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掲載日:2018年11月26日

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地方創生・行財政改革特別委員会視察報告

期日

平成30年9月3日(月曜日)~5日(水曜日)

調査先

(1) 世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアム(沖縄県読谷村)
(2) ヘリオス酒造(株)(名護市)
(3) うるま市立海の文化資料館(うるま市)
(4) 沖縄県庁[企画調整課](那覇市)

調査の概要

(1) 世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアム

(世界遺産を生かした地域活性化の取組について)

【調査目的】

 世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアムは、座喜味城跡の歴史や、読谷村(よみたんそん)の歴史、自然、戦前・戦後の暮らしなどを紹介する施設である。
 同施設は、座喜味城跡の世界遺産登録に伴い、世界遺産のビジターセンターとしての機能が求められるようになったことから、読谷村立歴史民俗資料館及び美術館を統合・増改築して名称を変更し、平成30年6月にリニューアルオープンした。
 リニューアルにより、従来の博物館としての役割に加え、地域活性化、観光振興、地域文化、生涯学習等の中核的拠点施設となっている。
 同施設の取組を調査することで、本県の地域活性化対策及び地方創生の施策の参考とする。

【調査内容】

 座喜味城は、沖縄本島の中西部に位置する読谷村の標高120mの緩やかな丘の上に建っている。15世紀の初頭に読谷山按司護佐丸(ゆんたんざあじごさまる)によって築城されたといわれ、昭和19年に旧日本軍によって高射砲陣地となり、戦後の昭和35年にはアメリカ軍によってレーダー基地となった。その後、日本復帰の昭和47年に国の史跡に指定され、平成12年12月に首里城跡などと共に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の資産の一つとして、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録(登録名称は座喜味城跡)された。さらに、平成29年には続日本100名城(199番)に選定されている。現在は、城内で演劇が行われるなど広く利用されており、城壁から西側を望むと残波岬(ざんぱみさき)や、晴れた日には慶良間(けらま)諸島も眺めることができる。
  世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアムは、平成30年6月23日に世界遺産のビジターセンターとして、読谷村立歴史民俗資料館及び美術館を統合・増改築してリニューアルオープンした。同施設はリニューアルにより、村の歴史や自然などを楽しく分かりやすく学習できる展示を増やし、従来の博物館としての役割に加え、地域活性化、観光振興、地域文化、生涯学習等の中核的拠点施設として、幅広い世代の方々が楽しめるような施設づくりに取り組んでいるとのことである。
 同施設入口正面には、自然豊かな村の魅力ある写真が数多く展示され、新館のメインエリアである展示室1には、先史時代の歴史や座喜味城の歴史、伝統工芸や伝統芸能、村内の自然環境に関する展示などがある。特に「座喜味城のつくり」コーナーは、座喜味城跡の模型が展示され、石垣の積み方の技法(野面積、布積、相方積)をパズルにより学習できるため、老若男女を問わず人気があるとのことである。
 また、館内には多言語対応の無料アプリを利用した音声ガイドや映像ガイダンスがあり、来館者の約7割を占める外国人は、通訳なしで館内の説明を受けることができる。なお、希望者にはタブレットの貸出しを行っているとのことである。
 概要説明の後、委員からは活発な質疑がなされた。その中で、「年間の来場者の目標はどの程度か」との質問に対し、「座喜味城跡には年間約20万人の来訪者がある。その内4人に1人を呼び込み年間約5万人を目標としている。なお、6月23日のリニューアルオープンからの約2か月間で約1万人が来場した」との回答があった。その後、館内及び座喜味城跡の視察し、視察中は委員から活発な質問が行われた。
 今回視察先を調査できたことは、本県の今後の地域活性化対策及び地方創生の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

地方_世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアムにて

世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアムにて

(2) ヘリオス酒造(株)

(官民連携による地場産業振興の取組について)

【調査目的】

 ヘリオス酒造(株)は、昭和36年に創業した名護市の酒造である。創業当初は沖縄の基幹作物であるサトウキビを原料にラム酒の製造を始め、現在は、泡盛、スピリッツ、ウイスキー、リキュール、地ビール、発泡酒の6種類の製造免許を持っており、沖縄独自の歴史と自然の恵みを生かしたおいしい酒造りを目指している。
 また、同社は、平成30年3月から、政府や沖縄県酒造組合等と「琉球泡盛海外輸出プロジェクト」に取り組んでおり、沖縄の貴重な地場産業である泡盛製造業の発展のため、泡盛の海外輸出拡大に向けた情報発信強化を進めている。
 同社の取組を調査することで、本県の官民連携による地場産業振興及び地方創生の施策の参考とする。

【調査内容】

 ヘリオス酒造(株)は、昭和36年に那覇市で(資)太陽醸造として創業し、「酒はその土地で穫れる作物で造る」を企業理念として、沖縄の基幹作物であるサトウキビを原料にラム酒の製造を始めたとのことである。その後、昭和44年に社名をギリシャ神話の「太陽神ヘリオス」に由来する現社名に変更し、昭和47年に古くから水の都と呼ばれ今なお多くの自然を残し「やんばる」と呼ばれる沖縄県北部の名護市に本社及び工場を移転したとのことである。現在は、泡盛、スピリッツ、ウイスキー、リキュール、地ビール、発泡酒の6種類の製造免許を持つ総合酒造メーカーとして、沖縄独自の歴史と自然の恵みを生かしつつ、更に創意工夫と情熱により、おいしい酒造りを行っているとのことである。
 同社は「沖縄特産の紅芋を使用した焼酎を作って欲しい」との地域の要請を受け、平成20年3月に経済産業省の中小企業地域資源活用プログラムの認定を得て、沖縄初の紅芋焼酎を製造し販売を開始したとのことである。また、平成26年には日本地ビール協会が主催する地ビールのイベントである「ジャパン・ビアフェスティバル」を誘致して、以降毎年、同社が現地事務局として「ビアフェス沖縄」を開催し多くの来場者を集めるなど、地域の活性化に取り組んでいるとのことである。
 さらに、平成30年3月から政府、沖縄県及び沖縄県酒造組合等と取り組んでいる「琉球泡盛海外輸出プロジェクト」においては、平成23年に台湾に設立した現地法人や香港の協力企業などを通じて海外への販路を拡大するとともに、海外輸出拡大に向けた情報発信の強化を進めているとのことである。
 概要説明の後、委員からは活発な質疑が行われた。その中で、「泡盛の海外輸出について販路の拡大に取り組んでいるとのことだが、主な輸出先はどこか」との質問に対し「実績として一番多いのは香港で、次に台湾、シンガポール、アメリカなどの順であり、EUにも輸出している」との回答があった。また、「地域からの雇用に関しては、どのように考えているのか」との質問に対し「社員の雇用については、地域に貢献したいという会社の理念の下、まず近隣の集落、次に名護市内、次に近隣市町村という順序で採用している。また、技術者は専門的な知識が必要なことから国立琉球大学等の卒業者を採用しているが、販売等を担当する社員はできるだけ地域からスキルの高い人材を採用したいという観点から、名護市にある名桜大学の卒業者を採用している」との回答があった。このほか、地域資源を活用した製品づくりなどについて活発な質問がなされ、その後、工場内を見学した。
 今回視察先を調査できたことは、本県の官民連携による地場産業振興及び地方創生の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

 

(3) うるま市立海の文化資料館

(市民との協働による資料館づくりの取組について)

【調査目的】

 うるま市立海の文化資料館は、沖縄本島と平安座島(へんざじま)を結ぶ約5kmの海中道路の中ほどにある施設で、沖縄県内で唯一、沖縄の伝統木造船・マーラン船と船大工等の資料を展示し、海の自然と地域にまつわる歴史・民俗を紹介している資料館である。
同館は、地域・市民との協働により地域学習や地域づくりなどの活動を展開し、地域に根ざし、海を生かした特色のある市民主導型の資料館づくりを行っている。
 同館における市民との協働による資料館づくりの取組について調査し、本県の行政運営及び市民との協働による地方創生の施策の参考とする。

【調査内容】

 うるま市立海の文化資料館は、平成15年4月に沖縄初の海の文化を中心とした資料を展示する施設として、沖縄本島中部東海岸の金武湾に浮かぶ風光明媚な海中道路沿いに開館した。沖縄県内で唯一、沖縄の伝統木造船・マーラン船と船大工等の資料を展示しており、常設展示されている平安座島のマーラン船に関する資料の中でも、国内で唯一マーラン船の建造技術を継承し、うるま市無形文化財に指定されている越來(ごえく)治喜氏が造った「希進丸」は、見どころの一つとなっている。なお、マーラン船とは、沖縄の各地で山原船(やんばるせん)とも呼ばれ、沖縄本島の北部地域と南部地域の那覇などを結ぶ交易船として戦前に活躍した舟のことである。
 同館は見るだけでなく実際に体験する学習を積極的に推進しており、希進丸の船内を見学できる「マーラン船船内見学会」、船大工を講師に招き船の模型を作る「親子船の模型づくり体験教室」など、船に関する体験学習を行っている。さらに、「田んぼ生き物ナイトツアー」、「うるま市の昆虫観察」など、地域の自然に触れる学習にも力を入れているとのことである。
 また、同館は施設周辺を海の学習に幅広く活用できるようにイベント広場を整備して、市民との協働による地域学習や地域づくりなどの活動を展開している。夏は周辺にある干潟の砂を生かした砂の芸術大会「よなしろシーアートフェスティバル」をNPO団体と開催、冬は市民調査会を開催し干潟の生態調査を進めるなど、地域に根ざし海を生かしたイベントを行い、市民との協働による資料館づくりに取り組んでいる。さらに、市民を対象に「広域交流会議室」及び「フリーアートコーナー浦」などのスペースを無料で貸出しており、地域の方々の作品発表会や会議などに利用されているとのことである。
 同館の市民との協働による地域学習や地域づくりなどの活動は、開館後2か月間の無料期間に1日当たり約3,000人であった利用者が、無料期間終了直後から0人になってしまったことを受け、対象を学校教育での利用に特化したことから始まったとのことである。併せて入館料を無料としたこともあり、同館の最近5年の利用者は年間46,000人程度で推移しているとのことである。
 概要説明を受けた後、委員から活発な質問が行われた。その後、館内を視察し、視察中は委員から活発な質問が行われた。
 今回視察先を調査できたことは、本県の行政運営及び市民との協働による地方創生の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

(4) 沖縄県庁

(地域の特色を生かした地域振興の取組について)

【調査目的】

 沖縄県では、平成22年度から、関係市町村等の協力の下、広域的な視点からの米軍基地の跡地利用の検討を行い、6施設の連携した跡地利用の方向性を示す「中南部都市圏駐留軍用地跡地利用広域構想」を取りまとめている。同構想は、中南部都市圏を一体と捉え、各跡地の地域の特性を生かしつつ、広域的な観点から役割を分担・連携した開発により、都市構造の再編及び都市機能の高度化を図り、沖縄県全体の発展につながる100万都市の形成を目指している。
 同県における地域の特性を生かした地域振興の取組を調査し、本県施策の参考とする。

【調査内容】

 沖縄県には31の米軍専用施設があり、その総面積は18,609haで同県総面積の約8%を占め、中でも人口の9割以上が居住する沖縄本島では約15%の面積を占めている。その規模は東京23区のうち13区を覆うほどの広大な面積であり、その軍用地は、約23%が国有地、約37%が県有地及び市町村有地、約40%が民有地で、同県以外の米軍用地の約87%が国有地であるのに対し、公有地が民有地に比べて極端に少ない状況である。中でも沖縄本島の中南部地域は、政令指定都市に匹敵する117万人を超える人口が集中し都市的サービス機能が集積する基幹的都市圏でありながら、市街地を分断する広大な米軍用地の存在により、長期にわたり望ましい都市形成及び交通体系の整備並びに産業基盤の整備など、地域の振興・開発を図る上で大きな課題を抱えてきた。
 そのような中、同県では平成18年の日米安全保障協議委員会において、嘉手納飛行場より南の大規模な駐留軍用地の返還が合意されたことを受け、平成22年3月に「沖縄21世紀ビジョン」を策定して、県民、地権者、関係市町村等の連携・協働の下、広域的な視点からの米軍基地の跡地利用の検討を行い、返還予定6施設の連携した跡地利用の方向性を示す「中南部都市圏駐留軍用地跡地利用広域構想」を取りまとめた。同構想は当該地域を一体と捉え、各跡地の地域特性を生かしつつ、広域的な観点から役割を分担し、連携した開発により都市構造の再編及び都市機能の高度化を図り、同県全体の発展につながる100万都市の形成を目指しているとのことである。
 今後は、同構想を市町村が取り組む「市町村跡地利用計画」へと反映し、返還の見通しが立った時点において跡地利用推進法に規定する「総合整備計画」へとつなげていくとのことである。また、同構想の推進に向けた課題としては、同構想の考えや内容を県民及び地権者に周知徹底し理解を深めること、県の分野別計画や関係市町村の跡地利用計画との整合性・連動性を確保すること、同構想に示された事業の実現性・実効性を高めるための検討を進めること、国・県・関係市町村の密接な連携に基づく推進体制を構築することなどがあるとのことである。
 概要説明の後、委員からは、活発な質疑がなされた。その中で「民有地が多い広大な跡地が一度に返還されると、一体的な整備が難しいと考えられる。土地利用の方法について大局的なルールが必要と思うが、どのように考えているのか」との質問に対し、「返還は一定期間かかり、段階的に行われる予定である。そこで、返還前の早い段階から、まず、先に道路や公園等の公共施設用地を確保して整備し、その後、住宅地を整備する方向で、計画的な跡地利用による円滑なまちづくりを推進できるよう調整していく」との回答があった。

地方_沖縄県庁にて 

沖縄県庁にて

 今回視察先を調査できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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