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掲載日:2018年2月6日

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経済・雇用対策特別委員会視察報告

期日

平成29年8月28日(月曜日)~30日(水曜日)

調査先 

(1) ふらのまちづくり(株)(富良野市)
(2) (株)カンディハウス(旭川市)
(3) 産業技術総合研究所北海道センター(札幌市)
(4) 夕張商工会議所(夕張市)

調査の概要

(1)ふらのまちづくり(株)

(中心市街地の活性化について)

【調査目的】

ふらのまちづくり(株)は、平成15年に富良野市の中心市街地の活性化を目指し、官民共同出資により設立された。同社は、平成22年に大勢の人が自由に集い、交流し、まちに新たな人の流れを作ることを目的に、商業施設「フラノマルシェ」を整備し、食をテーマに富良野の魅力を発信するとともに、まちなか観光等の情報が得られるインフォメーションセンター、イベント広場により日々にぎわいと憩いを演出している。フラノマルシェは開業以降、入込客数・売上げともに順調に推移し、平成29年3月末時点で累計来客数600万人を突破している。また、平成27年3月には中小企業庁の「がんばる商店街30選」に選定された。
同社の取組を視察し、本県の中心市街地の活性化に関する施策の参考にする。

【調査内容】

ふらのまちづくり(株)は、平成15年に富良野市の中心市街地活性化を総合的に推進する目的で設立された。平成20年には、内閣府の認定を受けた「富良野市中心市街地活性化基本計画(ルーバン・フラノ構想)」の事業推進役となるべく組織の強化を図り、資本金を1,035万円から8,350万円へと増資し、ルーバン・フラノ構想に掲げた2大テーマ「中心市街地の賑わいの復活と経済の活性化」、「超高齢化社会に対応するコンパクトなまちづくり」を実現すべく、行政と協働の形でまちづくりを推進している。
ルーバン・フラノ構想の中核施設となるのがフラノマルシェである。フラノマルシェは、中心市街地に観光客の取り込み拠点を作り、まちなか観光の情報機能を充実させ、商店街との連携を図りながらまちなか回遊を促進することで、中心市街地全体の活性化につなげることを目的として、平成22年にオープンした。フラノマルシェは、土産物店、農産物直売所、スイーツ店、カフェ、テイクアウトのフードコート、イベント広場などからなる地域最大の食空間で、観光客、商業者、地元住民が交流する「まちの縁側」を目指している。当初、中心市街地の客をマルシェに取られてしまうとの異論もあったことから、マルシェ内の飲食店は喫茶コーナー以外はテイクアウトとし、周辺ににぎわいを波及させた。フラノマルシェがオープンし、中心市街地ににぎわいが戻ることに伴い、新規開業は約40店にのぼるとのことである。
また、平成27年6月には、フラノマルシェに隣接する北側約1.8haの土地に、フラノマルシェ2を核とするネーブルタウンを開設した。フラノマルシェ2の上層階は住居とするとともに、タウン内には医院や薬局、高齢者向け住宅を誘致し、保育所も備えている。幅広い世代が集まり中心市街地が市民の生活の場になることが期待されている。
フラノマルシェの入込客数は、平成22年度の約55万5,000人から平成28年度には121万4,000人まで増加。売上高も、4億9,200万円から7億2,700万円へと増加し、フラノマルシェ開設により98人の雇用効果があったとのことである。さらに、1日当たりの歩行者通行量も平成26年度の2,645人から平成27年度は3,873人と飛躍的に増加し、市民アンケート調査でも、約46%の市民が中心市街地のにぎわいを感じていると回答しているとのことである。
今回、同社を視察できたことは、本県における中心市街地の活性化に関する施策を推進していく上で大変参考になるものであった。

(2)(株)カンディハウス

(地域経済に貢献する企業の取組について)

【調査目的】

旭川市は婚礼家具を中心とする家具の産地として古くから知られている。1980年代以降、ライフスタイルの変化等により需要が減退したが、(株)カンディハウスは、大型家具からインテリアへの転換を図り、デザイン性を重視するモノづくりを展開し、旭川家具を支える中心企業となった。同社では、デザインから生産まで全てを自社で行い、加工機による高効率生産と、微妙なデザインを生み出す職人技を融合させた少量高品質の生産体制を特長としている。また、アメリカやドイツの現地法人の設置や、ヨーロッパをはじめ、中国や韓国など海外の展示会にも積極的に出展するなど、ブランドの知名度向上を図り、現在は、世界12か国でブランドを展開している。
同社の取組を視察し、今後の本県における中小企業の支援に関する施策の参考にする。

【調査内容】

旭川市は、良質な広葉樹材など優れた木材資源を背景に、婚礼たんすに代表される家具産地として120年余りの歴史がある。しかし、1980年代後半以降、生活様式の変化や輸入家具の普及により、次第に販売数は低下していった。このような中、(株)カンディハウスは、デザイン性を重視した脚モノと呼ばれる椅子やテーブルを早くから展開していった。
同社がデザイン性を重視したものづくりを目指すようになったのは、創業者である故長原實氏が、昭和38年に旭川市の海外派遣制度でドイツに渡り、ドイツ家具を学び、国際的な家具流通市場にも接した経験からである。昭和43年には、先端の技術と国際的流通を目指す、同社の前身である(株)インテリアセンターを創業した。
同社には、家具づくりにおいて、(1)Long & Slow、(2)Global action、(3)Design conscious、(4)Real functionの4つの理念がある。(1)は、100年、200年生きた樹木一本一本を生かしきり、長く使える道具にする。(2)は、日本のものづくりを世界に向けて発信すると同時に、世界を感じ、世界から学び、そして自身を外からの視点で見る。(3)は、積極的に外部のデザイナーを起用し、製品開発にはどんなときも「世界に通用するものをつくる」という意識。(4)は、機能と美意識に基づいて価値を高め、伝統技術と先進機械の融合によって、デザインにおける最高品質を目指す。これらの理念に基づき、家具づくりを展開し、現在では、地域の産業である旭川家具を支える中心企業となっている。
旭川市の本社には開発、業務、販売部門と直結した自社工場があり、創業時から一貫して旭川市の本社で家具を生産している。現在、従業員は284人で、そのうち180人程度が旭川市で製造に関わり、地域の雇用を支えている。さらに、地域内の仕入先や専門性の高い分野においては地域内を中心とする外部工場と密接な協力関係を構築し、地域内取引を活性化させている。このような材料の調達から加工、組立て、出荷まで全工程を見渡せる体制により、高度に安定した多品種少量生産を実現している。
また、同社は、全国主要都市に13店舗を展開し、さらに、海外には、アメリカのサンフランシスコにCONDEHOUSE USA、ドイツのケルンにCONDEHOUSE EUROPEを現地法人として設立している。アジア・オセアニア地域には、韓国、中国、香港、台湾、シンガポール、オーストラリアに総代理店があり、高品質の家具を求める客層に直接訴求する経営戦略を実践している。ここで得られたマーケット情報を基に日本の伝統技法を生かしたシンプルでモダンな家具製作を積極的に展開している。
今回、地域経済に貢献している同社を視察できたことは、本県における中小企業の支援に関する施策を推進していく上で大変参考になるものであった。

(3)産業技術総合研究所北海道センター

(バイオ産業の振興について)

【調査目的】

産業技術総合研究所北海道センターは、同研究所の北海道拠点として、研究開発と産学官連携の二つの活動の充実・強化を進めている。生物プロセス研究部門では、化石燃料代替物質、化成品原料、医薬品原料、有用たんぱく質、生物資材などの高品位な物質生産技術を開発し、物質循環型社会の実現に貢献することを目的とし、バイオプロセスによる高効率な物質生産を目指した基礎的・基盤的研究から実用化研究に至る幅広い研究を行っている。同センターでは、こうした研究成果を産業界へ移転するとともに、地元北海道の重要産業である農林水産業や食品関連産業との連携を進め、「バイオものづくり」による新たな産業基盤の構築に貢献している。
同センターの取組を視察し、本県のバイオ産業の振興に関する施策の参考にする。

【調査内容】

産業技術総合研究所は、平成13年に通商産業省工業技術院傘下の15研究所と計量教習所が統合再編され、国立研究開発法人として設立された産業技術に係わる日本最大規模の公的研究機関である。同研究所は、全国9か所の地域拠点で研究活動と連携活動による地域イノベーションを推進しており、北海道センターでは、「バイオものづくり」を看板研究としている。同センターの研究開発は、「生物プロセス研究部門」と「創エネルギー研究部門メタンハイドレートプロジェクトユニット」の二つの研究ユニットが担い、それぞれ世界最先端の研究を行っている。
生物プロセス研究部門は、生物機能活用による物質生産技術の研究課題を担う中核研究ユニットとして、微生物や植物による物質生産機能を高度化するための基礎的・基盤的研究から実用化研究に至るまで一貫した研究を展開している。
微生物を中心とした研究では、(1)生物資源や有用遺伝子資源探索技術開発、(2)微生物の生理的変化をゲノム科学的解析手法により解析し、物質生産に結び付ける手法の開発、(3)物質生産に適したプラットフォームの開発を推進している。日本は古来より、酒、味噌、しょう油の醸造に代表される高い発酵技術を有しており、現代においても発酵産業の伝統的な育種等の手法を基盤とした微生物を利用した技術により有用物質・酵素・バイオ燃料の生産、環境浄化等が行われている。地球上に存在するといわれている微生物が約300万種であるのに対して、これまでに報告されている微生物は約1万種である。培養可能な微生物は、そのうち0.1%程度と言われており、産業に利用できる微生物がまだ多数存在している可能性があるとのことである。
また、植物を中心とした研究では、(1)植物機能を改変する技術あるいは育種技術などの開発による有用植物の作出、(2)植物工場など人工環境による高度な栽培技術の開発などを行っている。主な研究実績として、完全密閉型遺伝子組換え植物工場を用いたイヌインターフェロンα産生遺伝子組換えイチゴを原料とした、イヌの歯肉炎軽減剤の動物用医薬品製造販売承認を共同研究先企業にて取得した。遺伝子組換え植物体を原薬とする医薬品の実用化は世界初である。
今回、同センターを視察できたことは、本県におけるバイオ産業を振興していく上で大変参考になるものであった。

産業技術総合研究所北海道センターにて

(4)夕張商工会議所

(地方都市の経済政策について)

【調査目的】

全国唯一の財政再生団体である夕張市は、財政再建をスタートさせてから10年が経過した。しかし、人口流出に歯止めが掛からず、破綻直前の平成17年の約1万3,000人から現在では9,000人を割り込み、人口に占める65歳以上の比率も約48%と人口減少、高齢化が進行している。夕張商工会議所では、疲弊している市内経済の振興と雇用創出を目指し、国、北海道、関係機関などの支援を受け、企業誘致活動、観光産業の促進などを柱とした事業活動を行っている。
高齢化と過疎化が同時に進行している夕張市の経済・雇用に係る課題は、全国の地方自治体に共通する課題でもある。同会議所の取組を視察し、本県における地域経済活性化の施策の参考とする。

【調査内容】 

夕張市は、我が国の主要な産炭地として発展してきたが、石油等へのエネルギー転換や低価格の外国資源の輸入により昭和30年代後半以降平成2年までの間、炭鉱閉山が相次ぎ、人口はピーク時の10万8,000人から、平成17年には1万3,000人までに激減するなど、地域の経済社会構造は急激に変化してきた。このような歴史的経過の中で、同市は、石炭産業に替わる観光産業の振興、住宅や教育、福祉対策などに多額の財政支出を行ってきた。しかしながら、人口の減少に伴う市税等の歳入の減少に対応したサービス水準の見直しや人口の激減に対応すべき組織のスリム化も遅れ、総人件費の抑制も不十分であった。加えて、地域振興のための観光施設整備による公債費等の負担や第三セクターの運営に対する赤字補てんの増大などにより財政負担は増加し、歳出規模は拡大した。このように、財政状況がひっ迫する中で、一時借入金を用いた会計間での年度をまたがる貸付、償還という不適正な会計処理を行い、赤字決算を先送りしてきたことにより、実質的な赤字は膨大な額となった。平成18年度には観光事業会計や病院事業会計などを廃止し、累積債務の清算などを行った結果、実質収支赤字は約353億円となった。このうち、平成29年3月末時点で約116億円を返済している。
夕張商工会議所は、昭和28年4月28日に法人を設立し、市内唯一の公的な機関である地域総合経済団体として商工業の振興を目的に活動している。同会議所の会員数は、平成29年3月31日現在、151事業所が登録され、財政破綻した平成19年度との比較では100件(39.8%)減少。会員の大半を零細企業が占め、組織基盤の根幹をなす会員の割合は、昭和28年のピーク時には845事業所あり、最多時との比較割合から見ると82.1%減の状況である。財政破綻後、地域経済の疲弊により商工会議所の役割と使命への期待が求められているが、組織の根幹をなす会員の確保と財政基盤の安定化が大きな課題となっている。

夕張商工会議所(夕張市役所前)にて

近年、同市では、スキーを楽しむ東アジアからの富裕層による観光客が増加傾向にあり、炭鉱遺産を活用した「石炭の歴史村」など、負の側面を観光文化資源とした取組も展開し、平成27年度の同市の観光入込客数は55万1,000人と持ち直しつつある。また、札幌市、新千歳空港、苫小牧港から近距離に位置する地理的条件を生かした企業誘致も推進している。かつての石炭産業依存の産業構造を転換するため、精密機械、金属製品、食料品製造業などの企業を誘致し、雇用の創出、住民の生活基盤の安定、人口増、税収増を図り、経済活性化を目指している。近年進出した主な企業では、日本パープル(機密文書管理)、三信商会(健康商品等製造)、花畑牧場(食品製造・販売)、夕張ツムラ(漢方薬製造)、マルハニチロ(冷凍食品製造)、シチズン夕張(時計部品製造)などがある。進出企業の従業員の多くが市外から通勤していることが課題であり、公営住宅の入居要件の見直し、民間賃貸住宅の整備等を行い人口増を図っている。
今回、同市及び同会議所において、財政破綻後の状況を視察できたことは、本県における地域経済活性化の施策を推進していく上で大変参考になるものであった。

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議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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