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掲載日:2018年2月6日

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環境農林委員会視察報告

期日

平成27年11月9日(月)~10日(火)

調査先

(1) 道の駅うつのみやろまんちっく村(宇都宮市)
(2) 国立研究開発法人産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所(郡山市)

調査の概要

(1)道の駅うつのみやろまんちっく村

(農業6次産業化の取組について)

【調査目的】

道の駅うつのみやろまんちっく村は、宇都宮市が設置し、㈱ファーマーズフォレストが指定管理者として運営している施設である。
同社では、信頼ある「ものづくり」、「ひとづくり」、「まちづくり」を通じた地域社会への貢献を経営方針とし、同施設を地域6次産業化創造拠点に位置付け、地域農業へ付加価値を生み出すための取組等を行っている。同施設の46haの広大な敷地には農産物直売所、地元食材を使ったレストラン、同社の生産農場や市民農園等があり、体験農業、食農教育及び担い手育成など交流を通じた新しい農業を提案している。また、同社では、栃木県内の特産品を扱うアンテナショップの運営や地域資源を生かした旅行企画等も行っており、地域の魅力づくりやブランド力向上に積極的に取り組んでいる。
同社の取組を視察することで、本県における地域農業の6次産業化の施策の参考とする。

【調査内容】

道の駅うつのみやろまんちっく村は、平成8年に宇都宮市が市政100周年事業により農林公園として設置した施設である。開設当初は市の第三セクターが運営しており、温泉施設やプールなどを備えているという珍しさから年間100万人を超える来場者があったが、類似施設が近隣に建設されたことなどにより、平成16年度ごろから来場者は減少傾向にあった。その後、指定管理者制度を導入し、平成20年度以降は公募により選ばれた㈱ファーマーズフォレストが指定管理者として運営に当たっている。
道の駅については全国約千数十か所、栃木県内には23か所あるが、同施設は平成24年9月に県内21番目に指定を受けている。また、道の駅の指定と合わせて、地元農家とのパートナーシップを強化するため、JAが運営していた施設内の農産物直売所について、「ろまんちっく村生産者委員会」を立ち上げ、直営化を行っている。
同社では、遊休農地や空き店舗といった地域で活用されていない資産と、活用する意欲のある生産者や観光業者とを結び付ける「プロデュース、コーディネート機能」が不足していると考えており、道の駅を「繋ぐ結ぶ場づくり」をキャッチフレーズに、地域交流の拠点となるよう運営している。また、「農村空間価値の創造」「6次産業化地域社会の構築」「地域商社としての機能」「交流施設を核とした地域経営」の4つを事業戦略の視点として位置付け、各種事業を展開している。
農業事業では、4haの自社農場で露地野菜やイチゴ、米麦、ホップ等を生産し、直売所やレストランで加工、販売している。また、観光農業として収穫体験や就農支援を行っているほか、貸付農園も園内のクラインガルデンに加え、宇都宮市内で計270区画を運営しており、市民が農業に触れ合う場を提供している。
ブルワリー事業では、ビール醸造を通じた6次産業化を推進している。同社自らが認定農業者となり、中山間地域の耕作放棄地を活用して麦やホップを栽培し、自社精麦まで行うことで、オール地元産のビールを生産している。
また、農業と食と観光を核とした地域プロデュース事業も展開している。例えば「アンダーグラウンドプロジェクト」と称して大谷石の採石場跡での地底湖クルーズに加え、地元レストランと連携し、地元産食材によるディナーの提供を行い好評であったという。さらに、採石場跡を活用した夏イチゴ実証栽培プロジェクトにも取り組んでいる。採石場内の低温の貯留水を活用することで、夏季にイチゴを低コストで提供することが可能になるとのことである。
そのほか、地域商社事業としては、同社の農業関連の取組も生かし、栃木県のアンテナショップ「とちまるショップ」などの運営を行っている。
クラウドファンディング事業では、栃木県からの委託事業によりポータルサイト「とちぎファンズ」を立ち上げ、同社が出資者と事業主、クラウドファンディング事業者間をつないでいる。平成26年度には、無農薬野菜のレストランや白カビの生ハムを作るための大谷石の蔵製造など4つのプロジェクトが実現できたという。
概要説明の後、委員からは活発な質疑が行われた。「東京スカイツリーに出店しているアンテナショップについて、運営上どのような課題があるのか」との質問に対し、「開店から3年程経過し、20歳代後半から40歳代の客層が離れていく傾向にある。また、限られた店舗スペースの中で、伝統的な定番商品と、目新しい商品のどちらを充実していくべきか、運営関係者内での調整も課題となっている」との回答があった。
今回視察先を調査できたことは、今後の本県における地域農業の6次産業化の取組を推進する上で、大変参考となるものであった。

道の駅うつのみやろまんちっく村にて

(2)国立研究開発法人産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所

(再生可能エネルギーの開発の取組について)

【調査目的】

産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所は、政府の「東日本大震災からの復興の基本方針」等を受けて設立された研究所である。
同研究所は、「世界に開かれた再生可能エネルギーの研究開発の推進」と「新しい産業の集積を通した復興への貢献」を使命としており、太陽光、風力、地中熱・地熱エネルギーの実証実験及び開発を行っている。また、水素製造・貯蔵・利用システム、EMS(エネルギーマネジメントシステム)のための研究棟の建設を計画するなど、再生可能エネルギーの最先端の研究を行っている。
また、東北地方の大学等と共同研究を実施することで再生可能エネルギー分野の人材育成に寄与しているほか、被災地企業が持つ関連技術やノウハウ等の事業化に対する技術的な支援も行うなど、産学官連携にも積極的に取り組んでいる。
同研究所の取組を視察することで、本県における再生可能エネルギー普及に向けた施策の参考とする。

【調査内容】

産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所は、福島県に再生可能エネルギーの技術開発から実証までを行う研究開発拠点を整備し、世界に開かれた研究開発を推進するとともに、新産業の集積を通して復興に貢献するため、平成26年4月に設立された。再生可能エネルギーの大量導入を支える研究開発を行っており、電力系統の導入制約解消のためのシステム開発、補助金に頼らず導入できるレベルまでのコスト低減、環境負荷を与えず地域に適した再生可能エネルギーが導入できるよう適切なデータの提供を行っている。
同研究所で行っている水素キャリア製造・利用技術の開発は、再生可能エネルギーを化学変換してアンモニアなどの「水素キャリア」と呼ばれる物質を製造することで、貯蔵や輸送に適した仕組みを作るものである。水素キャリアを貯蔵する地下タンク、出力のためのコジェネエンジン、アンモニアガスタービンの実証研究を行っており、これらの技術により、自然状況で大きく変動する再生可能エネルギー発電電力を、蓄電池等に比べて低コストで貯蔵することができ、輸送も可能となることで、季節や場所を問わず高効率に再生可能エネルギーが活用できるようになるとのことである。
次世代太陽光発電モジュール研究開発分野では、より軽量で低コストかつ高効率の太陽光パネルの開発に取り組んでおり、従来補強が必要であった工場の屋根等に容易に太陽光パネルが設置できるようになるとのことである。
高性能風車技術では、レーザー風速計を活用し、風車の数百m先の風速、風向を把握し風車の向きを制御することで、稼働率の向上を目指している。
エネルギーネットワーク分野では、大型分散電源評価・開発施設を建設中であり、再生可能エネルギーを電力系統に接続する際に必要となる大型パワーコンディショナ等に関する世界トップレベル(3MW級)の各種試験を行う予定とのことである。
また、「被災地企業のシーズ支援プログラム」として、被災地(福島・宮城・岩手の3県)に所在する企業が開発した再生可能エネルギー関連の技術やノウハウについて、無償で同研究所の機器使用を認めるなど、性能を評価、育成し、その成果を当該企業へフィードバックすることで、新たな産業の創出を支援している。平成25年度からの3か年で全63件、33社の技術が採択されており、対応分野も太陽光発電、風力発電、地熱地中熱分野をはじめ、蓄エネルギーやエネルギー管理分野まで多岐にわたっている。一例として、自噴する井戸を利用した低価格、高効率の地中熱システムについての性能評価を行った。実際に同研究所で地下水の自噴地域で実証運転を行い、効果や省エネ性を評価することで地下水が豊富な自噴地域における普及の可能性が確認できたという。
概要説明の後、委員からは活発な質疑が行われた。「本研究所で研究が進められている太陽光発電パネルが市場に出回るのはいつごろになるのか」との質問に対し、「開発中の太陽光パネルは、パネルの軽さと薄さを実現するとともに、更なる発電効率の向上を目指すものである。現在、市販の太陽光パネルの発電効率を上回りつつあり、今後、強度や耐久性のテストを経て、3~5年後には市場に出したいと考えている」との回答があった。
今回視察先を調査できたことは、今後の本県における再生可能エネルギー普及の取組を推進する上で、大変参考となるものであった。

お問い合わせ

議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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