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掲載日:2018年2月13日

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文教委員会視察報告

期日

成29年11月14日(火曜日)~15日(水曜日)

調査先

(1)   千葉県立銚子商業高等学校(銚子市)
(2)   千葉県立美術館(千葉市)

調査の概要

(1)千葉県立銚子商業高等学校

(地域を活性化する教育活動について)

【調査目的】

千葉県立銚子商業高等学校は、商業科、情報処理科及び海洋科の3科を持つ専門高校である。同校では、専門科目である課題研究の講座を、商業科・情報処理科が共同で開講している。開講している5つの講座のうち、地域活性化講座では、昨年度、「新商品開発」、「ウオッセ21への出店運営」、「銚子電鉄の支援」の3グループに分かれて活動を行った。
このうち、銚子電鉄の支援では、銚子電鉄との打合せやプレゼンテーションを重ねるうちに、当初考えていた社内販売、犬吠駅でのコンサート、社内アナウンスの改善ではなく、本来の課題であった故障した車両を修理するための活動を行うこととした。高校生自らがクラウドファンディングを活用し40日間で480万円超の資金を調達して、修理された車両が再び銚子の街を走り出した。この高校生の活動は、新聞各紙やテレビでも報道され、教育活動により地域が活性化した事例として注目を集めている。
同校を視察することにより、本県の魅力ある県立学校づくりの参考とする。

【調査内容】

千葉県立銚子商業高等学校は、明治33年に開校した旧銚子商業高校と、昭和18年に開校した旧銚子水産高校が、平成20年に学校再編により統合して誕生した専門高校である。商業科、情報処理科、海洋科の3科を有し、生徒数は785人である。また、同校は、野球部が春8回、夏12回の甲子園出場を誇る名門で全国制覇も達成しており、吹奏楽部が全日本吹奏楽コンクールで5年連続金賞を受賞しているなど、部活動が盛んなことでも有名である。
同校では、平成26年度から商業科と情報処理科が共同して専門科目の課題研究を開講している。この課題研究は、(1)資格取得、(2)小論文、(3)調査研究、(4)観光、(5)地域活性化の5つの講座を設け、進路希望や関心に応じて生徒が選択することとしている。このうち、平成28年度の地域活性化講座では、「新商品開発」、「ウオッセ21への出店運営」、「銚子電鉄の支援」の3グループに分かれて活動を行った。
「新商品開発」では、山崎製パン、JA全農ちばと連携して地域の特産品であるメロンを使った「ま~るいメロンデニッシュ」を共同開発し千葉県内、関東地区のコンビニやスーパーで販売した。「ウオッセ21への出店運営」では、店舗数の減少が続いていた商業施設である同施設に「銚商夢市場」と称する店舗を出店し、商業科で学んだことを生かして商品の選定、陳列、接客、販売を行い、東京での出張出店も行った。「銚子電鉄の支援」では、老朽化した駅舎をきれいに修復する「銚子電鉄メイクアップ・プロジェクト」を立ち上げ、犬吠駅の壁を塗装したり、銚子電鉄の本社がある仲ノ町駅の老朽化した駅舎を修復した。この修復に必要な資金は、クラウドファンディングによって調達した。
なお、「銚子電鉄の支援」で活用したクラウドファンディングの手法は、平成26年度に脱線事故を起こして運行不能となった車両の修繕費用を集めようと用いたものである。この取組は、マスコミ等で取り上げられ、目標とした300万円を大きく超え、約480万円の資金を集め、車両を修理して復活させることができた。
平成27年12月、銚子市長が市広報に「銚商生の情熱と挑戦は銚子に新風を吹き込み、マチづくりを塗り替えている。市民の意識を変え、マチを動かしている。」とのコメントを寄せている。これは同校が平成26年度から取り組んだ地道な活動が認知された表れである。
商業高校が地域活性化の中心機関として機能するような教育活動を展開することで、高校生にとっては実践的な学習活動の機会となるとともに、地域社会に貢献することにもつながっており、今後も銚子市及び銚子電鉄の活性化に取り組んでいくとのことである。
概要説明の後、活発な質問が行われた。その中で、「プロジェクトの期間は1年か」との質問に対し、「3年生が対象の授業なので原則1年だが、企画が終わらない場合は次の学年に引継ぐこともある。内容をバージョンアップして実施する例として、銚子電鉄の支援は継続的な企画である」との説明があった。
今回視察先を調査できたことは、本県における魅力ある学校づくりを推進していく上で大変参考となるものであった。

千葉県立銚子商業高等学校にて

(2)千葉県立美術館

(芸術文化施設の管理及び運用について

【調査目的】

千葉県立美術館は、美術・文化資料に関する情報発信や生涯学習の機会の提供を通して、美術を愛する人材を育成し、県民の学習を支援している。また、講演会やコンサート、県内美術団体の主催による展覧会の開催など、地域の核となって、美術を通して地域づくりも支援している。
同美術館は、近代美術と現代美術を分かりやすく理解してもらうため、関連資料を含め美術・文化資料の体系的収集に努めている。特に、近代日本洋画の先駆者として活躍した浅井忠及びその師弟の作品や、金工家である香取秀真、津田信夫の作品など、千葉県ゆかりの美術家の作品を中心に約2,800点(平成29年3月31日現在)の作品を収蔵している。
    同美術館を視察することにより、本県の芸術文化施設の管理及び運用についての参考とする。

【調査内容】

千葉県立美術館は、千葉県ゆかりの美術・文化資料を中心として体系的に収集、保管して後世に継承するとともに、「みる、かたる、つくる」活動により新たな知見を創造し、美術情報を発信することを目的として昭和49年10月に開館した。同美術館の敷地面積は約3万3,000平方メートルで、展示室面積は約4,300平方メートル。非常勤を含む職員数は22名で、人件費を除く歳出予算額は約1億3,000万円。平成28年度の入館者数は約12万人である。
同美術館の展示会スケジュールは、1年の中間に千葉県美術展覧会を設定し、全体を4期に分けて構成している。そのうちの1期を特別展として設定している。平成29年度の特別展は「Theフィギュアinチバ」として実施した。これまでに行ったことのない取組で、サブカルチャーである現代日本の文化を取り上げた。この企画展は、美術館離れが指摘される若者をターゲットとし、これまでの特別展と異なり夏休みに開催して集客を図った。
同美術館は常設展を実施しておらず、常に作品を入れ替えて展示企画を実施していることが特徴である。特別展以外の3期は、それぞれの時期に千葉県にゆかりのある芸術家を取り上げてメインとなる展覧会を組むこととしている。例えば、4月から7月の第1期では、銚子市を描いた金子周次版画展を企画し、銚子市教育委員会が所蔵する多くの作品を借りて展覧会を開催した。金子周次のように一部の者にしか知られていない埋もれた作家を発掘することが、県民のための美術館の一つの使命であると考えているとのことである。
視察では、第3期の企画として開催されていた「追悼深沢幸雄の歩み」を見学した。深沢は世界的に有名な銅版画家であり、アメリカやメキシコ、ヨーロッパの美術館でも多数の作品が収蔵されている。同美術館で収蔵している55点の作品に加え、アトリエがあり居住していた市原市の美術館で収蔵している作品や遺族からも協力を得て追悼展を開催したとのことである。
また、同美術館では、特別展を除き通年で浅井忠の作品の展示会を実施している。浅井忠は千葉県出身で日本洋画の先駆者と呼ばれており、同美術館では約200点の作品を収蔵している。
ほかにも、地域と連携した取組として文化庁の補助金を活用し「CHIBA DE ART」と題して、千葉市、佐倉市、成田市にある5つの美術館(千葉県立美術館、千葉市美術館、DIC川村記念美術館、佐倉市立美術館、成田山書道美術館)が連携して共通のガイドマップを作成し、11月の土日祝日を中心に無料巡回バスを運行している。この取組でより多くの県民に美術館に足を運んでもらいたいと考えているとのことである。平成26年度からはお互いの情報発信や共同企画を実施しており、若手学芸員が集まり企画を練っている。今年度から3年間の予定で「CHIBA DE ART」を開催し、東京2020オリンピック・パラリンピックにおいても、5つの美術館が中心となり観光客を取り込めるように準備している。今後は、外国語のパンフレットの作成にも取り組む予定としている。
今回視察先を調査できたことは、本県における芸術文化施設の管理及び運用の取組を推進していく上で大変参考となるものであった。

お問い合わせ

議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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