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掲載日:2026年9月18日

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県土都市整備委員会視察報告

調査日

令和8年5月25日(月曜日)~26日(火曜日)

調査先

(1)IGアリーナ(愛知国際アリーナ)(名古屋市)

(2)国土交通省中部地方整備局新丸山ダム建設事務所、新丸山ダム建設地(岐阜県八百津町)

調査の概要

(1)IGアリーナ(愛知国際アリーナ)

(民間活力の活用によるアリーナの整備及び管理について)

【調査目的】

■本県の課題

  • アリーナ施設等の効率的な運営管理及び魅力度向上を図るため、民間活力の活用を検討する必要がある。

■視察先の概要と特色

  • IGアリーナは、民間事業者が自らの提案に基づいて施設を設計・建設し、完成後に県に所有権を移転する「BT(Build Transfer)方式」により整備された。県は「設計・建設費と維持管理・運営費」から「利用料金収入等を差し引いた額」をサービス購入料として支払うことで、設計・建設費400億円相当のアリーナ整備を、県負担額約200億円で実現している。
  • 施設の維持管理・運営に当たっては、県が所有権を有したまま、運営権(30年間)を民間事業者に設定する「コンセッション方式」を採用している。これにより、民間事業者は長期的な見通しを持ち収益の最大化を目指した投資・運営に取り組むことが可能となるほか、施設のライフサイクル全体を通じた事業効果の向上が期待されている。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • BT+コンセッション方式の採用により、民間事業者は貸館の利用料金収入に加え、スポンサーとの契約など様々な手法を活用して収益を確保する仕組みとなっている。
  • この手法のメリットとしては、県が施設の所有権を有したまま、維持管理や運営等のリスクを事業者の責任において担わせることができる点に加え、民間事業者の知恵やノウハウを生かした効率的な運用が可能となる点が挙げられる。
  • 運営事業者は株式会社愛知国際アリーナであり、設計から建設期間までは前田建設工業株式会社が、維持管理・運営期間については株式会社NTTドコモが代表企業を務めている。構成企業には、アメリカの世界的なスポーツ・音楽エンターテインメント企業であるAnschutz Sports Holdingsを含み、企業のノウハウを生かしながらグローバルアリーナを目指している。

■質疑応答

Q:30年間の運営権を民間事業者に設定するとのことだが、この30年という期間は民間事業者が黒字を確保するために必要な期間なのか。

A:事業の方向性を検討する段階で、県として運営期間を30年と決定したが、その期間内で黒字となる事業計画が提案されるという前提で公募を実施した。

Q:30年間という長期間では、物価高騰など見通しが困難な要素もあるが、それに対して県はどのように対応するのか。

A:建設費については、資材費や人件費の高騰分に対応している。一方で、維持管理・運営費については現時点で対応は想定しておらず、事業者において運営の中で対応していくものと考えている。
Q:県民はIGアリーナを旧愛知県体育館の後継施設と受け止めているのか、それとも別の施設として捉えているのか。

A:IGアリーナを後継施設と感じている方もいれば、別の施設と捉えている方もおり、受け止め方は様々であると考えている。県としては、名古屋が世界との交流を図る拠点となるよう、全く新しいグローバルアリーナとして事業を進めているところである。

IGアリーナにて議員とスタッフの集合写真

IGアリーナにて

(2)国土交通省中部地方整備局新丸山ダム建設事務所、新丸山ダム建設地

(治水事業の推進について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 治水機能の確保に向け、施設の適切な維持管理・更新に計画的に取り組む必要がある。

■視察先の概要と特色

  • 新丸山ダム建設事業は、国内有数の大河川である木曽川に位置する丸山ダムの洪水調節機能を維持したまま進める必要があるため、施工難易度が高く、先進的な技術が求められている。
  • 同事業では、BIM/CIMを活用した3次元情報の統合管理や、コンクリートに使用する骨材の製造からコンクリート打設までの一連の工程を集中監視室で制御する「自律型コンクリート打設システム」の導入など、様々なDXが活用されている。これにより、施工計画や安全管理の高度化をはじめ、建設現場の生産性向上や省人化、担い手不足への対応が図られている。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 新丸山ダムは、既存の丸山ダムに一部が乗る形で、下流側に堤体を47.5m延長し、高さを20.2m かさ上げするダム建設事業である。
  • ダム建設に用いている自律型コンクリート打設システムでは、コンクリートの運搬を担うケーブルクレーンと、投入されたコンクリートを締め固めるバイバックが連携を行っている。ケーブルクレーンは自律運転により、AIが風速や揺れを自動で感知し、熟練オペレーターと同様の技術でコンクリートを揺れずに打設地点まで運搬することができ、施工時間の短縮につながっている。バイバックは、あらかじめ設定されたプログラムに基づき自動運転を行っており、各工程において自動運転や自律運転を行う事例はこれまでも存在するが、一連の工程を自動で実施する取組は国内初となっている。
  • 技術者の働き方も大きく変化している。従来は現場において人が一つ一つ確認作業を行っていたが、現在は室内に設けられたDXルームにおいて、モニターを確認しながら作業状況を把握することが可能となっている。このように室内での作業が可能となったことで、熱中症対策をはじめとした働き方改革にも寄与しているものと考えられる。

■質疑応答

Q:自律型コンクリート打設システムは、今後様々な現場で応用されていくと思われるが、システムを稼働させるために必要な条件はあるのか。

A:通信網が整備されていない場合、タイムラグにより誤差が生じるため、安定した通信環境を確保することが一つの条件であると考えている。また、自律化が進んだとしても完全に人員を不要とすることはできず、運用面や法整備などの課題もある

Q:自律型コンクリート打設システムの精度はどの程度か。

A:数センチ単位の精度であると認識している。

Q:従前と比較して省人力が図られているとのことだが、どの程度人員が削減されたのか。

A:丸山ダム建設時には最大で約3,000人の作業員が従事していたが、新丸山ダムでは300~350人程度となっており、おおむね10分の1程度まで削減されている。

お問い合わせ

議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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