ページ番号:63739

掲載日:2018年2月6日

ここから本文です。

企画財政委員会視察報告

期日

平成27年11月10日(火曜日)~11日(水曜日)

調査先

(1) 大井川鐵道(株)(島田市)
(2) 静岡県庁[地域政策課](静岡市)

調査の概要

(1)大井川鐵道(株)

(交通政策の推進について)

【調査目的】

大井川鐵道(株)は、静岡県に路線を有する私鉄である。路線は大井川本線と中部電力から運営を委託されている井川線からなり、大井川本線は蒸気機関車の動態保存、井川線は日本唯一のアプト式鉄道として知られている。
大井川鐵道の鉄道事業収入は、沿線人口の減少などから、その9割をSL列車への乗車を目的とする観光客から得る構造となっている。しかし、東日本大震災後の団体バスツアー客の減少に加え、平成25年8月に高速乗合バス走行距離規制が強化されたことによって、首都圏の多くの地域からの日帰り旅行が不可能となり、観光客が激減し、収益が急速に悪化した。
平成26年には、経営合理化の一環としてダイヤ改正を行うとともに、蒸気機関車「きかんしゃトーマス」の導入によって業績は改善したが、経営を立て直すには至らず、平成26年5月に地域経済活性化支援機構による再生支援が決定された。
現在は静岡銀行と北海道の企業「エクリプス日高」の支援により、経営再建を行っている。
今後の本県における交通施策の参考とするため、同社の取組を調査する。

【調査内容】

大井川鐵道(株)は、大正14年3月に設立された。本線は、昭和2年6月に、金谷横岡間で運転を開始し、昭和6年12月に全線が開通した。一方、井川線は井川ダム建設に伴う資材輸送のために設立され、中部電力から運営委託を受けて、昭和30年8月から営業を開始した。平成2年10月からは、ラックレールという歯型レールを使用した日本唯一のアプト式鉄道の営業を行っている。
同社の事業展開の転機は、昭和52年7月のSLの復活運転である。当時は沿線の過疎化が進み、モータリゼーションの普及により定期旅客が減少の一途をたどっていたため、観光客の集客を目的として、SLの運行を再開したという。当時は電化の影響でSLが廃止となった時期であり、SLの運転はこれまでの世代にとっては懐かしく、これからの世代にとっては珍しいという印象を与えた。
その後、「きかんしゃトーマス」の運行事業にも取り組み、話題を呼んだが、赤字を解消するまでには至らなかった。そこで、今年9月から新しい経営陣による事業再生が開始され、現在、様々な角度から営業体質の改善に取り組んでいる。
これまでは、営業面において予約受付を行う電話対応者やイベントにおける営業スタッフの不足により、十分なセールス活動ができないという課題があった。そこで、予約システムの変更を行うとともに、新たにパート電話オペレーターを採用し、営業職が営業に特化できるような体制作りを進めている。
一方、沿線乗客が減少し続けていたため、昨年3月に大幅な減便を行ったところ、近隣住民の鉄道離れが更に加速してしまった。そこで、同社は、永続的に大井川鐵道を運営するため、沿線乗客を含めた利用者が利用しやすい鉄道を目指し、二つのプロジェクトを立ち上げた。
まず、SLの発着駅を現在の東金谷駅ではなく、JRとの乗換が可能な金谷駅に変更するものである。これにより、SLの客はJR駅から直接SLに乗車することができ、利便性が上がり、乗客数の増加が期待できるという。
次に、適正ダイヤプロジェクトで、これは、以前大幅に変更したダイヤを、採算面に考慮しながら便数を調整したり、本数を変えず発着時間の見直しを行い、運行間隔の平均化を検討するといった議論を行うものである。
どちらのプロジェクトについても、実現に向けての課題は山積しているが、現状を打破するために、若手職員が中心となって取り組んでいるという。
概要説明の後、エクリプス日高が同社の経営支援を行うこととなった経緯、経営支援による同社の変化、地元自治体との関係、SL運転の免許制度、SLの耐用年数、事業の方向性等について活発な質疑応答が行われた。
以上のように、同社の取組について調査できたことは、本県の交通政策を実施していく上で大変参考となるものであった。

大井川鐵道(株)にて

(2)静岡県庁

(県行政の総合的企画について)

【調査目的】

静岡県では、平成25年から「内陸フロンティア」を拓く取組を実施している。
本取組は、首都圏と中京・関西圏を結ぶ日本の大動脈の安全性を確保するため、内陸・高台部に津波の心配のない先進地域を築く一方で、沿岸・都市部では防災・減災対策を進めることで均衡ある発展を目指すものである。
そこでは、「防災・減災機能の充実・強化」、「地域資源を活用した新しい産業の創出・集積」、「新しいライフスタイルの実現の場の創出」、「暮らしを支える基盤の整備」という4つの基本目標、「沿岸・都市部のリノベーション(再生)」、「内陸・高台部のイノベーション(革新)」、「多層的な地域連携軸の形成」という3つの基本戦略を掲げ、同県を取り巻く課題を的確かつ重点的に解決するための体制を整えている。
今後の本県における総合的な企画立案の参考とするため、同県の取組を調査する。

【調査内容】

国の南海トラフ地震における被害予想によると、静岡県では、人的被害が10万9,000人、経済被害が21.4兆円とされている。そうした中で、同県は地震防災対策として平成25年にアクションプログラム2013を策定し、推進している。同プログラムでは人命を守ることを最重視するとともに、ハード・ソフトの両面からの充実・強化、可能な限りの避難の軽減を想定している。
「内陸フロンティア」を拓く取組は同プログラムを基に作成されており、防災・減災対策の強化により東日本大震災の復興のモデルとなり、新しい高速道路等の開通を契機とした内陸部の発展を中心とした美しく品格ある地域づくりの実現を理念としており、4つの基本目標と、3つの基本戦略が策定されている。
同県は、同取組の理念を実現するためにはまずはモデル地区が必要であるとの考えから、総合特区と内陸フロンティア推進特区の指定に力を入れている。
総合特区については同県から申請を行い、国から平成25年2月に区域指定を受け、同年の6月に計画認定を受けた。これにより、国の地域活性化総合特区制度に従い、規制の特例措置等の提案、支援利子補給金制度の活用が可能となった。内陸・高台部を開発するための規制緩和を求めるということが大きな狙いであった。
また、総合特区において利子補給金が認められ、新たに使えるようになった。これは、総合特区の対象区域の事業者が指定金融機関から融資を受けて対象事業を行う場合、最大0.7%の利子補給を5年間受けることができるもので、これまでに16件で活用されている。
内陸フロンティア推進区域は、「総合特区区域」又は「規制の特例措置を要しないで内陸フロンティアを拓く取組の基本理念に適合する事業を行う区域」とされ、事業エリアが明確化され、計画の熟度が高く、事業の推進体制が整っている区域を、市町の申請に基づき県が指定し、重点的かつ集中的に支援を行うものである。これは総合特区として広く募集をしたところ、多くの地域で事業の実施希望があったため、国の総合特区を補う形で県が独自に策定したものであるという。これまで第1次から第4次まで区域指定が行われており、合計で53区域が指定されている。
こうした取組を進めるに当たっては、県や市町だけではなく、地域が一体となる推進体制の構築が必要である。そこで、県・市町といった行政による推進会議のほか、経済団体や組合連合会等で組織される地域協議会や民間企業を中心に内陸フロンティア推進コンソーシアムが構成され、相互に連携・協力を行っている。
概要説明の後、総合特区支援利子補給金を活用した民間企業との取決め内容、数値目標達成のための具体的プラン等について、活発な質疑応答が行われた。
以上のように、調査できたことは、本県にとって県行政の総合的企画を進める上で大変参考となるものであった。

お問い合わせ

議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?