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掲載日:2018年2月6日

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企画財政委員会視察報告

期日

平成28年8月1日(月)~3日(水)

調査先

(1) ニッカウヰスキー㈱北海道工場(北海道余市町)
(2) 札幌市電(札幌市)
(3) 札幌コンサートホールKitara(札幌市)
(4) 安田侃彫刻美術館アルテピアッツァ美唄(美唄市)

調査の概要

(1)ニッカウヰスキー㈱北海道工場

(地域振興の推進について)

【調査目的】

ニッカウヰスキー㈱は、昭和9年に余市町に設立された「大日本果汁㈱」を前身とし、設立から2年後にウイスキー造りを始めている。
平成26年にNHKで放送された連続テレビ小説「マッサン」は、同社の創業者である竹鶴政孝・リタ夫妻をドラマのモデルとしており、余市町では、ドラマの制作放送の決定を受け、「連続テレビ小説『マッサン』応援推進協議会」を設立した。同社北海道工場も観光振興及び観光産業の活性化を目的とした同協議会に参加し、地域の振興の推進に寄与した。
今後の本県における地域振興の参考とするため、同社の取組を調査する。

【調査内容】

余市町は、北海道の西部・積丹半島の東の付け根に位置する人口約19,600人の町であり、北側を日本海に面し、ほかの三方は緩やかな丘陵地に囲まれている。人口は、昭和35年の28,659人をピークに減少傾向にあり、平成17年から平成27年までの10年間で3,103人減少している。
ニッカウヰスキー㈱は、創業者の竹鶴政孝によって昭和9年に余市町に設立された「大日本果汁㈱」を前身とし、設立から2年後にウイスキー造りを始めている。ウイスキー造りは、その土地の自然や風土に大きく影響されることから、スコットランドに似た冷涼で湿潤な気候、きれいで豊富な水、原料が比較的入手しやすいことなど、ウイスキー造りに必要なものが全てそろっている場所として同町が選ばれた。
同社北海道工場の蒸溜所内では、施設見学を実施しており、そこでは、ウイスキーの製造方法や工程が学べるとともに、ウイスキーの歴史や同社の生い立ちなどを展示した博物館や、竹鶴と妻のリタが暮らした私邸の一部も見ることができる。
同町では、平成26年度後期連続テレビ小説「マッサン」の制作放送の決定を受け、ドラマのモデルとなるニッカウヰスキー創業者竹鶴政孝・リタ夫妻のゆかりの地として、余市町役場、商工会議所、観光協会を中心に、「テレビドラマの撮影の成功」や「多くの観光客を集め地域経済の振興を図る」ことを目的として「連続テレビ小説『マッサン』応援推進協議会」を設立している。 
同協議会は、50人以上の関係者によって組織されており、同工場は、ロケ協力部会に所属している。
同協議会では、使用が難しいテレビドラマの正式ロゴマークに代わって協議会のロゴマークを作成し、ドラマのPRや土産等の商品など広く無料で使用できるようにしたり、ドラマの撮影時には、撮影隊への炊き出しやエキストラを集めるなどの協力を積極的に行った。
様々な取組により、同工場では、平成25年に28万人であった施設見学者数が、平成26年には約46万人で前年比18万人の増、平成27年には、約90万人で前年比44万人増加し、過去最高を記録したとのことであった。
概要説明の後、今年度の工場見学者数の見通しについて、協議会の立ち上げについて、協議会のロゴマークについてなど、活発な質疑応答が行われた。その後、蒸留所施設内を視察した。
以上のように、ニッカウヰスキー㈱北海道工場における地域振興の推進について調査できたことは、本県にとって大変参考となるものであった。

(2)札幌市電

(交通体系の整備について)

【調査目的】

札幌市は、「市民の足」を守るという社会的使命を果たすために市営交通を運営しており、札幌市電は昭和2年の市営交通発足以来、市民に親しまれてきた。
平成27年12月には、「西4丁目」と「すすきの」停留場との間約400mの路線がつながり、ループ(環状)運行を始めた。駅前通りの新設区間は、全国で3例目となる、新線を歩道側に敷設するサイドリザベーション方式を採用することで、歩道から直接乗降車することが可能となった。ループ化1か月経過後の1日の平均乗車人数は、前年同期を大きく上回る状況となっている。
今後の本県における交通施策の参考とするため、同市の取組を調査する。

【調査内容】

札幌市は、大正11年(1922年)の市制施行後、近隣町村との度重なる合併・編入によって、市域・人口を拡大し、昭和45年(1970年)には100万人を突破した。昭和47年(1972年)に政令指定都市へ移行し、現在の人口は190万人を超え、全国5番目の都市に成長している。札幌市内の公共交通は、市営地下鉄3路線(東西線、南北線、東豊線)のほか、市電、市営バス、私鉄バス、JRがある。
札幌市電の営業路線は現在1路線で延長は8.9km、片道の所要時間は約57分であり、保有しているのは客車が33両、除雪車が4両の計37両となっている。運営体制は、高速電車部長、技術担当部長以下4人の課長職の下には4人の係長職と6人の上席主任職、21人の係員のほか62人の運転手が在籍している。運転手は、新たに6人を養成中であり、11月頃からは68人の体制になる予定である。
同市電は、昭和2年(1927年)の市営交通発足以来、「市民の足」の花形として親しまれてきたが、昭和45年の地下鉄開業に伴って路線の縮小と乗客数減少が始まった。1日の平均乗車人員は、南北線が開業した昭和52年には、約5万5,000人であったが、年々減少し、平成22年には約2万人にまで減少した。その後、平成23年頃から増加傾向にあり、平成27年度は、2万2,774人にまで回復している。増加要因は、周辺にマンションが増え、生産年齢人口が増えたことに加え、ループ化による効果もあると考えているとのことであった。
ループ化は、札幌市路面電車活用計画に基づいて実施されている。同市電は、平成13年頃から存続などについて議論が行われたこともあったが、平成17年に札幌市が存続を決定した。その後、平成22年に延伸すべきという活用方針を受けて、路面電車活用に関する基本的考え方と今後の方向性を明らかにすることを目的に平成24年に活用計画が策定された。同計画での主な取組は、札幌のシンボルストリートである駅前通りを42年ぶりに路面電車が走ることによる市電のループ化、新型低床車両の導入、歩道から直接電車に乗ることができるサイドリザベーション方式の採用、ループ化区間の中間に新たに狸小路停留所を設置し、情報利活用システムによる車両の運行状況と利用案内などを42インチのモニター表示していることなどが特徴となっている。また、併せてパソコンやスマートフォンで運行状況が確認できる市電ナビをホームページに開設し利便性を向上させている。
ループ化は平成27年12月20日に実施され、以降3月までの状況は乗車人員が1日平均2,000人以上増加している。当初は600人程度の増加を見込んでいたため、期待以上に利用者が増えており、利便性の向上が寄与しているのではないかと考えているとのことであった。
概要説明の後、札幌市の生産年齢人口について、夏場の乗車人員確保対策について、官民連携の街づくりについて、ループ化後の交通状況についての質疑応答が行われた。
以上のように、札幌市電の交通体系の整備について調査できたことは、本県にとって大変参考となるものであった。


札幌市電にて

(3)札幌コンサートホールKitara

(指定管理者の取組について)

【調査目的】

札幌コンサートホールKitaraは、国際都市・札幌にふさわしい音楽文化の拠点施設として平成9年に設置された。
同施設は、(公財)札幌市芸術文化財団が指定管理者として管理運営を行っており、施設の貸出しのほか、世界的に著名なオーケストラ・演奏家のコンサートを開催し優れた文化芸術の鑑賞機会を提供している。また、地元の音楽家や学校などと連携した事業や、世界的音楽教育機関であるハンガリーのリスト音楽院と連携した「リスト音楽院セミナー」といった高度なレベルの講師陣を迎えた人材育成事業など、様々な事業を展開している。
今後の本県における指定管理者の取組の参考とするため、同施設の取組を調査する。

【調査内容】

札幌コンサートホールKitaraは、平成9年に国際都市・札幌にふさわしい音楽文化の拠点施設として札幌市立中島公園内に設置された来年20周年を迎える施設である。愛称は市民から公募され、選ばれたKitaraという名前には、ギリシャ神話の音楽神アポロンの楽器「キターラ」と「北」の意味が込められている。
同施設は、札幌市が設置しており、2,008席を有するアリーナ型の大ホール、2階バルコニー席を持つ伝統的なシューボックス型で453席を有する小ホール、大ホールステージとほぼ同じ床面積を有するリハーサル室のほか、テラスレストラン、ショップ、託児ルームなどを備えている。管理運営は、指定管理者制度により(公財)札幌市芸術文化財団が行っている。
同財団は、同施設のほかに札幌芸術の森、本郷新記念札幌彫刻美術館、札幌市教育文化会館、札幌市民ギャラリーの指定管理を行うとともに、平成30年開館予定の札幌市民交流プラザの指定管理者として選定されている。
同施設は、同財団のコンサート事業部が管理運営を行っているが、事業体系は、大きく二つに分かれている。一つは、貸館や施設の維持管理等を行う管理運営事業、もう一つは、主催事業である。主催事業としては、世界的に著名な演奏家の招へい等を行い、音楽のすばらしさを伝える音楽鑑賞事業、札幌ゆかりの音楽家の活動支援などを行う音楽普及事業、子供や青少年を対象とするプログラムや演奏家育成セミナーを行い音楽で人を「育む」教育・人材育成事業など7つの事業を行っている。なお、主催事業は、年間50本から60本ほど実施しており、同事業部の事業課事業係8人で企画や運営などを行っている。
例年、同施設の稼働率は、概ね大ホールが85%から90%、小ホールが60%から70%程度であるが、全国公立文化施設の平均稼働率よりも非常に高い数字となっている。これは綿密に計算された音響効果によるコンサートホールとしての高い評価もその理由の一つとして考えられる。総入場者数は、36万人から37万人で推移しているが、そのうちの約1割が主催事業によるものであるとのことであった。
概要説明の後、施設を視察しながら活発な質疑応答が行われた。
以上のように、札幌コンサートホールKitaraの指定管理者の取組について調査できたことは、本県にとって大変参考となるものであった。

(4)安田侃彫刻美術館アルテピアッツァ美唄

(地域振興の推進について)

【調査目的】

安田侃彫刻美術館アルテピアッツァ美唄は、平成4年に美唄市出身の世界的彫刻家である安田侃氏の構想の下に、同氏の思いに共感した多くの人々の尽力により、閉校した小学校跡地を活用し世界でも希有な彫刻公園として開園した。展示空間としてよみがえった校舎や体育館では、様々な展覧会やコンサートなども開かれるようになった。同美術館は、北海道内だけでなく全国的にも高い評価を受け、平成14年に安田氏が「井上靖文化賞」と「村野藤吾賞」を受賞したこともあり、年間3万人を超える来場者が訪れるなど地域の振興に寄与している。 
今後の本県における地域振興の取組の参考とするため、同施設の取組を調査する。

【調査内容】

美唄市は、札幌市と旭川市のほぼ中間に位置する北海道の流通の要所である。また、道内有数の米どころであるとともに、ハスカップの生産量は日本一を誇る。一方、石狩炭田の一角である美唄炭鉱は、東側は丘陵・山岳地帯で、かつては三菱鉱業・三井鉱山の大規模炭鉱のほか、中小の炭鉱も多数拡がり、同市は、道内有数の石炭の町として栄えていた。
美唄炭鉱の最盛期である1950年代の人口は9万人以上を数えていたが、エネルギーが石炭から石油へと転換され、昭和48年(1973年)には市内全ての炭鉱が坑口を閉ざし、その翌年、同市の人口はついに4万人台を割り込んだ。昭和56年(1981年)、旧三菱地区で最後まで残っていた栄小学校が、併設する幼稚園を残して閉校した。
安田侃彫刻美術館アルテピアッツァ美唄は、同市の中央に位置する野外彫刻公園であり、「アルテピアッツァ」はイタリア語で「芸術の広場」を意味する。閉校された栄小学校の校舎や体育館の姿をほぼそのままに、美唄出身で世界的彫刻家の安田侃氏を中心に、行政や市民が協働して周辺の森林などを含む約3万㎡を再生するとともに、同氏の彫刻作品を敷地や建物内に展示し、平成4年にオープンした。今なお安田氏、行政、市民によって創り続けられている同美術館は、約7万㎡の広大な野外彫刻公園となって大自然とアートを一緒に楽しめる貴重な空間となっており、40点以上の同氏の作品が自然と溶け込むように展示されている。
同美術館は、入場料を徴収せず、自由にこの空間で過ごすことができるようになっていること、展示されている作品には作品名が表示されておらず、自由に触れること、順路の指定はなく自由に館内を楽しめることなど、いつでも誰でも気軽に訪れることができる場所を目指しており、世界的に類を見ない彫刻公園となっている。
平成17年4月、21世紀の新しい美唄を創造し、地域の更なる活性化に寄与することを目的として「NPO法人アルテピアッツァびばい」が設立され、平成18年4月から指定管理者制度により、同法人が美唄市から同美術館の管理運営を受託している。スタッフは常勤職員6人とパート職員、そのほか地元のボランティアの協力を得て運営している。
同美術館は、北海道内だけでなく全国的にも高い評価を受け、平成14年に安田氏が「井上靖文化賞」と「村野藤吾賞」を受賞したことなどから広く知られるところとなり、子供から高齢者まで幅広い層の人々が訪れ、この環境を活かした独自の芸術・文化イベント等によって多くの市民に親しまれている。毎月第1土曜日と日曜日には、「こころを彫る授業」という無心に大理石を彫る事業が開催されており、安田氏が講師を務める際には全国から参加者が訪れている。また、「炭山(やま)の記憶事業」に取り組んでおり、ゆかりのある人達がお盆に帰省するのに合わせ、歴史が分かる写真展を開催したり、炭鉱の商店街として栄えた「我路地区」を、過去を懐かしみながら歩く企画を行うなど、産業遺産を活用した取組も行っている。
概要説明の後、施設を視察しながら活発な質疑応答が行われた。
以上のように、安田侃彫刻美術館アルテピアッツァ美唄の地域振興の推進について調査できたことは、本県にとって大変参考となるものであった。


安田侃彫刻美術館アルテピアッツァ美唄にて

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議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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