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掲載日:2018年2月6日

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自然再生・循環社会対策特別委員会視察報告

期日

平成29年7月24日(月曜日)~26日(水曜日)

調査先

(1)(株)有明グリーンエネルギー(荒尾市)
(2)熊本県環境センター(水俣市)
(3)出水市ツル博物館(出水市)
(4)かごしま環境未来館(鹿児島市)

調査の概要

(1)(株)有明グリーンエネルギー

(低炭素社会の構築に向けた取組について)

【調査目的】

(株)有明グリーンエネルギーは、平成25年に設立し、木質によるバイオマス発電事業を行っている。同社は、炭素循環の考え方に基づくバイオマス発電事業により地域環境に貢献しているほか、再生可能エネルギーによる発電事業を行うことにより、CO2を削減し地球環境に貢献している。また、発電の際に、年間約70,000トンの未利用木材を有効利用することで、森林整備にも貢献している。
また、同社は、平成28年4月の熊本地震で発生した災害廃棄物のうち、木材がれきを受け入れ、発電の燃料として活用するなど、復興支援にも積極的に取り組んでいる。
同社の低炭素社会の構築に向けた取組を調査し、本県における取組の参考とする。

【調査内容】

(株)有明グリーンエネルギーは、産業廃棄物の運搬や中間処理を行う「(株)石崎商店」、一般建築材等の運搬・加工を行う「松本木材(株)」、そして、各種バイオマス燃料の製造・販売を行う「(株)九州バイオテック」が共同出資して設立された木質バイオマス発電事業者である。
同社は、主に、林地未利用材や間伐材、木材がれきを再利用したリサイクル材などを燃料用木質チップにして、年間約4,400万kw(一般家庭約1万2,000世帯分相当)の発電を行っている。
この発電事業では、木材によるCO2の吸収と燃焼による排出がプラスマイナスゼロになることで燃やしてもCO2の増減に影響を与えないカーボンニュートラルという発想により、化石燃料を利用する発電に比べ、年間約2万トンのCO2を削減し、地球環境に貢献している。また、従来は廃棄されていた森林整備の際に排出される間伐材などの林地残材等を有効活用しており、森林整備にも貢献している。
なお、燃料用木質チップは、松本木材(株)及び(株)九州バイオテックが製造・運搬を行っており、常に年間発電量相当分以上のチップが確保されており、安定的に電力を供給することができているとのことである。
同社がある熊本県では、平成28年4月の熊本地震により、建物の倒壊で生じたがれきなど、多くの災害廃棄物が発生した。地震発生から1か月経過した頃には、災害廃棄物の処理が追い付かず、多くの仮置き場などが満杯となってしまっていた。そこで、同社では、平成28年6月から災害廃棄物のうち木材がれきを発電の燃料として受け入れ、復興支援にも貢献している。
今後の事業展開として、同社は、新たに敷地内に荒尾第二バイオマス発電所を建設し、既存の荒尾バイオマス発電所と同規模の発電を行うなど、事業拡大を図っていくとのことである。
概要説明を受けた後、今後の収支の見込みや固定価格買取制度などについて委員から活発な質問が行われた。
同社による低炭素社会の構築に向けた取組を視察できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

株式会社有明グリーンエネルギー

(株)有明グリーンエネルギーにて

(2)熊本県環境センター

(資源循環社会の構築に向けた取組について)

【調査目的】

熊本環境センターは、環境問題について正しい理解と認識を深め環境に優しい行動を推進していくための環境学習や環境情報提供の拠点として、平成5年8月、水俣市に設置された
同センターがある水俣市は、国から環境モデル都市に認定されており、ごみの分別・減量やリサイクル活動など、主に資源循環社会の構築に向けた活動に市民と協働で取り組んでいる。そのため、同センターでもごみ問題や水環境問題など諸課題に対する様々な環境学習を実施するなど、水俣市の取組を支援している。
また、同センターは、様々な出前講座を行っており、同センターの講座を受講した方が体験学習などの場を提供する「エコロジスト・リーダー」派遣や各分野の専門家等が環境学習を行う環境教育指導者派遣などを行っている。
同センターの資源循環社会の構築に向けた取組を調査し、本県における取組の参考とする。

【調査内容】

熊本県環境センターは、平成5年8月に開設し、「学ぶ」「感じる」「体験する」の3つをキーワードに、環境情報の提供や環境学習の支援、環境保全活動の普及・啓発に係る事業を行っている。
同センターの館内では、「水俣のごみ分別」やリサイクル品を使った「魚つりコーナー」「ミニ水族館」「環境にやさしい品物」「リサイクルギャラリー」などを常設展示しているほか、館外でも遊びながら楽しく環境を学べる生け垣迷路や自然観察の森などがある。
同センターの主な取組として、館内学習及び出前講座がある。まず、館内学習として、講義を中心とした環境学習をはじめ、廃ガラスの粒を再利用したリ・グラスアートなどの体験学習や、水俣病を学びながらごみ問題や水環境問題などの環境問題を学ぶ「水俣に学ぶ肥後っ子教室」などを実施している。次に、出前講座として、同センターの職員が希望のテーマに応じた環境学習を行う「動く環境教室」をはじめ、「エコロジスト・リーダー」や各分野の専門家を派遣し、様々な環境学習を行うことで、資源循環社会を担う人材の育成に取り組んでいる。
また、同センターは、国から実施機関として選定され、持続可能な社会づくりの担い手を育む教育(ESD:Education for Sustainable Development)にも取り組んでいる。このESDは、平成28年に国で策定したESDに関するグローバル・アクション・プログラム実施計画に基づき、日本ユネスコ委員会をはじめ、関係省庁や地方自治体等が連携して取り組んでいるものである。ESDの目的は、環境や人権、平和など様々な諸課題に対し、他人事として考えず、自らの問題として捉え、身近なところから取り組み、課題解決につながる新たな価値観や行動を生み出すことにより、持続可能な社会の創造を目指すことである。同センターでは、このESDを環境学習に取り入れており、学校のみではなく家庭も含めた学習を事前に行い、子供たち自らが環境問題に関する基礎知識を身に付けた状態で環境学習を受けてもらっているとのことである。
概要説明を受けた後、水俣病に対する意識についてなど、委員から活発な質問が行われた。
同センターによる資源循環社会の構築に向けた取組を視察できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

(3)出水市ツル博物館

(野生鳥獣の保護及び管理について)

【調査目的】

出水市ツル博物館は、「ツル・出水・ふれあい」をテーマに、ツルを代表とする出水の自然資料を収集・保管・展示し、市民や訪れる人々に学習の場や情報を提供するとともに、ツルに関する調査研究を行い、ツルに関する拠点的文化施設を目指すことを目的に、平成7年4月に開館した。
同館がある出水市は、日本最大のツル渡来地であり、毎年10月中旬から12月頃にかけて1万羽を超えるツルが越冬のためシベリアから渡来し、3月頃まで滞留している。そのため、出水市では、ツルに関わる様々な取組を実施しているが、今年4月から新たにツル科を設けた小中一貫校を開校させ、地域に根ざした教育に取り組んでいる。同館もこの市の取組に対し専門家の派遣など支援を行うこととしている。
同館の野生鳥獣の保護及び管理に係る取組を調査し、本県における取組の参考とする。

【調査内容】

出水市は、国の特別天然記念物「鹿児島県のツルおよびその渡来地」に指定されており、多くのツルが渡来している。絶滅危惧種のほとんどが出水市に渡来しているため、世界的に貴重な越冬地となっている。出水市ツル博物館では、そのような渡来する多くのツルを保護する活動やツルに対する理解を深めてもらうための普及啓発活動などを行っている。
まず、ツルの保護活動については、文部科学省による国立天然記念物の指定と環境省による国設鳥獣保護区の指定の2つの管理の下、保護区域の借上げや保護監視業務、給餌等業務などを行っている。また、平成22年度に出水市で初めてツルの鳥インフルエンザが発生したことから、それ以降、ボランティアガイド養成講座を修了した方を中心に、弱っているツルや死亡したツルを早急に発見・回収するなど、鳥インフルエンザ対策にも取り組んでいる。
次に、普及啓発活動については、おもしろ実験教室や博物館講座、出前講座など、学校では体験できない内容を中心に様々な取組を実施している。また、出水市教育委員会と協働で、平成22年度からいずみツルガイド博士検定を市内全校の児童生徒を対象に実施している。この検定は、筆記試験及び実技試験を行い、合格した児童生徒をいずみツルガイド博士に任命するものであり、任命後、いずみツルガイド博士は、ボランティアガイドとしてツルの魅力や出水のすばらしさを観光客などに伝える活動を行っていくことになる。
今後の課題としては、多くのツルが出水市に一極集中してしまっており、出水市で伝染病が発生してしまった場合、絶滅危惧種が地球上から消えてしまうおそれがあることが挙げられる。そのため、日本国内に新しい越冬地を作る取組を行っているが、なかなか進んでいないという現状がある。また、昔、渡来地であった水田が市内の内陸部にも多くある。そのような場所に再びツルが渡来できるように出水市内の子供たちと一緒にツルが安心して暮らせる環境づくりに取り組んでいくとのことである。
概要説明を受けた後、ツルへの給餌や補助金などについて委員から活発な質問が行われた。
同館による野生鳥獣の保護及び管理に係る取組を視察できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

(4)かごしま環境未来館

(環境保全活動に係る取組について)

【調査目的】

かごしま環境未来館は、市民・事業者が環境についての関心や理解を深め、自発的に環境保全活動を実践するとともに、その活動の輪の拡大を促進することを目的に、平成20年10月に開館した。
同館の主な事業としては、市民参加型の環境学習講座の実施や環境情報の収集・提供、小中学校や公民館等への専門家派遣による出前授業などがある。また、自主的な環境学習や環境保全活動を行うこどもエコクラブなど活用し、子供たちの環境保全意識の高揚を図る取組や官民で作った「環境パートナーシップかごしま」の環境保全活動への支援も行っている。
同館の環境保全活動に係る取組を調査し、本県における取組の参考とする。

【調査内容】

かごしま環境未来館は、環境意識の向上や環境保全活動の増進などを目的とした環境学習や環境情報発信のための拠点として、平成20年に開館した。
同館の建物は、「緑の丘の創出」と「地域資源の活用」をコンセプトとして、建物全体の緑化や地下水を利用した空調設備、地下ダクトを通じて外気の取り入れを行うアースピットなど、様々な省エネルギー設備や自然エネルギー利用設備が採用されている。また、館内においても、鹿児島市内の小学校の旧校舎にあった建具や黒板、解体された市民ホールのステージ床材など、不要となったものを展示室の床などに再利用している。そのため、館全体が環境学習の教材としての機能を備えている。
同館では、この機能を十分に生かし、市民一人一人が環境について楽しく学び、能動的に環境問題を考え、環境に配慮した生活や行動ができるよう、参加体験型の講座等を実施するとともに、市民等と協働でイベントや企画展を開催している。主なイベントや企画展としては、環境フェスタかごしまや環境アートフェスティバル、城西マルシェがある。環境フェスタかごしまは、環境に関する展示やワークショップなどを市民・事業者・行政が協働して行うイベントであり、出展ブース数約50店という大きなイベントとなっている。環境アートフェスティバルは、アートや音楽などを通じて楽しみながら自然や環境について考えるイベントであり、工作体験など親子で楽しめるイベントとなっている。城西マルシェは雑貨屋や飲食店、環境に関する体験型のワークショップなど、多くの店舗が立ち並ぶマルシェであり、エコを学びながら買い物や飲食が楽しめるイベントとなっている。
また、同館では、そのほかの取組として、甲突川における市民等と協働での清掃活動や体験型イベント、同館の登録団体と協働して環境に関するワークショップや展示などを様々な地域で行う地域まるごと環境フェスタなどを行っている。
概要説明を受けた後、同館設立のいきさつや家庭ごみ削減のための意識啓発について委員から活発な質問が行われた。
同館による環境保全活動に係る取組を視察できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

かごしま環境未来館

かごしま環境未来館にて

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議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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