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掲載日:2025年11月21日

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県土都市整備委員会視察報告

調査日

令和7年9月2日(火曜日)

調査先

(1)後楽ポンプ所(東京都文京区)

(2)砧公園(東京都世田谷区)

調査の概要

(1)後楽ポンプ所

(下水道事業の推進について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 下水道事業は、汚れた水をきれいに処理し快適な生活環境を確保することはもとより、下水道資源を有効活用することにより資源循環を推進し、持続可能な社会の構築に貢献することが求められている。

■視察先の概要と特色

  • 後楽ポンプ所では、未処理下水を熱源として、後楽一丁目地区の7施設に地域冷暖房として冷水や温水を届けている。
  • 事業実施に当たっては、下水道局と民間会社が共同出資し設立した、東京下水道エネルギー株式会社が熱供給を行っている。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 都庁における事務事業活動最大の温室効果ガス排出者となる下水道事業では、地球温暖化防止計画「アースプラン2023」を策定し、既存技術の導入拡大に加え、新たに技術開発した先進技術の導入により、2030年度までに2000年度比で、温室効果ガス排出量50%以上の削減を目標に設定している。また、同プランにおいては、地域への下水熱供給などを推進し、社会全体の温室効果ガス排出量削減に貢献することも定められている。
  • 下水の活用は省エネルギー効果だけではなく、夏季の冷房利用時に下水を冷却源として利用することで、冷却塔で消費する水道使用量を抑制するという経済効果もある。
  • これまでは、ポンプ所や下水処理場から熱を利用する必要があり、距離が近い場所に事業化できるエリアが限定されていたが、平成27年の下水道法改正により、下水道管理者の許可を得ることで、民間事業者等が熱交換器等を下水道管内に設置可能になり、対象エリアが広がった。これに対し都は、「下水熱利用ガイド」「下水熱ポテンシャルマップ」をHPで公開し、民間事業者等からの熱利用の受付を行っている。
  • 同所が供給している施設について、平日はオフィスビル、休日は娯楽施設の入ったビルでの熱利用が多くなり、ホテルは一年中安定して利用が見込まれるため条件の良いエリアである。

■質疑応答

Q:ヒートポンプシステムや主要な機器の耐用年数、更新年数はどのくらいか。

A:機械の耐用年数はおおむね20年となっているため、設備は20年程度で更新をかけるのが一般的となっている。当所も平成6年に稼働を開始し、平成26年から順次再構築に着手し令和4年度に完了しているため、本日見学した機器は新しいものとなっている。

Q:エネルギー源として大口で利用されているところも多いとは思うが、メンテナンス中のバックアップはどのようにしているか。

A:熱利用においては夏、冬がピークとなり、春、秋の余り熱を使わない中間期という時期がある。熱交換器の清掃を年1回行うが、その清掃は中間期に行っている。また冷房専用の機器などもあるので、熱供給全体を見ながら、点検作業や機器更新を行っている。また、全部を賄うことはできないが、空気熱源を使ったヒートポンプもバックアップとして用意している。

後楽ポンプ所にて議員とスタッフの集合写真

後楽ポンプ所にて

(2)砧公園

(誰もが利用しやすい公園づくりについて)

【調査目的】

■本県の課題

  • 県営公園の整備においては、性別、年齢、障がいの有無などにかかわらず、全ての公園利用者が安心、安全に利用できるような施設になることが求められている。

■視察先の概要と特色

  • こどもの障がいに係る人や有識者へのヒアリングを経て、令和2年に誰もが遊べる広場として「みんなのひろば」を整備した。
  • 広場にはユニバーサルデザインに配慮をした遊具が多数配置されている。
  • 整備後も利用者へのアンケートやヒアリングを活用し、出入口の扉を弱視者向けに分かりやすい色に塗装するなど、改善の取組を行っている。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 都立公園の中で最初の整備場所に砧公園を選定をした経緯は、一次評価として、広場までのアクセス性、ユニバーサルトイレに対応できる施設の有無、サービスセンターの有無等の内容で選定し、その後、二次評価として、遊具を設置するスペースの有無、介助用の大型ベッドの設置スペースの有無等の観点から評価し、事業効果があると判断した。
  • 遊具の整備のほかにも、車椅子でも近づきやすいベンチなど、介助者も含め広場内で安心して休憩ができる場所を多く整備した。また、視覚の弱い子向けに、香りが楽しめる木や触って楽しい植物を植えることなども行っている。
  • メンテナンス面では、巡回は毎日実施しており、点検は月に1回、メーカーによる専門業者の点検を年2回実施している。消耗部材の交換は、国の推進サイクルに基づいて実施している。
  • 広場内には警備員を配置しており、保護者のかたは安心されている様子である。また、プレーリーダーという形で遊びの見守り人を、年に20回程度試行的に配置しており、遊び方をレクチャーしたり、保護者同士をつなぐ役割を担ったりしている。

■質疑応答

Q:インクルーシブ遊具を整備すると、通常の公園整備と比べ、どのくらい予算がかかるのか。また、遊具のメンテナンスは特殊な業者が行うのか。

A:具体的な金額の数字は持っていないが、肌感覚としては、オリジナルの遊具を制作すれば高くなるが、遊具が製品化されていればそれほど金額に差はない。特に今は、インクルーシブ遊具も普及してきたため、それほど金額に差が出ないと思われる。メンテナンスは一般的な業者で対応ができている。

Q:整備後の公園運営の中で、計画時と想定が違った点は何かあったか。

A:トイレまでの距離を障がいのある方は気にされると考え、広場の近くに設置をしたつもりでいたが、まだ遠いという意見を頂いている。また、広場の利用率が高い反面、ベビーカーや自転車置き場、駐車場が少ないといった声のほか、手洗い場が近くに欲しいといった声も頂いている。

お問い合わせ

議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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