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掲載日:2018年2月6日

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地方創生・行財政改革特別委員会視察報告

期日

平成29年8月22日(火曜日)~24日(木曜日)

調査先

(1)(特非)日高わのわ会(高知県日高村)
(2)高知県産学官民連携センター(高知市)
(3)(特非)グリーンバレー(徳島県神山町)
(4)那賀町役場[まち・ひと・しごと戦略課[ドローン推進室]](徳島県那賀町)

調査の概要

(1)(特非)日高わのわ会

(地域支え合いの取組について)

【調査目的】

(特非)日高わのわ会は、地域の女性たちが、「日高村のために何かできないか」と考え、平成15年に有償ボランティアを行うことから始まった。現在は、地域の困りごとの解決をビジネスとして開発、展開している。主な従業員は昼間に村内で子育て中の母親、障害者、高齢者で、「できる人が、できる時間に、できることをやる」方法で生活様式を崩さずに働いている。事業として、喫茶店を2店舗、配食サービス、弁当の宅配などを行うほか、地元産トマトをトマトピューレに加工して、村内飲食店11店舗でオムライスに欠かせない材料として提供されている。この飲食店が並ぶ街道は「日高村オムライス街道」と呼ばれるようになり、地域活性化に貢献したことが評価され、高知県から「産業振興計画賞」を受賞した。
同法人の取組を調査することで、本県の地域支え合いによる地域の活性化対策の参考とする。

【調査内容】

(特非)日高わのわ会は、平成15年に有償ボランティアグループわのわとして活動を開始した。活動している高知県高岡郡日高村は、平成29年6月現在人口5,137人で、少子高齢化などにより人口減少、雇用の減少が進んでいる状況である。同法人は、この状況を改善するため、村の困りごとの解決をビジネスにしようと考え、「できる人が、できる時間に、できることをやる」をコンセプトに、その人らしい雇用や、その人らしい暮らしの視点を加え、地域支え合いを基本としたソーシャルビジネスの創出、雇用創出を行っている。
同法人は、平成17年3月に特定非営利活動法人となり、現在は、日高げんきクラブ(総務部)、おもてなしクラブ(喫茶部)、わっはっはクラブ(福祉部)、チャイルドクラブ(児童福祉部)、とまとクラブ(販売部)、の5つの部門で事業を進めている。日高げんきクラブでは、住み慣れた自宅で末永く生活してもらうため、リハビリサポーターやホームヘルプサービスを提供している。おもてなしクラブでは、地域の食材を使い、地元企業等への宅配弁当や高齢者宅への配食サービスも行う喫茶店を2店舗営業している。2店舗のうち1店舗は、障害者就労移行支援事業所でもある。わっはっはクラブでは、障害者就労継続支援B型事業所・障害者就労移行支援事業所、グループホームなどの福祉事業を行っている。チャイルドクラブでは、地域の子育て応援のため、一時保育、障害児一時預かりなどを行っている。とまとクラブでは、トマトソース、ピザソースの販売・製造を行っている。5部門の中でも、とまとクラブが行う事業で、日高村で栽培が盛んなブランドフルーツトマトである「シュガートマト」の規格外品を活用したトマトソースなどの加工品製造は、地域活性化の好事例である。トマトの品質管理を厳しくすることにより発生した、規格外品トマトが廃棄されたことに着目し、地域住民や障害のある方たちと試行錯誤の末に完成したソースは、東京都内にある高知県アンテナショップや土佐うまいもの100選オンラインショップなどで販売され好評であるという。また、飲食店で提供するオムライスに使用するトマトピューレを地元の11店舗に低廉な価格で卸し、平成26年から開始した日高村オムライス街道プロジェクトに大きく貢献している。オムライスの提供数は3年間で約17万食となり、昨年、高知県地場産業大賞の「産業振興計画賞」を受賞した。
概要説明の後、委員からは、法人の運営状況や今後の事業展開について、他団体との連携について、今後行政に期待することなどの質問が活発になされた。
以上のように、同法人の取組を調査できたことは、本県の今後の地域支え合いによる地域の活性化対策を推進する上で、大変参考となるものであった。

(2)高知県産学官民連携センター

(産学官民連携による取組について)

【調査目的】

高知県産学官民連携センター(愛称:ココプラ)は、高知県において産業振興に新たな強みを生み出す必要があることから、産学官民が連携して産業振興や地域の課題解決に向けた様々な取組を推進するため、平成27年4月に設置された。同センターには、県内大学等及び高知県の職員が常駐し、「知の拠点」、「交流の拠点」、「人材育成の拠点」の3つを基本機能とした産学官民連携に関する相談窓口の設置や交流機会の創出、人材育成研修などの取組を進め、産業や地域のイノベーションにつなげている。交流機会の創出では、企業による地域活性化や地域団体による移住、定住サービスの展開など、様々な主体による成果が生まれている。また、人材育成研修では、各種セミナー、土佐MBAと題したビジネスアカデミーを展開している。
同センターの取組を調査することで、本県の様々な主体との連携による地方創生の施策の参考とする。

【調査内容】

高知県は、全国に先駆けて人口減少が始まった影響で経済規模が縮小していることなどから、他県が好況でも県内の景気が改善してこなかったことを踏まえ、地産地消だけでは売上げを伸ばすのが難しいことから、「地産外商」をコンセプトに産業振興計画を策定している。この計画における「地産」においては、比較優位にある一次産業とその関連産業の振興を図ることを基本としており、この計画に基づいて高知県の新しい強みを生み出すためには、産学官民の連携による取組が不可欠であることから、平成27年4月に高知県産学官民連携センター(ココプラ)を、高知県立大学の地域連携棟内に設置した。
同センターは、県の産業振興の統括部局である産業振興推進部の出先機関であり、部長級であるセンター長をはじめ、交流連携担当に3人、人材育成担当に3人、大学等につなぐコーディネーターに14人、事業創出アドバイザーに3人を配置している。平成29年度からは、県に産学官民連携・起業推進課が新設され、同センターに常駐して機能を強化している。なお、コーディネーターとして、高知県立大学、高知工科大学、高知大学の職員が常駐するとともに、高知学園短期大学、高知工業高等専門学校が常設窓口を設置している。
同センターの産学官民連携の事業としては、日本で初めて地域協働学部を設置した高知大学と連携し、(株)富士通総研の協力を得ながら、地元企業社員や産業従事者と県内の学生がフラットな立場で交流し、新たな「アイデアを生み出す場」を創出するための「仕事創造アイデアソン」の開催がある。また、ビジネスプランコンテストとして、高知県と協定を締結している(株)オルトプラスの協力の下、全国からビジネスプランを公募し、入賞者に対して支援することで、県内での起業や事業実施、地産外商に関する取組を促進している。このコンテスト第2回の受賞ビジネスプランとして、猫の健康おやつの製造・販売により猫の殺処分問題と高齢者の雇用問題の解決を図り、猫と共生する町を創る「港のネコとおばあちゃんプロジェクト」や伝統産業を身近に感じ、歴史や文化を学ぶ「大正元年創業の宗田節工場見学・体験ツアー」など多種多様なプランが受賞している。このほか、産学官連携による経営大学院のカリキュラムを参考に構成したビジネスアカデミーなどの取組を通じ、産学官民連携を更に進めることで、産業の振興、地方創生につなげていくという。

 高知県産学官民連携センターにて

概要説明の後、委員からは、活発な質疑がなされた。その中で「支援により新たに開発された商品や技術はどのようなものがあるか」との質問に対し、「高知工業高等専門学校のシーズである気泡発生技術は、農業や養殖業に活用されている。さらに、クリーニング業への転用など新たな活用の検討がなされている」との説明があった。
以上のように、同センターの取組を調査できたことは、本県の今後の様々な主体との連携による地方創生の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。 

(3)(特非)グリーンバレー

(サテライトオフィスの取組について)

【調査目的】

(特非)グリーンバレーは、神山町内全域に敷設されている高速ブロードバンド環境を活用し、町内の古民家や遊休施設を首都圏などのICT企業等に貸し出す「サテライトオフィス」の誘致を推進している。進出した企業の社員に対する生活支援や、地域での受入態勢の構築にも取り組み、現在、町内には16社の企業が進出した。多数のICT企業等の誘致に成功したことにより、働き方改革の具現化、地元雇用の創出や各地からの移住者による人口転入超過などにつながっている。また、進出企業による町内企業との協業、地域のお祭りなどの活動への参加、町の魅力発信などにより地域が活性化するなど、同法人による地域再生の新たなモデルが注目を浴びている。
同法人の取組を調査することで、本県の地域再生及び地方創生の施策の参考とする。

【調査内容】

(特非)グリーンバレーは、前身組織の神山町国際交流協会、オドプト・ア・ハイウェイ神山会議を経て、平成16年に特定非営利活動法人化した。町営施設の指定管理による運営や、町移住交流支援センターの受託運営など、複合的、複層的な地域づくりに貢献している。町からの事業を受託するとともに、ウェブサイト「イン神山」での情報発信を積極的に展開した結果、神山町への移住需要が顕在化し、古民家や空き店舗再生のプロジェクトを通して集まったアーティストやクリエーター、建築家など多彩な顔ぶれとの縁が、更に新たな人を呼んでいるという。平成28年には、町と共同で(一社)神山つなぐ公社を設立し、地方創生の流れから生まれた「まちを将来世代につなぐプロジェクト」の取組を始めた。このような活動を進めてきた結果、視察等の依頼が相次いでいるという。
神山町では、平成22年10月から集落内の古民家を都市のICT企業等に貸し出すサテライトオフィスプロジェクトを開始した。同法人は、サテライトオフィスの社員に対する生活支援や、地域での受入体制の構築に取り組み、現在町内に16社が展開することとなった。現地視察した、「神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックス」は、サテライトオフィスの集積施設で、閉鎖された約619平方メートルの縫製工場を改修し、高速通信回線とクリーンエネルギーを活用した開放的なオフィス空間となっている。コンセプトを「成長するオフィス」とし、情報技術、デザイン、映像関連などのクリエイティブ産業の集積を図り、新たなビジネスコミュニティを創造して、地域発の先進的サービスやビジネスを生み出すことを目的としている。この施設には、徳島県の地方創生推進課のサテライトオフィスである、「とくしま未来創造オフィス」が入居しており、テレビ会議システムが県庁のシステムと常時接続している。また、現地視察した、「えんがわオフィス」は、東京都渋谷区に本社があるデジタルコンテンツサービスの企画、開発などを行う(株)プラットイーズが入居するサテライトオフィスで、築90年の古民家をリノベーションし、本社スタッフと関連会社スタッフが暮らすように働いている。同社は、東日本大震災後に多くのユーザーからの要望があったバックアップ体制の構築のため、バックアップ機能を持ちつつ、機能を強化した先進の運用・開発センターとしてのオフィスを設置した。神山町周辺は日本でも有数の光ファイバー網を有する地域であり、都内の通信速度を超える能力を発揮できる環境にあることが進出した大きな理由であるという。
委員からは、移住した方と住民との交流機会、サテライトオフィスに転用できる施設数のストック、移住者の働き方の変化などに関する質問が活発になされた。また、「神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックス」の視察時には、入居している「とくしま未来創造オフィス」から徳島県庁の地方創生推進課の職員とモニターによるコミュニケーションを行った。
以上のように、同法人の取組を調査できたことは、本県の今後の地域再生及び地方創生の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

(特非)グリーンバレーにて

(4)那賀町役場

(ドローン産業の創出について)

【調査目的】

那賀町は、徳島県の南部に位置し、町の北西部には四国山地、南部には海部山脈と、標高1,600mの山々に囲まれており、町域の9割が中山間地域である。同町は、平成27年からドローンによる町おこし活動を始め、同年、徳島県版地方創生特区制度において、「徳島ドローン特区」として第1次指定された。県独自の規制緩和や税制優遇、財政措置、国などに対するコンシェルジュ機能を得ながら、ドローンの実証実験として、自然災害対応、鳥獣害対策、高齢者の見守り、トンネル・橋りょう点検、貨物輸送などを行っている。また、平成28年には那賀町ドローン推進室を設置し、徳島大学との連携により、全国を先導するドローンの利活用モデルを研究している。さらに、ドローンレース選手権の誘致などを行い、ドローンの町としてのイメージを積極的に発信しつつ、国家戦略特別区域指定を目指している。
同町の取組を調査することで、本県の産業活性化による地方創生の施策の参考とする。

【調査内容】

那賀町は、鷲敷町、相生町、上須賀町、木沢村、木頭村の5町村が平成17年3月に市町村合併したことにより誕生した。平成27年国勢調査速報によると人口は8,407人、世帯数は3,489世帯である。同町は徳島県の南部に位置し、東は阿南市、西は高知県、南は海部郡、北は勝浦郡、神山町、美馬市、三好市に隣接している。地域の北西部には四国山地、南部には南部山脈などを配しており、標高1,000m以上の山々に囲まれ、地域の9割以上が森林の中山間地域となっている。地域内には那賀川及び坂州木頭川が流れ、両河川は旧上須賀町内で合流して地域のほぼ中央を西から東に貫流している。
同町は、平成27年から「日本一ドローンが飛ぶ町」を目指し、ドローンによる町おこしと町内の関連産業の創出・活性化活動を始めた。同年徳島県版地方創生特区制度において「徳島ドローン特区」として第1次指定され、これまで、ドローンの実証実験として、林業におけるワイヤー展張作業実験、苗木の育成状況などの自動運行による撮影実験、GPS付き猿対策犬の位置情報を把握する鳥獣害対策実験、国土交通省による政府初の貨物輸送実験への協力などを行ってきた。
平成28年には役場内にドローン推進室を設置し、ドローンからの空撮を楽しむユーザーのための飛行推奨場所を掲載したドローンマップの作成や、(一社)日本ドローンレース協会が開催するドローンレースを誘致するなど、ドローンの普及・啓発を進めている。また、千葉県の幕張メッセで開催された第2回及び第3回国際ドローン展に、唯一の自治体単独出展をするなど、ドローンによる産業創出を模索している。さらに、徳島大学と連携し、全国約3,000か所のダムの老朽化調査などに活用できる水空両用ドローンの研究支援を行うなど、全国を先導するドローンの利活用モデルを発信している。今後は、更なるドローンの利活用モデルを研究し、国家戦略特別区域指定を目指すという。
委員からは、活発な質疑がなされた。その中で「携帯電話を利用したドローンの自動運行による物流実証実験とはどのように行うのか」との質問に対し、「(株)NTTドコモと埼玉県の(株)エンルートから、携帯電話のGPS技術とドローン技術の協力を得て、山間部集落への自動運行距離約1kmの実証実験を行う」との説明があった。その後、屋外において汎用ドローンと競技用ドローンの飛行実演を見学した。
以上のように、同町の取組を調査できたことは、本県の今後の産業活性化による地方創生の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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