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掲載日:2018年2月13日

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県土都市整備委員会視察報告

期日

成29年11月14日(火曜日)~15日(水曜日)

調査先

(1)   八ッ場ダム建設現場(群馬県長野原町)
(2)   長野市役所[都市計画課](長野市)

調査の概要

(1)八ッ場ダム建設現場

(ダム及び砂防事業の推進について)

【調査目的】

八ッ場ダムは、利根川の主要な支流である吾妻川中流部、群馬県吾妻郡長野原町内において建設中の国直轄の多目的ダムである。洪水調節といった治水機能のほか、流水の正常な機能の維持、水道水等の安定供給及び発電を目的としている。
事業
主体は国土交通省関東地方整備局で、共同事業として、国や地元の群馬県だけでなく、埼玉県、東京都、千葉県、茨城県、栃木県も事業費の一部を負担している。
平成28年6月からはダム本体のコンクリート打設が始まった。今年の4月からは日本が開発した高速施工技術「巡航RCD工法」による打設を開始し、高さ116mに対して約4割の進捗状況となっており、平成31年度の事業完了を予定している。
本県が費用負担している事業であり、今後の本県の治水・利水に資するダムであることから、同事業を視察し、今後の施策推進の参考とする。

【調査内容】

八ッ場ダムは、昭和22年に発生したカスリーン台風による大被害を受けて、利根川上流にダムを築いて洪水調節を行い、下流部の洪水被害の軽減を図るための治水事業の一環として、昭和27年に計画された。また、年々増え続ける首都圏の人口と、それに伴う水の使用量の増大を支えるための水資源開発も大きな目的であった。吾妻川の水質問題で一時中断となったが、水質改善を受け、昭和42年に実施計画調査に着手し、昭和45年には建設事業に着手した。昭和61年に特定多目的ダム法の基本計画が告示され、平成4年には地元長野原町と「八ッ場ダム建設事業に係る基本協定書」が締結された。平成13年に補償基準が調印され、平成21年1月にはダム本体工事の入札手続に入ったが、同年9月に八ッ場ダム建設事業について中止の方針が表明され、翌10月に入札が中止された。その後、個別ダムの検証がなされ、平成23年12月に事業継続の方針が決定された。こうした経緯を経て、当初の計画から60年以上経った平成26年8月、八ッ場ダム本体建設工事が契約され、平成28年6月からダム本体のコンクリート打設を開始している。
同ダムの事業主体は国土交通省関東地方整備局で、共同事業として本県も事業費の一部を負担している。総事業費は約5,320億円で、平成31年度の完成を予定している。形式は堤自身の重力により水圧等の外力に抵抗する重力式コンクリートダムで、堤の高さは約116m、体積は約100万立方メートル、総貯水容量は1億750万立方メートルである。
同ダムの目的は、ダム地点ピーク流量時において、毎秒3,000立方メートルの洪水をダム下流には毎秒200立方メートルの放流になるよう調節するといった治水機能のほか、ダム下流の流量の確保、群馬県と下流都県の新規都市用水の供給及びダム下流に新設される八ッ場発電所での発電などとなっている。
当日は、ダム建設現場近くにあり、八ッ場ダムの模型などが展示されている「なるほど!やんば資料館」において概要説明を受けたほか、ダムサイト右岸天端からは本体建設工事の状況を、不動大橋からは道路付け替え状況等を見学し、視察中は委員から活発な質問が行われた。その中で、「建設用地であるダムサイトの位置が当初の計画から変更されたとのことだが、理由は何か」との質問に対し、「当初の段階では、谷間がV字のため整備の際のコンクリート量が少なくて済み、かつ多量の水を貯められるという効率の面で、吾妻渓谷の周辺で計画されていた。しかし、国の名勝にも指定されている吾妻渓谷という地域の財産を守るため、文化庁との協議なども経て、現在の位置に変更となった」との回答があった。また、「水没地の住民に対する生活再建はどのようにされたのか」との質問に対し、「水没地で約300世帯、付け替え道路も含めると計約470世帯が移転を余儀なくされた。それら住民からの生まれ育った地域で生活したいとの要望を受け、ダム湖畔沿いの高台に代替地を整備する現地再建方式(ずり上がり方式)により、代替地規模を設計し、整備してから移転してもらうやり方を取った。小学校は2校、中学校は1校が整備されている」との回答があった。
このように、同ダム建設現場を調査できたことは、本県のダム及び砂防事業を推進する上で大変参考になるものであった。

八ッ場ダム建設現場にて

(2)長野市役所

(都市計画行政の推進について

【調査目的】

長野市は、平成27年春の北陸新幹線長野-金沢間の延伸開業に当たり、長野駅善光寺口駅前広場について、ハブ駅としての交通機能の充実と県都の玄関口にふさわしい新たな顔づくりのため、長野駅善光寺口駅前広場整備事業により再整備した。同事業では、新駅ビルへのデッキ延伸や融雪施設といった機能面の向上だけでなく、長野の歴史と伝統を現代的に表現した大びさし・列柱のほか市内の間伐杉材を使用するなど環境面にも配慮した整備がなされ、歴史・伝統・自然を生かした魅力ある駅前空間が形成されている。
本県でも、さいたま市を中心に大宮駅東口地区の再整備に取り組む予定であり、また、所沢市所沢駅西口北街区地区など市街地再開発事業を促進していることから、同事業を視察し、今後の施策推進の参考とする。

【調査内容】

長野駅善光寺口駅前広場は、昭和33年に都市計画決定され、長野市が日本国有鉄道(現在の東日本旅客鉄道(株))との協議の下、昭和58年に区画整理事業により整備した。平成9年には、長野新幹線の開通や翌年の長野オリンピック開催に伴い、駅の橋上化や東西自由通路などを暫定整備したが、社会情勢や市民ニーズの変化により、二次交通との連携、都市景観やユニバーサルデザインへの配慮不足が指摘され、長野らしさの演出などが求められることとなった。
そこで、長野市は、平成27年春、北陸新幹線金沢延伸と、7年に一度の盛儀である善光寺御開帳に合わせ、交通結節点としての機能充実、新たなまちの顔づくり及び自由通路等の利便性向上を目的に、長野駅善光寺口駅前広場整備事業により同広場の再整備を実施した。
再整備に当たっては、平成20年から平成22年にかけて、学識経験者や利害関係者などで組織する長野駅善光寺口整備計画検討委員会において整備の方向性を検討し、翌平成23年に長野駅善光寺口景観検討委員会によりデザインなどを検討した上で、平成24年10月から整備工事に着手した。総事業費は約53億円で、そのうちの約3分の2に当たる約35億円を長野市が支出し、国が約16億円、長野県が2億円をそれぞれ拠出している。
当事業では、機能面の充実だけでなく、イベントスペースなど利用しやすいまとまった規模の広場を確保するほか、既存デッキ延伸による駅との接続や地下通路の活用による周辺との連続した空間や動線により駅と中心市街地との回遊性を確保するなど、にぎわいの創出に配慮した整備がなされている。また、信都・長野の玄関口にふさわしい長野の門を表した大びさし・列柱や、善光寺にゆかりのある如是姫像を据えた中央広場の整備など、歴史と伝統と自然を生かした長野らしさを駅前広場で表現するなど、魅力ある駅前景観を形成している。そして、同広場は、特に、駅前広場単体で捉えず隣接する駅ビルと一体に整備することで獲得された機能や、善光寺のある街としての落ち着きや重要なバスターミナルをさりげなく目立たせるなどの洗練されたデザイン手法が高く評価され、平成29年度都市景観大賞「都市景観部門」で大賞(国土交通大臣賞)を受賞した。
概要説明を受けた後、委員から活発な質問が行われた。その中で、「長野駅と一体整備をする上で、JR東日本との調整はどのようにしてきたか」との質問に対し、「JR東日本とは、昭和57年に、長野市と当時の国鉄との間で新幹線開通に当たって共同整備を進めていくことの基本協定を締結した。それ以降、合意書も含めて計18回の変更協定を締結するなど、両者での取り決めをきちんとしてきており、整備方針を決める際などは、それら協定等に基づき調整して進めている」との答弁があった。また、「JR東日本との費用負担はどのようになっているか」との質問に対し、「協定に基づき、それぞれの管理区分に応じた費用負担をしている」との回答があった。
質問終了後は、長野駅善光寺口駅前広場を視察した。
このように、長野市の取組を調査できたことは、本県にとって、都市計画行政を推進する上で大変参考となるものであった。

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議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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