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掲載日:2019年11月26日

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 自然再生・循環社会対策特別委員会視察報告

期日

令和元年9月10日(火曜日)~11日(水曜日)

調査先

   (1) 淡路貴船太陽光発電所(淡路市)
   (2) 大阪市岩崎橋地区(大阪市)

調査の概要

(1) 淡路貴船太陽光発電所

(再生可能エネルギー活用の取組について)

【調査目的】

   晴天日数の多い本県においては、太陽光発電が注目される一方で、メガソーラーの設置等に関する問題も生じてきている。
   淡路貴船太陽光発電所は国内最大規模の太陽光発電所であり、住民、NPO、企業、行政で推し進めている「あわじ環境未来島構想」の一翼を担う施設でもある。
   同構想は「エネルギー」「農と食」「暮らし」の3つの持続を高める取組をバランスよく、相互に連携を図りながら展開し、持続可能な地域社会の形成を目指している。
   同構想に基づく再生可能エネルギー活用の取組及び同発電所を視察し、本県の施策の参考とする。

【調査内容】

   淡路貴船太陽光発電所の視察に先立ち、淡路夢舞台国際会議場にて兵庫県淡路県民局より「あわじ環境未来島構想」に関して説明を受けた。
   同構想は淡路島の恵まれた地域資源を活かし、「エネルギー」「農と食」「暮らし」の3つの柱の持続性を高める総合的な取組であり、淡路県民局をはじめとする自治体、企業、住民が官民一体となって推進している。
   このうちエネルギー分野においては、現在、太陽光や風力等の再生可能エネルギーの導入推進で島内の約3割の電力供給を賄うことができる状況となっており、2050年における島内電力自給率100%を目指している。また、住民参加型太陽光発電や竹資源をバイオマスエネルギーとして活用する等の新しい取組も行われている。
   概要説明の後、委員からは活発な質問が行われた。その中で、「メガソーラーの設置に係る安全性の確保や周辺地域への対応に関して何か工夫している点はあるか」との質問に対して、「兵庫県では太陽光発電施設等と地域環境との調和に関する条例を設けるとともに、環境影響評価法の対象面積を狭める条例の改正に向けて調整を行っている」との回答があった。また、「メガソーラーを設置するに当たり、反対等はなかったか」との質問に対し、「兵庫県内の他の地域ではそういった話も聞くが、淡路島においては土取り跡地をいかに使うかということが当時の大きな課題であったため、協力的であった」との回答があった。
   質疑応答の後、淡路貴船太陽光発電所の現場視察を行った。同発電所は関西国際空港等の関西地区における大規模埋立工事のための土取り跡地に、14万2,840枚のソーラーパネルが設置された国内最大級の施設である。総出力は30MW、年間発電量が約3,100万kWhで、一般家庭に換算すると約9,000世帯の年間使用量に相当する電力の供給が可能であるとのことであった。
   視察行程中に順次質問が行われた。その中で、「災害対策について何か工夫をしているか」との質問に対し、「施設は風速34メートル(瞬間最大風速55メートルから60メートル)に耐えられるように設計されており、大型台風の後も被害は確認されていない」との回答があった。また、「広大な敷地に設置されたパネルの下の除草等はどうしているのか」との質問に対し、「パネルの下の雑草等もCO2削減に寄与するとの考えにより、舗装等まではせずに地元業者に除草を依頼している」との回答があった。
   兵庫県淡路県民局及び淡路貴船太陽光発電所による再生可能エネルギーの取組について視察できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

自循_淡路貴船太陽光発電所にて 

淡路貴船太陽光発電所にて

(2) 大阪市岩崎橋地区

(低炭素都市形成の取組について)

【調査目的】

   本県では、省エネやCO2削減に関する中小企業への助成等の取組を一層推進することが課題となっている。また、低炭素都市の形成についても議論されているところである。
   大阪市岩崎橋地区は、インフラ整備の一つとして、省エネルギー性の向上と環境負荷の低減を目的に地域熱供給等を行っており、多施設間でのスマートエネルギーネットワーク化を実現している。
   多施設間でのスマートエネルギーネットワークを形成する同地区の取組を視察し、本県の低炭素都市形成の取組の参考とする。

【調査内容】

   大阪市岩崎橋地区は大阪ガス発祥の地である。今回視察した株式会社OGCTSは大阪ガス株式会社の100%出資小会社であり、同社の岩崎エネルギーセンターは日本で初めて地域冷暖房を開始したエネルギーセンターでもある。
   同センターの特徴は大規模ガスコージェネレーションの運用によって、特定送配電事業としての電力供給と熱小売事業をハイブリッドで行っている点である。
   ガスコージェネレーションとは、クリーンな天然ガスを燃料に発電し、同時に発生する熱エネルギーを空調などに利用する高効率の分散型発電システムのことであり、同センターでは地区内電力ネットワークによって南側の一部顧客に電力を供給するとともに、廃熱を地区内熱ネットワークによって高度利用することで地区内全体の60%の熱需要をカバーしている。また、このようなネットワークに顧客側が防災のために設置している非常用ガスコージェネレーションや再生可能エネルギー等も組み込み、ICTによって最適に管理することで、省エネ性・経済性と防災機能の両立を図る防災型スマートエネルギーネットワークを構築している。現在では、京セラドーム大阪を中心に、大阪市消防局、大阪メトロ本社、多根総合病院、大阪ガス保安拠点、データセンター、イオンモール大阪ドームシティ、スーパービバホーム大阪ドームシティ、大阪ガスPR拠点「hu+gMUSEUM」などの公共性の高い建物や災害時に重要な役割を果たす拠点が参画しており、地区全体での一大スマートエネルギーネットワーク化が図られている。
   概要説明の後、中央監視室、サブプラント2、hu+gMUSEUM等の施設見学を行った。
   施設見学の後、委員からは活発な質問が行われた。その中で、「地域冷暖房を採用することで、どれくらいのCO2が削減されるのか」との質問に対して、「比較対象によることから一概には言えないが、例えばhu+gMUSEUMのビル単独で見れば2割程度が削減されている」との回答があった。
   また、「顧客側の費用負担は軽減されるのか」との質問に対して、「顧客側は自前で設備を設置する必要が無く使用料を払う形となるため、初期投資や設備更新の負担がない。また、本来であれば関連設備を設置するためのスペースを他の目的に使用することができる。特に、東京都や大阪府の条例では再開発をする際に地域冷暖房との接続の検討を促す条文が規定されており、例えばスペースを貸すことが利益につながりやすい東京都などではメリットがあるのではないか」との回答があった。
   同地域における低炭素都市形成の取組を視察できたことは、本県の今後の施策を推進する上で、大変参考となるものであった。

自循_大阪市岩崎橋地区にて

大阪市岩崎橋地区にて

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