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掲載日:2021年11月10日

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県土都市整備委員会視察報告

期日

令和元年11月18日(月曜日)~19日(火曜日)

調査先

   (1) 東北大学大学院工学研究科インフラ・マネジメント研究センター(仙台市)
   (2) ゼビオアリーナ仙台(仙台市)

調査の概要

(1) 東北大学大学院工学研究科インフラ・マネジメント研究センター

公共インフラの効率的な維持管理について

【調査目的】

   東北大学大学院工学研究科インフラ・マネジメント研究センターは、高度成長期に整備された社会インフラの老朽化が急速に進行しており、経済的打撃だけでなく、防災・減災の面でも課題となっていることに対し、インフラ老朽化の対策、維持管理技術の発展、関連技術者の育成等を推進させるために設置された。
   同センターでの取組である「東北インフラ・マネジメント・プラットフォームの構築と展開」は第1回日本オープンイノベーション大賞の国土交通大臣賞を受賞し、今後のロールモデルとなると注目されている。また、少ない予算や人手の中で、確実なPDCAサイクルを実行できる仕組み作りを可能にするため、データベースにAI技術を組み合わせ高精度かつ効率的な維持管理技術の研究を進めてきた成果を事業化し、平成31年3月にベンチャー企業を設立するなど新たな取組を行っている。
   本県では、管理する橋りょうの多くが大規模補修や更新の時期を迎え、補修・更新費用の急速な増加が見込まれている。
   同センターのインフラの効率的な維持管理に関する取組を視察することにより、本県における橋りょう、道路等の効率的な維持管理の参考とする。

【調査内容】

   東北大学大学院工学研究科インフラ・マネジメント研究センターは、東北地方のインフラの老朽化対策とともに、日本のインフラの維持管理技術を大きく発展させ、これに関連する研究、技術開発を展開し、関連技術者の育成を推進させることを目的として平成26年に設置された。
   同センターは、大学をはじめとする研究機関や企業・法人、省庁、自治体が横断的に情報交換を行い、協力し合いながら各々の持てる力を社会のために徹底的に生かし切るための「東北インフラ・マネジメント・プラットフォーム」の構築と展開を行っている。この取組は、オープンイノベーションを更に推進するために、今後のロールモデルとして期待される先導性や独創性の高い取組を表彰する第1回日本オープンイノベーション大賞の国土交通大臣賞を受賞し、注目を集めている。
   同センターの研究開発の成果である「維持管理データベース」を事業化し、平成31年3月に株式会社インフラ・ストラクチャーズを設立した。同社は、カスタマイズ可能なデータベースとAI技術を活用して、点検調書作成業務等の大幅な省力化を支援するサービスや、補修対策方針の提案から補修設計図の作成までをオールインワンで提供するインフラ維持管理支援サービスの提供を行っている。
   概要説明後、委員から活発な質問が行われた。その中で、「東北地方の公共事業に対する予算に関し、東日本大震災後、復興需要等により増加したものの近年減少しつつあると説明があった。維持管理計画を橋りょうや道路建設時に策定しても、予算が確保されず達成できない事態を懸念するが、今後どの程度まで予算が減少していくと見込んでいるのか」との質問に対し、「予算を策定するのは各自治体であるが、東北地方では、復興期間に平時の工事を前倒しで行っているため、今後、震災前の予算を下回る可能性があると聞いている。基盤となる道路が整備されていないと、現在進められている自動運転等の技術が生かされなくなってしまうため、しっかりとインフラを整備していく必要がある」との回答があった。
   質問の終了後は、同大学内の実証フロアにて、橋りょう点検ドローンの実機視察を行った。同センターを調査できたことは、今後の本県の道路等の効率的かつ計画的な維持管理を行うに当たり、大変参考になるものであった。

東北大学大学院工学研究科インフラ・マネジメント研究センターにて

東北大学大学院工学研究科
インフラ・マネジメント研究センターにて

(2) ゼビオアリーナ仙台

アリーナの管理・運営について

【調査目的】

   ゼビオアリーナ仙台は、独立行政法人都市再生機構が保有している土地に、民設のアリーナとしてゼビオアリーナ仙台が設立された。運営に関し、ゼビオ、地元スポーツチーム、コンサートプロモーター、広告代理店、照明運営会社など全14社でLLP(有限責任事業組合)を組織し行っており、アリーナの魅力向上に一体となり取り組んでいる。バスケットボール、バレーボール、フットサルなどの試合として利用されているほか、コンサートや就職セミナーなど各種イベントが実施されている。また、スポーツを見る人や見せる人を意識した施設づくりを徹底しており、最大限の演出効果を発揮できる様々な設備を整えている。
   本県では、東京2020オリンピック開催に向け、さいたまスーパーアリーナの魅力を高めていくことが求められている。
   ゼビオアリーナ仙台のスポーツを見る人を意識した施設づくりを視察することにより、本県におけるさいたまスーパーアリーナなどの県有施設の魅力向上の参考とする。

【調査内容】

   ゼビオアリーナ仙台は、独立行政法人都市再生機構が保有している土地に定期借地権(20年)をゼビオとの間で契約し、ゼビオが民設のアリーナとして建設した。運営は、ゼビオ、地元スポーツチーム、コンサートプロモーター、広告代理店、照明運営会社など全14社でLLP(有限責任事業組合)を組織し行っており、アリーナの魅力向上に一体となり取り組んでいる。
   同アリーナは、Bリーグ(バスケットボール)の仙台89ersのホームアリーナとして利用されているほか、アイススケートリンク、コンサート、就職セミナー、企業の運動会や車両展示会など多種多様な目的で利用されている。
   これまで、多くの体育館は、競技を行う人を中心に考えられており、観客の視点が不十分であったが、同アリーナは、スポーツを見る人や見せる人を意識した施設づくりを徹底しており、アリーナ中央の天井から吊り下げられたLEDセンタービジョン、高品質音響設備など、最大限の演出効果を発揮できる設備を整えている。この設備により、どの観客席からも迫力ある映像や効果音を楽しむことができ、よりスポーツやコンサートを盛り上げる工夫が施されている。さらに、アリーナ3階にVIPルームを設置することや1階席のシートをクッション性の高いものとすることにより、心地よくスポーツ観戦ができる施設となっている。
   また、アリーナ周辺には、公園、スポーツ用品店、フィットネスクラブ、室内テニスコート、屋根付きフットサル場、バスケットボールドームや飲食施設などが整備され、スポーツ・フィットネス関連施設が集まり、様々なスポーツを楽しむことができ、周辺一帯において相乗効果を生み出している。
   概要説明後、委員から活発な質問が行われた。その中で、「アリーナの運営に関し、どのような工夫をしているのか」との質問に対し、「有限責任事業組合を組織し、共同で運営を行っている。組合員である企業に清掃や警備などの業務を組合員に発注したり、アリーナを優先的に使用できるなどのメリットを享受させるなどの工夫をしている」との回答があった。
   質問の終了後は、同アリーナの施設について視察を行った。同アリーナを調査できたことは、今後の本県のさいたまスーパーアリーナなどの県有施設の魅力向上を推進するに当たり、大変参考になるものであった。

お問い合わせ

議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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