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掲載日:2018年2月6日

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総務県民生活委員会視察報告

期日

平成28年8月1日(月)~3日(水)

調査先

(1) 神戸市役所[消費生活課](神戸市)
(2) 兵庫県立芸術文化センター(西宮市)
(3) アシックススポーツミュージアム(神戸市)
(4) 京都中央信用金庫本店営業部(京都市)

調査の概要

(1)神戸市役所

(消費者教育の強化について)

【調査目的】

神戸市では、幼児期(就学前)から高齢者までの各ライフステージに応じた消費者教育を実施している。中でも、「消費生活マスター」は、地域における消費者教育のリーダー的存在として活躍している。
また、消費者教育の拠点と位置付ける「神戸消費者教育センター」を「見える」「体感できる」「子どもにも分かる」をコンセプトに今年度末にリニューアルオープンするなど、消費者教育施策を積極的に展開している。
同市の幅広い年齢を対象とした消費者教育の現況を視察し、本県の消費者施策の参考とする。

【調査内容】

神戸市では、平成28年3月に「神戸市消費生活あんしんプラン2020~第3次神戸市消費者基本計画~」を策定し、各ライフステージに応じた消費者教育を実施している。
まず、神戸市消費生活あんしんプラン2020において着目すべきポイントとして、「考える消費者の育成」がある。これは、生活する中で多様な商品やサービスに関する情報を自ら集め、批判的意識により「考える」ことで、消費者問題を避けたり、一度受けた被害の再発を防いだりすることができる望ましい消費者像を「考える消費者」と定義していることである。
消費者教育では、消費者のライフステージや消費者を取り巻く環境の変化に応じた内容と手段で様々な主体の連携により実施されることが重要とし、「幼児期(就学前)」「児童期」「少年期」「成人期」「高齢期」という5段階のライフステージについて、「社会(環境)」「安全」「お金(取引・契約)」「情報」という4つの重点領域の観点から、ライフステージ別の消費者教育の目標をまとめている。そして、様々な主体が連携して実施する多様な施策は、「考える消費者」の育成に集約していく形となっている。
各ステージにおける主な取組は、まず「幼児期」ではアニメーションなどを活用した啓発や夏休みを利用した実験講座、「児童期」ではインターネットの利便性と危険性に関する学習プログラムの作成や、保護者や教員も対象にした出前講座の強化、「少年期」では学校の要望に応じて内容を工夫した講座や教育委員会と連携したスマホ講座、「成人期」では産・学・消費者・行政の連携による体系的な消費者教育、社会人の入口である新入社員研修での啓発(事業者との連携)、「高齢期」では件数・金額ともに大きい消費者被害防止に向けた啓発(警察や福祉関係者等との連携、サービス付き高齢者向け住宅についてのチェックリスト付きパンフレットの作成)や自発的な学習会への支援、などである。
これら出前講座など消費者教育の中心となるのは、神戸コンシューマー・スクールの修了生として認定した134名の「消費生活マスター」であり、「消費者の」「消費者による」「消費者のための」情報発信を行っている。
さらに、今年度末にリニューアルオープンする「神戸消費者教育センター」では、インターネットと連動する体感型の分かりやすい展示、スマートフォンやタブレットの操作を通じた主体的な学習方法の提供などによる学習効果の向上に加え、学校等との連携により子供たちの学習参加の促進を図ることとしている。
このほか、「いつでも」「どこでも」「日常に溶け込む」消費者教育として、啓発用アニメーションやショートムービーのネット配信や、インターネット環境がない場所でも視聴できる消費者教育ワンポイント講座DVDの作成・配布、生活協同組合と連携して夕食宅配事業の際に啓発資料を配布する取組など、多岐にわたる取組を行っている。
概要説明の後、委員からは活発な質疑が行われた。その中で、委員から「幅広い年齢層に対して消費者教育の中心を担う消費生活マスターを、今後増やしていく考えはあるのか」との質問に対し、「現在は現員で対応できているが、消費生活マスターの人数をどうすべきかについては今後の課題と考えている」との説明があった。
今回視察先を調査できたことは、本県における消費者教育の強化の取組を充実させるために大変参考となるものであった。

(2)兵庫県立芸術文化センター

(文化芸術拠点の充実について)

【調査目的】

兵庫県立芸術文化センターは、平成17年10月にオープンした舞台芸術専門の劇場である。3つのホールを有し、コンサート、オペラ、バレエ、演劇など舞台芸術の新しい発信拠点として建設された。
佐渡裕芸術監督の「劇場はみんなの広場」という言葉の下、芸術性豊かなものから親近感に富むものまで、幅広いニーズに応える公演を継続し、県民から愛され、まちのにぎわいの原動力となる劇場として運営されている。
なお、本年度、日本音響家協会・日本劇場技術者連盟が選出する「優良ホール100選」に選定された。
同センターを視察し、本県における文化芸術拠点の充実の参考とする。

【調査内容】

兵庫県立芸術文化センターは、阪神・淡路大震災から10年、震災からの復興のシンボル、文化復興のシンボルとしてオープンした。大ホール(2,001席)、中ホール(800席)、小ホール(417席)の3つのホールを有し、コンサート、オペラ、バレエ、演劇など舞台芸術の新しい発信拠点として建設された。
平成5年に基本設計が実施されたが、平成7年の阪神・淡路大震災によって、設計等の一時中断を余儀なくされ、再スタートしたのは、平成9年である。平成14年、佐渡裕氏が芸術監督に就任し、平成17年10月、芸術文化センターのオープンとともに兵庫芸術文化センター管弦楽団がデビューを飾った。
事業展開のコンセプトは、「日本一のお客様に支えられ、お客様とともに成長し続けるパブリックシアター」であり、①多彩な舞台芸術の創造・発信、②芸術性豊かなものから親近感に富むものまで幅広いニーズに応える演目、③舞台芸術の普及・県民の創造活動支援、を3つの柱としている。
事業展開の特色は、①専属楽団があればこそ実現できる、佐渡裕芸術監督企画によるプロデュースオペラ、②アカデミー機能を有し、国内外からオーディションにより結集した若手演奏家で構成された兵庫芸術文化センター管弦楽団による演奏会やオーケストラ教室、③世界一流のバレエ、オペラをはじめ、親しみやすいプログラムで低価格に設定した公演など、幅広いニーズに応える上演、質の高い様々な舞台芸術の提供、である。
また、同センターとともに創設された兵庫芸術文化センター管弦楽団の演奏活動や主催事業と連動して、専門家・演出家等のレクチャー・トークや記念イベント、ワークショップ、さらには一般対象にふだん目にすることのできない劇場の舞台裏や舞台機構・公演準備作業などを案内するバックステージツアーを開催し、潜在的な客層を掘り起こし、裾野の拡大を図っている。
さらに、平成18年には同センターを核とした地域全体の振興発展を目的に、同センターが所在する西宮市の商店街等により、西北活性化協議会が設立され、市内の大学生、周辺の自治会等の参加も得て、公演関連イベント、開館記念イベント、クリスマスイベントなど様々なイベントを開催し、地域のにぎわいづくりに貢献している。こうした取組による裾野は着実に広がっており、年間イベント数は約800公演、毎年約50万人来館、施設稼働率98.1%、主催公演満足度95%超、年間経済波及効果は71億円という実績につながっている。
概要説明及び施設見学の後、集客のための工夫や芸術監督などについて、委員から活発な質疑が行われた。
今回視察先を調査できたことは、本県における文化芸術拠点の充実に大変参考となるものであった。


兵庫県立芸術文化センターにて

(3)アシックススポーツミュージアム

(スポーツの振興について)

【調査目的】

アシックススポーツミュージアムは、スポーツ文化の継承や振興、すばらしさを伝えるため、平成21年7月にオープンした。一流アスリートのすばらしいパフォーマンスを体感したり、様々な競技のシューズやギアなどに実際に触れることができる企業博物館である。企業の歴史はもとより、アスリートの細かい要望に応え進化を続け、記録を支える技術の粋や、スーパービジョンなどを用いてトップアスリートの「スピード」を体感することもできる構成となっている。
同ミュージアムを視察し、本県のスポーツ振興の参考とする。

【調査内容】

㈱アシックスは、昭和24年に創業者である鬼塚喜八郎氏が神戸でバスケットシューズの製造販売を行う「鬼塚商会」を設立したのが始まりである。その後数度の合併を繰り返し、社名を現在の名称に変更している。社名の由来は、古代ローマ時代の風刺詩人、作家のユウェナリスの代表作の一節から頭文字(A、S、I、C、S)を並べたものであり、総合スポーツ用品メーカーとして世界のスポーツ文化に貢献し、スポーツを通じて世界の人々が健康で幸福な生活を送ってほしい。また、私たちはそのお手伝いをしたいという強い願いが込められているという。
アシックスはこのように、スポーツによる青少年の育成を通じて社会の発展に貢献したいという思いから、「スポーツで培った知的技術により、質の高いライフスタイルを創造する」をビジョンに掲げ、世界の人の健康で幸せな生活が実現できる製品やサービスを提供することを使命として、日本のみならず世界のスポーツ振興に大きな役割を担ってきた企業である。同社は、このビジョンを実現するため、アシックススポーツミュージアムをオープンし、スポーツ文化の発展などに取り組んできた。
概要説明の後、ミュージアム見学を行った。2階フロアでは、同社の歴史のほか、様々な活動、サポート、CSRが紹介されており、スポーツには心身を健やかにするだけではなく、文化の違いを乗り越え、団結力を高める力があることを改めて感じることができた。1階フロアでまず目に入ったのは、バーチャルビジョンと138インチのスーパービジョンである。中でもスーパービジョンは、アスリートが「走る」「跳ぶ」「投げる」シーンをハイスピードカメラで撮影した躍動感あふれる映像や、LEDライトシステムを活用して100m走やテニス、野球の迫力とスピード感が体感できるものであった。
また、陸上競技のトップアスリートが実際に使用するシューズや用具に触れることのできるコーナーもある。中でも女子マラソンでは、高橋尚子(シドニー)、野口みずき(アテネ)、コンスタンティナ・ディタ(北京)とアシックスが支援するランナーがオリンピック3大会連続で金メダルを獲得するなど、優れた実績を有している。また、アシックスのランニングシューズは、世界中の「シリアス(熱心な)ランナー」から圧倒的に支持されており、例えば、世界最大のマラソン大会の一つ、ニューヨークシティマラソンの2011年大会に参加したランナーのうち57%が、アシックス製のシューズであったなど、トップアスリートから一般のスポーツを楽しむ市民に至るまで、幅広い顧客に信頼されていることが伺える。
今回視察先を調査できたことは、本県におけるスポーツの振興に大変参考となるものであった。


アシックススポーツミュージアムにて

(4)京都中央信用金庫本店営業部

(民間企業の人材育成に関する取組について)

【調査目的】

京都中央信用金庫は、京都府内を中心に129店舗を有する全国最大規模の信用金庫である。
同信用金庫は、人材育成の強化を経営計画の最上位に位置付けており、若年層から管理職に至るまでの様々な「実務研修」をはじめとした、多様な研修・講座を実施し、職員の育成に力を入れている。また、女性活躍及び女性管理職の積極登用、高年齢者雇用にも力を入れている。
同信用金庫を視察し、本県における人材育成に関する施策の参考とする。

【調査内容】

京都中央信用金庫は、昭和15年に京都市中央市場信用組合として設立。その後、吸収合併等により、平成19年には信用金庫業界初の預金残高3兆5,000億円を突破した。現在では京都府内を中心に、129店舗を有する全国最大規模の信用金庫である。職員数は平成28年3月31日現在2,609名、うち男性が1,624名、女性が985名となっており、専門性・コンサルティング能力の高い人材の育成を積極的に行っている。
中でも、新入職員に対しては、業務知識を早期に身に付けられるよう、3年間の教育プログラムを編成している。まず、「エルダー・メンター制度」であるが、「エルダー制度」は、新入社員に対して特定の先輩職員が、マンツーマン教育により6か月間にわたり実務の基本を教育するもの、また「メンター制度」は、エルダーとは別の先輩職員が1年間にわたり新入社員が抱える悩みに対し、アドバイスやサポートを行うものである。本県における「ブラザー制度」と類似した制度が運用されている。もう一つ、入職3年目までの職員を対象に実施されている「基礎能力育成プログラム」は、若手職員の能力開発・早期戦力化を目的とし、業務に必要な金融法務や税金、商品知識などを身に付けるための通信教育や試験で、金融のプロとなるための知識の充実を図っている。
加えて、新入職員から支店長まで、年代別・階層別に対してもキャリアアップのための様々な研修が実施されているが、特筆すべきは全職員の自己啓発・スキルアップのための「土曜講座」である。これは、平成15年4月から開始した、週末に実施する自主参加型講座で、新入社員から支店長、役員に至るまでが参加している。平成27年度においては85回開催し、本年5月21日には参加延べ人数が9万人に達している。
また、同信用金庫では、働く意欲のある女性が活躍するための諸制度の整備にも早くから着手している。仕事と家庭の両立支援、出産育児に関する支援も手厚く、平成26年度中、3歳以下の子供がいる職員は156名となっている。また、出産経験女性の仕事継続率は実に97%にも及んでいる。
女性管理職の登用にも力を入れており、副理事長を筆頭に支店長10名、課長職以上は16名となっているなど、正に女性が活躍できる職場を実現しているといえる。
さらに、高年齢者が意欲を持って働くことができる環境整備として、継続雇用制度の段階的な拡充や定年前研修、新職務の創出などにも取り組んだ結果、平成27年9月には、平成27年度高年齢者雇用開発コンテストにおいて「厚生労働大臣・最優秀賞」を金融機関として初めて受賞するなど、実績を築いている。
概要説明及び施設見学の後、基礎能力育成プログラムの変遷と離職率の関係、人事評価のシステム、外部高齢者の採用の可能性などについて、委員から活発な質疑が行われた。
今回視察先を調査できたことは、本県における人材育成に関する取組を充実させるために大変参考となるものであった。

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議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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