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掲載日:2018年2月6日

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企画財政委員会視察報告

期日

平成28年11月7日(月)~8日(火)

調査先

(1) ㈱ア・ラ・小布施(長野県小布施町)
(2) 長野県信濃美術館 東山魁夷館(長野市)

調査の概要

(1)㈱ア・ラ・小布施

(地域振興の推進及び出資法人の取組について)

【調査目的】

小布施町では、葛飾北斎の作品を展示する「北斎館」周辺の歴史的建造物の保存と地域の特性を生かしたまちづくりを進め、昭和61年に周辺の街並みの一体的整備が完成し全国的に高い評価を受けた。平成12年からは、個人の庭園を一般に公開し、来訪者との交流を楽しむ「オープンガーデン」がスタートした。こうしたまちづくりを進める同町には、全国各地から年間120万人以上の観光客が訪れている。
㈱ア・ラ・小布施は、同町が出資して設立された第三セクターであり、同法人は、同町の資源を生かし、観光や地域住民の暮らしに関わった地域振興活動を行っている。
今後の本県における地域振興の推進及び出資法人の取組の参考とするため、同社の取組を調査する。

【調査内容】

小布施町は、長野県北部の長野盆地に位置し、周囲を千曲川など3つの川と雁田山に囲まれた総面積約19㎢の農村地帯で、町役場を中心に半径2kmの範囲に、ほとんどの集落が入る人口11,000人余りの町である。寒暖差が大きく雨が少ない独特の気候条件を生かしてリンゴ、ブドウ、栗などが栽培されており、ここで採れた上質の栗の実は「小布施栗」として幕府献上品ともなっていた。
㈱ア・ラ・小布施は、平成6年に第三セクターのまちづくり会社とし「配当を求めない」ことを条件に50人の出資者を募集し、最後に小布施町が出資して設立された。経営に当たっては、「出資者は、賃金、労力、アイディアなど、持てる資源を提供するが直接の見返りは求めない。事業活動の成果として、小布施町全体が向上することの恩恵を活動に携わった住民として楽しみあう事とする」ことを経営哲学に活動している。地元農林加工品を製造し、販売を全国的に展開する一方で、ガイドセンターなどの運営や音楽・映画に関するイベントを開催するなど、内外から人を引き付ける数々のイベントを行っている。
同町では、世界的に有名な浮世絵師の葛飾北斎が、小布施の豪農・豪商であった高山鴻山と親交があり、この地に滞在して多くの作品を残していたことから、昭和51年に葛飾北斎の肉筆画や版画を一堂に集めた「北斎館」を建設した。当時は田んぼの中の美術館と言われていたが、北斎の町として脚光を浴び始め観光客が増加したことをきっかけに周辺の本格的なまちづくりが始まった。 
昭和61年に北斎館周辺の歴史的建造物の保存と地域の特性を生かしたまちづくりを進めるために、町、事業者、住民による「町並修景事業」が完成した。歴史的建造物の保存、新築建物の周辺との調和、土地は売買せず賃貸か交換することとし、町、事業者、住民が対等な立場で面的な整備を行ったこの事業は、全国的に高い評価を受けた。
また、昭和50年の中学校緑化部から始まった花づくり運動が、老人会や自治会を通じて全町に広がり、花によるまちづくりも行われている。平成4年には、回遊式の花壇や観賞温室を備えた花の公園「フローラルガーデンおぶせ」が開園し、多くの人が訪れるようになり、平成12年からは、個人の庭園を一般に公開し、来訪者との交流を楽しむ「オープンガーデン」がスタートした。現在10年目を迎え、130軒に拡大している。今日では、花仲間コンベンションや全国ガーデニングサミットを開催し花の町として注目されている。文化遺産を継承、発展させ「北斎と栗の町」として全国から注目されるとともに、「花の町」小布施のコンセプトを加えた同町には、年間約120万人の観光客が訪れている。
現在、同町のまちづくりは、第2ステージへ突入し、数多くの新たな取組を進めている。東京理科大学、信州大学、法政大学、慶応大学と連携し、中心部の更なる整備などを進めるとともに、スノーボードやスラックラインといった里山・里川を生かした若者文化やスポーツ振興によるまちづくりを進めている。
概要説明の後、オープンガーデンや、観光客の推移などについて活発な質疑応答が行われた。その後、町内を視察した。
以上のように、同町及び同社の取組について調査できたことは、本県の地域振興の推進及び出資法人の取組を推進していく上で大変参考となるものであった。


㈱ア・ラ・小布施にて

(2)長野県信濃美術館 東山魁夷館

(指定管理者の取組について)

【調査目的】

長野県信濃美術館は、信州における唯一の県立美術館として文化・芸術を発信しており、平成18年からは、同美術館に指定管理者制度が導入され、(一財)長野県文化振興事業団が管理運営を行っている。また、併設されている東山魁夷館は、長野県にゆかりのある日本画家の東山魁夷から作品と関係図書の寄贈を受けて、平成2年に開館している。
同美術館は、本年10月1日に開館から50年を迎えることから、記念事業として様々なイベントを行っている。
今後の本県における指定管理者の取組の参考とするため、同財団の取組を調査する。

【調査内容】

長野県信濃美術館は、善光寺に隣接する城山公園内に、「長野県に美術館を建てよう」という県民の声を受けて昭和41年に財団法人によって設立され、昭和44年に県に移管されて以来、信州における唯一の県立美術館として活動している。 郷土作家の作品、美しい自然に恵まれた信州の風景画を中心とした収蔵品の公開や年に4回程の企画展を開催するとともに、美術団体などに作品発表の場も提供している。
東山魁夷館は、長野県が日本画家の東山魁夷氏から作品と関係図書の寄贈を受けて、長野県信濃美術館に併設して建設され、平成2年4月に開館した。同美術館は、建築家の谷口吉生氏によって設計され、平成20年7月17日には、入館者数300万人を達成している。「緑響く」や「白馬の森」などの著名な作品のほか「白夜光」の下図や「道」のスケッチなどを含め970点を超える作品を所蔵している。
長野県信濃美術館及び東山魁夷館は、平成18年度から指定管理者制度を導入しており、(一財)長野県文化振興事業団が管理運営を行っている。同財団は、このほかにも長野県県民文化会館、長野県伊那文化会館、長野県松本文化会館などの指定管理者として管理運営を受託している。
同美術館では、収蔵品展のほかに、長野県ゆかりの作家や文化を紹介する「学ぶよろこび(信州の美術)」、国内・世界の作品を紹介する「好奇心を刺激する(多様な美術)」、美術になじみのない県民に対し参加体験を通して美術を楽しむ心を醸成する「美術との出会い(楽しむ心づくり)」、深い精神性を表現した作品を紹介する「心のやすらぎ(いのりの美術)」の4つの柱に基づく企画展を開催し、様々な芸術や文化と出合う機会を提供している。また、同美術館では、小学校や公民館で実施する「おもしろ美術講座」、病院内学級や養護学校で実施する「おでかけ美術講座」、視覚・聴覚に障害がある方の観賞ツアーなど多くの教育普及事業を実施している。
同美術館の入館者数は、企画展の入場者数の影響が大きく、平成24年から平成27年の入場者数は、長野県信濃美術館が約4万9,000人から約8万5,000人、東山魁夷館が約6万8,000人から8万6,000人の間で推移している。
また、平成28年10月1日で開館から50年を迎える同館は、「長野県信濃美術館開館50周年記念事業」として展覧会をはじめ様々なイベントを行っており、「ジブリの立体建造物展」や「東京富士美術館コレクション展」などの展覧会をはじめ、学びの企画として、展覧会に関連した特別講演や美術の面白さを再認識する特別講座などを用意している。特に、今年4月から6月に実施された「ジブリの立体建造物展」は、13万1,026人を集め企画展として過去最高を記録したとのことであった。
概要説明の後、若手芸術家との観光コラボレーションや、美術品の購入などについて、活発な質疑応答が行われた。その後、美術館内を視察した。
以上のように、同財団の取組について調査できたことは、本県の指定管理者の取組を推進していく上で大変参考となるものであった。

お問い合わせ

議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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