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掲載日:2025年11月21日

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人材育成・文化・スポーツ振興特別委員会視察報告

調査日

令和7年7月23日(水曜日)~24日(木曜日)

調査先

⑴佐賀県立宇宙科学館≪ゆめぎんが≫(武雄市)
⑵福岡大学スポーツ・健康まちづくりコンソーシアム(福岡市)

調査の概要

(1)佐賀県立宇宙科学館≪ゆめぎんが≫

(科学技術の関心を高める取組について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 日々進展する技術革新に対応し、新たな価値を生み出す創造性を発揮する人材を育成するために、科学技術や理科・数学などに対する関心を高め、基本的な知識を身に付けるための取組を推進する必要がある。

■視察先の概要と特色

  • 館内で実験ショーやワークショップを実施することに加えて、佐賀県内の学校への出張プログラムを実施するなど、様々な科学教育活動を行っている。
  • 同県が令和3年から開始した宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携するプロジェクト「JAXAGA」の一環として、小学生から高校生までを対象に、「JAXAGA SCHOOL」を開校した。JAXAなど専門家による講演や、科学実験・工作、グループワークの機会を創出している。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 21世紀を担うこどもたちの「科学する心」を育てることを目的としている施設であり、令和6年7月に創立25周年を迎え、総来館者数約560万人を達成した。
  • 学芸員有資格者を12名有しており、そのほかにも教員資格を持った職員が従事するなど、充実した運営体制を構築している。
  • 3階の「宇宙発見ゾーン」を令和6年3月にリニューアルしており、JAXAの協力により、最新の宇宙科学を学ぶことができる体験型施設へと生まれ変わった。
  • 小・中学生を対象にした8か月にわたる体系的な宇宙教育プログラム「JAXAGA SCHOOL」を実施している。宇宙と佐賀について学習するプログラムを通じて、科学知識を学ぶだけでなく、学校教育とは異なる視点で、こどもたちの好奇心・探究心を育み、問題解決能力・創造力を養っている。

■質疑応答

Q:「JAXAGA SCHOOL」に参加するこどもたちの選考は行っているのか。また、参加に当たって、授業料などは取っているのか。

A:参加を希望するこどもたちに興味のあること、やりたいことを文章にしてもらい、意欲の高い参加者をセレクトしている。授業料などは取らず、佐賀県が全額負担している。

Q:JAXAとパートナーシップを結んだ背景は何か。

A:佐賀県では、文化・教育分野のみならず、あらゆる分野でJAXAと協定を結んでいるが、その中でも本事業は最も成果を出していると言える。当館の学芸員が企画・立案を行い、JAXAなど外部の専門家のノウハウを取り入れることを重視している。

Q:南極観測地と連携したイベントがあるようだが、どのような体制で連携しているのか。

A:国立極地研究所と当館が協定を結ぶことにより、綿密な情報共有や通信技術を使った交流が可能となっている。

佐賀県立宇宙科学館≪ゆめぎんが≫にて議員とスタッフの集合写真

佐賀県立宇宙科学館≪ゆめぎんが≫にて

(2)福岡大学スポーツ・健康まちづくりコンソーシアム

(大学スポーツ資源を活用した地域振興について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 県民誰もが、人生を豊かにするスポーツを身近に楽しむ機会を増やすため、スポーツの魅力発信、多彩なイベント開催やスポーツ環境の整備を進める必要がある。

■視察先の概要と特色

  • 福岡大学が有するスポーツ資源(施設・人材)を生かして、地元プロチームによるサッカー教室やパラスポーツ体験会といったスポーツイベントを開催するなど、スポーツによる地域振興・パラスポーツの活動支援につながる取組を展開している。
  • 総合体育館、陸上競技場、プール、サッカー場などの様々な大学内スポーツ施設は、スポーツ参画人口の拡大や健康増進事業、小・中学校における体育授業支援・部活動支援などの取組に活用されている。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 福岡市の地域課題の解決に向けて、令和4年度に同コンソーシアムを設立した。福岡大学が有するスポーツ資源を活用して、スポーツ参画人口拡大のための取組や学校部活動支援の取組などを推進している。
  • 国の第3期スポーツ基本計画で掲げる施策である「大学スポーツ自体の競技振興」、「大学スポーツによる地域振興」を支援するため、一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)が募集を行う「感動する大学スポーツ総合支援事業」に4年連続で採択されている。なお、4年連続で採択されている私立大学は全国でも福岡大学のみである。
  • 令和6年度に地域のスポーツ産業の活性化を政策提言として掲げる公益社団法人経済同友会と包括連携協定を締結するなど、同コンソーシアムの事業をいずれ全国的に横展開していくべく、他団体との連携体制を構築している。
  • 福岡大学の特色として、同じキャンパス内にあらゆるスポーツ施設・学生寮・大学病院などが全て集まっていることが挙げられる。また、キャンパスの中央には地下鉄の駅もあり、各大学施設へのアクセスの良さが事業の成功に大きく寄与している。
  • 福岡県の事業として、福岡大学などの県内大学や企業が連携して中学生の部活動の地域移行・地域展開の支援を行う「福岡県アスリート人材活用コンソーシアム」が設立された。スポーツ指導者育成のための研修を実施し、その研修を受講したアスリート人材がスポーツ活動の現場で中学生を指導しており、派遣型・集合型どちらにも対応している。

■質疑応答

Q:コンソーシアムに参画する企業や行政機関との調整などをどのようにおこなったのか。

A :各団体が有するスポーツ資源、知恵、資金を相互活用することで、それぞれが抱えている課題を解決するというメリットを軸に声掛けを行うことで、スムーズな調整ができたと考えている。

Q:自治体によってスポーツ資源の充実度に差異がある中で、同様の取組を行う場合のアドバイスはあるか。

A:各自治体が有する限られた資源をどのように活用するかという議論が必要になってくる以上、地域課題の解決策は自治体ごとに異なり、一つの正解はないと考えている。

Q:数多くあるスポーツ競技の中で、このような取組に適していると言える競技はあるか。

A:スポーツによって競技人口が異なるため、一概には言えないが、スポーツ施設の数に比べて競技人口が多い傾向にある種目は、集合型部活動の取組には向かない。

お問い合わせ

議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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