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掲載日:2026年2月12日

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企画財政委員会視察報告

調査日

令和7年11月12日(水曜日)~13日(木曜日)

調査先

(1)群馬大学次世代モビリティ社会実装研究センター(前橋市)
(2)八ッ場ダム(群馬県長野原町)

調査の概要

(1)群馬大学次世代モビリティ社会実装研究センター

   (交通政策の推進について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 人口減少や高齢化が進む中、地域交通の維持・確保を図るために、次世代の交通手段を整備する必要がある。

■視察先の概要と特色

  • 群馬大学次世代モビリティ社会実装研究センターは、次世代モビリティに係る多数の関連企業と共同・受託研究契約を締結しているほか、全国での自動運転実証実験の展開や、自治体や関連企業と連携して自動運転や遠隔制御運転など最先端技術の社会実装化を進めている。
  • 同センターは、完全自律型自動運転とスローモビリティの社会実装研究を目的に、同大学の附属機関として平成28年に設置された。
  • 現在は四つのプロジェクトを掲げており、自動運転だけでなく、低速電動バスやNNCモビリティなど、地域課題の解決に資する研究を進めている。
  • 約6,000平方メートルの専用試験路を有しているほか、群馬県内市町村だけでなく、東京都や神奈川県でも実証事業を行ってきた。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 同センターのミッションは三つあり、一つ目が、実際の研究開発、二つ目が、それを社会実装するためのまちづくりや社会問題への対応、三つ目が、いろいろな方にお越しいただいたり、講演会を開くなど、技術交流の場を提供するというものである。
  • 自動運転プロジェクトでは、運送業界の2024年問題を受け、安中市の運送会社と共同で、構内での完全自動運転、レベル4の実証事業を行っている。まだ幾つか課題はあるが、倉庫からトラックへの荷物の積込みの際、フォークリフトの作業者がボタンを押すとトラックが次の倉庫まで自動で動く仕組みを構築している。
  • スローモビリティプロジェクトでは、同大学理工学部が開発した時速20km以下の低速電動バスを利用し、地域実装に向けた仕組み作りなどを研究している。当該車両は、全国20か所・50台程度納車されている。その中で最も規模が大きいのは、東京都豊島区のIKEBUS(イケバス)であり、10台が運行している。

■質疑応答

Q:自動運転に関する法整備は進んでおり、レベル4の実験も可能だが、日本では余り実験が進んでいない。進めていくには、行政等はどのような後押しをしていくべきか。

A:予算的にもだが、実験のために様々な許可を得なければならない。しかし、それは、安全にきちんと配慮した国という捉え方もできる。街の環境や道路事情も違う。いろいろなハードルや障壁があるのではないかと思う。

Q:自動運転を必要としているのは過疎地だが、電波や山道など課題があるという話であった。そのような課題はどのようにクリアしていくのか。

A:過疎地では、国の試験研究は行えてもビジネスとしては難しい。日本は、過疎地や高齢化という観点から導入しようとするが、そこが外国と大きく違う。しかし、地方での移動手段の確保は必要なので、スローモビリティのような人が介在する形もあると考えており、自動運転だけが次世代モビリティではないと考えている。

(2)八ッ場ダム

渇水対策の取組について

【調査目的】

■本県の課題

  • 本県の水資源は、利根川・荒川の二大河川を主としているが、気候変動による少雨や降雪量の減少のため、水不足が懸念されており、渇水への対策は急務である。

■視察先の概要と特色

  • 八ッ場ダムは、利根川流域の中で最大の洪水調節容量を誇る洪水調整等を目的とした多目的ダムである。同ダムの整備により利根川上流ダム群の非洪水期利水容量が約2割増加するなど、渇水対策としての効果も大きい。
  • 洪水調整や首都圏を含む利根川下流部への水道等の供給を目的として、令和2年4月から運用を開始している。
  • 本年夏の少雨のため、同ダムの貯水率は著しく低下しており、ダム完成以来最も低い水位を記録した。
  • 国土交通省では、利根川上流9ダムの貯水率低下を受け、本年9月に利根川水系渇水対策連絡協議会幹事会を臨時開催している。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 八ッ場ダムは、昭和22年、利根川が加須市で決壊したカスリーン台風をきっかけに事業が始まった。もし、今の加須市付近で決壊した場合、浸水面積は約530㎢、浸水区域内人口約230万人、死者数は約2,600人と試算している。
  • 徳川幕府が利根川を東遷したことにより、埼玉平野は大穀倉地帯となった一方、洪水被害が発生すると、非常に大きなものになってしまうという反面の要素を持っている。
  • この夏の渇水については、平成24年の渇水とほぼ同様の状況だったが取水制限を回避できた。八ッ場ダムがなければ今年も取水制限の可能性があった。

■質疑応答

Q:気候変動によって渇水など今後更に厳しくなると思われるが、将来を見据えてどのような利水の措置ができるのか。

A:本来は、利根川の上流にもう少し利水用のダムがあれば、より安定的な水供給ができると考えている。下流部では北千葉導水において流況の調整を行っているほか、霞ヶ浦導水事業も進めており、これらにより東京都や埼玉県へ、より一層安定的に水供給ができるので、まずはそちらを完成させたいと考えている。その上で、地球温暖化による少雨傾向に対応するため、更なる対策を行う場合は、各都県と相談しながら、治水の安全度を高める方策について、いろいろな施策を講じてきたい。

Q:観光の観点でどれくらい人が増えたのか。また、どのような取組を行っているのか。

A:年間約400万人が訪れる草津温泉から、車で30分ほどのため、その約1割が八ッ場ダムに来ている。ダム周辺地域の活性化のため、定期的に水源地域ビジョンを開催するほか、埼玉県とは上下流交流として、建設時から小学生が長野原町を訪れている。

Q:八ッ場ダムならではのスマート化、AIなどの取組はあるのか。

A:日本一の29段連続サイフォン式放流管が付いている。ダム湖は、湖面から湖底で約20度の水温差があるため、上下流の温度を計測し、極力環境に負荷をかけないように温度を調節して放流している。また、ダム堤体内の異常の発見、状況の報告ができるようにするため、ダム堤体内にWi-Fiの整備を進めている。

八ッ場ダムにて議員とスタッフの集合写真

八ッ場ダムにて

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議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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