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掲載日:2018年11月26日

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少子・高齢福祉社会対策特別委員会視察報告

期日

平成30年8月29日(水曜日)~31日(金曜日)

調査先 

(1) 富山市まちなか総合ケアセンター(富山市)
(2) 富山県立大学(射水市)
(3) 石川県立中央病院(金沢市)
(4) (株)クリエイターズ及びハーブ農園ぺザン(金沢市)

調査の概要

(1) 富山市まちなか総合ケアセンター

(子育て支援及び地域医療に関する取組について)

【調査目的】

 富山市は、平成29年4月、子育て支援や在宅医療、地域コミュニティの醸成などを推進するため、地域包括ケアの拠点となる富山市まちなか総合ケアセンターを開設した。
 同センターでは、子育て支援として、助産師が常駐し、育児に悩む母親のケアを行う産後ケア応援事業や、看護師や保育士が保護者に代わって保育看護を行う来所又はお迎え型の病児保育事業を行っている。
 また、同センターでは、地域医療として、訪問診療に特化したまちなか診療所を設け、病気や障害、又は近隣に病院がないなど通院による療養が困難な方を定期的に訪問し、継続的に支援している。
 同センターの子育て支援及び地域医療に関する取組を調査し、本県における取組の参考とする。

【調査内容】

 富山市まちなか総合ケアセンターは、高齢化の進展が著しい中心市街地において、都市型の地域包括ケアの拠点として、乳幼児から高齢者、障害者など、地域住民が安心して健やかに生活できる健康まちづくりを推進することを目的に、子育て支援や在宅医療の推進、地域コミュニティの醸成に取り組んでいる。
 まず、子育て支援の取組として、産後ケア応援事業がある。全国的にも産後ケアに関する取組が広まってきており、多くは地域の医療機関やホテル等に委託して取り組んでいるが、委託では利用料金が高くなる。そこで、同センターでは、助産師の常設や乳児保育室や宿泊用の客室などの整備等により直営で行えるようにし、利用料金を安く抑えている。
 このほかの子育て支援の取組としては、病児保育事業がある。通常、自治体等で行う病児保育事業は保護者が子供を連れてかかりつけ医などを受診し、病児保育室で専門士が保育看護を行うものであるが、同センターではそれに加え、専門士が直接子供を預かりかかりつけ医などの受診や保育看護を行うお迎え型の事業にも取り組んでいる。この事業は、職業柄どうしても子供を迎えにいけない保護者のためのセーフティネットとして整備したものであるが、子供にとって全く知らない人が迎えに来ることから不安視している保護者もいることが課題とのことである。
 次に、在宅医療の取組として、まちなか診療所に関する事業がある。通常、診療所は医療資源がない地域に建てるものであるが、都市中心部にある同センター内に設置し、終末期の患者への訪問診療など在宅医療に関して民間の医療機関等では対応できない部分や、主治医不在時の往診代行などに取り組んでいる。
 次に、地域コミュニティの取組として、健康まちづくりマイスターの養成事業がある。地域住民や企業、医療・保健・福祉等の専門職を対象に、健康まちづくりに向け地域で取り組む人材を育成している。
 概要説明を受けた後、病児保育室の定員や利用率などについて委員から活発な質問が行われた。
 同センターによる子育て支援及び地域医療を視察できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

少子_富山市まちなか総合ケアセンターにて 

富山市まちなか総合ケアセンターにて

(2) 富山県立大学

(超高齢社会に向けた取組について)

【調査目的】

 富山県の医薬品生産額は、政府による後発医薬品の使用促進などを背景に、平成17年から10年間で約2.8倍に上昇し、平成27年の生産額においては全国1位となっている。
 このような医薬品関連産業の伸張に伴う国や県内製薬企業からのニーズに対応するため、富山県立大学では、平成29年4月、医薬品工学科を新設した。
 同大学では、将来の超高齢社会の到来に備え、工学の観点から、医薬品及び製剤技術の開発、バイオ医薬品の生産、再生医療工学などに特化した研究・教育を行っている。特に、製剤技術の開発においては、飲まずに貼るだけで治療するような薬の開発など、錠剤の嚥下が困難な高齢者にも優しい技術の研究も行っている。
 同大学の超高齢社会に向けた取組を調査し、本県における取組の参考とする。

【調査内容】

 富山県立大学では、生物機能を生産、再生などに役立てるバイオテクノロジーの観点から医療や創薬、環境など幅広い産業分野の研究開発を平成18年より行ってきたが、将来の超高齢社会の到来に備えるとともに、また県内製薬企業等からも要望があったことを受け、平成29年4月に医薬品工学科を設置した。
医薬品工学科は、4年制の薬学部に準じた内容のカリキュラムとなっているが、薬剤師を養成する学科ではなく、薬づくりを究める学科として製薬に特化した研究・教育を行っている。そのため、調剤や服薬指導、病院実習など、薬剤師国家試験の受験に必要な資格を得ることはできないが、創薬研究から各種薬物試験、製造、承認手続、そして販売まで製薬に関する各プロセスを教育・研究することができる。特に、創薬研究や製造研究においては、同大学とつながりのある県内製薬企業が加盟する富山県薬業連合会と意見交換をしながら、新薬を開発したり、既存の薬をより飲みやすい薬に改良するなど、薬に関する様々なニーズに沿った教育・研究を行っている。
 また、同大学は、富山県薬業連合会や、医薬品医療機器総合機構などの政府関係機関と共同で平成29年に設立した「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアムと連携し、小児用の薬の研究開発を行っている。通常、製薬会社は、「売れるものであるか」や「患者のニーズに合うか」ということを考え成人用の薬を製造しており、小児用の薬は、成人用の薬を単に分割あるいは包装を組み替えて製造している。また、小児の患者は成人の患者に比べ数が少ないため、薬の製造単価が高くなるおそれがあるとのことである。そのため、当該コンソーシアムと共同で、小児の患者に合う大きさ・成分の錠剤や包装容器の研究、そして、より安価な薬になるよう製造技術の研究を行っている。
 概要説明を受けた後、薬業連合会との関係やキャリア教育についてなど、委員から活発な質問が行われた。
 同大学による超高齢社会に向けた取組を視察できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

(3) 石川県立中央病院

(小児医療に関する取組について)

【調査目的】

 石川県立中央病院は、石川県の基幹病院として昭和23年に開院し、施設の老朽化に伴い、新病院として整備され、平成30年1月に開院した。
 新病院の主な特徴として、総合母子医療センターの手術室と小児病棟を同一フロアに配置、ハイブリッド手術室や手術支援ロボットの導入、そして、女性専用外来エリアの設置などがある。
 総合母子医療センターについては、手術室と小児病棟を同一フロアに配置することで、状態が不安定で急変しやすい入院中の妊婦や小児にも迅速に対応することが可能となった。また、集中治療室には集中胎児監視システムや新生児呼吸循環維持装置などの最新の医療機器を備え、ドクターヘリなど遠隔地からの緊急搬送時に空床等の情報提供を行えるよう周産期緊急情報システムも整備した。
 同病院の小児医療に関する取組を調査し、本県における取組の参考とする。

【調査内容】

 石川県立中央病院は、施設の老朽化に伴い、高度な医療提供体制や快適な療養環境を整えるとともに災害に強い病院として新たに整備された。
 医療面では、総合母子医療センターを手術室や小児病棟と同一フロアに配置し、産科医師と小児科医師の連携を強化することで、出産前から胎児の状況を適切に把握し急変時に迅速な対応が可能にするとともに、緊急手術後の新生児に対する迅速な対応を可能にする体制を整えた。また、血管造影装置を活用した手術を行うハイブリッド手術室や手術支援ロボットなど、最新の高度医療機器を導入し、医療機能の更なる充実を図った。
 療養環境については、女性特有の病気の患者のプライバシーを配慮し、女性専用外来エリアを整備した。エリア内にはマンモグラフィ検査室、超音波検査室、乳腺外科、そして婦人科が集約されていることに加え、更衣室も配置しているため、検査から診察まで複数回着替える必要もなく、男性の目を気にせず受診できるようになった。紹介状等による予約が優先であるが、利用を希望する女性が非常に多く、半年以上予約待ちの状況が続いているとのことである。また、病棟においては、スタッフステーションを取り囲むよう病室を配置したほか、病室は個室的4床室を基本に全てのベッドサイドに十分な採光が取れるよう設計し、良好な療養環境を整えた。
 災害対応については、大規模災害に備え、トリアージや治療のためのスペースを確保するとともに医療ガス配管・コンセントを整備したほか、病室内の配置換えやリハビリテーション室の利用等により最大165床まで増床し入院スペースを確保することが可能となっており、基幹災害拠点病院としての役割を果たすための様々な整備を行っている。
 概要説明を受けた後、女性専用外来エリアでの受診方法や人間ドックの受入状況、女性医師の割合などについて委員から活発な質問が行われた。
 同病院による小児医療に関する取組を視察できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

(4) (株)クリエイターズ及びハーブ農園ぺザン

(農福連携に係る取組について)

【調査目的】

 (株)クリエイターズは、平成26年1月に設立し、障害者の就労支援事業を行っている。
 同社では主に、石川県産材を使用したはがきやしおりなどのデザインの作成や清掃業務、同社のグループ会社が経営するカフェでの飲食業、そして、農家と連携した農福連携事業などにおいて、障害者の就労を支援している。
 同社の農福連携事業については、農家から依頼を受けて米作りや野菜作り等を行うほか、平成28年4月からはハーブ農園「ぺザン」との連携による就労支援を行っている。同農園では、主にラベンダーやローズマリーなどの約20種類のハーブを栽培し、加工品の製作から販売まで障害者が通年で行っている。
 同社における農福連携に係る取組を調査し、本県における取組の参考とする。

【調査内容】 

 (株)クリエイターズは、就労支援事業に集中して取り組むことを目的に、本社である金沢QOL支援センター(株)が設立した子会社である。金沢QOL支援センターの主体となる事業は訪問看護であり、そのほかの通所介護と就労支援と合わせて3つの事業を看護師、作業療法士、介護福祉士、理学療法士など多職種が連携して取り組んでいる。
 (株)クリエイターズでは、デザイン事業、飲食事業、清掃事業、そして農福連携事業の4つの就労支援事業に取り組んでいる。同社が特に力を入れているのはデザイン事業と農福連携事業の2つである。
 まず、デザイン事業については、石川県産木材を使用し、はがきやしおり、また結婚式の招待状などを障害者が製作している。製作に当たっては、イラストから印刷、加工まで全て障害者が手掛けており、完成した商品は同社のみならず、ホテルや神社、デパートなどで販売されている。
 次に、農福連携事業については、ハーブ農園ぺザンと連携して取り組んでおり、ハーブの栽培から加工品の製作・販売まで障害者が手掛けている。ハーブ農園ぺザンは、当初、農園業者2人のみで作業を行っていたが、ハーブの栽培は全て手作業で行わなければならないことから、管理が行き届かず遊休農地化してしまった農地もあったとのことである。そのため、同社からの障害者の受入れを行い、障害者に農地の管理を任せたことで人手不足を解消することができ、また同社としても障害者の就労場所を増やすことができたため、両者にとってウィンウィンの関係を築くことができた。ただし、障害者に支払う工賃がまだ少なく、自立が可能な額に達していないことが課題であるという。そのため、現在、大手旅行会社と提携して、観光ツアーの受入れを行うなど、収益を上げるための様々な取組を行い、工賃向上を目指しているとのことである。
 概要説明を受けた後、農福連携について受け入れる農家側の利点や農作業を行う障害者に対する指導や教育などについて委員から活発な質問が行われた。
 同社による農福連携に係る取組を視察できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

少子_(株)クリエイターズにて

(株)クリエイターズにて

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