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掲載日:2025年11月21日

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総務県民生活委員会視察報告

調査日

令和7年9月2日(火曜日)

調査先 

(1)ソフトバンク株式会社竹芝本社(東京都港区)

(2)彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市)

調査の概要

(1)ソフトバンク株式会社竹芝本社

(働き方改革の推進について)

【調査目的】

■本県の課題

  • DX化によるオフィスの意義や県民サービスの変化等を踏まえた上で、職員の新しい働き方や執務環境の在り方を検討する必要がある。

■視察先の概要と特色

  • 同社は、社員が最適な働き方で組織と個人の生産性を最大化することを目的に、ITやAIの活用など、多様な働き方を取り入れて、生産効率を向上させるスマートワークを推進している。
  • 令和3年、ワークスタイルの更なる変革とBCP(事業継続計画)の強化を目的に、本社を移転した。現本社は、ABW(Activity Based Working)を導入するコミュニティ型ワークスペースとなっており、部門をまたいだオープンイノベーションの創出を目指すほか、働く時間や場所に縛られない働き方が実践されている。
  • 組織と社員個人のパフォーマンスの最大化が企業価値の向上につながるとの考えの下、出社・在宅勤務・サテライトオフィス勤務などを組み合わせた多様な働き方を推進している。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 本社ビルでは、清掃ロボットやエレベーターと連携した配送ロボット等の社会実装に向けた取組や、IoTセンサーで取得した人流データなどを活用した取組が進められており、社員自らが実証実験に参加することで、日々新たな技術が取り入れられている。
  • 社員同士のつながりを強化し、主体性を高め、イノベーションを促進することを目的としたオフィスデザインを採用している。内階段によるフロア間のつながりやラウンジ設置により、偶発的なコミュニケーションを促すなど、オフィスを「作業する場」から「コラボレーションの場」へと変革している。
  • オフィスには、社員の目的に合わせた様々なワークスペースが用意されており、フリーアドレスの執務室やラウンジ、一部個室型のブースなど、自由に働く場所を選ぶことができる。ワークスペースや会議室等はスマートオフィスアプリで管理され、利用状況や人数などのデータが分析され、より働きやすいオフィス環境の設計に役立てられている。
  • 本社ビルには、約10,000人が所属するが、席は約5,000しか設置していない。リモートワークや在宅勤務を活用することでスペースを創出しており、現在の出社率は約2~3割程度である。

■質疑応答

Q:勤務時間をどのように管理しているのか。

A:スーパーフレックス制度を導入しており、組織上長の承認の下、個人のワークライフバランスを考慮した働き方が可能である。その中で、例えば、毎週月曜は必ずオフィスに集まり対面の打合せを行うなど、チームごとにコミュニケーションの取り方は工夫している。

Q:休まずに仕事ができる反面、産休や育休が取りづらくなることはないのか。

A:育休は男女問わず、必ず取得するよう徹底しているが、様々な働き方改革により、フレキシブルな勤務が可能になったことで、育児時短や育児フレックス、介護休職の利用者は少なくなった。また、離職率の低下にもつながっている。

ソフトバンク株式会社竹芝本社にて集合写真

ソフトバンク株式会社竹芝本社にて

(2)彩の国さいたま芸術劇場

(文化芸術の振興について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 芸術性の高い舞台芸術公演の鑑賞機会の創出や、県民自らが創造的な芸術文化活動ができるような環境整備を通し、県民誰もが文化芸術に親しめる機会を充実させていく必要がある。

■視察先の概要と特色

  • 同劇場は、四つのホール(大ホール、小ホール、音楽ホール、映像ホール)や稽古場に加え、情報発信及び交流のための場となる「光の庭」、遊びを通じてアートを楽しめるスペースである「CREP」などを備える本県所有の文化施設である。
  • 蜷川幸雄前芸術監督の後を引き継ぎ、令和4年4月から舞踊家の近藤良平氏が芸術監督に就任した。
  • 令和6年度は、近藤芸術監督の下、多様性を重視したシアターグループを立ち上げ、社会課題の解決に貢献する芸術活動を推進したほか、オープンスペースを活用した事業を開始するなど、鑑賞層の裾野拡大にも取り組んでいる。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 令和6年度の主要事業として、年齢、性別、国籍、障がいの有無、プロ・アマなどの垣根を越えた、様々な創造性・多様性をもつ120名により、シアターグループ「カンパニー・グランデ」が発足された。また、県内高校に通う高校生を対象とした無料鑑賞事業や県内小中学校での出張ワークショップの実施など、若年層への裾野拡大に取り組んだ。
  • 令和4年から実施した大規模改修工事では、「安心・快適・充実」を改修テーマに掲げた。特定天井の準構造化による防災面の強化や観客席の椅子の更新・改善による機能面の向上など、施設全体の安全性の向上や施設の充実を図ったものである。
  • また、大規模改修工事に合わせ、カフェやアートな遊び場「CREP」を新設した。これにより、地域住民が日常的に利用する姿や、劇場に足を運ぶ機会の少なかった乳幼児連れの家族が見られるようになり、新たなにぎわいの創出につながった。

■質疑応答

Q:芸術監督が蜷川幸雄氏から近藤良平氏に代わったことで生じた変化はあるのか。

A:蜷川氏は、作品に対する愛や厳しさによって、非常に芸術性の高い作品を作り上げ、世界に発信していた。一方、近藤氏は、芸術性の高い作品を創造・発信する一方で、多様性という時代に合わせ、年齢や性別などを問わず、地域住民も含めた様々な方に芸術文化に参加してもらう姿勢で取り組んでいる。高尚な場所というイメージを持たれがちの劇場を、より身近な存在にしていただけたと感じている。

Q:若年層への裾野拡大に向けた取組について、現在の課題や今後の改善点はあるのか。

A:各学校のカリキュラムとの兼ね合いや、劇場までのアクセス等の課題があると感じている。引き続き、これらの課題を整理することで、一人でも多くの学生に参加いただけるよう取り組んでいきたい。

Q:県内市町村の文化会館等と連携した取組があってもいいかと感じたがどうか。

A:県内市町村からも、本劇場の専門スタッフの支援を希望する話を頂いており、実際に現在支援を行っている事例も幾つかある。本劇場と市町村で相乗効果を生み出していけるよう、今後も随時連携しながら取り組んでいきたい。

お問い合わせ

議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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