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掲載日:2018年2月6日

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文教委員会視察報告

期日

平成28年8月3日(水)~5日(金)

調査先

(1) 知覧特攻平和会館(南九州市)
(2) 桜島ビジターセンター(鹿児島市)
(3) 鹿児島県立楠隼中学校・楠隼高等学校(鹿児島県肝付町)
(4) 宮崎県青島青少年自然の家(宮崎市)

調査の概要

(1)知覧特攻平和会館

(歴史的施設及び資料の次世代への継承について)

【調査目的】

知覧特攻平和会館は、旧陸軍特別攻撃隊隊員の遺品や関係資料を展示し、当時の記録を後世に伝えることを目的に、昭和50年に知覧特攻遺品館として開館した。
南九州市が同館の運営主体であり、平和を考える学習の場として、教育旅行・修学旅行等の誘致を図っているほか、10名以上の団体に対し語り部による講話や様々な企画展の工夫などを行い、年間約47万人(平成27年度)が訪れる施設である。
また、関連事業として、同会館内に実行委員会を設置し、「いのち・平和」をテーマとした、スピーチコンテストなどの事業も行っている。
同館を視察することにより、本県の歴史的施設等の運営についての参考とする。

【調査内容】

知覧特攻平和会館は、事業活動として「資料の収集・保存活動」を行っており、収集資料は、太平洋戦争末期における陸軍沖縄戦の特別攻撃隊に関するものに重点を置き、対象を実物資料としている。資料の収集については、遺族の世代交代により、資料の散逸及び滅失が予想されるため積極的に行っていく必要がある。資料は、遺族が直接持参されることもあるが、事前に問合せがあり後日送付してくるケースが多いとのことである。平成28年3月31日現在の収蔵資料数は、特攻隊員の遺品及び戦時中の資料等、1万4,698点となっている。
また、同館では資料の収集・保存活動のほかに、教育活動として、戦争を知らない世代への平和を考える学習の場を提供しており、修学旅行及び教育旅行の誘致を図り、健全で正しい平和学習の推進を図っている。平成27年度の実績として、小学校252校、中学校200校、高校158校が修学旅行等で訪れている。修学旅行等で訪れる学生に対しては、特攻の歴史的背景及び特攻隊員の手紙の特色を、旧知覧町出身の語り部5名が、丁寧に解説をする取組を行っている。また、250点の遺書、手紙等を現代語と並列して学習できる資料解説システムを5台設置しているほか、ipadを用いたガイドシステムを貸し出し、映像、音声及び字幕(日本語・英語・中国語・韓国語)により解説している。
入館者数の推移としては、平成27年度は約47万7,000人の入館者であった。ピーク時であった平成14年度の73万6,000人に比べると25万9,000人の減となっているが、魅力ある企画展を開催し、入館者数の確保に努めていくとのことである。
そのほかの取組としては、「平和」、「命」、「家族愛」などをテーマとして毎年、知覧スピーチコンテストを開催している。今年度は27回目の開催であり、5,448名からの応募があった。
今後の課題としては、品質の良い状態で資料を保存し続ける対策である。資料の大半が紙であり、和紙に墨書きの資料は問題ないが、洋紙に万年筆等で書かれた資料の状態が悪く、洋紙が茶色に変色してきているとともに、文字が薄れて読みづらくなってきているとのことであった。
概要説明の後、活発な質疑応答が行われた。その中で、「館内案内人である語り部の高齢化対策はしているのか」との質問に対し、「特攻隊員と同世代の語り部が昨年度に2名退職している。高齢化による退職は避けられず、新たに語り部になっていただく方については、先輩からの引継ぎ、保存されている大量の資料を用いて研究や勉強をしていただいている」との説明があった。
今回視察先を調査できたことは、本県における歴史的施設等の運営をしていく上で大変参考となるものであった。

(2)桜島ビジターセンター

(博物館運営の工夫について)

【調査目的】

桜島ビジターセンターは、昭和63年に環境省の補助金を導入して設置した鹿児島県立の火山博物館である。
大正時代の桜島大噴火の溶岩流の中に立地し、付近には溶岩なぎさ遊歩道など、当時の大噴火を物語る風景が広がっている。
入館無料・年中無休で運営を行い、桜島への旅行者が最初に立ち寄る施設である。
平成21年度から、鹿児島県の指定管理者として、NPO法人桜島ミュージアムが管理運営を行っている。ガイドの配置、展示内容の改善、様々なイベントを行うことにより、平成21年度以前は年間約5万人であった入館者数が、平成25年度には10万人を超えた。
同センターを視察することにより、本県の博物館運営についての参考とする。

【調査内容】

鹿児島県の桜島にある「桜島ビジターセンター」は、霧島錦江湾国立公園内にある桜島を訪れた方への情報ステーションである。館内には、①シアタールーム、②桜島・噴火と成長の歴史、③噴火映像、④桜島噴出物、⑤桜島・植物の移り変わり、⑥錦江湾の生き物、⑦企画展示、⑧上空から見た桜島、⑨パソコンを用いた情報収集の9つのコーナーがあり、桜島を分かりやすく解説している。
平成21年度から、指定管理者法人としてNPO法人桜島ミュージアムが施設管理等を行っているが、年間5万人であった入館者数を、平成25年度には10万人に伸ばしている。これは、同法人が同センターのみの管理を行うことだけではなく、桜島全体の自然や文化を丸ごと博物館に見立て、地域づくり及び観光にも一体的に取り組む活動をしてきた成果である。具体的には、同センターを拠点としたガイドツアーの実施、修学旅行生を受け入れるための基盤整備及び地域資源を活用したオリジナル商品であるつばき油の商品開発・販売などである。また、桜島の自然や文化の関心を高めることで防災にもつなげる活動を行っており、こうした活動は全国から注目を集め平成23年には環境省「エコツーリズム大賞」の特別賞を受賞している。
同施設のメンテナン費用及び光熱水費については、県及び市からの委託料約700万円でまかなっているが、従業員10名の人件費は、館内売店で販売するオリジナル商品の売上総利益約1,400万円で対応し運営をしている。
課題は、20年以上が経過した施設の老朽化である。小規模な修繕には指定管理者が対応できているものの、大規模な改修については、引き続き県と交渉をしていくとのことであった。
概要説明の後、展示室の見学を行う中で、展示の工夫、団体客への対応などについて、活発な質疑応答が行われた。
今回視察先を調査できたことは、本県における博物館運営を充実させるために大変参考となるものであった。

(3)鹿児島県立楠隼中学校・楠隼高等学校

(グローバルリーダーの育成について)

【調査目的】

鹿児島県立楠隼中学校・楠隼高等学校は、平成27年4月に開校した併設型中高一貫校で、公立校としては全国初の全寮制男子校である。
中高を通じ、グローバルリーダーを育成するための課題研究、JAXAと連携して行われる宇宙学、農業漁業民泊体験など、特色ある教育活動を展開している。また、中学校からタブレット等を利用した、ICT教育を導入している。
同校を視察することにより、本県の教育施策の参考とするものである。

【調査内容】

鹿児島県立楠隼中学校・楠隼高等学校は、鹿児島県において県立高校の再編を行う中で誕生した学校である。現在、開校2年目であり、中高生がそれぞれ2学年まで在籍し、寮生活の中で総勢185名の学生が学んでいる。全寮制であることから、教職員が24時間体制でバックアップをしている。
教育方針は、世界を見通すリーダーの育成であり、校訓は、「大志(多様な学習活動を重ね、自らが主体として考え行動する生き方の形成)」、「至誠(他者の立場を理解できる、真のリーダーに不可欠な精神の基礎を形成)」、「叡智(情報化、国際化の中で課題解決できるリーダーになれるように、好学の資質を形成)」の3項目を掲げている。
学びの核となるコンセプトは、①中高7限授業、②ことば、外国語教育、③シリーズ宇宙学、④農業漁業民泊体験活動、⑤産業界、内外大学との連携、⑥寮での学習指導員、⑦仲間との寮生活の7項目である。宇宙学では全国初となる、宇宙航空教育活動に関する推進モデル校になっている。
授業は、午前7時25分から朝の補習が始まり、7時限授業の後、午後8時からは寮での補習時間を設けている。寮での補習時間では、学習指導員を配置し、講座や個別指導等を行い、弱点の克服や重点科目の強化を図っている。また、日々の時間管理及び学習計画など自己管理能力の育成を図るために、「楠隼ダイアリーと呼ばれる手帳」を学生に持たせ、毎日の生活、学習を自ら管理させている。
中学校では、重点指導教科である、国語・数学・英語に関し特に力を入れており、7時限授業により、一般の中学校よりも、1年生から2年生までで年間175時間、3年生で年間210時間多く授業を行う。また、6年間を見通したカリキュラムの編成や少人数指導により、基礎学力の確実な定着を図っている。ほかに、中学校において注目されている授業として、「ことば探究」がある。「ことば探究」とは、新聞記事など多様な題材を活用し、スピーチ、ディベート及びディスカッションの学習を行い、社会の中で求められる実践的な表現力、思考力等を育成しているものである。
概要説明の後、進路指導方針、生徒の学力差への対応、学生が寮生活をする上での課題について、活発な質疑応答が行われた。
今回視察先を調査できたことは、本県における教育施策を検討する上で大変参考となるものであった。


鹿児島県立楠隼中学校・楠隼高等学校にて

(4)宮崎県青島青少年自然の家

(青少年宿泊研修施設の運営について)

【調査目的】

宮崎県青島青少年自然の家は、宮崎市街地から車で20分に位置し、豊かな自然に囲まれた宮崎県立の青少年宿泊研修施設である。
現在は、指定管理者である(学)宮崎総合学院が管理運営を行い、施設の無休化や職員の資質向上の取組などにより利用者の確保に努め、平成27年度の利用延べ人数は、6万1,451名であった。
県の指定管理者の選定に当たっては、書類審査及び具体的な経費削減への取組や利用者確保への対策など、申請者によるプレゼンテーションを行い、管理者を決定している。
同施設の地域の特徴を生かした利用者確保への取組や現在の運営状況を調査し、本県における宿泊型研修施設の運営の参考とする。

【調査内容】

宮崎県青島青少年自然の家は、青少年が様々な自然体験活動、野外活動及びスポーツ活動など集団宿泊生活を通じ、「規律・協同・友愛・奉仕」の精神を体験的に学習し、豊かな情操及び社会性を養うとともに「たくましい体・豊かな心」を育てるための社会教育・宿泊研修施設である。現在は、指定管理者である(学)宮崎総合学院が管理運営しており、様々な取組を行い利用者の確保に努めている。
同施設では、設置目的を達成するため、利用団体の研修活動を支援する「受入事業」及び施設側が自ら企画し提供する「主催事業」を積極的に実施している。特に、立地条件を生かした主催事業に力を入れており、松林の中で行う「しおかぜ追跡ハイキング」、海岸沿いのトロピカルロードを利用した「サイクリング&青島散策」が高い人気を得ている。また、野外活動用の「フィールドアスレチック」及び「水上アスレチック」についても改修を行い高い利用率である。また、利用者の大部分を子供たちが占めているため、安心安全には特に留意しており、最近では屋上一時避難所の設置に伴う津波避難対策の充実、食物アレルギー対策の充実を図ったとのことである。
利用延べ人数は、平成25年度6万4,999名、平成26年度6万1,209名、平成27年度6万1,451名であり、主に小中学校の学校行事や少年団体の行事で利用されている。
 (学)宮崎総合学院は、宮崎県内の3つの青少年自然の家を一括して指定管理を行っており、3つの施設合同での職員研修を行うほか、学校教育関係者、学識経験者及び地域の代表からなる運営協議会を設置し運営改善に努めているとのことであった。


宮崎県青島青少年自然の家にて

同施設の課題としては、開所から40年が経過している施設の老朽化である。また、利用者からバリアフリー化についての要望が出るなど、ハード面での満足度が低下してきているので、県と連携し対策をしていくこととしているとのことであった。
概要説明の後、閑散期の利用者確保への取組、指定管理者の選定方法及び委託料について活発な質疑応答が行われた。
今回視察先を調査できたことは、本県における青少年宿泊研修施設の運営をする上で大変参考となるものであった。

お問い合わせ

議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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