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掲載日:2018年2月13日

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環境農林委員会視察報告

期日

成29年11月20日(月曜日)~21日(火曜日)

調査先

(1)   茨城県立農業大学校(茨城県茨城町)
(2)   (株)成田香取エネルギー(成田市)

調査の概要

(1)茨城県立農業大学校

(農業大学校における担い手の育成について)

【調査目的】

茨城県立農業大学校は、県央部の茨城町長岡と県西部の坂東市岩井の2か所にキャンパスを置く農業及びその関連産業の担い手を養成する専修学校である。長岡キャンパスでは、農学科(普通作コース、露地野菜コース、果樹コース)及び畜産学科を、岩井キャンパスでは園芸学科を設けており、それぞれ2年間の養成課程である。さらに、養成課程修了者を対象に、地域の農業・農村のリーダーや同県の農業をリードする農業経営者を育成するために2年間の研究科がある。
養成課程の1年生は、原則、全員入寮し、寮自治会の会員となり共同生活を運営する。この体験の中で共同生活の知恵や自立した組織運営などを身に付けるとともに、生涯の友に巡り会う機会にもなっている。
同校は、知識を学ぶことはもとより、その知識を生かし自ら課題を解決する実践的学習に重点を置いている。具体的には、講義、実習、先進農業派遣実習などを通して解決すべき課題を自ら見つけ、課題を解決するための計画を設定し、設定した計画に従って実際に栽培・飼養し、その結果を調査し、取りまとめ、発表をする「プロジェクト学習」に力を入れている。
同校を視察することにより、農業大学校における担い手の育成についての参考とする。

【調査内容】

同校は、農業に関する幅広い視野と高度な経営能力を持ち、農業振興に貢献する経営感覚に優れた農業者の養成及び喜びと感動、自信と責任感を持たせ、自立と協調の精神をかん養する教育を行っている。特色ある教育としては、養成課程の1年生の「プロジェクト学習」、2年生の「卒業研究」があり、学生が自ら課題を選定し、栽培や調査などの実施計画を作り、栽培、調査、研究を実施して成果をまとめ、実績発表を行っている。これらの学習をとおして、自ら課題を発言し、解決する能力が身に付くということであった。また、優れた農業経営者の下で実際の農業を体験し、経営感覚を身に付ける「先進農業派遣実習」などもあり、就農後にすぐに役立つ実践的な教育にも力を入れている。
同校の入学状況については、茨城県内に7校ある農業高校の卒業生が約36%、県外の農業高校の卒業生が約4%となっており、約4割の生徒が農業高校の卒業生である。残り6割の生徒は、普通科高校の卒業生や農業を目指す社会人経験者などである。出身農家別では、専業農家26%、兼業農家18%であり、平成25年度から農家出身の学生が5割を下回るまでになった。非農家出身の増加はその後の新規就農者の増加につながることから、同校の農業の担い手育成の役割は一層重要なものとなっている。
卒業後の進路については、個人就農及び法人就農が約5割であり、そのほかの就職先はJA、農機具メーカー、スーパーなどで、就職率は99%となっている。
同校は朝晩の作物管理があることから、1年生は全寮制となっている。寮賃や光熱水費は無償であり、生徒の負担額は、自治会年間費の5万円、食事代1日当たり1,320円である。なお、2年生については通学を認めているが、ほとんどの学生が引き続き寮生活を送っているとのことであった。
茨城県では、平成29年度より同校をはじめとする、同県が持つ恵まれた教育、研修、研究環境を生かし、農業経営者育成講座や先進農業技術講座などの幅広い学びの場を設定し、産地を支える経営感覚に優れた経営体を育成するため「いばらき農業アカデミー」を開講した。同アカデミーは、意欲ある農業者や農業を志す方を対象に、農業意欲や先進技術などに関する様々な学びの場を提供しており、同県笠間市にある農業総合センターをメイン会場として、20種類以上の各種講座を開催している。県立農業大学校の長岡キャンパスと岩井キャンパスは同アカデミーのサテライト会場として利用されており、実践的な教育の場を提供している。
概要説明の後、委員からは活発な質問が行われた。その中で、「農業アカデミーの受講料及び対象者はどのようになっているのか」との質問に対し、「受講は原則無料、対象者は特に制限していない。和牛繁殖などの珍しい講義も行っており、他県の方にも多く参加していただいている」との回答があった。質問の後、同校の施設を見学した。
今回視察先を調査できたことは、農業における担い手の育成に関する取組を推進する上で大変参考となるものであった。

(2)(株)成田香取エネルギー

(地域電力会社の設立について

【調査目的】

成田市は清掃工場におけるごみ発電により、香取市は太陽光発電により、それぞれ再生可能エネルギーによる発電事業を進めてきた。両市は、ごみ発電と太陽光発電が補完的な発電であることに着目し、平成26年に地域電力会社設立の検討を始め、両市及びプロポーザルにより採択された(株)洸陽電気の三者の協同出資により、平成28年7月に、地域電力会社「(株)成田香取エネルギー」を設立した。
同社は、地域で発電した再生可能エネルギーを地域で活用する、エネルギーの地産地消の取組を進めるとともに、両市の公共施設への電力供給による電力コスト削減、売電収入の増加など、両市への財政的メリットに大きく貢献している。
また、共同出資者である(株)洸陽電気は、新電力事業を全国に展開し、自社による需給管理を行っている事業者である。需要予測や電力調達など、電力小売におけるノウハウがあることから、事業の採算性を高め安定した事業運営を行うことができる。
2つの市が共同で電力会社を設立したことは、全国初の取組であり、設立の経緯や発電施設を視察することにより、エネルギーの地産地消の取組についての参考とする。

【調査内容】

成田市と香取市は、平成28年7月に両市がそれぞれ運営する既存の発電施設を活用し、公共施設の電力コスト削減などを目指す地域電力会社「(株)成田香取エネルギー」を設立した。エネルギーの地産地消を目指す取組であり、平成28年11月から両市の公共施設に電力供給を始めている。千葉県内では睦沢町が平成28年に地域電力会社を設立しているほか、群馬県大田市や鳥取県鳥取市など様々な自治体が設立や設立の検討をしているが、複数自治体が連携し設立したモデルは両市が全国初である。
両市による地域電力会社のスキームは、共同出資により設立した会社が両市の発電施設で発電した電力を、固定価格買取制度の買取価格よりも高く買い、公共施設などに安価に売電することで、エネルギーを地産地消するというものである。
成田市は成田富里いずみ清掃工場のごみ焼却により1日最大3,000kwの発電を行い、香取市は市内5か所の太陽光発電施設により1日最大4,250kwの発電を行っている。同社を設立する前は、東京電力に売電していたが、設立後は、同社が両施設が作った電気を東京電力との契約額より3%高く買い取り、学校などの公共施設に供給する際は安く販売し、自治体の電力コストを年間約12%削減している。平成29年3月の一か月間の売上げについては、高圧電力を128施設に供給し約4,400万円、低圧電力を296施設に供給し約600万円であった。
同社は、設立検討の初期段階において、事業採算性も確認されていないことから、自治体として予算を確保することが困難であった。このような課題を解決するため、地域のガス会社の協力を得て、事業立上げ後の将来的な利益を見込み、研究会の開催や採算性の試算、シミュレーションなどを行ったことが事業化へとつながった。地域外の新電力会社の活用も検討されたが、地域電力会社を設立したことで、地域内での雇用や税収の確保にもつながったということである。今後の計画としては、公共施設以外への供給先を適宜検討し供給施設数を計画的に増やすほか、単にインフラ整備だけではなく、エネルギーを起点とした「地域振興」「地産地消」「雇用創出」を実現して、地域社会に貢献していくとのことであった。
概要説明の後、施設見学を行う中で、単独ではなく2市が共同出資して運営する難しさや今後の課題などについて、活発な質疑応答が行われた。
今回視察先を調査できたことは、エネルギー地産地消に関する取組を推進する上で大変参考となるものであった。


成田富里いずみ清掃工場にて

お問い合わせ

議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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