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掲載日:2026年2月12日

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福祉保健医療委員会視察報告

調査日

令和7年11月18日(火曜日)~19日(水曜日)

調査先

(1)静岡県立静岡がんセンター(静岡県長泉町)

(2)町田市役所・子どもセンターばあん(町田市)

調査の概要

(1)静岡県立静岡がんセンター

(AYA世代のがん患者に対するサポートについて)

【調査目的】

■本県の課題

  • AYA世代のがん患者等が、希望を持ってがん治療等に取り組める支援体制の構築が重要な課題である。

■視察先の概要と特色

  • 同センターでは、平成27年に全国に先駆け、AYA世代のがん患者を集める「AYA世代病棟」を整備した。この世代の多くのがんは希少がんであり、個々の希少がんについては絶対数が少ないため実態の把握が難しく、最適で効果の高い優れた治療方針が十分に確立していると言える状況ではない。そのため、この世代に必要な医療ニーズを拾い上げるため、AYA世代のがん患者を同じ病棟に集めて入院治療を行っている。
  • AYA世代は、就学、就職、出産、子育てなどの様々なライフイベントに直面していることが多く、多様な悩みを抱え不安を生じやすい状態にある。そのため、医師だけでなく、心理社会的なサポートの専門職であるチャイルドライフスペシャリスト(CLS)などの多職種チームでサポートを行っている。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • AYA世代に多い疾患を考慮し、小児科と整形外科を中心としたAYA世代病棟を整備した。これにより、医療の近代化で進む臓器別の専門職とは異なる視点から、年齢やニーズに応じた患者集約を実現し、多職種連携による最適な治療やケアを提供できる体制を目指している。
  • AYA世代は、人生の重要なイベントが短期間に集中する時期であり、適切な情報提供が不可欠である。患者からの相談では、「自分の将来のこと」、「生き方・死に方」、「仕事・学業」等に関する内容が、相談したかったができなかった割合が高いことが分かり、世代独特のニーズをしっかり拾い上げて支援していくことが重要であると認識している。
  • AYA世代の診療は、一つの施設では完結できるものではないため、情報共有やネットワーク構築が重要である。静岡県との取組として、がん診療連携協議会に「小児・AYA世代がん部会」を設置し、第4次静岡県がん対策推進計画にAYA支援・診療に関する項目を盛り込むなど、県の小児がん拠点病院や県内の医療機関との連携を進めている。
  • AYA世代の医療は、個別性の高い医療ニーズへの対応、多様性の尊重、晩期合併症を減らす医療、社会復帰支援など、医療全体のヒントにもなると考えている。

■質疑応答

Q:今後、都道府県に求める支援はどのようなものか。

A:個人的な要望として「子育て世代のがん患者」への支援を充実させてほしい。具体的には、親ががんになった際に、就労から外れているという理由で保育園にこどもを預けられなくなることがある。保育園を必要とする人が預けられない現状について制度を見直してほしい。また、治療に当たり自分の財産をどんどん削って参加しなければならないため、急性期患者への補助についても検討してほしい。

Q:CLSの役割や具体的に行っていることは何か。

A:患者が治療を「ただ言われたとおりに受けるだけ」になってしまうことがないように、遊びや会話を通して自分のペースで病気や治療のことを理解し、向き合えるように支援している。また、AYA世代の患者にとって大事な学習の時間や同じ仲間との交流の場としてAYAルームを提供するなど良質な療養環境を整備している。特に、子育て世代の患者(親)への支援に力を入れており、その家族らしい時間を過ごせるように、家族全体で支えられる体制を育む支援も行っている。

(2)町田市役所・子どもセンターばあん

(こどもの社会参画促進や居場所の確保について)

【調査目的】

■本県の課題

  • こども・若者が誰一人取り残されず、身体的・精神的・社会的に将来にわたって幸せな状態で生活を送ることができる「こどもまんなか社会」の実現が課題である。

■視察先の概要と特色

  • 同市は、こども自らがつくった「町田市子ども憲章」をこどもの参画の原点とし、若者が市長と語る会、市の事業評価に高校生評価人が参加する取組など、他自治体に先駆けてこどもの参画に向けた取組を行っている。また、若者の意見の聴取、反映にとどまらず、若者がやりたいことを自らの力で実現できるよう、事業PRや補助金の交付、仲間づくりなどを市が後押しする「まちだ若者大作戦」を実施している。
  • こどもの居場所づくりとして、大型の児童館「子どもセンター」を市内5か所整備した。同センターには、利用するこどもたちが館内のルールやイベントを検討する「子ども委員会」があり、そこで「参画」の基礎も学んでいる。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 若者の参画を後押しする「まちだ若者大作戦」では、若者自身が募集要項や審査基準を策定し、実行委員が審査を行うなど、若者の主体性を重視している。野外音楽フェスなど、令和5年度と6年度の2年間で合計18件の提案が実現している。この事業は、市だけでなく地域の大人や企業の支援も得て、市民全体が参加する事業へと発展している。
  • 居場所づくりとして、0歳から18歳までが利用できる市直営の大型の児童館「子どもセンター」と、小型の児童館「子どもクラブ」を屋内拠点として整備している。また、公園を活用した「冒険遊び場」や、全市立小学校で展開する「放課後子ども教室」を提供している。特徴としては、施設の設計段階からこどもの意見を取り入れ、子どもセンターにおいては、開館時間も夜9時までとして部活動終了後の中高生にも利用しやすい居場所づくりを行っている。
  • 同市が児童館でこどもの参画を推進する理由は、児童館というこどもが自由に過ごすことができる居場所の中で、こどもが館の運営や地域に参画する経験を積み重ねてきた経過があり、また直営であるがゆえに行政と直接的なつながりを持ち、行政職員もこどもも相互に関係性を育むことができたからである。
  • 子どもセンターは、悩みに寄り添いありのままを受け入れる関係性の構築、興味関心の把握とその思いが発信されたときの迅速な実現、そして地域への発信を大切にしている。また、そこに関わる職員が、行政との連携、地域住民の理解や企業等の応援を得られるような後押しをしていくことが重要であると考えている。

■質疑応答

Q:子ども委員会の運営は、具体的にどのように行っているのか。

A:子ども委員会は常設で月2回活動している。例えば、冬祭り、バスケットボール大会などイベントの企画や、欲しいおもちゃやマンガは何かなどテーマを決めて、話合いを行う。小学校低学年のこどもには最初は難しいが、連想ゲームからアイデアを出す工夫等をしている。町田市の特徴は、中高生が子どもセンターに通い、子ども委員会にも参加することである。中高生が下の世代を引っ張り、自ら意見を発信することで、小さいこどもたちも憧れて参加するという好循環が生まれている。また、近隣小中学校や地域住民が出席する子どもセンター運営委員会にもこどもの代表として、子ども委員会の中高生が出席している

Q:こどもまんなか社会を実現するための人材育成について、何か行っているのか。

A:児童厚生員向けに、こどもたちとの向き合い方に関する研修を毎年実施している。「子どもにやさしいまちづくり」を全庁的に推進するため、新入職員研修や部長職向けの研修も実施している。

子どもセンターばあんにて議員とスタッフの集合写真

子どもセンターばあんにて

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議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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