容人員は22,563人、メインスタンド内部は4階建てとなっている。
ラグビー場としても使用するため、トライゾーンを設ける必要があり、サッカー専用のスタジアムに比べ若干グラウンドが縦に長く、サイドスタンドからグラウンドまで少し距離があるため、サッカーファンからの評価は厳しいという。
ラグビーワールドカップ2019の会場の一つとして決定したが、会場誘致の立候補に当たっては、自治体主導ではなく、地元商工会が後押しする形で進められた。
本年8月に「ラグビーワールドカップ2019福岡開催推進委員会」が組織され、福岡商工会議所連合会長が会長に就任し、福岡県、福岡市の首長、議長が副会長に就任した。同委員会にはマスコミ、大学、スポーツ団体も加わり、今後は同委員会を中心に、民間が主導し行政が後押しする形で、世界に「福岡」をPRするための取組を検討する。
課題としては、会場が建設から20年経過して、老朽化が進んでいるため改修が必要な上、VIPが使用するエリアの施設に関する国際組織からの細かい指示に対応するため、相当の改修を要することであるという。また、世界にPRするに当たり、会場やその周辺は国際組織の管理下にあり、自由に使用できないため、博多駅周辺等において、パブリックビューイング等の集客のための仕掛けを工夫する必要があるという。
概要説明の後、委員から活発な質疑が行われた。その中で、「本県の開催地である熊谷市と違い、空港に隣接し駅からも近く立地条件が良いが、観客の輸送について現時点ではどのように考えているか」との質問に対し、「空港や駅から距離は近いがアクセス道路が限られている上に狭いので、観客の輸送は課題となっている。先日開催した1万人規模のイベントにおいてバスによるピストン輸送を実施したところ、大きな混乱がなかったことから、自家用車の来場を禁止しバスによる輸送を視野に検討していきたい」との回答があった。
同市による国際スポーツ大会開催に向けた取組を視察できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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