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掲載日:2018年2月6日

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公社事業対策特別委員会視察報告

期日

平成29年7月25日(火曜日)~27日(木曜日)

調査先

(1)(公財)山形県生涯学習文化財団(山形市)
(2)(公財)山形県林業公社及び(公財)山形県みどり推進機構(山形市)
(3)(公財)仙台観光国際協会(仙台市)
(4)仙台空港鉄道(株)(名取市)

調査の概要

(1)(公財)山形県生涯学習文化財団

(出資法人による多角的な県民サービス向上の取組について)

【調査目的】

(公財)山形県生涯学習文化財団は、県民の自発的な生涯学習や文化活動、男女共同参画社会の形成促進を総合的に支援する活動を行っている。
また、指定管理者として、生涯学習センター、郷土館、男女共同参画センターなどを管理・運営しており、各施設が連携した情報発信やイベント開催により、相互利用の促進を図っている。
特に、国指定重要文化財である郷土館「文翔館」については、良好な状態を保つよう適切に保存・管理するとともに、文化振興拠点として広く県民に公開している。あわせて、郷土館をステージとする多様な芸術文化事業を実施し、県民文化の振興に努めている。
本県の出資法人における多角的な県民サービス向上の取組の参考とするため、同法人の取組を視察する。

【調査内容】

(公財)山形県生涯学習文化財団は、平成2年に(財)山形県生涯学習人材育成機構として設立し、平成12年4月、(財)山形県生涯学習文化財団に改称した。その後、平成24年4月に公益財団法人に移行し、現在に至っている。同法人の特定資産(生涯学習文化事業資産)は約33億円で、このうち、約98%を山形県が出えんしている。
同法人は、様々な活動を通して生涯設計、社会生活の創造、地域文化の振興を図るとともに、地域社会の活性化を担う人材の育成に資することを目的としており、生涯学習、文化振興、男女共同参画の3分野で多様な事業を展開している。
生涯学習の分野では、生涯学習に関する様々な情報を、インターネット上の情報提供システム「やまがたマナビィnet」や広報紙などを通じて総合的に提供している。同システムには、生涯学習や文化、ボランティア活動などを行っている団体情報が約700件、講師や指導者の情報が300件以上登録されているとのことである。また、関係職員向けセミナーの開催やシルバー観光ガイドへの助成などを行い、生涯学習活動の支援者の育成に努めている。地域を多様な切り口から学習・研究する「山形学」講座なども開催し、県民が主体的に学習する機会を提供している。生涯学習を支援する施設としては、平成2年から県生涯学習センター、平成25年から県緑町庭園学習文化施設「洗心庵」の管理を受託している。
文化振興の分野では、平成7年から管理を受託している県郷土館「文翔館」を活用した芸術文化事業を行っている。文翔館は、大正5年に旧県庁舎及び旧県会議事堂として建てられた英国近世復興様式のれんが造りの建物であり、大正初期の洋風建築を代表する貴重な遺構として、昭和59年、国の重要文化財に指定されている。昭和61年から10年の歳月をかけて保存修復工事が行われ、現在は、一般に無料公開されている。創建当時の工法を基に忠実に復原された建物や豪華な内装は、大正の古き良き時代の薫りを今に伝え、館内には、復原の記録と共に山形の歴史・文化を紹介する展示室も設けられている。文翔館では、議場ホールや中庭、ギャラリー、会議室の貸出しを行っており、コンサートや演劇公演、展覧会、地域イベントなど、様々な文化活動の場として利用されている。
男女共同参画の分野では、男女の人権を尊重する意識づくりのため、関係団体等が自主的に企画、実施する各種講座への助成や、DV防止ラジオキャンペーンなどを行っている。また、ワークライフバランスや女性の活躍を推進するため、女性の人材育成塾や男性向けの意識啓発セミナーを開催している。平成13年からは、県男女共同参画センター「チェリア」の管理を受託しており、男女共同参画に関する相談業務も行っている。平成28年度は1,326件の相談があったとのことであった。
概要説明の後、文翔館の収益状況や指定管理施設の利用状況などについて、委員から活発な質問が行われた。質問後は、文翔館を視察した。
今回視察先を調査できたことは、本県の出資法人における多角的な県民サービス向上の取組を推進する上で、大変参考となるものであった。

(公財)山形県生涯学習文化財団にて

(2)(公財)山形県林業公社及び(公財)山形県みどり推進機構

(出資法人による経営改革の取組について)

【調査目的】

(公財)山形県林業公社では、収支の改善を図るため、分収林事業において、長伐期非皆伐施業への移行や分収割合の変更などを積極的に推進している。また、搬出間伐の林地残材を県内各地のバイオマス燃料工場に販売するなど資源の有効利用にも取り組んでいる。
(公財)山形県みどり推進機構では、高度林業技術の普及や新規参入の促進など、林業の担い手の育成・確保を推進している。指定管理者として、山形県県民の森を管理・運営し、森の不思議や大切さを学ぶ機会を県民に提供している。また、山形県林業公社と機能を統合し、役員の兼任や事務所の共通化を行うなど経費削減を進めている。
本県の出資法人における経営改革の取組の参考とするため、両法人の取組を視察する。

【調査内容】

(公財)山形県林業公社は、山形県における森林の適切な維持管理を通じて県民の生活環境の保全を図るとともに、地域林業や農山村経済の振興に寄与するため、昭和42年に設立した。平成25年4月から公益財団法人に移行している。基本財産は1,000万円で、山形県が全額出えんしている。
同法人では、木材資源の充実を図るため、分収林契約による拡大造林施策を推進している。しかし、丸太価格の低価格化や社会経済情勢の大きな変化に伴い、安定経営に支障を来す状況となっている。そこで、木材価格の安定と収入確保を図りつつ、環境保全にも配慮するため、伐採時期を分散・長期化し、市場に応じて伐採することで収益の底上げを図る方法である「長伐期非皆伐施業」への移行を推進している。この施業には90年が必要であり、通常50年程度の施業期間を延長するため、契約変更協議を進めている。平成28年度で187haの延長協定を締結し、経営面積15,633haの約79%となる12,277haが長伐期非皆伐施業となっているとのことである。また、伐採収益を土地所有者と分け合う割合である「分収割合」について、土地所有者分40%、同法人分60%となっているものを、土地所有者分30%、同法人70%とする変更協議を進めている。平成28年度で経営面積の約12%となる約1,896haにおいて合意しているという。このほか、県借入金の無利子化や償還期限の延長、公庫借入金の低利率化等により返済額の圧縮を行っている。また、搬出間伐の林地残材をバイオマス発電用チップ用材等として販売しており、平成28年度は128万円の販売収入を得たとのことであった。
(公財)山形県みどり推進機構は、昭和61年に設立し、平成25年4月から公益財団法人に移行している。基本財産は約26億円で、このうち約65%を山形県が出えんしている。
同法人では、環境教育などを実施する団体への助成や緑の少年団の育成など緑化推進事業に取り組んでいる。また、林業の担い手を育成するため、森林組合や林業事業体へ助成しているほか、林業労働力を確保するため、雇用情報の提供や雇用管理に関する講習、相談会などを行っている。平成29年度は、高性能林業機械を購入し、林業事業体に貸し付け、森林施業における身体の負担軽減と事業の効率化を進めるとのことであった。このほか、指定管理者として、山形県県民の森と山形県源流の森を運営・管理している。県民の森は、約900haの敷地に森林学習展示館や森の工房、フィールドアスレチック、源流の森は、約300haの敷地に森のアトリエや野外ホールなどを備え、両施設では、自然に親しんだり、森林の重要性を学んだりするイベントを開催している。
両法人では、経営改革の一環として、機能統合を行っている。平成22年4月から、理事長、副理事長、専務理事、事務局長を兼任体制とし、平成23年4月からは、事務所を同一にするとともに、両法人で行っていた林業労働力分野の業務を一元化している。これにより、約6億3,000万円の経費削減となっているということであった。
概要説明の後、委員からは活発な質問が行われた。その中で、「森林公園の利用者数はどのくらいか」との質問があり、「森林公園は県内で4か所あり、山形県みどり推進機構が管理している県民の森の利用者数が年間約12万人と最も多く、次いで、源流の森が約8万3,000人である」との回答があった。質問後は、山形県県民の森を視察した。
今回視察先を調査できたことは、本県の出資法人における経営改革の取組を推進する上で、大変参考となるものであった。

(公財)山形県みどり推進機構にて

(3)(公財)仙台観光国際協会

(出資法人の国際交流体制の強化について)

【調査目的】

(公財)仙台観光国際協会は、国内外のコンベンションや観光客の誘致、物産品の販路拡張、多文化共生や国際交流活動の推進等に関する様々な事業を展開している。
同法人は、平成27年4月に(公財)仙台観光コンベンション協会と(公財)仙台国際交流協会が、更なる地域経済の活性化や市民の国際化の進展を目指して統合し、設立された。統合後は、留学生が仙台観光の魅力を世界に発信したり、国際交流事業において観光部門とつながりのある企業と連携したりするなど、両法人のノウハウや人的ネットワークを融合した新しい視点からの事業を進めている。
本県の出資法人における国際交流体制強化の参考とするため、同法人の取組を視察する。

【調査内容】

(公財)仙台観光国際協会は、平成12年設立の(公財)仙台観光コンベンション協会と平成2年設立の(公財)仙台国際交流協会が統合し、平成27年4月に設立された。基本財産は3億2,900万円で、このうち約55%を仙台市が出えんしている。
統合の背景には、仙台市が世界に誇れる観光・コンベンション都市への飛躍を目指す中で、両法人にも事業体系の見直しや組織体制の強化が必要な状況にあったことがあるという。仙台観光コンベンション協会は、設立以来、仙台市の観光・物産振興やコンベンション開催支援に大きな役割を果たしてきたが、類似団体との事業の差別化や、コンベンション誘致機能の更なる強化が求められていた。一方、仙台国際交流協会は、設立以来、国際文化・教育面の人的ネットワークを生かした外国人支援や海外との市民交流などの実績を重ねてきたが、企業との連携や外国からの来訪者も視野に入れた広がりを持った取組が求められていた。また、仙台国際センターの指定管理が平成27年3月末で終了するため、その後の法人の在り方の検討が必要であった。こうした状況を踏まえ、両法人の持っているノウハウや資源等で互いの短所を補完し、長所を更に伸ばせるよう、仙台市と両法人が連絡を密に取り合い、統合の検討を行ったとのことであった。
統合の目的は大きく2点あり、1点目は、「地元経済界と連携した国際交流の展開と市民活力の醸成」である。在住外国人や留学生等と地元経済界との連携を促進し、地域経済の活性化や国際化の進展に寄与することにより、交流人口の拡大を目指すという。2点目は、「外国人観光客の受入環境の向上と海外に向けた情報発信力の強化」である。国際交流団体や留学生などとの人的ネットワークを生かし、外国人観光客やコンベンション参加者の受入体制の強化やホスピタリティの向上、海外への情報発信強化につなげていきたいとのことであった。
統合に向けては、平成26年10月、両法人の臨時理事会で合併の承認を取り、同年11月、宮城県に合併に係る申請・届出を行っている。
統合後は、各部門で連携、協力して事業を行っており、統合による効果も出ているとのことである。例えば、観光分野では、仙台の温泉地の宿泊施設に留学生等の外国人を派遣し、フロントや客室スタッフを対象に、外国人旅行客を想定した窓口対応などの実地研修を実施した。平成28年度は64回実施しており、実際に外国人旅行客を受け入れる際のコミュニケーションに生かされているとのことであった。コンベンション分野では、ボランティア研修会を、留学生の協力を得ながら定期的に実施することによって、ボランティアの語学力向上に加えて、外国人参加者の視点でのホスピタリティの向上につながっているという。国際交流の分野では、留学生が仙台青葉まつりの様子や楽しさなど仙台観光の魅力のほか、東日本大震災からの復興の状況などをSNS等により多言語で世界に発信している。また、留学生を対象とした業界セミナーを開催する際、旧仙台観光コンベンション協会の賛助会員である企業の協力を得ることが可能となり、より効果的なセミナーとなったとのことであった。
概要説明の後、仙台市の観光の現状や海外プロモーション、教育旅行誘致の実施手法などについて、委員から活発な質問が行われた。質問後は、仙台国際センター交流コーナーを視察した。
今回視察先を調査できたことは、本県の出資法人における国際交流体制の強化に大変参考となるものであった。

(4)仙台空港鉄道(株)

(地域公共交通の効率的な運営及び利用促進の取組について)

【調査目的】

仙台空港鉄道(株)は、宮城県や沿線自治体等が出資する第三セクターであり、東北唯一の空港アクセス鉄道を運営している。
同社は、平成23年の東日本大震災で甚大な被害を受けたことなどから、同年、上下分離を実施し、経営の安定化を図った。
依然として経営状況は厳しいものの、平成19年開業以来の運転無事故を継続しているほか、ダイヤ改正、イベント時の編成増強などサービス向上に取り組んでいる。沿線企業や人気アニメと連携した利用促進キャンペーンも実施し、平成28年度の利用人員は過去最高の344万人超となった。また、鉄道グッズの商品化など、鉄道輸送以外の収入確保に積極的に取り組んでいる。
本県の出資法人における地域公共交通の効率的な運営や利用促進の取組の参考とするため、同社の取組を視察する。

【調査内容】 

仙台空港鉄道(株)は、鉄道事業法による第一種鉄道事業等を行う第三セクターとして、平成12年4月に設立した。資本金は71億2,900万円で、出資割合は宮城県が約53%、仙台市が約16%、東日本旅客鉄道(株)が約5%などとなっている。同社は、仙台空港機能の強化と仙台空港臨空都市の発展に寄与するため、JR名取駅から仙台空港駅までの鉄道(約7.1km)を整備し、平成19年3月、仙台空港アクセス鉄道を開業した。駅は、仙台空港駅を含め3駅である。JR東日本との相互乗入れによる運行を行っており、仙台空港駅~JR仙台駅間(約17.5km)を乗換えなしの最速17分で結んでいる。バスやタクシーと比較し、最大約23分の短縮が図れるという。運行本数は1日43往復で、朝夕が4両編成、通常2両編成で運行している。
同鉄道の開業以降、全国的な航空旅客の減少等により利用者数が減少し、厳しい経営状況にあった。また、平成23年3月11日に東日本大震災が発生し、約半年間の運転休止を余儀なくされ、復旧費として約33億円の甚大な被害を受けた。このような状況にあっても、金融機関からの借入金元金の返済が本格化しており、平成24年度にも資金が枯渇する事態となった。そこで、平成23年10月、上下分離を実施し、宮城県が土地や橋脚など鉄道施設の下部構造分を買い取り、その施設を同社が無償で借り受けることとした。同社は、県への売却代金84億5,600万円によって借入金を一括精算し、財務構造の改善を図った。
平成28年度決算では、純損失が約1億5,000万円であり、単年度の黒字化には至っていないが、収支状況は着実に改善している。利用者数は、沿線のまちづくりが進展していることなどもあり、震災以降、5年連続で増加している。同社では、早期の黒字化、信頼される鉄道を目指して様々な取組を行っている。
鉄道事業においては、開業以来の運転無事故を今後も継続すべく安全・安定輸送の確保を最優先に、利用者のより一層の満足度向上に向けた取組を展開している。安全面では、社員教育の充実のほか、東日本大震災を教訓とした避難・誘導訓練を実施している。輸送面では、平成29年3月にダイヤ改正を行い、3往復の列車を増発した。増発は、開業以来初めて実施したとのことであった。年末年始、ゴールデンウィーク等の多客輸送期間や沿線でのイベント開催時には、車両の増結を実施している。また、沿線の「イオンシネマ名取」と連携したキャンペーンや人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」などとのコラボイベントを開催している。鉄道フェスティバルなどのイベントにも積極的に参加し、知名度の向上と利用促進に努めている。
鉄道事業以外にも、駅高架下の有料駐車場の開設や未利用社屋の学習塾への貸出しを行っているほか、同鉄道のPRキャラクターである「鉄道むすめ 杜みなせ」の関連グッズの開発・販売を行うなどして、収入確保に努めている。
概要説明の後、委員からは活発な質問が行われた。その中で、「土地区画整理事業を実施した沿線地域の人口はどのような状況か」との質問に対し、「杜せきのした駅周辺で行った区画整理事業では、計画人口が2,400人のところ、平成29年3月現在で3,315人と計画を上回っている。同様に、美田園駅周辺でも、計画人口が4,600人のところ、7,152人と計画を上回っている」との回答があった。質問後は、仙台空港駅駅舎や非常用発電機室、運輸管理所を視察した。
今回視察先を調査できたことは、地域公共交通の効率的な運営や利用促進の取組を推進する上で、大変参考となるものであった。

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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