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掲載日:2018年2月6日

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警察危機管理防災委員会視察報告

期日

平成29年5月31日(水曜日)~6月2日(金曜日)

調査先

(1)   熊本市役所[復興総室]及び熊本城(熊本市)
(2)   熊本県庁[危機管理防災課]及び被災地現地視察(熊本市、熊本県益城町)
(3)   熊本県運転免許センター(熊本県菊陽町)
(4)   福岡県警察本部(福岡市)

調査の概要

(1)熊本市役所及び熊本城

(熊本地震からの復興に係る取組について)

【調査目的】

平成28年4月14日及び16日に発生した平成28年熊本地震は、史上類を見ないM6.5の前震とM7.3の本震の同時期発生であった。熊本市内においても最大震度6強を観測し、人的被害及び建物の損壊など甚大な被害に見舞われた。
熊本市では、熊本地震からの復旧・復興に向けて「熊本市震災復興計画」を平成28年10月に策定した。現在は、この計画に基づき着実に復旧・復興が進んでいる状況である。
地震発生から1年が経過したこのタイミングで、同市の復旧の状況や復興の取組を視察することで、本県における地震等の自然災害からの復興についての参考とする。
あわせて、復興のシンボルである熊本城の早期復旧に向けた取組についても調査する。

【調査内容】

平成28年熊本地震は、4月14日に発生したM6.5の前震と4月16日に発生したM7.3の本震の同時期発生であり、震度7の地震が立て続けに2回発生したのは観測史上初のことであった。余震の回数が多いのが熊本地震の特徴で、総発生回数は平成29年4月30日時点で4,309回に及んだ。
この地震による熊本市の最大避難者数は11万750人であり、同市の人口約74万人のおおよそ15%に当たる。人的被害については、平成29年4月30日時点で死者69人、重傷者738人となっている。死者69人のうち家屋倒壊等による直接死が6人、関連死が63人であり、直接死を関連死が大きく上回った。
また、2回にわたる大規模な地震により、インフラや公共施設をはじめ、保健・医療・福祉などの民間施設、公共交通機関等に甚大な被害が生じ、市民の生活や企業活動、行政活動等にも大きな支障を来した。特に水道、ガスの復旧については、地震後2週間程度かかり、避難所の開設期間が長期化した要因の一つとなった。
さらに、発災直後から行政内部での情報の収集・発信及び伝達や避難所運営、備蓄物資の不足、物資搬送の混乱、り災証明書の発行の長期化など、災害対応における多くの課題が明らかになり、これまでの防災意識や防災対策のあり方を抜本的に見直すことが必要となった。
このような状況を踏まえ、同市では、復旧・復興に向けて、平成28年10月14日に「熊本市震災復興計画」を策定した。同計画は、市民・地域・行政が総力を挙げて早期の復旧を目指し、新しい同市の姿の実現に向けて歩みを進めていくための基本的な考え方を示す「基本方針」と5つの「復興重点プロジェクト」等で構成されている。
復興重点プロジェクトは、住まいの応急処理や総合相談窓口の設置等を目的とした「一人ひとりの暮らしを支えるプロジェクト」、被災した熊本市民病院の移転再建を目的とした「市民の命を守る『熊本市民病院』再生プロジェクト」、復興のシンボルである熊本城の天守閣の早期復旧を目的とした「くまもとのシンボル『熊本城』復旧プロジェクト」等となっている。現在は、同計画に基づき着実に復旧・復興が進んでいる状況とのことであった。
概要説明の後、委員からは活発な質疑が行われた。「仮設住宅は何戸提供しているのか。また、被災者が仮設住宅を出た後の住宅の提供はどのように考えているのか」との質問に対し、「仮設住宅は541戸提供している。被災住宅の応急修理や液状化などによる宅地被害の復旧支援のほか、既存の市営住宅の活用や民間賃貸住宅の借り上げなどにより居住支援に取り組む」との回答があった。その後、熊本城の視察を行った。
今回視察先を調査できたことは、本県における地震等の自然災害への対応や復興に大変参考となるものであった。

 熊本城にて

(2)熊本県庁及び被災地現地視察

(大規模地震に対する危機管理について)

【調査目的】

熊本県は、熊本地震により全壊約8,700棟を含む約18万9,000棟が被害に見舞われ、避難者は県民の約1割に相当する18万人を超えるなど、甚大な被害を受けた。
同県は、4月14日の地震発生直後、知事を本部長とする災害対策本部を直ちに設置し迅速に活動を開始。これまで復旧・復興の取組を進めている。
一方で、被災後初期の段階においては、避難所の運営面やボランティア・応援スタッフの受援体制等で課題もみられた。
同県における防災の取組や熊本地震対応の教訓、非常時における広域自治体としての市町村との支援・連携の在り方等について視察することで、本県の大規模地震等に対する危機管理についての参考とする。

【調査内容】

平成28年熊本地震は、熊本市、上益城地方及び阿蘇地方を中心に多数の家屋倒壊や土砂災害など、熊本県内に甚大な被害をもたらした。同県における人的被害は、平成29年3月31日時点で死者が224人、重軽傷者が2,677人となっている。住家被害のほか、国道57号や阿蘇大橋などの幹線道路の寸断や、電気、水道、ガス、通信などのライフラインの停止など、県民の生活を支えるインフラに甚大な被害が生じた。さらに、熊本城や阿蘇神社などの文化財も大きな被害を受けた。
また、市町村が開設した避難所には、最大で18万3,882人が避難し、それ以外にも避難所以外の施設への避難や、商業施設の駐車場、公園、グラウンド等での車中避難、自宅の軒先への避難が発生した。頻発する余震活動の影響もあり避難所の開設期間は長期化した。
同県は、4月14日の地震発生直後、知事を本部長とする災害対策本部を直ちに設置するとともに迅速に活動を開始し、復旧・復興の取組を進めている。熊本地震への初動対応では、円滑に対応できた点も多くあった一方、初めての事態に対応できず改善を要する点も多く見られた。
円滑な対応ができた要因である評価できる事項としては、災害対策本部の指揮系統が確立されており役割分担が明確であったことや、クロノロジー(時系列記録)作成の徹底により現場から入ってくる膨大な情報を迅速に処理し、限りある人的物的資源を的確に配分することができた点などが挙げられる。
一方で、災害発生後における行政機能の低下は大きな課題であった。震災業務が一部の所属に過度に集中し、業務執行に支障が生じる場面もあるなど、所属間での業務の偏りが発生した。これは、大規模災害を想定した業務処理体制の構築が不十分であったためであり、災害時に休止・縮小すべき業務の精査を行うとともに、災害対応業務の標準化による所属間の役割分担を明確化するなど庁内BCPの見直しが必要であったとのことであった。
概要説明の後、委員からは活発な質疑が行われた。「市町村との連携で課題はあったか」との質問に対し、「避難所運営マニュアルが作成されていなかった団体や、作成されていても、活用されていない事例が見受けられた。多くの避難所では、市町村の担当職員に避難所運営の経験がなく、人員やノウハウが不足していたことから、被災者へのきめ細かな対応が困難であった。平常時から、自治会や自主防災組織、NPO等の住民組織と連携した訓練の必要性を感じた」との回答があった。その後、被災地の現地視察を行った。
今回視察先を調査できたことは、本県における大規模地震等に対する危機管理に大変参考となるものであった。

(3)熊本県運転免許センター

(交通事故防止対策について)

【調査目的】

熊本県運転免許センターは、全国的に社会問題となっている高齢者の交通事故防止対策において先進的な取組を行っている。
同センターでは、全国で初めて、運転免許センターの相談窓口に看護師等の専門職を配置し、認知機能の低下が疑われる者に対する専門相談を実施している。相談の内容に応じて、医療機関への受診や免許証の自主返納を勧奨することで、認知症の早期発見・早期対応及び高齢者の交通事故防止に効果を上げている。
本県においても、高齢運転者による交通事故の全体に占める割合が年々増加しており、高齢者の交通事故防止対策への取組は喫緊の課題である。同センターの先進的な取組を調査することで今後の本県の交通事故防止対策の参考とする。

【調査内容】

全国的な交通死亡事故の発生件数は交通事故防止対策の推進等により減少傾向にあるものの、高齢者運転による交通事故発生件数の割合は年々増加傾向にある。
また、高齢化の進展により高齢者の運転免許所持者数自体も年々増加しており、高齢社会における交通事故防止対策の推進は全国的にも喫緊の課題となっている。
熊本県の平成28年末の運転免許所持者数は119万3,764人で、そのうち65歳以上の高齢者の運転免許所持者数は28万9,624人である。高齢者の運転免許所持者数は10年前の平成18年末と比べて約60%増加しており、近年はその伸びが顕著である。高齢者が当事者となった交通事故の平成28年の件数は1,743件で、全事故に占める割合は28.3%と他の年代と比べて非常に高い割合となっている。
同県では、認知症高齢者対策を県の重点施策と位置付け、認知症を早期に発見し、安心して暮らせる社会づくりに資するため、平成26年度から「運転適性相談における認知症等早期対応推進事業」に取り組んでいる。運転免許センターの相談窓口に看護師を配置し、主に75歳以上の認知機能の低下が疑われる者等に対する専門相談を実施するとともに、相談の内容に応じて、医療機関への受診や運転免許の自主返納を勧奨することで、認知症の早期発見・早期対応及び高齢者の交通事故防止を図っている。相談窓口では、ドライバー本人から相談を受けるだけでなく家族からの相談も受け付けている。
事業開始初期の段階では、高齢者本人の認知症に対する自覚が薄く受診への抵抗感も強いなど相談者数が伸び悩んだが、75歳以上のドライバー全員にチラシを配付し、窓口を周知することで、相談者の増加を図った。
平成28年度の認知症に係る相談件数は296件で前年度より66件増加し、運転免許の自主返納件数も37件で前年度より17件増加した。認知症高齢者が関与する交通事故の増加がマスコミ等に取り上げられるに連れて、特に家族からの相談件数が急増した。家族が自主返納を勧めても応じないケースでは看護師が相談に応じることで本人納得の上で更新をしなかった事例もあるなど、専門職を配置することによる効果も出ているとのことであった。
概要説明の後、委員からは活発な質疑が行われた。「運転免許を自主返納した高齢者に対しての支援制度はあるのか」との質問に対し、「県内在住の65歳以上の方で、運転免許を自主返納し運転経歴証明書の交付を受けた方は、県内全域の一般路線バス等を半額で利用できる制度がある。また、県内の市町村の多くも独自の支援制度を行っている」との回答があった。その後、施設内部の視察を行った。
今回視察先を調査できたことは、本県の交通事故防止対策に大変参考となるものであった。

熊本県運転免許センター 

熊本県運転免許センターにて

(4)福岡県警察本部

(暴力団対策について)

【調査目的】

福岡県には、全国で唯一「特定危険指定暴力団」に指定されている五代目工藤會をはじめ、5つの指定暴力団が存在している。
福岡県警察本部では、工藤會トップを摘発した平成26年の「頂上作戦」以降、組織を挙げて暴力団の壊滅に取り組み大きな成果を上げている。
また、同警察本部では、暴力団を脱退した元組員に対する社会復帰を支援し、暴力団への復帰を防ぐ取組にも力を入れている。
本県においても、昨年、暴力団の抗争事件が発生するなど、暴力団の壊滅・弱体化は重要な課題であるため、同警察本部の取組を調査することで今後の対策の参考とする。

【調査内容】

福岡県に本拠を置く指定暴力団は5団体あり、一つの都道府県が抱える指定暴力団の数としては全国で最多となっている。北九州地区に拠点を置く五代目工藤會、福岡地区に三代目福博会、県中部の筑豊地区に太州会、県南部の筑後地区に道仁会及び浪川会と、県内4地区にそれぞれの地域を地盤とする地元暴力団が存在しており、これに六代目山口組等の傘下組織が福岡市内を中心に本拠を構えているという、正に県内全域に暴力団がまん延している状況にある。特に、北九州地区に拠点を置く五代目工藤會は、クラブに対する手榴弾投てき事件をはじめ、みかじめ料などの不当な要求に応じなかった事業者に対して危害を加えるなど、住民等を平然と攻撃する極めて凶悪な組織であり、全国で唯一の特定危険指定暴力団に指定されている。
同県警察本部では、「五代目工藤會壊滅作戦」を推進し、工藤會総裁以下多数の幹部を検挙した平成26年の「頂上作戦」以降、組織を挙げて暴力団の壊滅に取り組み、大きな成果を上げている。
また、暴力団離脱者の社会復帰に向けた取組についても力を入れている。離脱しそうな組員を把握して暴力団を辞めるよう促したり、県暴力追放運動推進センターなどの関係機関や事業者と連携して就労先をあっせんしている。
さらに、県民、事業者と連携して社会から暴力団を排除する取組を推進している。青少年の暴力団からの犯罪被害防止や暴力団への加入阻止を目的とした暴力団排除教育サポーターによる暴力団排除教室のほか、事業者と警察との連携強化を目的とした暴力団排除対策連絡会議等を実施している。
これらの各種取組により、同県内の暴力団構成員等の総数は、平成28年12月末現在で約2,240人となり、平成19年の3,750人をピークに一貫して減少傾向が続いている。
概要説明の後、委員からは活発な質疑が行われた。「暴力団の資金源はどのようなものが多いのか。また、資金源に対する取締りはどのように行われているのか」との質問に対し、「覚せい剤、賭博及びノミ行為等のいわゆる伝統的資金獲得犯罪のほか、企業や行政機関を対象とした不当要求、振り込め詐欺、強盗、窃盗、各種公的給付制度を悪用した詐欺等、時代の変化に応じて様々な資金獲得犯罪を行っている。暴力団の捜査において、資金源を取り締まることは一番重要だと考えている。事業者への不当要求の対策強化や暴力団内の上納金の取締り等を行っている」との回答があった。
今回視察先を調査できたことは、本県の暴力団対策のため大変参考となるものであった。

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議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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