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掲載日:2018年2月6日

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文教委員会視察報告

期日

平成28年2月8日(月)~9日(火)

調査先

(1) 信濃むつみ高等学校(松本市)
(2) 長野市教育委員会(長野市)

調査の概要

(1)信濃むつみ高等学校

(特色ある教育について)

【調査目的】

信濃むつみ高等学校は、通信制・単位制・普通科の私立高校である。基本的にインターネットを学びのツールとし、サイトに接続すれば、いつでもどこでも学ぶことが可能という「テラ・スコラ(地球が教室)」を提唱している。
また、同校では48種類の「ゼミ」活動を教員が生徒に呼び掛けて実施しており、県外や国外をフィールドにしたものもあるなど、多様な学びを実現している。
同校を視察することにより、本県の高等学校における特色ある教育の取組の参考とする。

【調査内容】

信濃むつみ高等学校は、学校法人外語学園が平成15年4月に開校した通信制・単位制・普通科の高校である。同校は4月と10月の年2回入学可能で、入学資格は中学校を卒業した者となっている。
同校における基本的な学びのツールはインターネットであり、パソコンやスマートフォンからサイトにアクセスすれば、時間や場所に制限されることなく学ぶことができる。また、月3回から10回校舎でのスクーリングを実施しており、生徒は履修する科目によって自分なりのスケジュールを組むことが可能であり、レポート、スクーリング、試験を経て、74単位以上を取得することが卒業の条件となっている。なお、同校では学年の概念がなく、希望すればより長く在籍し多くの単位を取得することも可能となっている。
スクーリングを行う校舎には、いくつかの部屋はあるが、基本的には壁のないオープンなスペースとなっている。一角ではスクーリングが行われ、別の一角では自習をする生徒がいるなど、あえて空間の縛りを排除し、生徒が自由に校舎を利用できる形態を採用している。
また、単位取得や評定には関係しないものの、福祉や教育活動、文化活動、表現活動、ボランティア活動、さらには国際活動に至るまで、多種多様な「ゼミ」を用意し、自分を見つめ直し、可能性を感じるきっかけづくりにも力を入れている。
現在16歳から20代半ばの400名を超える生徒が在籍しているが、不登校や病気、家庭の事情等様々な要因を抱えた生徒たちの生き方や個性を尊重し、多くの選択肢を用意するとともに、学校や社会から不適応とされ、枠からはみ出した生徒に対し、共に考え、全力でサポートすることを同校の建学の理念としているとのことであった。
こうした取組により、学ぶことや就労への意欲が高まり、大学や専門学校への進学や、就職を果たす生徒も多いとのことである。
概要説明の後、委員からは活発な質疑が行われた。「校長先生、教頭先生は長く予備校講師を務めていたとのことだが、なぜこのような理念を持った学校を立ち上げるに至ったのか」との質問に対し、「難関校への進学を目的とした教育に疑問を感じ、広い意味で社会全体における教育の果たす役割を考えた結果である。様々な事情を抱えた生徒たちに、本校の活動を通じて社会とダイレクトにつながり、自らの可能性を見出してもらいたい思いである」との回答があった。また、「制約のない自由な学校であるが、社会における義務やルールについてはどのように教育しているのか」との質問に対し、「社会でのマナーは重要であるが、学校が積極的に教えるのではなく、本校の環境の中で生徒自身が身に付けていくものと考えている」との回答があった。
同校を視察したことは、本県の高等学校における特色ある教育に関する施策を推進する上で大変参考になるものであった。

信濃むつみ高等学校にて

(2)長野市教育委員会

(活力ある学校づくりの取組について)

【調査目的】

長野市では、少子化・人口減少社会に対応した活力ある学校づくりを推進し、小中連携や小中一貫教育など児童・生徒が集団で学び合える豊かな教育環境の構築と連携による学力向上に取り組むため、連携推進ディレクター(指導主事)を配置する「地域発活力ある学校づくり推進事業」を平成27年度から3年間モデル的に実施している。
同教育委員会を視察し、本県における地域と連携した小中一貫の取組の参考とする。

【調査内容】

長野市教育委員会は、小中連携、小中一貫教育等のモデルとして、市内6中学校区に4人の連携推進ディレクター(非常勤嘱託職員・指導主事)を配置し、「地域発活力ある学校づくり推進事業」に取り組んでいる。
本年度は、義務教育9年間を見通した特色ある教育課程・教科設定、交流授業、合同行事、児童生徒や教職員相互の交流、土曜学習など、学校間や学校と地域をつなぐ取組を中心に実施しており、平成28年度には「活力ある学校づくり推進委員会」を設置し実践事例を踏まえての具体的な方向性や小中学校の将来像について検討する予定であるという。同教育委員会における地区別の取組について、若穂地区及び七二会・中条地区を担当する連携推進ディレクター2名から説明があった。
若穂地区は、比較的市街地は多いものの少子化による児童生徒の減少が急速に進むと予想されている地域である。まず、活力ある学校の定義として「歴史・伝統を重んじながらも、常に変化し進歩・発展すること。そして子供がいきいきと常に自分の可能性に挑戦して生活すること」と捉え、そのために「子供同士や住民との良き出会い、心のふれあい、ふるさと若穂の良さを再発見するために今まで以上に連携・協働する」こととして事業を展開している。
具体的には、幼・保・小・中と学校間の連携交流をはじめ、地区内小中学校の合同活動、公民館活動、さらには学校支援ボランティア募集を行い、新たな授業支援や協力者の増加を図っている。
一方、中条・七二会地区は長野市西方に広がる中山間地であり、人口がピーク時の2割に激減した地域である。学校の存続自体が危ぶまれる中、「この地域でしかできない体験」を小学校から高校までの学校間、地域住民及び団体とともに取り組んでいる。
具体的には、農業の盛んな地域特性を生かし、小学生は名産である西山大豆をはじめ、大根、サツマイモ、米、などの栽培を行い、中学生は生徒会収益作業としてのフキ採りや学有林に杉苗の移植を行っている。さらに、ふるさとの伝統や想いを未来へつなげるために、地域の文化に特化した総合学習をカリキュラムに加えるなど、ふるさとへの誇りを醸成している。
また、これまでは学校ごと、年度ごとに行っていた住民への支援依頼を、地区全体にわたる学校支援ボランティア名簿として一本化し共有することで地域での理解が広がり、現在は地域全住民の1割に当たる方の協力が得られているという。
概要説明後の質疑応答では、予算、連携推進ディレクターの実質的な役割、1年間の取組による子供たちの変化などについて委員から活発な質疑が行われた。
同教育委員会を視察したことは、本県における地域と連携した小中一貫の取組に関する施策を推進する上で大変参考になるものであった。

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議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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