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掲載日:2018年2月6日

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少子・高齢福祉社会対策特別委員会視察報告

期日

平成29年7月31日(月曜日)~8月2日(水曜日)

調査先 

(1)小樽市立病院(小樽市)
(2)札幌都心部子ども関連複合施設(札幌市)
(3)北海道はまなす食品(株)(北広島市)
(4)北広島団地地域サポートセンターともに(北広島市)

調査の概要

(1)小樽市立病院

(地域医療の取組について)

【調査目的】

小樽市立病院は、小樽市が市立病院及び地域医療の在り方を10年以上にわたり検討・協議の上、老朽化した二つの市立病院を統合・新築し、平成26年12月に開院した。同病院は、一般病床308床及び精神病床80床を有し、がん、脳卒中など5部門の医療に力を入れ、最新鋭の機器をそろえている。また、消化器病センターなど4つの専門センターを整備し、効率の良い診療の実施を図るとともに、ヘリポートを常設し、救急医療にも力を注いでいる。
同病院は、小樽・後志地域の医療機関と支援・協力の連携に努め、地域医療の基幹病院の役割を担うとともに、地域完結型医療の実現を図っている。
同病院の取組を視察することで、本県における地域医療の充実に係る施策の参考とする。

【調査内容】

小樽市立病院の統合・新築の理由は、両病院の施設・設備の著しい老朽化、両病院への診療科の分散及び二重の管理経費が生じる医療・経営両面の非効率、全国的な医療人材不足及び施設老朽化等の影響による医師・看護師確保の困難、それに伴う病床数削減及び診療縮小などの問題を解決し、質の高い、信頼・安心できる地域医療を小樽市民だけでなく後志地域の住民にも提供することである。その実現のために、統合・新築により開院した同病院は、高度な設備、高機能な医療機器及び情報システムを設置し、多くの診療科をそろえ総合的診療体制の取れる地域完結型病院を目指しているとのことであった。
現在、同病院は26の診療科を有し、約70人の医師が勤務している。同病院の建物は、免震構造を有しており、大地震時の建物被害や病院機能への影響が少ない構造となっている。1階には、広い通路沿いに各外来受付及び診療室を集中配置しており、効率的であるとともに、院内各階は明るい雰囲気の配色や調度で統一されていた。
また、高度な医療を提供するため、がんの全身検査装置「PET-CT」、がんを切らずに治療する「リニアック」、精度の高い血管内治療を行う「ハイブリッド手術室」など高機能かつ最新鋭の医療機器が充実している。
加えて、最上階にはヘリポートを常設し、脳卒中や心血管疾患など、一刻を争う緊急性の高い患者の受入れに努め、救急医療にも力を注ぐ体制となっている。
さらに、同病院は、地域の基幹病院としての役割を果たすため、小樽・後志地域の医療機関と機能分担を行う地域医療連携にも力を注いでいる。患者には、かかりつけ医を持つことを推奨しており、紹介患者の受入れや治療が一段落した患者の他の医療機関への紹介(逆紹介)を積極的に行うほか、同病院の高度医療機器を活用した研修会等を開催している。現在、診療所等の連携医療機関は150施設とのことであった。
同病院は、旧病院時代に始めた全国初のオープン病棟の取組を継続しており、現在、14床ある。これは、民間診療所等で入院設備がない場合に、同病院の病床を利用できる仕組みであり、かかりつけ医がそのまま主治医になれる利点があるとのことであった。
概要説明の後、委員から活発な質問が行われた。その中で、「オープン病棟については、看護師は小樽市立病院の者が担当するとのことだが、ベッド・設備はどこまで利用できるのか」との質問に対し「入院患者は、あくまでも小樽市立病院の患者ということになるので、全て利用できる。診療報酬は当病院に入り、そこから主治医には相当分の報酬を支払っている」とのことであった。
同病院による地域医療の取組について視察できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

(2)札幌都心部子ども関連複合施設

(子育て支援複合施設の取組について)

【調査目的】

札幌都心部子ども関連複合施設は、市立資生館小学校、同小学校ミニ児童会館、市しせいかん保育園及び市子育て支援総合センターを一体化した複合施設として、平成16年2月に開設された。
この施設は、児童が減少した都心部の小学校の統合・適正規模化を図るとともに、乳幼児から児童期までの一貫した子育て支援の実現と、子育てに係る地域コミュニティの充実を目的としている。利用状況は、小学校児童数約570人、ミニ児童会館利用児童数年間延べ約2万5,000人、保育園定数120人、子育て支援総合センター年間利用者数延べ約4万人となっている。
同施設の取組を視察することで、本県における子育て支援及び少子化対策に関する施策の参考とする。

【調査内容】

札幌市では、平成15年度に、都心部の四つの小学校の統合が決定された。札幌都心部子ども関連複合施設は、その際、子育て家庭への支援、夜間保育ニーズへの対応に加え、繁華街に位置することから放課後の学童安全確保についても取り組むことを決定した結果、それらの施設を併設して誕生した複合施設である。
複合施設のコンセプトは、四つである。一つ目は「相互交流」であり、自然な交流が生まれるよう広い交流ラウンジと天然芝のグラウンドを配置した。また、しせいかんっ子広場、チャレンジランキングなど各施設が実施する行事やイベントには、積極的に相互参加しているとのことであった。当日は夏休み期間中だったが、ミニ児童館、保育園、子育て支援総合センターとも利用児童・保護者が多く訪れていた。各施設は1階に配置されており、相互に行き来して交流することは容易であると見受けられた。
二つ目は「開放」である。地域に開かれた施設とするため、窓は施設内が見える大きなものとし、地域開放頻度の高い家庭科室等を2階に配置するなどしている。体育館開放事業により、地域コミュニティーの充実を図っているとのことであった。
三つ目は「環境」である。日照問題等を考慮して建設され、グラウンドの芝生化により、緑化・防塵への対応やヒートアイランド現象の緩和を図っていた。
四つ目は「安全」である。常時警備、監視カメラ設置、IDカードなどにより対応している。4施設合同防災・防犯訓練も実施しているとのことであった。
運営の枠組については、小学校は教育委員会、ほか三つの施設は子ども未来局が所管している。二つの部局にまたがることから、運営協議会を年3回開催している。また、毎月、4施設の定例連絡会議を開催しており、行事日程の調整、情報交換等を行っている。維持管理経費の各施設負担割合は、基本的に面積按分で行っており、共用部分及び共用設備の管理は教育委員会が行っている。予算は、子ども未来局から教育委員会に執行委任しているとのことであった。

札幌都心部子ども関連複合施設にて

概要説明の後、委員から活発な質問が行われた。その中で、「出生数減少により、今後も小学校統廃合の必要が生じるが、その際はこの複合施設のような取組をしていくのか」との質問に対し「地域によって公共施設の在り方への希望が異なるので、それに応じて、小学校施設や公共施設・設備の統廃合・有効活用は進められていくことになる」とのことであった。
同施設における子育て支援複合施設の取組を視察できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

(3)北海道はまなす食品(株)

(障害者の雇用及び自立支援の取組について)

【調査目的】

北海道はまなす食品(株)は、障害者の雇用と職業訓練を行う新しい組織を作るという北海道庁の方針の下、コープさっぽろをはじめ、北広島市等の近隣自治体、金融機関等が協力して平成5年に第三セクター方式で設立された。
同社は、納豆生産及び食品包装事業の工場を経営し、平成29年5月現在の従業員数は75人であるが、うち29人は障害者であり、障害者雇用率は39%に及んでいる。
同社は、平成17年には障害者雇用促進法に基づくコープさっぽろの特例子会社になっている。また、知的障害者の職業自立を支援する能力開発センターを併設した道内唯一の企業であり、北海道認証の障がい者就労支援企業にもなっている。
同社の取組を視察することで、本県における障害者雇用及び自立支援の促進に関する施策の参考とする。

【調査内容】

北海道内において企業の障害者雇用は進んでいるが、北海道はまなす食品(株)は道の出資を受けていることから、設立当初の目的どおり、モデル企業で在り続けなければならない。そのため、障害者訓練・雇用北海道一を目指して取り組んでいる。平成7年からは、道の障害者を対象とした職業訓練を受託しており、これまで180人が修了している。同訓練修了者の就職先内訳は、コープさっぽろ23人、同社14人、道内主要企業143人である。
同社は、雇用においては、障害者の職域・能力開発の積極実施、待遇・福利厚生の充実・改善、職場環境整備、指導体制の強化などを基本的考え方にしている。具体的な取組については、障害者の呼称が愛称で「子供たち」であったのを、仕事を一緒に行う仲間としての「パートナー」に変更し、まず全社的な意識改革を行った。続いて、全員参加の実務研修を実施した結果、障害者がどこまで仕事ができるかを周りの社員やパートが理解し、積極的に手助けしてくれるようになった。職場環境整備としては、気付きメモ制度を導入し、障害者からカイゼン提案や周囲への感謝の表明をしてもらい、表彰を行っている。また、従来、障害者の勤務時間は1日4時間であったが、正社員化を見据えて、現在は7時間まで延長している。さらに、同社独自に最低賃金の引上げも行っているほか、時間外のコミュニケーションの充実も積極的に行っている。こうした待遇改善は、経営を圧迫するが、障害者が成果を出す以前にあえて実施している。こうすることで、努力すれば報われると障害者も理解し、信頼関係が強くなる結果、同社として、障害者本人にきちんと働くよう指導したり、待遇に見合った働きをさせるよう親や保護者に率直に求められるとのことであった。
同社の主力製品である納豆生産については、道内は人口減により、これ以上売上げを増やすのが難しいため、道外、海外への販路拡大を目指し、品数を充実させ、障害者の安定的な雇用につなげているとのことであった。
工場においては、多くの障害者が生き生きと熱心に働いていた。現在、障害者の就業人数は、納豆生産事業では蒸煮作業に3人、盛込み産業に9人、包装作業に7人、食品包装事業においては10人となっている。障害者は、単純な反復作業にも飽きることがないため、包装作業等を長時間正確に作業できる。納豆生産作業では、商品に応じて豆の種類や蒸煮時間を変えなくてはならないが、きちんと表示しておけば、ミスなく行うことができる。障害者の特性を理解した上で、必要な手助けを行えば、健常者同様に働くことができるという考え及びより高度な仕事にチャレンジさせ、可能性を広げていくことが、同社の基本的理念であるとのことであった。
同社の障害者雇用及び自立支援の取組を視察できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

(4)北広島団地地域サポートセンターともに

(高齢者支援複合施設の取組について)

【調査目的】

北広島団地地域サポートセンターともには、平成24年3月に廃校になった旧北広島市立緑陽小学校校舎を、(福)北海長正会が無償貸与により利活用し、平成26年4月にオープンした。同施設は、サービス付き高齢者向け住宅、グループホーム、訪問介護・看護事業所などのほか、地域交流スペースとして、活動室、体育館、グラウンドなどを備えた複合施設である。
小学校のような大きな施設を、リノベーションにより、様々な生活課題を抱える地域住民のニーズに対応した、地域交流、地域防災、地域包括ケア等の拠点として活用する同施設の取組は、全国的にも注目を集める新しい試みである。運営については、法人、市及び地域住民が三位一体で取り組んでいる。
同施設の取組を視察することで、本県における地域の特性に応じた地域包括ケアシステムの構築に係る施策の参考とする。

【調査内容】 

昭和50年代に北広島団地が造成され、その住環境の良さから人口が爆発的に増加し、当時は全国有数の人口伸び率を記録した北広島市であるが、近年は特に同団地地区を中心に少子高齢化の波が押し寄せている。
同団地地域は、少子高齢化に伴うつながりの希薄化、一人暮らし高齢者の増加、要介護高齢者の増加などの生活課題を抱え、その解決に向けた取組は喫緊の課題であった。地域の社会福祉法人として約40年活動してきた北海長正会は、地域のシンボルであった廃校になった旧小学校校舎を、多世代が活用可能な地域拠点とする再生計画を立て、市の公募提案審査において選定され、北広島団地地域サポートセンターともにを開設した。同法人は、地域づくりに地域のマンパワー活用は必要不可欠との考えにより、多世代による地域交流を重視して、この複合施設を運営している。
同施設には、多くの児童がエントランスで読書等をしたり、体育館でスポーツをするなど、一般の方も多く訪れていた。もともと小学校であったため、地域の人々にとっても気兼ねなく入りやすいとのことであった。こうした場で、様々な世代の人が、障害者や認知症高齢者等と自然に触れ合う機会はとても大切である。例えば、乳幼児を連れてくる人がいると、自然に人々が世代や障害の有無を超えて集まり、友達になっていく。そうしたつながりが生まれる場所として、この施設を活用していきたいとのことであった。
また、「国が社会福祉法人の地域貢献による地域づくりに目を向けてきているが、我々は、これまでも取り組んできている。今後40年から50年という長い目で見て、地域の人々とよく話し合いながら、この団地周辺の地域づくりを行っていきたい」とのことであり、地域の声を反映し、地域と「ともに」地域の課題に取り組んでいきたいとの強い意志が感じられた。

北広島団地地域サポートセンターともににて

概要説明の後、委員から活発な質問が行われた。その中で、「平成26年の開設以降、順調に団体や個人の利用者数が増加し、平成28年には約2万5,000人となっているが、どのような取組をしたのか」との質問に対し「まず、市民スタッフには、自主的に楽しく無理せず参加してもらうようにすると、人数も運営内容も充実していく。施設周辺にスーパーマーケット等がないので野菜販売をするなど地域のニーズに取り組んでいると、施設外の人も訪れて、口コミで広がっていく。団体による施設利用増も同様である。地域の人々に主体的に動いてもらうことが大事である」とのことであった。
同施設による地域づくりと高齢者支援の取組について視察できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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